2015年10年31日、道本部町村連主催の「町村職学習会」を札幌市・自治労会館で開催し、58単組86人が参加した。
冒頭、武山代表幹事は主催者代表あいさつで「人事院勧告で出された官民較差のほとんどが地域手当に配分されており、地方公務員は較差が解消されない。自治労のたたかいは町村職員の賃金・労働条件の水準を引き上げることでもあり、時間をかけてしっかり議論しなければならない。また、戦争法案だけではなく、安倍政権の下で何が行われているか考えた上で来年の参議院議員選挙闘争を進めなければならない。」と述べた。
続いて、第88回自治労定期大会で委員長に信任された川本自治労中央執行委員長から記念講演「自治体職員を取り巻く状況と課題について」を受けた。
川本委員長は国会の状況について述べた上で「人事院勧告については、年内に閣議決定、副大臣通知の発出、という取り組みを進めているが国会は越年が濃厚となっている。地本で意思統一して、各単組が『国が実施したら直ちに実施する』という確認をして頂きたい。」と、人事院勧告に係る情勢を述べた。また、自治労本部の取り組みについて「総務省、厚労省、財務省、人事院などと交渉や申し入れしているが雇用関係などはない。しかし総務省については『地方自治を守る』という点では一致しており、また、総務省は『現場を持っている』ということで自治労の意見を聞き入れる。」と述べ、最後に「自治労の交渉力、影響力を高めるためにも『えさきたかし』の圧勝を勝ち取らなければならない。」と、来年の参議院議員選挙闘争の重要性を強調した。
学習会では、根本道本部賃金労働部次長から講演「2015賃金確定闘争と人事評価制度について」を受けた。根本次長は2015人事院勧告の問題点について解説した後、「2015人事院勧告の問題点については来年以降もあり得ることであり、地方公務員給与水準の課題を含め、単組はもちろん、当局側にも理解させることが重要。」と述べた。また、人事評価制度については「導入の目的が重要であり、国の目的をそのまま準用する当局は、町のそれまでの政策、方針を無視している。」と締めくくった。
続いて、岸自治労本部組織対策局長から講演「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」を受けた。岸局長は「私の出身自治体では2カ月に1度、労働安全衛生委員会が開催されており、メンタルなどほとんどなかったが、合併後は委員会が開催されなくなり、組合員のメンタルや自殺が出てしまっている。また、今年3月に起こった秋田県乳頭温泉の事故では自治労の組合員が1人亡くなっている。ガスマスクを着用していれば問題なかったが、研修を受けていなかった。」と、事例を述べて労働安全衛生の重要性を訴えた上でストレスチェック制度について解説し、最後に「採用抑制と権限移譲により、自治体職場は1人当たりの業務量が急増し、メンタルが増えてしまっている。労働安全衛生について単組でも考え、当局側にも認識させて頂きたい。」と述べた。
最後に質疑応答を行った後、参加者アンケートへの記入をお願いし、学習会を終了した。