道本部現業公企評議会は10月19日、「2013年現業公企統一闘争全道総決起集会」を開き、28単組・総支部64人が参加した。
集会では主催者を代表して浅野・道本部現業公企評議会議長が「集中改革プラン以降、地方公務員に対する攻撃は厳しさを増している。一方、東日本大震災以降も全国各地で頻発している災害で、住民の生命と財産を守るという基本的な機能を十分に果せない状況に自治体が陥っていることが判明した。また、今年の人事院の報告では技能労務職のさらなる給与水準の抑制と合理化の促進が必要とされた。これは、2007年の第1次安倍政権のもとで進められた賃金センサスの公表に基づく取り組み方針の完結を求めるものだ。今集会では住民から必要とされる自治体の現場力を確立するために、全ての単組でたたかいの基本を実践して組織の強化と公共サービスを担う全ての労働者の賃金労働条件、生活の維持改善にむけて意志統一をはかる集会としよう」とあいさつした。
その後、藤盛・道本部副執行委員長が「賃金確定闘争について単組独自の課題があるところは労使交渉が果敢に行われることになるが、独自課題がない単組は勧告がなかったことで確定闘争が機械的に進むのではないかと危惧している。単組段階でもこのことを認識し、雇用と年金の接続の課題や単組、職場個別の要求なども盛り込み確定闘争を推進してほしい。あわせて国公の特例削減を来年の3月でしっかりと終わらせ、来年度以降の地方財政を確立していくことが、確定期から政府が新年度予算を確定する時期までの一番の課題となる。国は本年、地公給与の削減を行わなかった自治体に直接ペナルティは課さないとの考え方を示しているが、しかし来年度以降の交付税に『何らかの形でこうした状況を盛り込んだものにしていく』ことを言及している。今後、地財の確立と国公の独自削減を3月末で終わらせるたたかいは正念場を迎える。それぞれの地域でしっかりとしたたたかいをお願いする」と決意を込めてあいさつした。
牧野・自治労本部現業局長は「今年の人事院の報告では運転手、守衛などなざしで民間委託の推進と行(二)職員のさらなる削減と給与水準の見直しを行えとの報告がされた。政権交代で巨大な自民党政権ができあがったことにより、政府・自民党の意向を受けて自治労に対する攻撃が明らかになった。本部としては断固反対の姿勢で国会及び総務省対策を強化して取り組みを進めていく。県本部・単組での取り組みの強化についてもお願いをする」とあいさつした。
その後、櫛部・道本部賃金労働部長が、業務委託による技能労務職員の削減や地域間の給与配分の見直しなど給与制度の総合的な見直しなど「2013人事院勧告について」と題し講演した。講演では技能労務職員の給与決定の仕組みや第1次安倍政権の直後進められてきた技能労務職員をターゲットとした賃金抑制、削減攻撃について説明を行ったうえで、2013人事院報告について説明した。
櫛部・賃金労働部長は「今年の報告は次年度以降、勧告となるのかはわからないが、現在取り組みを進めている現業公企統一闘争と賃金確定闘争を結合した秋季闘争以降のたたかいが極めて重要になる。公務員連絡会としても18日に総会を開き、人事院報告に対する対応方針を固めることになっているが、道本部としてもこれら中央本部の方針に基づき、来年の人事院勧告期までを見据えて対応方針をしっかりと確立し対策を強化していく。極めて政治的に事が進められる状況も想定がされるが、最後は協約締結権があることを盾としてしっかりと反撃を組織し、自治労のスケールメリットを生かした取り組みを行わなければならない。自治労へしっかりと結集してほしい」と強調した。
その後、西川徹二・大阪府本部現業対策部長が、「橋下市長のもと大阪で起きていること」と題して、橋下市長のもと労働組合つぶしとして行われてきた数々の不当労働行為の状況や職場の組合活動を極端に制限する「労使関係条例」の制定など組合の団結権の破壊と職員への人権侵害の状況や極端な市場原理主義にたった民営化の攻撃などの状況について報告した。講演の中で西川さんは「大阪市の問題はもともと大阪市の職員厚遇問題であったが、マスコミによって議論はすり替えられ、労働組合バッシングに変わった。また、自治労に対する攻撃として、『民間活力の導入』を謳い、『指定管理者制度』の導入などで規制緩和を進めてきたことにある。このことによって、公務員だけが優遇されているかのような構図がつくり出され、行き過ぎた集中改革プランの実施につながった。橋下という人物はこうした時代背景のもと、あたかも国民・市民の味方のようなポーズをとることで、圧倒的な支持のもと、不当労働行為や人権侵害を繰り返し、大阪の自治と公共サービスを破壊してきた。すなわち、大阪市で起こっている現象は全国のどの自治体で起こっても不思議ではないということであり、日常的な組織の点検を行い、現業・公企労働者が有する権利を活用して運動の強化をはかることが重要だ」と話した。
その後、大西道本部現業公企評事務局長が課題を提起し、里・上川地本現業議長、中村・日高地本現業評議会議長からそれぞれ決意表明があり、集会宣言を全体で確認した後、秋期闘争を職場・地域からしっかり実践していくことを確認し浅野議長の団結ガンバローで集会を終えた。