【本部情報】公立病院ガイドラインに対する自治労見解
総務省は2007年12月24日公立病院改革ガイドラインを公表し各自治体に通知しました。
ガイドライン(ポイント)及び自治労見解を下記の通り添付しました。
Download file ←「公立病院改革ガイドライン」への自治労見解
Download file ←公立病院改革ガイドラインのポイント
総務省は2007年12月24日公立病院改革ガイドラインを公表し各自治体に通知しました。
ガイドライン(ポイント)及び自治労見解を下記の通り添付しました。
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総務省は12月28日、自治体財政健全化法のもと規定される財政指標の算定式、財政健全化基準等を内容とする政令を公布しました。関係政令、自治労の見解は別添のとおりです。
なお、法施行令を踏まえ、財政規模に応じて設定される市町村の実質赤字比率や実質連結赤字比率の早期健全化基準等の内容(自治労本部作成)についてもご覧下さい。
Download file ←①自治労の見解
Download file ←②政令の概要
Download file ←③地方公共団体の財政の健全化に関する法律の一部の施行期日を定める政令
Download file ←④地方公共団体の財政の健全化に関する法律施行令
容量が大きくて添付できませんでした←⑤地方財政法施行令の一部を改正する政令
Download file ←⑥早期健全化基準の内容
自治労本部の情報
総務省は2月5日、自治体財政健全化法にかかわり、総務省令を交付した。
省令の内容は、財政指標の算定方法や早期健全化計画の策定に関わる報告様式を定めた法律施行規則となっている。
引き続き、2008年4月以降にかかる財政指標の公表や必要な情報収集など、対応を進めていく。
www.soumu.go.jp/menu_04/s_hourei/new_hourei.html#shourei
↑総務省のHPをご覧ください
本部情報
2月4日から5日に開催した、本部「地方財政セミナー」の資料でお知らせしました、普通交付税として配分される地方再生対策費の基準財政需要額の総務省試算結果を別添のとおりお知らせします。
地方再生対策費は、地方法人税の改正を含む地方税法改正、地方再生対策費の創設を含む地方交付税法等の一部改正法案が国会で成立した場合の試算結果です。地方再生対策費の算定方法の概要、留意事項、地方再生対策費分の基準財政需要額の各都道府県、市町村別の結果は別添のとおりです。
地方再生対策費は、地方法人2税を地方法人特別税として国税化し、地方法人譲与税として人口・従業員数を基準に道府県に再配分した結果、生ずる財源を格差是正分の財源として、約4000億円の地方再生対策費を創設したものです。この地方再生対策費を財政の厳しい自治体を中心に都道府県1500億円、市町村2500億円を普通交付税算定を通じて配分するものです。
別添の各自治体別の試算結果は、不交付団体の地方再生対策費分の需要額を含んでいるため、交付団体としては実質的に3700億円となりますが、地方交付税総額は増加する見通しにあることを想定しつつ、自治体予算編成などの交渉に臨んでいただきますようお願いします。
一方、地方再生対策費は、地方税を国税化し国の財政負担を伴うことなく地方間の財政調整により生じた財源であること、将来の地方消費税の充実を前提とする暫定措置であり、恒久的に交付税算定に組み込まれた経費でないこと、依然として政府の「基本方針2006」に引き続く歳出削減方針に変わりがないことなど、地方再生対策費が安定財源でないことに留意が必要となっています。
自治労としては、福祉、医療、環境など、公共サービスに関わる経常的経費を的確に基準財政需要額に算定させるとともに、地方税源や財政力格差の是正は、地方交付税が持つ財政調整機能と財源保障機能の堅持・強化を基本に今後の国会対策などに取り組んでいくこととします。
Download file ←地方再生対策費.
Download file ←地方再生対策費市町村試算額
Download file ←地方再生対策費都道府県試算
Download file ←地方再生対策費留意事項
(2008春闘情報No.1)
公務員連絡会は、2月15日、委員長クラス交渉委員が谷人事院総裁、増田総務大臣とそれぞれ会い、春季要求書を提出し、2008春季生活闘争を正式にスタートした。要求書では、官民比較方法の再度の見直しを行わないことを始め、公務員給与水準の改善、所定勤務時間の短縮、非常勤職員等の雇用と処遇の改善などを強く求めている。今後、3月3日の幹事クラス交渉、3.12中央行動時の書記長クラス交渉などを節々で配置し、3月19日の回答指定日に向け、政府、人事院を追い上げることとしている。
Download file ←道本部FAX情報
(2008春闘情報No.2)
公務員連絡会地公部会は、2月15日15時5分から、春闘期の要求について、全国人事委員会連合会に対する申入れを行った。
公務員連絡会側は、佐藤地公部会議長(全水道委員長)、金田企画調整代表(自治労書記長)、藤川地公部会事務局長、地公部会幹事が出席し、全人連側は、内田会長(東京都人事委員会委員長)はじめ、都道府県人事委員会のブロック代表および政令市の代表者が対応した。
冒頭、佐藤地公部会議長は、要請書(別紙)を手交し、以下の通り要請の趣旨を述べた。
(1) 地方財政の逼迫、地方公務員賃金引下げの政治的な圧力の中で闘われた2007地公確定闘争においては、人事委員会勧告の凍結や不完全実施、特例条例による賃金カットの提案が多くの自治体であり、例年以上の厳しい闘いを強いられ、今なお決着を見てない自治体もある。
Download file ←別紙
とりわけ、北海道の多くの自治体では第二の夕張にはなりたくないということから、赤平市の賃金30%削減提案をはじめ3分の2の自治体で削減が行われている。このような賃金や人員の削減は、組合員の生活や働く意欲の低下にとどまらず、公務公共サービスの低下や地域間格差の拡大を招いている。
(2) 同時に地域経済にマイナスの影響を及ぼしていることは経済界も指摘しており、私たちは地方6団体とも協力しながら地方財政確立と地域間格差解消の取組みを進めている。
(3) 地公賃金を巡っては、賃金水準の改善、標準的給与確立と、人事委員会機能強化が急がれている。全人連におかれては、勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることから、引き続き地方公務員の生活を守るという基本的な使命を十分認識し、その使命を果たされるよう要請する。
続いて、藤川地公部会事務局長が、要請書の課題について説明し、全人連としての努力を求めた。
こうした地公部会の要請に対し、内田全人連会長は以下の通り回答した。
【内田全人連会長回答】
ただいまの皆様からの要請につきましては、確かに承りました。早速、全国の人事委員会にお伝えいたします。
あらためて申すまでもありませんが、人事委員会の重要な使命は、公務員の給与等の勤務条件について、社会情勢に適応した適正な水準を確保することであると認識しております。現在、人事院及び各人事委員会は、本年の民間給与実態の実施に向け、民間給与実態を的確に把握できるよう、その準備を進めているところです。
折角の機会ですので、最近の経済情勢や春闘を巡る状況認識について、一言、申し上げます。
まず、去る1月18日に発表された政府の月例経済報告では、景気の「先行きについては、企業部門が底堅く推移し、景気回復が続くと期待される」とする一方、「サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の下振れリスクや原油価格の動向等が内外経済に与える影響等に留意する必要がある」としております。
先週のG7の声明においても、「世界経済はより不確実な環境に直面しており、G7各国の成長は幾分減速」するとされており、最近の株式市況の低迷もあって、景気の先行きが懸念されるところです。
また、既に2月上旬から始まっている本年の春季労使交渉では、企業業績が、過去最高を更新すると見られる好調な企業がある一方、円高や原材料価格の高騰により陰りが見えはじめた業種も見受けられることから、賃上げは企業によりまちまちになるだろうとの観測もあり、今後の春季労使交渉の行方が注目されるところです。
今後、各人事委員会においては、こうした社会経済状況の動向などを踏まえながら、本日の要請内容を含め、本年の勧告に向けて検討をしていくことになろうかと思います。全人連といたしましても、必要な点について、人事院や各人事委員会と十分意見交換が行えるよう、努めてまいりたいと考えております。公務員の給与を取り巻く環境は引き続き厳しい状況ではありますが、本年も中立かつ公正な第三者機関として、その使命を果たしてまいります。
自治労は、全人連への春闘期要求書の提出を起点に、地公部会構成組織とともに、春闘期の各人事委員会交渉をスタートさせ、全人事委員会に対する2月内要求書提出、3月19日までの回答交渉を行うこととしている。
公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)・連合官公部門連絡会が、2月14日に「『公共サービス基本法』制定を求める2.14中央集会」を開催しました。
公務労協情報No.21が出ましたので、お知らせいたします。
www.komu-rokyo.jp/ ←公務労協HP
現在、国会で継続審議になっている地方公務員法等改正案に対して、自治労は、反対の立場で国会対策に取り組むこととしています。
2月5日の自治労協力国会議員団会議で、このことについて説明した資料を、単組などでの学習会に役立てていただきたく、提供いたししますので、よろしくご活用ください。
Download file ←地公法等改正説明(パワーポイント)
地公部会が特別交付税減額措置問題で総務省と交渉-2/22(2008春闘情報No.4)
地域手当に係る特別交付税減額措置の問題について、公務員連絡会地公部会は2月22日、10時30分から総務省給与能率推進室長交渉を実施した。地公部会からは、藤川事務局長ほか幹事クラスが交渉に臨み、総務省からは前田給与能率推進室長、鶴巻定員給与調査官、岡田課長補佐、川崎財政課課長補佐らが対応した。
はじめに藤川地公部会事務局長から、人事委員会が勧告し、議会の条例改正等の手続きを経て支給されている地域手当について、国が財政制裁ともいえる措置を執ることについて認めることはできないとの立場から、次のことについて総務省側に質した。
(1)まず2007年3月の省令改正の内容とその考え方について説明していただきたい。その上で、本年3月省令改正にむけた検討状況を明らかにしていただきたい。
(2)地域手当の支給率は、それぞれの自治体の人事異動の実態等を総合的に勘案して人事委員会が勧告し、議会が条例を決定するという地公法で定められている手続きに則って決められており、住民にも説明責任が果たされている。総務省はこれについてどのように考えるか。
(3)各自治体においては、財政状況の改善を鑑みて、給与の独自カットを行っている。このような労使間の苦渋の選択を行っているなかで、さらに国が特別交付税で縛りをかけるということは非常に問題ではないか。
これに対して、総務省側は、次の通り回答した。
(1)特別交付税は地方の共有財源であることから、国基準を超えて支給している場合は、財源的に余裕があると判断し、特別交付税の算定において減額するという考え方にたっている。2007年3月省令改正では、地域手当と寒冷地手当が減額項目に加えられ、地域手当では国基準を上回る支給分の超過額10%が減額措置されたところである。
本年3月の省令改正では、新規の減額項目は検討していない。
地域手当について、昨年は、初年度ということもあり超過額の10%を減額した。超過額の全額を減額するのが本来の姿であるが、今後、減額率の引上げをはかっていくとの方向で検討をしている。
(2)地域手当の支給割合は、国の給与構造改革の例に則って決められていくべきものと考える。人事委員会勧告は、労働基本権の代償措置として基本的に尊重されるべきであるが、その前提として、勧告は、給与制度の趣旨に反しない範囲で行われるべきものと考える。今後も、地域手当の趣旨が没却されないよう、趣旨に沿って助言、要請していく。
(3)給与の独自カットは、厳しい財政の中で検討、実施されているものであるが、他方、特別交付税の減額は、自治体を縛るという観点ではなく、財源配分の公平の観点からの措置である。
これを受けて、地公部会側から、さらに次のことを追及した。
(4)財源の公平配分というが、観念論ではなく、自治体にとってはペナルティとして受け止めている。地方公務員法の給与決定制度からしても、問題である。
(5)地域手当は、地域性があるから地域手当の率をそれぞれの自治体で決めている。人事政策や生活圏、人材確保の視点から、各自治体が自主性、自立性をもって決めていることを尊重すべきである。
(6)地域手当に係る減額措置の今後の検討スケジュールや検討の内容は、どのように考えているか。
これに対して、総務省側からは、次の回答があった。
(4)特別交付税の減額措置はペナルティとしてでなく、公平・公正な配分としての措置である。
(5)当該団体の人事政策に関与しているのではなく、賃金制度とその適正な運用という観点から助言している。地方公務員制度全般からは国民、国会からの理解も重要である。
(6)スケジュールについて、3月の省令改正の時期は未だ決まっていない。例年だと3月中・下旬である。地域手当支給率の減額引上げ幅についても、まだ固まっていない。昨年末に特別交付税算定のための調査を実施し、その中で一定の率を乗じていたかもしれないが、それは特別交付税の算定需要をリサーチするための仮置の数字と見ていただきたい。
基本的には給与能率推進室が考え方を整理し、自治財政局の財政課で特別交付税の他の算定項目を含め全体的な調整を行うことになる。
最後に、藤川事務局長から「労働基本権の代償措置としての人事委員会の勧告や、議会の条例改正等の手続きをへて支給されている給与について、国が特別交付税を使って財政制裁措置を執ることは認めることはできない」との基本的立場を表明し、3月省令改正の内容が決定される前にあらためて地公部会との交渉をもつこと、また構成組織からの要請にも誠意をもって対応すること申入れ、交渉を終了した。
