道本部は6月26~28日、札幌市・自治労会館で、『活動家育成(集中)講座~後期~』を開いた。
この講座は、各地方本部からの推薦を受け、5月に前期課程を修了した20人が参加した。
後期課程は、前期同様、学習と交流、実践を意識した班編制でグループワークからはじめた。グループワークでは、班長・書記・発表者をそれぞれで決めて、班で参加目的を出し合い、班の共通目標を決めて発表した。
班の目標は、「給与制度を身につけよう!」「お金と情報発信に強くなろう!」「賃金制度を学び、今後の人勧期等の賃金闘争の交渉に活かす!」「賃金に強くなろう!」と、それぞれの班から、なぜこの目標にしたか、目標にむけた講座の取り組みなど、4班すべてが発表し、全体でそれぞれの目標を確認し合い、後期講座に望む姿勢を明確にした。
後期講座第1日目は、前期から引き続き講座10から〈実践編〉として学習した。
講座10は、根本・道本部賃金労働部次長から「諸手当の種類とその考え方」を自治体における諸手当の根拠や位置づけなどを学び、講座11では、櫛部・道本部賃金労働部長から「2006給与構造改革と2015給与制度の総合的見直しの課題」と題して、この間の給与制度改革や総合的見直しの問題点を明らかにし、単組における活用をめざした。
一日目の最後に特別講座として「労働組合と政治闘争」と題して、竹中政治部長から、なぜ労働組合が政治闘争を行うのかの講座を取り入れた。賃金についても「民間には賃上げ要請を行いながら、総合的見直しをはじめ、公務員へは人権の抑制が続くことも政治の世界で行われること」「さらに自治体では賃金改善をはかるにも議会の承認を要する」「生活面でも原発や安保法制なども政治の政界で多くが決められている」などの例をあげ、労働組合として、賃金・労働条件改善をはかるにも政治とは無関係ではないことが話された。
後期講座二日目は、櫛部賃金労働部長を講師に講座12「労働法制見直しの主要な論点」、講座13「地公法改正・等級別基準分類表とわたり問題」、講座15「給与制度関係の補講」、講座16「公務員労働者の勤務時間制度」、講座17「週休日・休日・休暇関係の概要と交替制勤務」についてと、演習Ⅲで「週休日・休日等の勤務と時間外勤務・休日給」と題して休日勤務への配慮や時間外・休日勤務手当についての解説などを行った。
櫛部部長の講座では、先日衆議院を通過した労働法制について、参議院での60日要件で衆議院に差し戻し、圧倒的多数の数の力で可決される見通しであることや、労働法制改正における問題点について話され、また、その他の講座では、今後交渉などに関わる課題の講座が行われた。
また、和田組織部長より講座14「共済組合制度」と題して、現在の共済制度の取り巻く状況や、この10月から年金一元化により共済年金制度が厚生年金に統一され、標準報酬制に移行すること、さらには医療関係についても話がされた。
後期講座三日目には、渡部教育情宣部長から演習Ⅳ「教宣紙をつくろう」と題して、教宣紙の意義やつくるにあたっての注意するべき点などの 講演を受け、班ごとで実際に教宣紙を作成した。
教宣紙は、前期・後期の活動者育成講座の中で特に組合員に伝えたい講座について記事を書き、指定された枠に収まるように標題や文章、写真を入れた教宣紙を作成し、それぞれの班で、教宣紙の内容について発表した。
時間の関係で教宣紙は、すべての班で「完成」はしなかったものの、それぞれが意味を持った教宣紙を作成し、なかには、教宣紙に載せるスケジュールに、この講座を受けて班の方が、今後、地方本部専従者、道本部専従者、そして道本部書記長になるまでのスケジュールなどを盛り込み、特色のある教宣紙ができあがった。
