道本部は1月8~9日、札幌市・自治労会館(1/8)および京王プラザホテル(1/9)で「2016国民春闘討論集会」を開き、137単組総支部・257人(うち女性18人・7%)が参加した。
大出・道本部委員長は、確定闘争について「人事院は昨年に引き続き賃金・一時金ともに、引き上げ勧告を行ったが、人勧の取り扱いが決定されないなど、異例の状況下での取り組みとなり、多くの単組が年をまたいでの闘争となっている。2月10日を第2次の山場に設定し、人事評価制度・等級別基準職務表の条例化の問題も含め、春闘前段のたたかいとして取り組みを強化していく」と述べた。
2016国民春闘について「経済・雇用情勢では、金融緩和によって円安・株高となっているが、円安による輸入物価の上昇はむしろ家計を圧迫し続け国民生活の向上にはつながっておらず、景気回復といった実感はない。今春闘では、労働者への適正な配分を求めて行くことが重点だ。自治労としては、春闘討論集会をふまえ中央委員会で春闘方針を決定するが、春闘を年間賃金闘争のスタートとして位置づけたたかいを展開していく」と強調した。
政治闘争について、「立憲主義・民主主義を否定する安倍暴走政治は一刻も早く終わらせなければならない。私たちの賃金・労働条件は政治とは切り離すことができない。衆議院北海道第5区補選では、『池田まき』さん、第24回参議院選挙では自治労組織内『えさきたかし』さん、北海道選挙区『徳永エリ』さんの推薦決定を行っている。連合、国会内での発言力も含め、私たちの代表を国会に送り込むことが求められている」と述べた。
最後に、「多くの課題が山積しているが、組合員にたたかいの意義や必要性を丁寧に説明し、『春闘から参議院選挙闘争』へ多くの組合員が結集できるよう各単組・総支部の取り組みを強化してほしい」と呼びかけあいさつした。
基調講演Ⅰは、斉藤勉・連合北海道副事務局長が「2016春闘に係る連合北海道の取り組み」と題して講演した。
斉藤副事務局長は、アベノミクスや安倍政権が掲げる『1億総活躍社会』をはじめ、大企業優先の経済政策を批判しながら、「一部の貧困が全体の貧困を招いてしまう。産業別の賃上げは重要であり、情報を共有し共闘することを意識してほしい」と述べた。
第1分科会は、「当面する交渉課題について(2015人勧・人事評価)」と題して、ラスパイレス指数の問題や2006の給与楮構造改革、2015の給与制度の総合的見直しについて、意図的に地方公務員の賃金水準が引き下げられてきているということについて学習した。また、また、地公法改正に伴う人事評価制度の導入について、空知地本・津別町職での状況を全体化しながら、制度導入の目的は人材育成であり、導入に当たっては、労使の協議・交渉・合意を前提とすることや、等級別基準職務表の条例化の課題について、改めて意思統一した。
第2分科会は、「組織強化・拡大について」と題して、自治労本部・角本組織部長が、第4次の組織強化拡大のための推進計画のポイント、地方公務員の人員削減傾向の変化、インセンティブ改革やトップランナー方式をはじめとした骨太方針2015について説明し、職場における諸課題、地方財政確立の取り組みと組織強化・拡大の取り組みを、一体のものとして取り組まなければならないことを全体で確認した。
2日目の基調講演Ⅱは、高橋若木・大正大学講師が「民主主義と労働運動~市民とどう結びつくか」と題して講演した。
高橋さんは、自らが仕掛け人となったAEQUITAS(エキタス)での経験や、自民党が進めてきた新自由主義・極右化の歴史や問題点を語りながら「このままだと、若者たちが希望を持って生きていけない。手取りが10万円代から上がらないのでは、結婚もできない。ホームレスにはなりたくないという若者もいる。これは経済による若者に対する暴力だ。野党が協力し、共通の敵である安倍政権を打倒しよう」と呼びかけた。
全体討論では、春闘をたたかうための決意表明や、秋期闘争の成果と課題について意見・要望が出された。
最後に、三浦・道本部書記長が「春闘方針は、はじめて政治闘争と結合した方針としている。命と生活が脅かされているなかで、衆議院5区補選では『池田まき』の勝利を勝ち取り、参院選では自治労組織内『えさきたかし』と『徳永エリ』の圧勝にむけた取り組みを全体で進めよう」とまとめた。
今後、自治労道本部2016国民春闘方針は、各単組・地方本部での討議を経て、2月5日の道本部中央委員会で決定する。