人事院の「両立支援制度の活用に関する指針(改正指針)」、「両立支援制度の利用状況等」調査結果等につい(2008春闘情報No.5)
人事院は、2月21日に「育児を行う職員の仕事と育児の両立支援制度の活用に関する指針」を改正し、「職業生活と家庭生活の両立支援のための制度の利用状況等」調査結果資料、パパとママの行動計画(2007年版)」(両立活用支援策活用リーフレット)を公務員連絡会に提示しました。
各自治体における両立支援に関する指針及び計画の改正など今後の両立支援策の取り組みの参考資料としてご活用ねがいます。 (資料を掲載すると重くなるため)人事院のHPにアクセスできるようにしています。
なお、人事院の「両立支援制度の活用に関する指針」については、この間制度導入がはかられた①早出遅出勤務(2005年4月導入)、②育児短時間勤務(2007年8月導入)、③部分休業の育児時間への名称変更(2007年8月変更(注)地方公務員は名称変更なし)ともない、改正されたものです。また、新旧対照表を見ると、これら3つの事項以外に関わる箇所で新旧の相違がありますが、記述の整理・補強であり、制度等の新たな導入・変更にともなう改正ではありません。
www.jinji.go.jp/kisya/0802/ryoritsugaiyo.pdf ←職業生活と家庭生活の両立支援関係制度の利用状況
www.jinji.go.jp/ikuzi/toppage.html ←人事院HP『パパとママの行動計画』指針とリーフはこちら
自治労は地域手当等に係る特別交付税減額の問題で総務省自治財政局交渉を実施-2/22(2008春闘情報No.6)
自治労は、人件費に係る特別交付税減額措置の課題について、2月2日の地公部会による総務省公務員部給与能率推進室交渉に続き、2月26日10時40分から総務省自治財政局交渉を行った。総務省からは、御園官房審議官(財政制度・財務担当)が対応し、前田給与能率推進室長、川崎財政課課長補佐、岡田給与能率推進室課長補佐が同席した。自治労からは、金田書記長、友利政治政策局長、江﨑労働局長、松本労働局次長ほかが出席した。
はじめに、金田書記長より、自治労の次の考え方について改めて説明し、自治財政局の見解を質した。
労使合意を踏まえ、議会の条例改正等の手続きを経て支給されている地域手当、寒冷地手当について減額措置の対象にしたことは、結果的に財政ペナルティ的なものとなっており、大変許しがたく、このような措置を執るべきではない。
とりわけ地域手当は基本給的な性格を持つものであることから、給与のさらなる引き下げを意味することになる。
そもそも、地域手当は、人口5万人未満の地域は対象にならない一方で、パーソントリップは町村でも対象になるなど、矛盾を多く含んだ制度である。
人材確保の観点や、人事委員会勧告制度などの給与決定システムに則り、各自治体で決めたことにペナルティをかけることは、各自治体の人事政策や給与決定システムを否定することではないか。
昨年の措置を撤回していただくのがわれわれの要求であるが、仮に、昨年の措置を踏まえざるを得ないとしても、附則で0.1とされた減額率を引き上げないでいただきたい。
これに対して、御園官房審議官からは、次の回答を受けた。
現在、特別交付税の配分作業を行っているが、昨年災害等が多かったので、とくに多くの要望を頂いている。
特別交付税の枠は、地方交付税全体の6%、本年度では9,000億円程度と地方財政全体から見れば小さいが、それでも各自治体では予算の一部を構成し、貴重な財源となっている。本当に必要なところに本当に必要な額を、さらに細心の注意を払って交付していく必要がある。
特別交付税減額がペナルティではないかとの指摘であるが、これは認識に違いがある。地域手当について労使や議会の決定などいろんな事情があったかもしれないが、全国を見ると地域手当をそれだけ支給できるということはやはり余裕があると見ざるを得ず、減額措置はペナルティとしてではなく交付税の公平配分の観点からの措置であるということを理解していただきたい。
昨年の地域手当に係る特別交付税減額は、経過措置として国基準から見た超過額の10%を減額することとした。これは、本来は、超過額の100%を減額すべきところを、給与構造改革の制度が平成22年度をもって完成する予定であり、また、急激な削減により当該自治体に予測範囲外の財政運営を強いてはいけない等の理由から経過措置をとったものである。
これに対して、金田書記長は、次のことを主張した。
特別交付税を必要なところに必要な配分という認識は、われわれも全く違いはない。しかし、人事委員会勧告制度など自治体の給与決定システムの枠内で決定されていること、地域手当だけを取り出して財源的余裕があると判断できないことなどから、減額措置にすることは問題だと主張してきている。
これに対して、御園官房審議官からは、次の回答があった。
給与関係費の超過額は国家公務員の給与を基準に正確に算定できる。地域手当に係る超過額の減額率のあるべき姿は、本来100%である。平成22年の完成形にもっていくために減額率の引上げをしていかなければならないことや、本年が10%であったことを考慮し、よく検討してまいりたい。
最後に金田書記長から「特別交付税の減額措置それ自体が容認できないものであるが、本年について減額率を引き上げなければならないとするならば、自治体財政にも配慮し、極力小さな幅での引上げに留めるよう、十分に検討していただきたい」と強く要請し、交渉を終了した。
第29回全国町村職総決起集会にともなう総務省要請報告について(2008春闘情報No.7)その1
2月22日、自治労は第29回全国町村職総決起集会を開催した。
参加人数は、47県本部・462単組・806人(男性613人、女性193人 女性参加率23.9%)でした。これに先立ち、21日の午後、総務省に対し「町村財政対策に関する要請」および「町村自治体職員の賃金・労働条件等の改善に関する要請」を行った。
Download file ←総務省要請書
別記のとおり、賃金・労働条件に関する要請について報告する。なお、町村財政対策に関する要請については、追ってご報告する。
<別記>
町村自治体職員の賃金・労働条件等に関する総務省交渉について(報告)
自治労・全国町村評議会は、2月21日13時30分から、総務省交渉を行った。
自治労からは本部より軍司組織局長、松本労働局次長、全国町村評より川本議長、山室副議長、長沢事務局長(本部組織局次長)ら全国幹事を含め14人が出席し、総務省からは、前田給与能率推進室長らが出席した。
はじめに、川本議長が要求書を手渡し、今回の重点要求項目としていた「1」「5」「6」「8」について、総務省の回答を受けた。
総務省回答は次のとおり。
(要求項目1)
地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨に基づき、自治体の規模や地域における民間給与実態の状況等を総合的に勘案し、適正な内容となるべきものと考えている。今後もこのような考え方で必要な助言を行っていく。なお、昨今、給与制度・運用などについて、一部、不適正な事例が見られ、国民・住民から厳しい批判が集まっている。地方公務員に対する国民・住民の理解と納得を得るため、特殊勤務手当、級別職員数の是正など、引き続き必要な助言等を行ってまいりたい。
(要求項目5)
技能労務職の給与については、地方公営企業法第38条に規定されているとおり、生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定められるべきと考える。また、技能労務職の給与は人事委員会勧告制度が適用されておらず、労使交渉で決定される制度となっている。しかし、近年、国民・住民より、技能労務職の給与が民間と比較し高額であるとの批判が高まっているため、昨年7月「技能労務職員等の給与等の総合的な点検の実施について」により、技能労務職等の給与等について国民・住民に理解が得られるよう、自ら総合的に点検し、具体的な取組内容等を住民にわかりやすく明示した取組方針を、平成19年度中を目途に策定し、公表するよう要請したところである。これらを踏まえた労使交渉のうえ、住民の理解と納得を得られる適切な給与になるようにお願いしたい。
(要求項目6)
地方債は地方財政法第5条で「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。ただし、次に掲げる場合においては、地方債をもってその財源とすることができる」と定められているとおり、地方債を財源としないのが基本であるが、退職手当債は、団塊世代の大量退職や総人件費削減の必要性等を踏まえ、将来の総人件費削減等により償還できる範囲内で特例的に許可するものである。給与制度や運用が不適切な団体は、そうした不適正な制度や運用がなければ、それらに係る財政負担は縮小し、退職手当所要額はより少なくてすんだはずのもの。こうしたものにまで退職手当債の発行を認めることは、世代間の公平を著しく阻害するものであり、このようなものについて、退職手当債の許可に際し、制限を行うことは、給与等の不適正に対する制裁やペナルティーではなく、地方財政法第5条の趣旨に基づいて、世代間の公平を図ろうとするものであり、必要なもの。世代間の公平性を保つためにも、総務省としては定員管理、給与適正化計画を精査し対応していく。
(要求項目7)
勤務成績を給与に反映するためには、公正かつ客観的な人事評価制度を導入することが重要であり、地方公共団体にも要請している。また、2007年4月24日の閣議決定でも求められているとおり、地方公務員についても人事評価制度をそれぞれの任命権者が適切に実施すべきとの考えである。総務省においては、今後も小規模自治体の取り組み事例の紹介や必要な助言を行っていく。
これらの回答を受け、自治労側からは次の点を総務省に質した。
① 小規模自治体の技能労務職場においては、一人しかいない職種もある。給与情報を公開することにより、個人が特定され、個人情報保護法の観点からも問題がある。
② 町村職は地域に密接に関わる職務として、住民のために日夜奮闘している。技能労務職、一般行政職問わず、時には賃金カットも受け入れ公共サービスの維持に努めてきた。しかし、最近の総務省の指導は度を越している。地域実情に配慮し、行き過ぎた指導は行わないで頂きたい。
③ 説明責任というが、ラスパイレス指数や、各自治体の広報紙などにおいて、賃金水準は公表されており、全く公表していないわけではない。小規模自治体においては、地域の賃金水準を押し上げるのは役場になる。地域を活性化し、牽引していくためにも、行き過ぎた指導は行わないで頂きたい。
④ 人事評価制度については、小規模自治体である町村にはなじまない。極端な例では首長の好き・嫌いで評価が行われてしまう。人事管理の一環として人事評価を導入するのは時代の要請というのも分かるが、人事評価制度の目的について伺いたい。
これに対し総務省から、以下の回答があった。
① 個人が特定されてしまう恐れがあるケースまで公開しろという趣旨ではない。あくまでも個人情報保護法との均衡は保っていただきたい。ただ、国民・住民に理解を得られるよう、また、説明責任を果たす観点からも公表していくべきと考える。
賃金センサスはあくまでも一つの参考であり、この数字に引き下げるべきといっているのではない。政府の統計である賃金センサスに代わる正確なデータがあれば、それを使用してもいいので、比較公表することにより自治体の賃金水準を議論していただきたい。
② 地方公務員の給与について、住民の理解と納得を得ることは必要。今後もそういう視点から助言していく。
③ 公務員バッシングといった感情論での賃金批判があるのは確かだ。賃金決定のシステムを含め、広く理解が得られるよう各地方公共団体において、住民に対してしっかりと説明する責任があると考える。
④ 能力を適正に評価し、正しい処遇を行い、質の高い人材を育成する観点からも評価制度は必要と考えている。むしろ感情の良し悪しで評価がされるといった事例がないように、明確な基準による公平・公正な人事評価制度の導入を要請している。
最後に、自治労側から「都市においては十分な政策であっても、小規模自治体では不十分な場合があることを認識していただきたい。また、助言が受け止める側に圧力とならぬよう配慮し、小規模自治体の実状を反映した政策設計をお願いしたい」と強く要請し、交渉を終えた。
2008春季要求事項で幹事クラスが総務省・人事院と交渉-3/3(2008春闘情報No.8)
公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、3月3日午後、総務省人事・恩給局次長、人事院職員団体審議官と交渉をもち、2月15日に提出した2008春季要求に対する中間的な回答を引き出した。しかし、この日の回答では総務省、人事院ともに抽象的で不満な回答にとどまった。とくに、人事院交渉では、公務員連絡会が反対してきた「本府省手当」について「本年の勧告も視野に入れた検討」が提案されるなど、受け入れがたい見解が示された。このため、公務員連絡会は本府省手当の提案を撤回するよう厳しく追及した。
総務省、人事院交渉の経過は次の通り。
<総務省人事・恩給局次長交渉の経過>
公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、13時30分から、総務省人事・恩給局阪本次長と交渉を実施し、2008春季要求書に対する検討状況を質し、中間的な回答を求めた。
はじめに、岩岬副事務局長が要求に対する総務省の回答を求めたのに対し、次長は「去る2月15日に要求書を受け取って以来、部内において誠意を持って検討を行ってきたところである。本日は、現段階における当局の考え方を主な要求事項に沿ってお答えしたい」として、次の通り回答を示した。
1 総人件費削減の実行計画と雇用確保について
総人件費改革に伴う国家公務員の配置転換については、先日の国家公務員雇用調整本部において取組の3年目となる21年度の実施計画が決定されたところである。取組みに当たっては、内閣官房行政改革推進室が職員団体と十分意見交換を行いつつ進めてきていると承知している。
職員団体においても、取組みの後半を迎えるこれからが正念場であるという認識を共有していただき、雇用の確保を図るという観点から、職員が自らの将来を主体的、自律的に考えるよう真摯な対応をお願いしたい。
なお、総務省としても政府全体としての取組みが円滑に進むよう、今後とも積極的に協力していく所存である。