2015年度活動家育成(集中)講座の最後に、峰崎直樹道本部学校学監から「講話~今、問われていることは何か~」と題して、最近の国会の状況や、現在の民主主義の状況、さらには社会保障・税一体改革について話をされた。峰崎さんは、「最近の国会、労働法制や安保法政など、国民の多くが反対しているにもかかわらず内閣支持率がそんなに落ちていない。そうした状況になっていることが問題」「一総理で物事を決める。また、労使対等といいながら労働者が会社の一部としての労働者になっていると思われる。民主主義が資本主義的民主主義になりつつある」「社会保障は、年1.2兆円の自然増があるが、安倍総理は5000億円にまで圧縮しようとしている。米国式のお金のある人は高度な医療を受けれて、ない人は受けられない社会にしようとしている」「米国型は教育にすでに表れている。塾や家庭教師など教育水準も生まれた家庭状況によって左右されている」など話され、現代社会の問題にもふれられた。
最後に、参加した20人に「修了証書」を峰崎学監より授与し、「過去には1週間ほど、昔の自治会館で寝泊まりして、こうした講座を行ってきた。講師・受講者で交流も行いながら実践することで、生涯の仲間となった」「自治労運動の背景も大きく変わってきている。社会情勢から運動が大変だと思うが、単組や地方本部で今回の経験を存分に発揮してほしい」など、閉講にあたってあいさつし、前期・後期に及ぶ2015年度活動家育成(集中)講座を終了した。
※以下、各講座の資料をアップしますので、ダウンロードしてご活用ください。
10-1 諸手当の種類とその考え方 10-2 資料扶養手当問題(経済財政諮問会議)
11-1 給与構造改革と給与制度の総合的見直し 11-2 2014人事院勧告の概要と解説(活動家育成集中講座) 11-3 2006給与構造改革の水準引き下げと給与制度の総合的見直しによる水準の引き下げ(資料) 11-4 都道府県別民間賃金指数(2011~13年平均) 11-5 地域手当・広域異動手当等の併給調整などの資料 11-6 地方公務員の給与制度の総合的見直しに関する検討会報告書の概要
12-1 労働法制の見直しにおける主要な論点 12-1-1 第189通常国会における雇用・労働関係法案の審議状況 12-1-2 解雇の金銭解決制度関係資料 12-2 2016年にサラリーマンの残業代がゼロになる 12-3 労使双方にメリットあり!? 「限定正社員」の可能性と課題を正しく理解しよう(企業実務TOPICS) 12-4 アメリカのWEの見直しの動向について(20150508現在) 12-5 労働基準法の一部改正 法律案新旧対照条文
13-1-1 級別職務分類表とわたり問題について 13-1-2 北海道の級別標準職務表 13-1-3 平成25年度 級別職員構成の状況(国・都道府県) 13-1-4 地方公務員の給与とその適正化(給与の適正化) 13-2-1 地公法改正の概要と等級別基準職務表の条例義務化問題について 13-2-2 地公法改正の概要 13-2-3 別紙_人規9-8_行(一)級別標準職務表 13-2-4 別表_昇格比較(3級試算) 13-2-5 270410+地公法改正運用通知(等級別基準職務表等)
16-1 公務員労働者の勤務時間制度 16-2 フレックスタイム制の公務への適用について 16-3 フレックスタイム制の各制度間の比較 16-4 国家公務員における各種勤務時間制度 16-5 フレックスタイムの精算期間について(20150430) 16-6 資料 第一章地方公務員の勤務時間、休日、休暇制度 16-7 資料 勤務時間の判断基準
17-1 週休日休日休暇関係の概要 17-2 資料 休憩時間 人事院規則15-14及び北海道勤務時間条例 17-3 資料 休息時間 人事院規則15-14及び北海道勤務時間条例 17-4 参考 週休日の振替を行った際の時間外勤務手当措置の考え方 17-5 資料 時間外勤務60時間超の取扱いについて 17-6 資料 年末年始の休日に係る週休日の振替等と時間外勤務手当等との対応例 17-7 資料 休日に係る週休日の振替等及び代休日の指定と時間外勤務手当等との対応について① 17-8 資料 北海道職員の勤務時間条例および人事委員会規則 演習Ⅲ-1 週休日の振替等と時間外勤務手当との対応について(演習付) 演習Ⅲ-2
Ⅳ-1 レジュメ(教宣紙をつくろう~誰でも気軽に教宣紙づくり) Ⅳ-2 資料①(レイアウト・禁じ手) Ⅳ-3 機関紙枠 Ⅳ-4 文章の要約【例題・模範解答】