2 2008年度の賃金改善について
(1) 人事院勧告を受けての国家公務員の給与の取扱いについては、従来から、内閣において、給与関係閣僚会議を開催し、国民、公務員双方の理解が得られるよう、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って、国政全般との関連について検討した上で方針を決定しているところである。総務省としては、今後とも、このような給与改定の基本的な仕組みを通じて、円滑に人事院勧告が実施されるよう努めてまいりたい。
(2) また、官民比較方法見直しの再要請については、人事院に対して圧力をかけるものとは考えておらず、中立第三者機関である人事院において主体的に検討が行われることを期待するものである。
3 労働時間、休暇及び休業等について
(1) 所定内労働時間の短縮については、勤務条件に関わることであり、人事院においてまずは判断することであり、総務省としては、引き続き人事院における検討状況を注視してまいりたい。
(2)また、超過勤務の縮減については、超過勤務を命ずべき業務について、政府全体として業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率の向上等の取組みを行うことが重要と考えている。各府省において、「国家公務員の労働時間短縮対策について」に基づいた様々な取組みが的確に行われるよう徹底してまいりたい。
4 新たな人事評価制度の実施について
新たな人事評価制度の設計に当たり、これまでの試行や検討により得られた知見を行革事務局に提供してきており、それらも踏まえて信頼性の高い人事評価制度を構築するべく行革事務局が中心となって制度設計が行われているところである。その中で、評価結果のフィードバックや苦情処理の仕組みに関しては大きな論点と認識しており、総務省としても、行革事務局と連携・協力しつつ検討を進めることとしている。今後も職員団体と十分話し合っていくことは必要と考えている。
5 新たな高齢者雇用施策について
今後、公的年金の受給開始年齢の段階的な引上げが行われることにより、60歳定年退職者についていわゆる無年金期間が発生することから、公務においても、雇用と年金の連携を図り、職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することが必要であると考えている。
先般提出された「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」の報告では、当面、再任用制度の拡充により雇用機会を確保することなどが提言されているところであるが、総務省としても、今後、高齢者雇用の推進を図る方向で研究を行ってまいりたい。
6 退職手当の支給のあり方について
「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成19年10月30日閣議決定)に基づき、不祥事を起こした国家公務員に対する退職手当の支給の在り方等を見直すため、昨年11月末以降、有識者からなる検討会を開催し、退職手当の不支給・返納制度に関する法制上の課題について専門的な検討を行っており、今年の春までを目途に結論を得ることとしている。1月に公務労協からご意見を伺ったところであるが、今後の検討に際しても、公務労協・公務員連絡会からのご意見は十分伺ってまいりたい。
7 非常勤職員等の労働条件の改善について
非常勤職員の実態については、現在、人事院において各府省から聴取していると聞いている。総務省としては、人事院とは別に調査を実施するということではなく、人事院に対し政府としての必要な協力を行っていきたいと考えている。
これらの回答に対し、公務員連絡会側は次のとおり考え方を質した。
(1) 国家公務員の配置転換についての取組みは、正念場を迎えている段階にある。こちらとしても「職員団体もこの間の状況を組合員に伝えてほしい」との要請を受け止めて対応しているが、使用者としての最終責任は当局にあることをふまえ、総務省としても雇用調整本部に対する「協力」以上の雇用確保の取組みを行ってもらいたい。
(2) これまで総務省は、人事院勧告の尊重と完全実施が基本姿勢であったはずだが、昨年来の対応を見ると「円滑に実施されるよう努力」とニュアンスが異なってきているのではないか。まずは、昨年の閣議決定で指定職については不完全実施となったことをどう捉えるのか。人事院勧告に対して政府が「国民の理解が得られるかどうかの視点で検討」することは人事院勧告制度自体を政府が否定していることではないか。そうであれば、決定システムを変えなければならないのではないか。
(3) 人事評価については、本格実施へのヤマ場となっていると認識している。4原則2要件が確保された人事評価にむけた一層の努力を求めるが、具体的には、試行段階の際に問題となっている評価結果の本人への開示と、職員代表が参加する苦情処理については未解決のままである。春闘期のやり取りを通じて明確な回答を求める。
(4) 高齢者雇用施策については「当面、再任用制度の拡充」としているが、将来的な定年延長を含め、拡充の具体的内容を明確にしてもらいたい。
(5) 退職手当の支給のあり方については検討会に対し意見を述べてきたところであるが、今年春を目途に結論を得るとしている具体的時期および内容を明らかにしていただきたい。
(6) 国の非常勤職員については、これまで悉皆調査はまったく行われていない。勤務時間や賃金、職務内容について、各省も集約しきれない状況ではないか。格差問題が社会的に大きく取り上げられる今日、雇用問題を含めた実態改善のためには人事院の「処遇」に関わる調査だけでは不十分ではないのか。
これらの点について、総務省側は次のとおり考え方を示した。
(1) 総務省としては政府全体の取組みが円滑に進むよう協力していくものである。
(2) 昨年の人事院勧告が不完全実施となったことに対する不満については理解するが、給与改定内容に対する国民の理解も重要と認識する。ただし、総務省として人事院勧告を最大限尊重して対処する基本的な姿勢には変わりはない。国政全般との関係を十分に把握しながら、十分な協議を行っていく。
(3) 評価結果の開示と苦情処理システムに重大な関心を持っていることは十分認識している。いずれにしろ、人事評価の公平性・信頼性を高めるためには、職員団体との十分な協議が必要と認識している。
(4) 「懇談会」の報告内容は、当面、再任用制度の活用が重要と考えるというものであったと理解している。定年延長は今後の課題であり、政府としてどちらにするか結論を出しているわけではないが、内閣官房などとの連携を強化し研究して参りたい。
(5) 退職手当検討会の報告時期については、具体的なスケジュールを申し上げる段階にはない。報告後において、総務省の施策の検討に当たって公務員連絡会と意見交換することは当然である。
(6) 非常勤職員の職種が多岐に渡っていることは認識している。各府省において責任をもって適切に任用していると考えており、人事院の調査を注視していきたい。したがって、総務省としての独自の調査は予定していない。
この回答に対し、さらに公務員連絡会側は「完全実施ということを言わなくなっているのは事実だ。基本的立場が変わらないのであれば、完全実施への明確な姿勢を内外に示すべきではないか」「非常勤職員は不安定雇用のままである。本人への任用条件の提示が行われているかどうかの調査や、本人の希望に沿った任用の継続を保障すべきではないか」などと、重ねて総務省の見解を追及したが、総務省は「人事院勧告の尊重と実施に向けて最大限努力していく」「労働条件などについては、任用時に任命権者から告知されている」と、これまでの回答を繰り返し、明確な見解を示さなかった。
そのため公務員連絡会側は、「要求事項に関わる本日の回答はまったく納得できるものではなく、非常に不満である。本日のやりとりを踏まえ、引き続き検討の上、3月12日の書記長クラス交渉の段階では具体的で誠意ある回答を示すよう強く要請する」と求め、交渉を終えた。
<人事院職員団体審議官との交渉経過>
公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、14時30分から、井原職員団体審議官、松尾参事官と交渉を行った。
冒頭、公務員連絡会の岩岬副事務局長が「2月15日に総裁に要求書を提出したので、重点事項についてのこの間の中間的な検討状況を伺いたい」と人事院の回答を求めたところ、審議官は「2月15日に総裁宛に統一要求が提出された。3月19日の最終回答に向けて、今後もしっかり意見交換を行っていきたい」と述べた上で、次の通り答えた。
1 賃金要求について
(1) 本年の民間春闘において、経営側は、支払い能力を基準とした個別企業の賃上げは容認するものの市場横断的なベースアップはもはやあり得ないとの姿勢を示している。また、労働側については、既にベア要求を行っている大手企業の要求額は、あまり大きくはない状況である。年明け以降の経済情勢の厳しさを受け、春闘状況は予断を許さないものとなっており、3月中旬以降行われる回答・妥結の動向を注視していきたい。
(2) 人事院としては、例年と同様、情勢適応の原則に基づき、民間給与の実態を精緻に調査した上で、民間給与との精確な比較をして、較差を解消することを基本に給与勧告を行う。
(3) 政府の官民給与比較方法の検討の要請に関しては、人事院としては、まずは現在進めている給与構造改革を着実に実施していくことが肝要であると認識しているが、公務員給与の在り方については、情勢適応の原則に基づき常に検討を続けているのであって、政府からの要請を含め、広く各方面の意見を聴きながら公務員の適正な給与の確保に向けて、人事院の使命に鑑み、その責任を果たして参りたい。
なお、比較対象企業規模については、同種同等の業務を行っている者同士を比較するという民間準拠方式の下で、民間企業従業員の給与をできるだけ広く把握し、反映することが適切であり、現行の50人以上という規模は、現段階では妥当なものと考えている。
(4) 住居手当の見直しに関し、自宅に係る住居手当については、平成15年の勧告時の報告において基本的な考え方を示しているが、2,500円という月額は、手当としての意義が薄れており、また、最近、財形持家個人融資の件数が極めて少なくなってきていることから、これを廃止する方向で検討している。
(5) 特地勤務手当については、現行基準に基づく級地と実際の格付級地との乖離が大きくなっており、また、へき地手当の見直しが行われることを考慮し、見直しを図るものであり、ご理解をいただきたい。現在、見直し作業を進めており、今後、各府省を通じた実態の把握等を行うこととしているが、職員団体等関係者のご意見も聞きながら検討を進めてまいりたい。
(6) 給与構造改革については、今後とも公務員連絡会の意見も伺いつつ引き続き具体化に向けて検討を進めて参りたい。なお、本府省手当については、本府省における職務の特殊性・困難性などを考慮して新設するものであり、本年の勧告も視野に入れ具体化に向けて準備を進めているところである。
2 労働時間等について
(1) 所定勤務時間の短縮については、新たな勤務時間に対応した適切な勤務体制等や関連諸制度の検討等の所要の準備を行った上で、本年の民間企業の所定労働時間の調査結果を考慮して、民間準拠を基本として勤務時間の見直しに関する勧告を行いたいと考えている。
(2) 超過勤務の削減については、各職場を含め政府全体の取組みが必要である。まずは、各府省において不必要な在庁時間を削減するとともに、超過勤務を命ずべき業務についても、業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率の向上の取組みを行う必要があると考えている。現在、各府省の実態に即した具体的な取組みに向け、内閣官房及び関係機関を中心に各府省との間で協議を行いつつ、取組みの計画、スケジュール等について検討を進めている。
3 非常勤職員の処遇改善について
(1) 現在、非常勤職員の給与に関し、実態に合った適切な給与が支給されるよう、各府省から実態等を聴取しつつ、必要な方策について検討を進めているところである。また、休暇についても、民間の状況等を踏まえ、適切に対処して行く所存である。
(2) 非常勤職員の問題は幅広い問題であり、予算・定員等の関係も念頭におきながら、民間の状況も見つつ、その位置付け等も含めて、人事院のみならず政府全体で幅広く検討される必要があると考えている。
4 新たな人事評価の活用について
人事院としては、人事行政の公正の確保や職員の利益保護を図る観点から、新たな評価制度が納得性・信頼性の高いものとなるよう適切に役割を果たしてまいりたい。また、新たな人事評価制度の任用・給与への活用の在り方等については、公務員連絡会を始め関係各方面のご意見を十分に伺いつつ、さらに検討を進めてまいりたい。
5 新たな高齢雇用施策について
雇用と年金の連携を図り、職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく職務に専念できるよう環境整備することは重要な課題と認識している。昨年の勧告時報告において、平成25年を見据えて公務における高齢期の雇用確保策について総合的に検討する必要がある旨を言及し、昨年9月から学識経験者等で構成する「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」を開催するなど検討を進めているところである。
検討に当たっては、必要に応じ、職員団体を始め関係者の意見を伺い、その理解を得ていくことが重要と考えている。
6 その他
国家公務員が裁判員等の職務を遂行する場合には、特別休暇として措置することを前提に、現在、その準備を進めている。今後適切な時期に所要の改正を行う所存である。
回答に対し公務員連絡会側は、次の通り人事院の見解を質した。
(1) 政府の官民比較方法の見直し再要請に対して、昨年の基本要求に対する回答では、まずは給与構造改革を着実に行うということで、圧力には屈しないとの姿勢が示されていたが、今の回答では一般論として常に適正なものとなるよう検討していくということなのか、要請に応えて見直さざるを得ないという意味なのかはっきりしないので明確にしてほしい。また、企業規模は変えないということも確認させていただきたい。
(2) 住居手当、特地勤務手当については昨年来の交渉経緯があり、人勧期まで十分に話し合って、納得の上で結論を出すよう重ねて要請する。始めに見直しありきではなく、較差や社会状況を踏まえて対応してほしい。特地勤務手当については、ルールを逸脱した見直し提案であり、来年行うということではなく、現地の声を十分に聞いて検討を進めていただきたい。
(3) 本府省手当については、昨年は22年度までに検討するという考えが示されていたが、いつ「本年の勧告も視野に入れ」ることにしたのか。われわれは、この手当については、給与構造改革の提案の際も反対であることを明確にしてきたが、本年の勧告も視野に入れるという見解はわれわれに挑戦状を突きつけるものだ。手当の趣旨も相変わらず理解できない。撤回を求める。
(4) 所定勤務時間の短縮については、昨年の報告や基本要求への回答のスタンスは変えずに準備を進める姿勢であると受け止めるが、間違いはないか。
(5) 超過勤務の縮減について、各府省の実態を調べながら具体案を検討しているということであるが、どのような内容であり、いつから実施するのか。
(6) 非常勤職員の処遇改善に向けた措置については、新年度から実施することができるよう、具体案が示されることを期待していたが、検討状況はどうなっているのか。また、処遇の問題は人事院が調査しているとのことであるが、任用状況については総務省も調査をしておらず、放置されている。今春闘では民間でも非正規職員の処遇等の改善に重点を置いておいて取り組んでおり、人事院としても関係機関の協議の場を呼びかけ、研究会を設置して検討するなど責任を持った対応を行うべきだ。
これに対し人事院側は、次の通り考えを示した。
(1) 政府の見直し要請に対する回答の趣旨は昨年から変わっておらず、情勢適応の原則を踏まえれば常に検討する必要があるということである。企業規模については、50人以上が妥当だと考えている。
(2) 本府省手当については、いろいろと検討していく中で本年の勧告も視野に入れて検討する必要があるということで提示しているものであり、これまでの考えを変えたものではないし、本府省勤務の困難性や人材確保のために検討するものである。いずれにしても十分ご意見を伺いながら検討して参りたい。
(3) 勤務時間の短縮については、本年の民間調査を踏まえて対処することにしており、昨年以来の姿勢に変わりはない。
(4) 超勤対策については、現在内閣官房が実態を調べながら各府省と調整中であるが、できるだけ早く示せるよう努力したい。今の段階で内容や時期について申し上げることはできないが、固まった段階で意見を聞いていきたい。
(5) 非常勤職員の処遇改善措置については、基本要求に対する回答でもできるだけ早く示したいと答えて努力してきたが、予算などいろいろな問題があり、手間取っている。新年度から実施することは困難だが、できるだけ早く具体案を示せるよう努めたい。
その後、公務員連絡会側は、本府省手当の実施提案などをめぐって人事院を厳しく追及し、「本年勧告も視野に入れた検討」を撤回するよう再三にわたって求めたが、人事院側は撤回する姿勢を一切示さなかった。
このため、公務員連絡会側は、最後に「われわれが改善を求めている超過勤務の縮減や非常勤職員の処遇改善措置を先送りにする一方、われわれが反対してきた本府省手当については、突然本年勧告を視野に入れるというのでは極めて不満である。12日の書記長クラスと各局長との交渉では、本府省手当を撤回することはもとより、われわれの要求についてより明確で誠意ある回答を示して欲しい」と局長交渉では納得できる回答を行うよう強く求め、本日の交渉を打ち切った。
2008年度ストライキ批准中間結果と闘争指令権の確立について
自治労は2月28日、2008年度第2回拡大闘争委員会を開催し、「年間を通して1波につき2時間を上限としたストライキ体制を確立する批准投票」の結果、71.41%の批准率でストライキ権が確立されたことを確認し、あわせて闘争指令権を中央闘争委員長に委譲することを決定した。
Download file ←2008春闘ストライキ批准投票中間結果(2008年2月25日現在)
Download file ←闘争指令権確立宣言
第29回全国町村職総決起集会にともなう総務省要請報告について(2008春闘情報No.11)その2
2月22日、自治労は第29回全国町村職総決起集会を開催しました。参加人数は、47県本部・462単組・806人(男性613人、女性193人 女性参加率23.9%)でした。これに先立ち、21日の午後、総務省に対し「町村財政対策に関する要請」および「町村自治体職員の賃金・労働条件等の改善に関する要請」を行いました。
別記のとおり、町村財政対策に関する要請についてご報告いたします。
<別記>
町村財政政策に関する総務省交渉について(報告)
自治労・全国町村評議会は、2月21日14時10分から、総務省交渉を行った。
自治労からは本部より長沢組織局次長(町村評事務局長)、全国町村評より川本議長、山室副議長ら全国幹事を含め13人が出席し、総務省からは、自治財政局財政課・後藤財政計画係長、財務調査課・柴田企画係長、交付税課・岩田交付税第一係長、自治税務局企画課・田中企画係長が出席した。
はじめに、川本議長が要求書を手交した。総務省の見解は以下のとおり。
① 「三位一体の改革」に基づき、地方交付税の削減を行ってきた。地方財政については、町村がその影響を最も受け、厳しい財政運営となったことは承知している。2008年度は、「三位一体改革」以降の交付税圧縮傾向の転換をはかり、地域活性化のための地方再生対策費を設け、地方交付税は微増ではあるが前年度を上回る水準を確保した。地域活性化と行政サービスの確実な実施が行われると考えている。今後とも地方税、地方交付税を含めた一般財源の確保に努力していく。また、地方交付税のもつ財政調整機能と財源保障機能の機能も堅持していく。
② 国と地方の税収入と、国と自治体が担う仕事量が逆転している現状は認識している。総務大臣もかねてより、国・地方の税収割合を1:1にすることが必要と主張している。また、税源の偏在については、法人事業税の一部を地方法人特別税として国税化し、同額を地方法人特別譲与税として配分する地方税制改正案を国会へ提出しているところである。しかし、これは暫定措置であり、将来的には、福祉サービスなど地方の行政サービスの充実を図るためにも、国全体の税制改革議論のなかで、地方消費税を充実する議論を進めることが必要との認識である。
③ 健全化法の趣旨は、地方公共団体の財政状況を可能な限り正確に明らかにし、仮に、財政が悪化している場合には早期に健全化を図ることなどとするものである。地域住民にとって必要な公共サービスのあり方は、それぞれの自治体が地域の実情等を踏まえて適切に判断されるべきものである。地方分権を推進するためにも住民によるチェックという自治本来の機能を効果的に発揮させることが重要であるが、健全化法は、財政指標の開示や計画策定等の基本的なルールを定めているものであり、国の関与については、必要最小限に留めている。
④ 森林保全、環境・保全対策については、環境基本計画の策定など、交付税の算定において必要な経費を計上している。「地方再生対策費」において測定単位に人口に加え耕地・林野面積も算定基準に加えている。福祉など、法に基づく義務的経費を需要額に加えることは議論しやすいが、環境保全対策は非義務的な経費も含んでおり、こうした経費をどのように取り込むかが課題である。こうした要望を踏まえつつ、適切に対応したい。
これらの回答に対し、自治労側からはさらに次のとおり質問した。
① 地方交付税が削減され、厳しい自治体財政運営を強いられている。すでに職員の賃金を大幅に削減している自治体で、早期健全化団体に該当すると判断し、さらに賃金削減を提案する自治体も多い。過疎や離島など、町村には条件不利地域も多く、そうした状況のなかで公立病院の経営は小規模自治体では非常に難しい。しかし、地域住民にとっては必要不可欠な公共サービスだ。自治体病院の再編が求められているが、直線距離で近い隣町でも、気候や交通事情により、計算上よりかなり遠い場合も多く、実情にそぐわない。こうした地域の状況を交付税算定に反映させ、小規模自治体においてはメリハリある交付税措置をお願いしたい。
② 健全化法の内容の良し悪しではなく、どんなに努力しても、赤字になってしまう公共サービスはある。様々な地域に配慮した施策を法に盛り込んでいただきたい。
③ 自治体においては、健全化団体に入らないことが目的になってしまっている。夕張市の実例を見ている分、財政指標に反応して今のうち人件費を削減するなどの対応が出ている。どこに住んでいても、最低限必要な公共サービスは同じである。自主財源が乏しく、小さい自治体ほど交付税の財源保障が必要であり、制度としてのセーフティネットを確保していただきたい。
これに対し総務省から、以下の回答があった。
① 各地方団体は、以前から分かりやすく財政状況の公表を行ってきているが、この法律により、地方団体の財政状況がより分かりやすく示されることとなると考えている。
② 地域における厳しい財政状況は承知しているが、医療の確保でいえば、近隣市町村も含めた地域全体の問題としてどうするか議論される必要がある。
③ 夕張市においても、厳しい財政運営にあるのは承知しているが、総務省としては必要な行政サービスは確保されていると認識している。
最後に、「小規模自治体においても必要なサービス水準を維持・確保するため、地方交付税の機能を強化し、政府の責任として必要財源を確保すべきである。今日の自治体財政硬直化は、国の施策として自治体に後押しした過去の公共事業で増発した債務が主要因であり、自治体のみに財政責任を押し付けるのは極めて問題である。本当に必要な公共サービスを我慢しなければならない住民や地域の現状を考慮し、地方交付税の機能強化をしていただきたい」と再度要請し、交渉を終えた。
3月16日、朝日新聞1面において、社保庁における過去の無許可専従に関する報道がされました。
自治労および全国社保労組は、本日11時より、緊急に記者会見を開き、その内容に関する説明と今後の対応について明らかにしました。
自治労本部書記長談話、全国社保労組の見解を掲載します。
Download file ←自治労書記長談話
Download file ←社保労組見解
衛生医療評議会は、深刻化する地域医療の現状とそこにおける公立病院の役割及び「公立病院改革ガイドライン」の地域医療に与える影響について国会議員と共有するため3月12日9時半から11時まで参議院議員会館内において標記集会を約70人の参加で開催した。
国会議員については、自治労協力国会議員団および民主党・社民党の厚生労働委員会委員に呼びかけた。国会議員参加者は、議員本人が14人、秘書9人、その他関係者3人(そのうち協力国会議員以外の議員本人が4人、秘書が2人)。
淑徳大学准教授の結城さんから「公立病院改革ガイドラインと地域医療への影響について」の説明を受けた後、2月12日超党派の国会議員により結成された医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟の呼びかけ人の仙谷由人議員から問題提起を受けた。
意見交換では、北海道、宮城、島根から深刻な地域医療の現状と取り組みについて発言がされ、各議員から地域医療の現状についての問題意識が示された。基調講演をいただいた仙谷議員からは、「地域医療の実情の実情については同じ認識だ。地域医療をどうするか行動できるのは自治労の地域の皆さんなので、具体的な取り組みを通じて地域の実践モデルを示して欲しい。それらを具体的に国会に持ち込んで欲しい」と、アドバイスと激励をもらった。
-大臣は「働いている人に心配りをしながら進める」と回答-
公務労協は、3月21日12時15分から大田弘子経済財政担当大臣と会い、「国の出先機関の見直し等に関する申入れ」(別紙参照)を行った。
申入れには森越議長、岡部・福田・河田副議長、吉澤事務局長が参加し、冒頭、森越議長が「予算の削減で医療機関において十分な救急対応ができないなど公共サービス全般について不自由が生じている。国民の命に関わるものについては予算の組み直しを行うなど、国民に必要な公共サービスを保障するとともにそこで働いている者がやりがいを持って取り組めるようにしていただきたい」と述べながら、申入れ書を大田大臣に手交、その後吉澤事務局長が申入れの趣旨を説明したのに対し、大臣は次の通り答えた。
(1) 地方分権にご理解いただき感謝申し上げる。高齢化が進む中で、地域の実情に応じたサービス提供が必要であり、地方分権を行い、地方出先機関の改革を進めなければいけないと考えている。
(2) 改革は働いている人にきめ細かに心配りをしながら進めないとうまくいかないことは十分承知しており、申入れの内容を踏まえ、改革を進めていきたい。働いている人に不安がないようにしてほしいとのことであり、どうしたらそのようにできるのか考えてまいりたい。
続いて公務労協側は次の通り、大臣に重ねての要望を行った。
(1) 国、地方の役割・責任、事務・事業の精査をしていただきたい。独法改革もそうだったが、数をどうするかとか、定員をどうするとかという話が先にあり、事務・事業をどうするかの議論がない。今、府省間配置転換に取り組んでいるが、地方分権に伴う出先機関の改革で何万人も動かすというのは極めて大変なことになる。民間企業や地方が本当に受けきれるのかどうかも危惧される。国の出先機関の業務が一律に必要ないとは思っていないので、十分精査して検討していただきたい。
(2) 最小の費用で最大の効果を出すことは当然のことであるが、例えば諮問会議の民間議員の意見を見ると、定数削減、コストカットが目立つ。地方分権について三位一体改革が行われたが、問題は何も解決していない。コスト論だけでなく、目的・使命を明確にした改革にしていただきたい。
(3) 森林の問題は山村の過疎化と連動しており、いまや7900の維持できなくなりつつある集落がある。この問題は産業全般に関わり、地方だけでは対応できない。国、地方の役割を真剣に考えて、対策を講じてほしい。
(4) OECD諸国の中で日本の教育費は最低である。質の高い教育を行うために教育に十分な予算を確保できるよう尽力願いたい。
(5) 経済財政諮問会議の場でも、われわれの意見を聞く場を設けていただきたい。
これらについて大田大臣は、①分権改革は本当に難しい。大きいビジョンときめの細かい議論を行いながら進めていく②予算のことを言われると苦しいところであるが、必要なものは増やしていきたいと思っているし、IT化で効率化をできないかどうか、仕事のやり方も工夫できないか検討したい③経済財政諮問会議については民間から4名に参加してもらっているが、その他に円卓会議ということで最近は最低賃金問題で連合会長や経団連に参加してもらったので、そういう場を作っていきたい、との考えを示した。
最後に公務労協から「雇用に十分配慮して検討を進めていただきたい」と強く要望し、申入れを終えた。
Download file ←別紙
総務省は、3月19日に自治体財政健全化法省令等の説明会を開催し、今後提示される総務省告示の案を示しました。
その内容は、①「将来負担比率」の算定に関わり、第三セクター等自治体の出資法人に対する債務評価に応じた一般会計負担見込み額の算定方法、②「連結実質赤字比率」の算定の際に、下水道や地下鉄事業において黒字転換までの間など、一定期間の赤字を考慮する「解消可能資金不足額」の算定方法、③「販売用土地の時価評価の基準」などについての算定基準の案を示しました。別添①~③をご参照ください。
Download file ←①
Download file ←②
Download file ←③
この案を踏まえ、2008年3月末までに総務省告示として各自治体に提示する予定としています。なお、資料④は、資料①~③を踏まえ再構成した健全化判断の算定式です。
また、今後のスケジュールとして、3月末の「総務省告示」の提示後に、4月中にも財政指標の算定フォーマットを各自治体に配布予定としており、2008年9月末までに決算統計として、財政指標の速報値を公表するとしています。資料⑤をご参照ください。
自治労としても、引き続き情報収集を進めるとともに、必要な対策を進めていくこととします。
Download file ←⑤
総務省公務員部は、3月27日、「人事委員会の機能強化及び連携方策等に関する検討会報告書」なる文書を公表した。人事委員会の機能強化及び連携方策等に関する検討会は、2007年1月以後、稲継早稲田大学教授を座長に、総務省給与能率推進室長と8人事委員会事務局長をメンバーに、検討を重ねてきたもの。この報告書の位置づけとしては、各人事委員会をはじめ関係者の取組の参考とする、というもの。
この報告は、人事委員会において独自の給料表を作成することが適当であるとしている反面、①地方公務員給与が国家公務員給与の水準を上回ることについて国民・住民の理解と納得を得ることは困難、②毎年生ずる公民較差に対応するために給料表の見直しを行わず地域手当により調整することは適切ではない、③民間賃金水準が低くなればその分現給保障の額も低くなる性質を有する、④給与カットをしないとした水準で逆較差がある場合には地域民間給与反映の観点でマイナス勧告を行うことが適切、など、問題ある記述が見られる。
これらの問題点については、近日中に公務員連絡会地公部会として総務省に対して解明を求める考えである。
人事院は、4月1日に「懲戒処分の指針」を一部改正しました。
指針の一部改正にあたっては、公務員連絡会が3月24日に人事院と交渉を行い、今回改正となる主な内容については一定の意見反映をしてきたところとなっています。
今回の改正の主な内容は、①標準例に掲げる量定以外の量定とすることが考えられる場合の例示の追加、②道路交通法等の改正による飲酒運転に対する厳罰化、③入札談合等関与行為防止法の改正による刑事罰の新設―など社会情勢の変化等を反映させた内容になっています。
なお、一部改正の概要、通知、懲戒処分の標準例一覧などについては、人事院のホームページ(下記URL)を参照願います。
公務労協は、公務員制度改革について、渡辺行革担当大臣と交渉した。昨年、専門専門調査会が、労働基本権のうち、非現業職員に協約締結権の付与を方向付けたが、政府・自民党が現在検討中の基本法にはその方向が明記されておらず、大きく後退した印象はぬぐえない。
自治労本部情報の全文は以下のとおり。
「国家公務員制度改革基本法案」に関する渡辺行革担当大臣交渉を実施(4月3日)―労働基本権付与を明記していないことに強く抗議―
公務労協・公務員制度改革対策本部は、3日、渡辺行革担当大臣交渉を実施し、国家公務員制度改革基本法案の検討状況を質した。交渉は、14時45分から金融庁の大臣室で行われ、対策本部側は福田本部長(国公連合委員長)、岡部副本部長(自治労委員長)ほか各構成組織委員長らが参加した。
冒頭、福田本部長が「大臣には、専門調査会報告後の昨年10月25日に「公務員の労働基本権のあり方に関する申入れ」を行い、その際、大臣からは「能力・実績主義を導入すれば労働基本権は避けて通れない。皆さんとは意志疎通をしっかりやり十分な意見交換をしていく」との回答があった。しかし、2月5日の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告後は、国家公務員制度改革基本法案について、われわれとの交渉・協議を行わないまま、今日を迎えている。近々にも閣議決定がなされると聞いており、本日は、大臣よりこれまでの経過を踏まえた法案の内容について説明をしていただきたい」として、渡辺大臣の見解を求めた。
これに対し大臣は、次の通り答えた。
(1) 法案は、今週火曜日の閣僚懇談会で、概ね閣内の了承を得たので、与党協議に入っている。本日中にまとまれば明日の閣議で決定する予定だ。
(2) 私としてはできる限りの努力をしたつもりであるが、政府内にはいろいろな意見があり、それを踏まえた法案の内容となったのでご理解願いたい。
この大臣の説明に対し福田本部長は、「法案の内容は専門調査会や総合懇の報告が指摘した水準には至っておらず、遺憾であると言わざるを得ない。いま、わが国は格差社会からの脱却を求められており、公共サービスの重要性は高まっている。その基盤となる公務員制度の改革は喫緊の課題だ。大臣のご苦労は承知しているが、法案は納得できる内容ではなく、大臣に対し抗議の意を表明せざるを得ない」と遺憾と抗議の意を表明した。また、岡部自治労委員長は「専門調査会報告では、労使関係を改革するために使用者機関として人事管理庁を設けることにしていたが、法案に盛り込まれていないのは問題だ。協約締結権についても、専門調査会報告や総合懇報告の到達点からすれば大変不満である」として大臣を追及した。
追及に対し渡辺大臣は、「労働基本権に関わる第12条については議論があったが、労働基本権の付与を認めないと言っているわけではないし、『一定の非現業職員について、協約締結権を付与する』という専門調査会報告を念頭に作っているので、報告の延長線上で結論を得た場合には、内閣人事庁の機能もそれを踏まえたものになる。法案はプログラム法であり、具体的な制度設計は入っておらず、来年の通常国会に内閣人事庁設置法案を出すことになっている。その間、労働基本権についてどこまで議論が進むかとの関わりで、人事庁の機能も変わってくる。労働基本権の付与を否定したものではない」との考えを示した。
最後に福田本部長が「少なくとも専門調査会や総合懇の報告を無視することなく、労働基本権の議論を進めていただきたい。公務員の労使関係は、民間の労使関係に準拠すべきであり、公務において責任ある労使関係を構築するため、非現業職員に協約締結権を付与することを明確にしてほしいし、付与の検討に当たっては、当事者である労働組合が入った議論をさせていただきたい」と強く申し入れたのに対し、大臣は「法案は労働基本権の拡大を否定したものではないことを、国会の場でも説明して参りたい。参院は与野党が逆転しているが、ぜひともこの法案を通したい。抜本的な改革となっているので法案の骨格は守りたいと思っており、国会審議には真摯に対応するのでよろしくお願いしたい」との見解を明らかにした。
以上のように、法案が労働基本権の付与について明確な方向性を示さず、渡辺大臣も「労働基本権の付与を否定したものではない」という消極的な見解に終始したことから、対策本部側は重ねて強く抗議し、重大な決意を持って今後の取組みを進めていくことを表明し、交渉を締めくくった。
自治労は、閣議決定された「国家公務員制度改革基本法案」に対する見解をまとめた。
あわせて、連合の事務局長談話(トップページ4月4日にも連合HPにダウンロードで掲載)、公務労協の見解もご確認下さい。
<資料>
◆国家公務員制度改革基本法案・概要 ⇒ ファイルをダウンロード
◆国家公務員制度改革基本法案・要綱 ⇒ ファイルをダウンロード
<見解>
●連合事務局長談話 ⇒ ファイルをダウンロード
●公務労協見解 ⇒ ファイルをダウンロード
国家公務員制度改革基本法案の閣議決定に対する自治労見解
1.本日、政府は、国家公務員制度改革基本法案(以下、基本法案)を閣議決定した。本法案は、その名の通り、国家公務員に関する改革のためのプログラム法であるが、労働基本権の問題等、地方公務員にも様々な影響を与えるものであることから、自治労は、その動向について、連合・公務労協とともに注視してきた。しかし、下記に述べる通り、その具体的内容は全く評価できない。
2.労働基本権のあり方について、法案は、「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討する」としているが、この間、公務員制度改革の必要性が何度も謳われながらも実質的に何ら進んでこなかったことに鑑みれば、この条文をもって公務労使関係の改革、労働基本権の付与・拡大が進展するものと期待することはできない。
3.そもそも、この問題は、2006年1月から始まった政府と連合との政労協議において、「公務労使関係の改革が必要であり、労働基本権の付与の可能性も含めて幅広く検討」することが合意されたことから行政改革推進本部専門調査会において検討が進められてきたのであって、専門調査会報告が提出された今日、再度「検討」などということはあり得ないものである。
4.現在各自治体においては、財政赤字からの脱却を職員の人件費削減等に求める動きが数年にわたり続いている状態にあり、人事委員会勧告とは無関係の給与カット等を行っている自治体は既に70%近くに達している。すなわち、人勧システムは、少なくとも自治体においては機能不全的な状況にあり、労働基本権制約の代償措置としては全く不十分であることは明白である。このような状況を客観的に見れば、労使が誠意をもって協議・交渉し、あるべき賃金・労働条件について責任をもって決定していくというシステムに移行するのは時代の必然とさえ言えるものである。
5.昨年6月19日に閣議決定された「骨太2007」においては、「労働基本権については、『行政改革推進本部専門調査会』における審議を踏まえ、改革の方向で見直す」と明記し、さらにその専門調査会においては、一定の前提条件つきながらも「非現業国家公務員に対して協約締結権を付与する」ことが確認されたのであるから、政府は、自ら示した方針に従って、具体的な改革のプロセスを明確にすべきである。
6.自治労は、「労働基本権の拡大・付与を含む公務員制度改革」と「国際労働基準を踏まえた労働基本権の確立」を目標として、さらにILO対策を強化するとともに、職場からの力を背景に、連合・公務労協、そして協力政党などと連携した取り組みによって今国会での法案の修正をめざし全力を尽くすことを表明する。
2008年4月4日
全日本自治団体労働組合
政府は、規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)の「規制改革推進のための第2次答申」(2007年12月25日)を受け、2008年3月25日「規制改革推進のための3カ年計画(改訂)」を閣議決定しました。
内容は、下記のFAX情報と、規制改革会議HPをダウンロードしてご覧ください。
ファイルをダウンロード 「規制改革推進のための3カ年計画(改訂)」の閣議決定について(道本部FAX情報08年4月7日)
↓詳細は、規制改革会議HP「規制改革推進のための3か年計画(改定)」をご参照下さい。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2008/0325/index.html
2008年3月28日、大阪市会において「チェックオフ」制度を廃止する条例改正案が可決・成立した。
この問題をめぐる自治労書記長談話は以下のとおり。
1.3月28日、大阪市会本会議において、大阪市で現在行われているチェックオフ制度を廃止する「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」が自民党議員によって提案され、自民、公明両党の賛成多数で可決・成立した。
大阪市労連は、議会が条例の廃止によって労使自治を覆すことは民主主義の破壊であり、労使自治への不当介入であるとして、平松市長に対し、改正条例の公布を行わず、地方自治法第176条による市長の再議権行使を求めていたが、平松市長は4月1日、再議権を行使しないことを表明した。
2.チェックオフとは、本来、労働組合と使用者が自主的な労使協定に基づいて実施しているもので、労働基準法24条において認められ、日本でも広く普及している制度である。
しかし、1965年の地方公務員法改正によって、公務員のうち非現業職員が労働基準法第24条を適用除外とされたため、条例により定めることにより実施することとされた。
大阪市では、その条例が1966年に制定され、この間40年余りにわたって何の問題もなく、正当にチェックオフが行われてきた。
それにも関わらず、今回、議会が立法権限を不当に乱用して、一方的に廃止を決定したことは、労使自治への不当介入であるとともに、労働者の団結権を定めた憲法28条に違反することは明らかである。
また、ILOの結社の自由委員会は、チェックオフの継続中に一方的に使用者が中止することは、多くの事例においてILO第87号条約に違反するとしている。
3.大阪市会において行われた今回の暴挙は、政治が、労働者の権利や労使自治というものを全く無視し、その権限を乱用した労働組合、職員団体つぶしであることは明白である。自治労は、連合や全国の労働組合などとも連携し、全力を挙げて、この問題の解決に取り組んでいく。
全国一般評議会は、4月4日現在の春闘要求の妥結、回答の状況を、『全国一般闘争情報』No.155として別添のとおり明らかにしました。妥結した17分会は、単純平均5,305円2.11%(昨年対比△118円)、加重平均5,275円2.05%(昨年対比△189円)。回答を引き出した44分会の単純平均は5,137円1.95%(昨年対比△79円)、加重平均4,853円1.85%(昨年対比△218円)でした。妥結、回答とも平均は昨年に比べて下回る傾向にありますが、妥結・回答分回数は昨年の推移と同程度になりました。引き続き、地本段階の統一行動を配置し連続団交と抗議集会など創意工夫した取り組みを強化し、要求の前進をはかります。
ファイルをダウンロード ←全国一般闘争情報No.155
-賞与の考課査定分の詳細及び給与の地域差の状況調査に特徴-
人事院は、本年の民間給与実態調査に関する方針が固まったとして、4月18日、公務員連絡会・労働条件専門委員会にその骨格を提示した。
この民間給与実態調査は、夏の人事院勧告に向けた基礎作業として例年5月から実施されており、公務員連絡会は4月にその内容を確認する交渉を行ってきたことから、本年もその提示がなされたものである。
冒頭、人事院の松尾参事官は「勧告に向けた作業は例年通りのペースで進んでおり、職種別民間給与実態調査の内容もほぼ固まった」として、次のとおり基本的な骨格を明らかにした。
1.調査期間については、5月1日(木)~6月18日(水)の49日間(昨年は46日間)。
2.調査対象事業所は、企業規模50人以上で、事業所規模50人以上とする母集団約52,500事業所(昨年は約54,000事業所)から抽出した約11,000事業所(昨年約10,200事業所)。
3.調査方法は、人事院と、47都道府県、17政令市、特別区、熊本市、和歌山市の67人事委員会が分担し、職員が直接事業所を訪問して調査を行う。調査員は、昨年同様約1,200人である。
4.調査職種は昨年同様78職種で、そのうち初任給関係も昨年同様の19職種である。
5.調査項目については、初任給調査、個人別給与調査、事業所単位の賞与等の支給状況や給与の支給総額、事業所における給与改定の状況や雇用調整の状況などを調査する。
初任給調査について、本年は、当該事業所では採用がない場合でも企業全体としては採用している場合があることから、それを含めて調査することにしている。
調査項目の概要は次のとおりであり、昨年に比べて新しい調査項目は、①勤勉手当の成績率の基準、人員分布率決定の参考にするため、賞与の考課査定分について従業員割合や支給水準を調べること②給与の地域差に関する状況として、勤務地限定社員を除いて、基本給、地域手当、住宅手当、賞与について、勤務地によって算定の仕組みに違いがあるかどうかを調べること等である。
(1) 本年の給与改定・・・ベース改定、定期昇給の状況等、冬季賞与(定率部分と考課査定部分に分けて把握等)の支給状況
(2) 地域差の状況・・・・勤務地によって算定の仕組みが違う場合の状況
(3) 家族手当・・・・・・手当の支給状況、制度の見直し状況等
(4) 住宅手当・・・・・・借家借間に対する手当の支給状況等
(5) 通勤手当・・・・・・交通用具使用者に対する通勤手当の支給状況等
(6) 単身赴任者の手当・・単身赴任を理由に支給する手当の支給状況等
(7) 雇用調整の状況・・・採用の停止・抑制、業務の外部委託、部門の整理、解雇、賃金カット等の状況
(8) 労働時間・・・・・・所定労働時間の状況等
これに対して、公務員連絡会側は、本年新たに調査する①考課査定分の詳しい状況②給与の地域差の状況について、調査の趣旨を質した上で、調査結果等については公務員連絡会と十分な交渉・協議を行うことを申し入れるとともに、次の通り要請を行った。
(1) 公務員連絡会としては、昨年の基本要求でも比較企業規模について100人以上とすることを求めてきたところであり、50人以上とすることは反対であるとの基本的立場は変わらない。したがって、民調を含め以後の勧告作業に当たっては、そのことをしっかり念頭に入れて作業を進めてもらいたい。
(2) 本年春の民間の賃上げ結果を見ると大手企業はもちろん中小企業でも実績が上がっており、そうした民間実態を正確に調査していただきたい。
(3) 調査結果については、事前に十分な議論をさせていただきたい。昨年は、勧告直前まで較差が示されず、十分な議論ができなかったが、本年はそのようなことがないようにしていただきたい。
要請に対し、松尾参事官が「精確な調査を心がけたい。事前の議論については、数字が小さいとなかなか固まらないということがあるが努力したい」と答えたことから、これを確認し、交渉を終えた。
-民主党が与党との法案修正協議を開始するも予断を許さない厳しい情勢-
国家公務員制度改革法案は5月23日の衆議院内閣委員会でも審議が行われた。審議には、民主党、社民党の議員らが質問に立った。
質問に立った佐々木議員は労働基本権問題に関わって、①2条の基本理念に非現業公務員への協約締結権付与を明記することについて、前回審議で「前向きに検討」と答弁があったが、明記するつもりはあるのか②前回審議で、法案成立後に行う協約締結権の制度設計の検討について「当然関係当事者の意見を聞く場になろうかと思う」との答弁があったが、「関係当事者」とは政府と公務員組合という認識でよいか③法案成立後、直ちに検討に着手し、自律的な労使関係を確立すべき、などと追及した。
これに対して、渡辺大臣は、①当委員会において、そのことを含めて協議されると思っている。前向きに検討すべき課題だと考えている②職員団体は当然関係当事者である③基本法案が成立すれば、出口のない議論を続けていた専門調査会の議論を1年半、大臣就任後10カ月で結論を出してもらった。そのあたりの時間感覚を考えながら12条については検討を進めていくべきだ、との見解を表明した。
続いて社民党の菅野議員は、①改革に必要な措置を5年以内に行うとあるが、5年も必要なのか、目安はあるのか②専門調査会報告でも示されている使用者機関の確立についてどう考えているのか、法案に盛り込むべきではないか③能力・実績主義と労働基本権はセットの問題。能力・実績主義だけ先走って労働基本権が置き去りにされているのではないか、などと追及した。
これら質問に対し、渡辺大臣は、①改革には様々時間を要するが、早急に進めないといけないため、5年とした。法案成立に伴って必要となる一般職給与法などの法改正は3年を目途に講ずるつもりである②法案成立後、12条の協約締結権のあり方を検討する際、使用者代表のあり方も検討されるものと思っている。使用者機関については、専門調査会報告の3つの柱の1つであり、そのことを踏まえてやっていきたい③法案成立後速やかに検討を始めるべきだと考えているし、その際、職員団体を含めた
当事者の意見を聞くことが大事だ、と答弁した。
今後の審議については、現在のところ未定となっており、与党と民主党間で法案の修正協議が行われ、その結果が今後の法案の取扱いを左右することとなる。しかし、政府・与党の姿勢は極めて固く、修正協議のゆくえは予断を許さない状況にある。
公務労協としては、衆院内閣委員会審議で引き出した渡辺大臣の答弁を踏まえ、引き続き、連合と連携しながら、民主党等を通じて「協約締結権の付与」の明記などを求めて取組みを強めていくこととする。
衆議院本会議で可決し送付された「宇宙基本法(案)」が、5月21日に参議院本会議において可決した。
1969年に衆・参両院で「宇宙の開発・利用は、非軍事・平和の目的に限定する」との日本政府の原則を大きく変更するもので、『宇宙の軍事利用」に道を開くこととなり重大な危険性をもつものだ。さらに、商業目的の利用にも道を開き、研究分野として未開拓な「宇宙」に、産業資本の安易な参入を許す「宇宙基本法」に対して、自治労としても大きな危惧を抱かざるを得ない。この「法案」が両院合わせても数時間の議論のみで、有識者や国民的議論もないままに決定された事に抗議の声を上げるとともに、宇宙開発・利用については、憲法理念に基づき軍事利用に踏み込むことのないよう取り組みを強化していく。
下記の「平和フォーラム声明」と「宇宙基本法」案をご参照ください。
5月28日、地方分権改革推進委員会が、国から地方への権限移譲、都道府県から市町村への権限移譲などを中心とする「第1次勧告」をまとめた。これに対する自治労の見解を別添のとおり。
地方分権推委員会HP↓こちらから、第一次勧告資料を見ることができます
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html
6月5日成立した「国家公務員制度改革基本法案」に対する自治労見解が掲載された道本部FAX情報です 。
2008 男女平等産別統一闘争 内閣府要請報告
男女平等産別統一闘争の一環として、自治労本部は6月4日、内閣府に要請行動を実施しました。概要は以下のとおりです。
【内閣府 6月4日 10:30~】
内閣府:長谷川総務課長、吉野調査課専門官、南推進課課長補佐、金児総務課推進官、宮田推進課長補佐、藤島推進課課長補佐
自治労:植本副委員長、金田書記長、長沢組織局次長
別紙=申入書
冒頭、植本副委員長より申入書(別紙参照)を手渡し、今回の要請の趣旨について説明を行った。それに対し長谷川男女共同参画局総務課長が「日頃から男女共同参画社会の推進にご尽力いただき感謝している。植本副委員長には男女共同参画会議、ワーク・ライフ・バランスに関する専門調査会にもご参加いただき、貴重な提言をいただいている。昨年、『仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章』が策定され、本年はワーク・ライフ・バランス元年と位置づけている。女性がさらに活躍できる社会を実現するため、「女性参画推進プログラム」を策定した。さらなる推進に向けて、本日は忌憚のない意見を頂きたい。」と述べ、個別の回答に移った。
【要請項目1】
連合・自治労の協力のもと、WLB憲章・行動指針が政労使で合意された。憲章の中に明記されている3つの社会(就業による経済的自立が可能な社会、健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、多様な働き方、生き方が選択できる社会)の実現が、男女共同参画につながると考えている。憲章・行動指針に基づく進捗状況の点検・評価を行い、社会へと反映させていくため、官民トップ会議のもと、連携推進評価部会が4月に設置された。関係者一体となり、さらに取り組みを促進していく考えである。現在、上川大臣のリーダシップのもと、「職場を変えよう!キャラバン」を展開し、生活と仕事の調和、子育てにやさしい社会の実現、女性の参画加速を大臣自ら業界や団体トップに要請している。多様な社会のニーズを踏まえ、だれもが能力をいかんなく発揮できるよう、どのようなWLBが必要なのか、今後調査検討する予定でいる。本年をWLB元年とし、あらゆるチャンネルを活用し、積極的な取り組みを行っていきたい。
【要請項目2】
(1)男女共同参画社会基本法が策定されて、来年で10年を迎える。男女共同参画という言葉が広く一般に知られるようになり大きな意義があった。基本法については、各種講演やメールマガジン、パンフレット等を通じて紹介、周知努力しているところである。今後とも様々な機会を通じ情報を発信していきたいと考えているので、協力をお願いしたい。基本法では都道府県に基本計画策定が義務付けられており、すでに全都道府県、政令指定都市で策定されている。市区町村については、基本法上は努力義務となっているが、策定率が51%、検討中15.9%となっている。内閣府としては、これまでも策定の手引きなどを作成した経緯もあるが、今後ともさらなる達成率向上にむけ支援を行って行きたい。
(2)ナショナルマシナーリーの機能発揮については、総理大臣を本部長とし全閣僚を本部員とする男女共同参画推進本部が内閣に設置され、政府一丸となり取り組んでいる。また、女性の参画加速プログラムを設定し、男女共同参画推進本部、各省庁連係のもと政府をあげて取り組んでいる。
(3)2002年、男女共同参画推進会議において、苦情処理システムを構築することが決定されたことをうけ、2003年から、自治体の苦情処理窓口において受け付けられた内容を取りまとめ、男女共同参画会議の下にある監視・影響調査専門調査会へ定期報告している。今年3月に苦情処理ガイドブックを改定した。苦情処理情報についてさらに内容充実させ、苦情処理体制の充実にむけ取り組んでいる。第三者機関(オンブズパーソン)を設けるなど新しい体制については、今後調査検討していきたい。
(4)女子差別撤廃条約選択議定書に定められている個人通報制度については、自由権規約、拷問等禁止条約、人種差別撤廃条約を含む人権に関する条約全体の中でどのように取り扱うか、外務省、法務省等において検討中である。
【要求項目3】
政策に国民の目線で多様な視点や新しい発想を導入することが求められている点からも、公務部門における女性参画は重要であり、率先して取り組む必要がある。「女性の参画加速プログラム」においては女性の参画が期待されながらも参画が進んでいない職種や、ワーク・ライフ・バランスが取りにくい職種などに焦点を当て、女性の参画を阻む課題に対し重点的な取り組みを行う。2010年度末までに女性管理職の割合を5%(現107%)とすることを目標に女性職員の登用を進めていく。各省庁ごとに行動計画を策定し、数値目標を盛り込むように要請している。
【要求項目4】
男女の均等な待遇については、男女共同参画社会基本法にも明記されており、改正男女雇用機会均等法や改正パート労働法が実効力をもつことは、男女共同参画をより一層推進させると理解している。男女共同参画ハンドブックや各種研修などを通じ、情報提供、普及に努めていく。
【要求項目5】
配偶者暴力防止法の改正等を踏まえ、内閣府等主務4省庁が関係省庁と協議・連携して本年1月に基本方針を改定。
内閣府においては、施策の着実な履行と環境整備をはかるため自治体、民間団体、関係団体など一同に介した、官民連携の促進のための全国会議の開催、民間団体と連係し事業を委託しながら自立支援に向けたモデル事業の実施、積極的な広報を予定している。今後とも関係省庁と連携の上、DV防止、被害者支援に取り組んでいく。
【要求項目6】
労組など、各種団体のポジティブアクションについて、こちらが把握している事例は限られているが、連合の第3次男女平等推進計画や日弁連が計画を策定していることは承知している。今後、そういった好事例についてはご紹介して参りたい。
これらの回答に対し、自治労側からはさらに次のように質問した。
(1)WLBを実際に行っていく上での弊害をどのように取り除いていくのかが抽象的である。より強い実効性を求める。
(2)男女共同参画基本計画の市区町村での策定率が51%ということであったが、町村レベルでの策定率はもっと低い。とりわけ町村レベルでの実行が、地域社会の意識改革にとって重要と考える。町村へのきめ細かい支援を求める。
(3)地方財政が逼迫し、男女共同参画の政策は優先順位後ろになりがち。女性センターの廃止、DV支援施設への影響など政策の後退を懸念している。財政難を理由とした政策の後退を許さぬように求める。
(4)国家公務員の管理職に占める女性の割合を2020年までに30%とする目標に向け、各省庁ごとの段階的なプログラム策定を求める。
これらに対し、内閣府からは次のような回答があった、
(1)本年はWLB元年であり、非常に大切な1年となる。専門調査会ではWLB取り組みの好事例をまとめ、いかに分かりやすく発信していくかが重要と考えている。自治体と一緒になって取り組んでいきたい。11月は、WLB集中月間となっており、フォーラム等イベントなど開催し、広く国民に身近に感じていただきたい。
(2)町村での参画計画の遅れはご指摘の通り。地域においてどのように男女共同参画、WLBの実現をどのようにすすめていきたいのか議論しなければならない。
(3)現状認識を踏まえ、これまでの学習型メインからから実践型へとシフトしていきたい。実践を通じて、意識改革をしていく第2ステージへと移行し、それを良い形で地方へと発信していきたいと考えている。
(4)国家公務員の管理職に占める女性の割合は、全体では現状17%だが、すでに4~5%の省庁もある。各省庁、現状+3%を目標とし、全体では5%という数値を設定している。
最後に、金田書記長から「世界的にみても、日本の男女共同参画はかなりの遅れをとっている分野。公務のリーダシップが求められる。今、手がけている取り組みの着実な実行を期待する」と述べ、さらに植本副委員長から「男女平等は、政労使がともにスクラムを組み共同で進められる課題。政府の率先した推進を」と述べ交渉を終えた。
以上
自治労本部ホームページにおけるWBLチェックページについて
2008春闘方針においては、「ワーク・ライフ・バランスの実現と職場のワークルールを確立する取り組み」として、連合の提起する「私たちの働き方改革宣言」運動を進めるとともに、自治労本部として、教宣物を作成し、自治労共済と連携したキャンペーンを展開することが確認されています。
また、男女平等産別統一闘争においても、春闘から引き続き、ワーク・ライフ・バランスの実現にむけた取り組みを継続することが確認されています。
自治労ホームページにおいて、個人ごとのワーク・ライフ・バランス度を気軽にチェックできるページを作成しました。
自治労ホームページ上にあるバナーをクリックして下さい。
または、こちらのアドレスからも直接アクセスできます→http://www.jichiro.gr.jp/wlb/
―要求内容を取りまとめ、人勧期に向け交渉継続することを確認―
公務員連絡会・賃金労働条件専門委員会は、6月19日10時から人事院交渉を実施し、非常勤職員給与の改善措置の検討状況を質した。
この交渉は、公務員連絡会が、連合の「STOP! THE 格差社会」キャンペーンの一環として、公務部内の非常勤職員の雇用の確保と処遇の抜本的改善を要求してきた結果、人事院が昨年報告で「必要な方策について検討」することを明らかにし、本年春の総裁回答では「非常勤職員について、本年勧告時を目途として、給与決定に係る指針の検討を進める」との姿勢を示し、具体的な検討作業を行っていたことから、その内容を明らかにさせるために実施したもので、人事院側は松尾参事官、川崎地域手当調整室長が対応した。
くわしくは下記ファイルをご覧下さい
自治労は、第136回中央委員会において、「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求めて取り組みます。また、2009年度使用教科書の作成に関して、教科書出版会社・執筆者に対して、沖縄戦の史実に基づいた記述へ書き換えを要請します。」との方針を定め、取り組みを進めているところです。
この件に関し、教科書協会は、2008年6月16日、「教科書検定審議会」の求めに応じて、「教科書検定の審議の過程は公開を避け、検定決定後とすべきだ」「執筆者を含め、検定に関わる者は守秘義務を果たすべきだ」との見解を示しています。自治労としては、このような教科書協会の見解を看過することはできません。
このたび、平和フォーラムから、この教科書協会の見解を直ちに撤回するとともに、①教科書の制作段階から、公開の原則を徹底し、教科書それぞれの内容を国民に知らしめること、②そのことを基本に公開の場で教科書の審議が行われるよう教科書検定制度の改善を求めること、を趣旨として、声明が発せられました。各地での取り組みにご活用ください。
地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会が別紙のとおり発足することが決定され、労働組合代表として自治労から江﨑労働局長が研究会メンバーに選任されました。
第1回研究会は、7月18日(金)が予定されています。
自治労は、公務員連絡会地公部会とも連携し、積極的な意見反映に取り組んでいきます。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律が2009年5月21日から施行されることにともない、本年5月30日に人事院規則15.14の一部改正が公布され、国家公務員及び非常勤職員が裁判員として出頭する場合、「特別休暇」として措置されることとなりました。また、これの改正内容を踏まえ、総務省公務員課においても、各自治体において所要の措置を行うよう、別紙の通知を行っています。
つきましては、これら人事院規則改正、総務省通知の資料を添付しますので、ご確認をお願いするとともに、各自治体において国と同様の措置がはかられるよう、取り組み方をお願いいたします。
政府は、「経済財政改革の基本方針2008」(骨太方針2008)を閣議決定した。これに対する自治労の見解、連合の談話は下記のとおり。
http://www.keizai-shimon.go.jp/cabinet/2008/decision0627.html ←「経済財政改革の基本方針2008」はこちらから(内閣府.経済財政諮問会議HP)
総務省は、公立病院に関する国の財政措置のあり方を見直すため、有識者及び公立病院関係者の意見をもとに検討する場として「公立病院に関する財政措置のあり方検討会」を設置し、7月1日、第1回検討会が開催された。
検討会は公立病院に関する財政措置のあり方等について検討し、主として、①いわゆる「不採算地区病院」など過疎地等における病院及び診療所に係る地域医療確保のために必要な財政措置 ②産科、小児科、救急医療等に関する財政措置 ③公立病院の経営形態多様化を踏まえた財政措置 ④その他公立病院に関する財政措置のあり方全般等(※「公立病院改革ガイドライン」に掲げた既存の地方財政措置の見直し(病院建物の建築単価の上限設定、「病床数」への病床利用率の反映等)を含む)について検討することが議題として議論された。
検討会は月1回のペースで6回の開催予定。11月を目途に具体的な財政措置の内容を決め、2009年度の地方財政計画に反映させたいとしています。検討会の座長は、東大の持田信樹教授。
今後、自治労として検討会の動向を注視し、地域医療の実態に即した意見反映、要請等に取り組んで行く。
-大臣は「納得性の高い評価制度となるよう意見交換していく」と回答-
公務員連絡会福田議長ほか委員長クラス交渉委員は、7月1日11時30分から、渡辺行革担当大臣と交渉を持ち、新たな人事評価制度について、要求の実現を迫った。
この間、公務員連絡会は、新たな人事評価制度の来年度施行を控え、夏以降に実施される全員参加のリハーサルに向けて、人事評価制度の骨子と評価結果の活用措置案について、行政改革推進本部事務局及び人事院との間で、交渉・協議を進めてきた。行革事務局との間では、人事評価制度の骨子について交渉してきたが、評価結果の開示と苦情処理システムへの労働組合の参加をめぐって不満が残る内容に止まったことから、委員長クラスと行革担当大臣との間で決着を図るために実施したもの。
公務員連絡会側は、福田議長以下、委員長クラス交渉委員が交渉に臨み、行革事務局は渡辺担当大臣のほか、株丹事務局次長らが対応した。
冒頭、福田議長は、次の通り述べ、渡辺大臣に対し、要求の実現に向けて特段の尽力を求めた。
(1) 改正国公法に基づく人事評価の本格実施に向けたリハーサル試行が直前に迫ってきている。
(2) われわれは、公務においても「年功序列的人事管理から能力・実績に基づく人事管理への見直しは必要」との認識の下に、様々な対応を行ってきた。しかし、能力・実績主義人事管理を進めていくためには、そうした人事管理の基盤たる人事評価制度が公平・公正、透明で納得性のあるものでなければならない。そのために、①評価結果の全面的な開示を行うこと、②労働組合または職員代表が参加・関与する苦情処理システムを確立すること、を求めてきた。
(3) 24日に「人事評価制度骨子(修正案)」が示された。これまでの試行の実施案に比べれば前進面もあるが、①評価結果の開示について個別項目の開示が明確になっていないこと、②苦情処理システムに労働組合の参加が保障されていないこと、などの問題があり、われわれとしてはこの内容について不満が残るといわざるを得ない。
民間の実例でも明らかなように、能力・業績人事評価制度を円滑に導入するためには、当局が一方的にことを進めるのではなく、労使が評価に対する認識を共有し、協力し合っていくこと、評価者と被評価者の信頼性確保が何より重要である。
(4) 近々に予定されるリハーサル試行は、全国家公務員が参加する最初にして最後の極めて重要な試行だ。われわれも、このリハーサル試行を是非成功させたいと考えているので、タイムリミットも迫っているが、担当大臣として特段の尽力を要請したい。
これに対し、渡辺行革担当大臣は、次の通り、考えを明らかにした。
(1) 公務員連絡会とは、これまでの試行や制度設計段階から、率直かつ前向きな話し合いを重ねてきたと聞いている。わたしも、リハーサル試行はぜひ成功させたいと考えている。
(2) 評価結果の開示については、国会でも議論があったが、能力・実績主義を実施するのであれば、能力評価、実績評価の結果をきちんと開示することが大事だ。これまでの試行ではほとんど開示されてこなかったと聞いているが、基本法に「評価結果の開示」を盛り込み、新たな制度においては「開示することが原則だ」という点を明確にした。
(3) 新たに設ける苦情処理の仕組みについても、苦情申出人の利便性なども十分に考慮し、また、公務員連絡会のご意見も踏まえて、できる限りの工夫をさせていただいた。
(4) 私どもとしても、現時点で考えられる最大限の措置をとったつもりであり、いろいろ問題があるとのことであるが、この形で制度を概定し、夏からのリハーサル試行に臨みたい。リハーサル試行を踏まえ、さらに詰めるべきものは詰めてもらいたいと思っている。
さらに、福田議長が「人事評価制度は、今回のリハーサル試行の結果を踏まえて、さらに制度的な検証を行い、最終的に確定するものと考えている。納得性を持った制度となるよう、その過程においても、われわれとの十分な交渉・協議を行ってもらいたい」と本格実施に向けた努力を求めたのに対し、渡辺大臣は「リハーサル試行は全職員が対象であり、これがうまくいかないと本格施行に支障が出かねないので、重く考えている。今後、リハーサル試行を経て、最終的な制度設計を行っていくが、今後とも、信頼性が高く、納得性の高い人事評価制度となるよう公務員連絡会とは引き続き意見交換を行っていく所存であり、よろしくお願いする」との考えを示した。
これを踏まえ、最後に、福田議長が「大臣から「今後とも、信頼性が高く、納得性の高い人事評価制度となるよう十分意見交換していきたい」との見解が示されたので、それを受け止め、リハーサル試行に対応していきたい」と引き続き意見交換をしていくとの大臣の考えを確認し、交渉を締めくくった。
公務員連絡会では、7月1日の大臣交渉の結果や人事院との間で近々に行われる評価結果の活用措置案に関わる交渉の結果を踏まえ、リハーサル試行に対する最終的な対応方針を固めることにしている。
総務省は、「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」を7月1日に設置し、有識者及び公立病院関係者等の意見をもとに検討を開始しています。7月8日付けで「公立病院に関する財政措置のあり方等に係る意見照会について」の事務連絡が発出され、7月29日を回答期限に各都道府県財政担当課、各都道府県市町村担当課、各都道府県病院事業担当課、各指定都市財政担当課、各指定都市病院事業担当課、各関係一部事務組合、各関係広域連合宛に意見を求めていますのでお知らせします。
自治労は7月16日、公立病院改革ガイドラインと地方財政措置などについて地域医療を確保する観点から総務省に対する交渉をおこなった。
交渉には、自治労公立病院改革対策本部から加藤本部長、金田事務局長、中島・松井副事務局長他が参加し、久保信保総務省自治財政局長に要請を行った。
【要請書】
要請書をダウンロード
【交渉報告】
冒頭、加藤本部長(中央本部副委員長)より、地域医療が医師不足や診療科目の閉鎖、さらには公立病院の統廃合など危機的状況にある。そうした状況は医療崩壊として広くマスコミや有識者からも取り上げられていて地域住民の関心も高い。昨年、公立病院改革ガイドラインが出され来年3月末に向けて改革プランの策定が求められているが、財政効率化ありきでは地域医療は守れない。総務省として、地域医療の基幹的役割を担っている公立病院に対しその役割と機能が十分に果たせるよう財政措置等を含め格段の支援策の実現に向けてお願いしたい、と要請趣旨を述べた。
続いて、金田事務局長(中央本部書記長)より具体的な重点事項を説明した。
第1に、公立病院における「不採算地区・部門」などにおける支援措置について、第2に、指定管理者制度を奨励しないこと、第3に、市町村合併後の不採算地区病院への財政措置について、第4に、公立病院勤務医の過重労働解消のための財政措置について、第5に、「公立病院の財政に関わるあり方等検討会」における関係者ヒアリングを的確に行うこと、などについて要請した。
これに対し、久保局長は以下のような回答を行った。
「公立病院改革に取り組んでいる背景は2つある。第1に、公立病院会計は公営企業特別会計のひとコマであり、自治体財政健全化法において連結して財政をみていこうという中で病院の財政をどのように考え運営するのか。第2に、地域医療確保の観点で医師不足など深刻化している地域医療の崩壊をどう食い止めていくか、公立病院の果たす役割は大きく、これをどう確保するかである。公立病院改革ガイドラインは第1の背景が強調されているが、最大の目的は第2の背景に重点がある。病院事業の採算性について診療報酬で考えるべきところも大きいが、公立病院は公営企業において独立採算といいながらその事業目的から医業収益のみで黒字とはなりにくい。民間病院ではできない部分を改めて整理し、一般会計からの繰り出しについてもあいまいにせず、ルールを明確にすることが必要だ。効率化や再編ネットワークは手段であって、どう地方の公立病院が特色を出してやっていくかである。経営形態についても、住民のためにどのような形で病院を維持していくのか、そのためにはどのような経営形態が良いのか。指定管理者制度についても地域のなかでひとつの形態として判断してもらうということだ。このままいくと地域で病院が全部なくなってしまうという危機感ももっている。住民の命が危機に陥ることがないようにすること、地域医療を守ることが前提で、そのためには財政健全化も効率化も必要であるし、財政のルール化や経営感覚も必要である。公立病院があるが皆赤字であるというところもある。連携して再編ネットワーク化することや市町村合併が行われたことにより今まで難しかった議論が進むのではないかと期待もある。加えて、民間病院との連携なども検討する必要がある。「あり方等検討会」で多方面からのご意見を伺いたいと思っている。」
こうした回答を受けて、意見交換し、今後とも自治労として地域医療や公立病院の実態について改革の要請や提言を行っていくので積極的に取り上げて欲しい旨要請し、終了した。
-非常勤給与改善の予算確保と報告での「次のステップへの言及」を要請-
公務員連絡会・賃金労働条件専門委員会は、7月17日13時30分から人事院の松尾職員団体審議官付参事官と交渉を実施し、7月8日に提出した「「非常勤職員の給与に関するガイドライン(案)」への意見等について」(以下「意見」という。)に対する人事院の回答を求めた。
冒頭、石原委員長が人事院の回答を求めたのに対し、松尾参事官は次の通り答えた。
(1) 「初号俸の俸給月額を基礎」ではなく「最低」とすることについて
今回のガイドラインは、非常勤職員の給与決定についてこれまでに定めたものがなく、各府省まちまちであり、その結果給与がバラバラであった。そこで、類似する職務の常勤職員に適用されている俸給表の1級の初号の俸給月額を基礎とすることにしたものであり、初号を下回る俸給月額はないので「最低」という言葉は使う必要はないと考えている。
(2) 「相当長期」ではなく「6カ月以上」と明記することについて
昭和30年通知(34-144給与局長)では「6カ月以上」と書いてあり、今回は書いていないが、30年通知の趣旨は踏まえているので「相当長期」について「6カ月以上」と受け止めていただいてよい。明記していないのは、例えば基準日に5カ月勤務している者について基準日後も勤務してもらう場合に手当を支給しようとしたとき、それを排除しないようにするためである。
(3) 期末手当の基準日前1カ月以内の退職者への支給について
期間を限った雇用であるという非常勤職員の雇用形態等から、基準日前1カ月以内退職者への特例支給措置は必要がないと考えている。
(4) 勤勉手当も支給することについて
勤勉手当は、常勤職員の場合、勤務評定または新たな人事評価による勤務成績に応じて支給される手当であるが、非常勤職員は人事評価の対象となっていないことから明記していない。ただし、各府省において、勤勉手当を支給することを否定するものではなく、支給する場合には何らかの評価を行うことによって勤務成績を判定するよう指導していきたい。
(5) 「支給するよう努めること」を「支給すること」に改めることについて
民間では非常勤職員への一時金の支給は6割弱であること、また予算と関わりがあること、などから努力義務としている。各府省に、できるだけ支給するように働きかけてまいりたいし、支給状況を点検していきたい。
(6) 社会保険・雇用保険を適用するよう指導することについて
各府省において、雇用者の責任として、適用されているものと考えている。雇用期間を2カ月ごとに区切ることによって適用しないということが問題とされたことがかつてあったが、不利に扱われていることがあれば、各府省、所管府省に申し入れていただきたい。
(7) 「確認事項」について
①今回のガイドラインは、最低の基準を定めるものであり、例えば、医療職や労働局の相談窓口など比較的高い賃金が支払われている職員について、それを引き下げるものではない。
②「職務内容」に応じて、初任の級以外の級の初号の俸給月額を基礎することができることにしており、例えば2級、3級相当の専門的な仕事をしていればその級の初号を基礎にできる。
③「在勤する地域」を考慮するとは、ご指摘の通り、少なくとも在勤する地域の地域手当の割合を給与に加算するという趣旨である。
④「職務経験等」を考慮するとは、常勤職員に準じて「学歴免許」「経験年数」に応じた調整を行うことができるという趣旨である。
⑤通勤手当は実費弁償であることから、「支給すること」とはっきりした書き方をしている。ただ、非常勤職員は官署に近いところに住んでいる人を雇用しているし、転勤もないことから支給上限について常勤職員と同様に取り扱うというところまでは想定していない。
以上のように、松尾参事官は公務員連絡会の意見にほぼ沿った回答を示した。これに対し、公務員連絡会側は以下の通り更なる努力などを求めた。
(1) 公務員連絡会としても非常勤職員の実態調査を行ったが、その結果を踏まえると、このガイドラインによって、相当改善されることになる。発出後は、各府省がこれに沿って対応するよう指導していただきたい。
(2) ガイドラインに沿って改善できるよう、人事院として、予算措置について財務省や各府省に働きかけていただきたい。
(3) ガイドラインはいつ頃発出し、どういう形式か。
(4) 地域手当、期末手当、通勤手当以外の手当には言及されていないが、例えば特地勤務手当や寒冷地手当などは支給できないということか。
(5) 新たな人事評価制度との関わりで言えば、成績率の判定をしなければならないのはまだ先の話ではないか。
これらに対し松尾参事官は、次の通り答えた。
(1) このガイドラインによって改善になると考えているが、予算措置の問題があり、このガイドラインに沿った給与を払うことにすると雇用人数を減らすことになり仕事がきつくなることがあるかもしれないので、ある程度の時間は掛かるかもしれないが、こういう形になってほしいと考えている。規程の整備を求めているので、その整備状況をフォローし、足りないところがあれば指導していきたい。
(2) 財務省に対してはガイドラインの内容について説明を行うことにしているが、予算を増やしてほしいというところまでは難しい。
(3) ガイドラインは勧告後早期に出すことにしており、事務総長通知で出すことを考えている。文言の修正は難しいと思うが、皆さんのご意見を踏まえながら、8月中に出すことになるかもしれない。なお、各府省はこのガイドラインを踏まえて21年度の予算要求をすることになる。
(4) ガイドラインに書いてない手当について支給してはいけないということではないので、常勤職員と非常勤職員の位置づけの違いを踏まえて、各府省の実情を勘案して対応していただければよいのではないか。
(5) 勤勉手当の性格上、成績の判定が何もないまま支給することは難しいので、徐々に形を整えてほしいと思っている。常勤職員と同様の人事評価を行わなければ支給できないということではない。
これらのやり取りを踏まえ、最後に石原委員長が①このガイドラインは、非常勤職員の給与の最低基準を定めためものであり、現在の非常勤職員の給与を引き下げるものではないこと②「期末手当に相当する給与」とされている意味は、「勤勉手当に相当する給与」の支給を排除するものではないこと③「相当長期」については、昭和30年の通知の趣旨を踏まえたものであること、の確認を求めたのに対し、松尾参事官が「本日申し上げたとおりである」としてこれを確認したことから、さらに「ガイドラインに沿った措置が実現できるよう、人事院として予算の確保に尽力されたい。非常勤職員の処遇等の改善に向けて、ガイドラインは一歩前進であるが、人勧期要求で求めているように、本年報告で、改善に向けた次のステップに言及していただきたい」と強く申し入れた。申入れに対し、松尾参事官が「ご要望は承った」と応えたことから、石原委員長から「来週の給与局長との交渉では明確な回答をいただきたい」と重ねて要望し、交渉を締めくくった。
人事院に設置されている「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」は7月24日の第13回研究会で「中間とりまとめ」を決定し、同日公表した。これを踏まえ、秋以降から、来年夏の最終報告に向けて本格的な審議を行うことになってい。
自治労および公務員連絡会は、引き続き、公的年金の段階的支給繰り延べに遅れることなく雇用と年金を接続するよう、公務員連絡会の「新たな高齢雇用施策取りまとめの基本方向」(2008年5月)に沿って意見反映をはかる。
関係資料は次のサイト↓からダウンロードできます。
http://www.jinji.go.jp/kenkyukai/koureikikenkyukai/chuukan/chuukan_mokuji.htm
「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画」で舛添大臣に要請
自治労は8月21日、政府が7月29日に閣議決定した「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画」について舛添厚労大臣に要請を行った。要請には、岡部委員長、菅家企画局長が臨み、仙谷由人衆議院議員(自治労協力国会議員団長)が同席した。
冒頭、岡部委員長は別紙の要請書を手交し、(1) 「基本計画」では遺憾ながら懲戒処分者は日本年金機構に採用されないこととなった。社会保険庁職員の分限免職回避を是非とも実現してほしい、(2) 年金記録問題の解決など年金行政の信頼回復にむけ、政府の責任で総力を挙げて十分な予算と人員を確保し、速やかに具体策を講じるべきであるなどと述べ、舛添大臣の見解を求めた。
これに対し舛添大臣は概要以下のとおり答えた。
(1) 連合・自治労の皆さんには事前に意見を伺い、バランスの取れた形でいくようにやってきたが、ご承知のような経過の中で「基本計画」の決定となり大変申し訳ない。後は国会の場でもきちとんと冷静に議論すべきであると考える。
(2) 分限免職回避のため、働く場所を確保していくために省内にチームをつくって対応している。記録問題など今からいろんな案件が出てくるのでそう簡単には人減らしというわけにはいかない。
回答を受けて岡部委員長が継続した協議を求めたのに対し、舛添大臣は「今後も節目節目で相談したい」と応じ、この日の要請を終えた。
総務省に設置された「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会」は、8月25日15時より、第2回研究会を開催しました。
第2回研究会では、地方公共団体からのヒアリングとして、東京都と藤沢市から、当該自治体における短時間勤務職員の状況報告と質疑が行われ、ヒアリング後には、委員間で意見交換が行われました。
審議概要は、以下のとおりです。
なお、次回研究会は、9月25日に開催され、職員団体からのヒアリングが実施される予定です。
また、研究会の配布資料・議事録は総務省ホームページに順次公表されますので、ご覧下さい。
http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html
1.東京都からのヒアリング
【報告の概要】 別添1に基づき報告が行われた。
○東京都では、一般職の任期付職員採用法4条(任期付・常勤)と5条(任期付・短時間)に基づく採用実績はない。
○1992年に、臨時・非常勤職員に係る取扱要綱を整備し、①専門的非専務的・臨時的非常勤、②専務的非常勤、③臨時職員に分類して、活用している。
①専門的非専務的・臨時的非常勤は、医師・看護師など専門的資格などに基づく高度専門的業務に従事する非常勤職、統計調査委員や看護学校時間講師などその都度の業務の必要性に応じ従事する非常勤職。いずれも雇用期間1年、月勤務16日以下。
②専務的非常勤は、消費生活相談員、婦人相談員等行政支援の業務に従事する非常勤職。雇用期間1年、月勤務11日〜16日。
③臨時職員は、補助的業務従事。雇用期間は原則2月以内、最大6カ月。
○②専務的非常勤については、勤務成績良好等であれば4回まで更新(5年間勤務)できる。
○任期付短時間勤務制度を導入していない理由は、①すでに臨時・非常勤
→すでに現行体系で専門的に活用しているので転換の必要性はない。また、当該専門的非専務的非常勤の従事する職は多様で取り出しが難しい。
○非常勤職員制度の方が柔軟な勤務態様に適しているということか。
→従事する職の内容からマッチしている制度を選択している。短時間勤務職員制度は活用しづらい。
○現行の短時間勤務職員制度の要件を緩和したとしても、短時間勤務職員に移行しないのではないかと感じたがどうか。
→是が非でも活用したいとは考えていない。
2.藤沢市からのヒアリング
【報告の概要】 別添2に基づき報告が行われた。
○藤沢市では2005年から任期付短時間勤務職員制度を導入、非常勤職員から19人が任期付短時間職員に転換した。現在、50人の短時間勤務職員がいる。
○主要業務は、藤沢市内の13行政区に設置されたセンターにおける地区福祉窓口である。
○勤務時間は1日8時間、週4日勤務。
○導入効果としては各所属管理の非常勤職員と異なり人事主管課の管理となったこと、および定数抑制効果があるということ。
○しかし、任期付短時間勤務職員の定着率が芳しくないという問題点がある。
【質疑応答】
○任期付短時間勤務職員の任期はどのようになっているか。
→最初1年。勤務成績良好ならその時点で2年。都合3年。任期付職員採用法7条に基づく措置である。
○退職状況はどのようになっているか。
→2005年は19人採用で5名退職、2006年は10人新規採用、4人退職、2007年も5人退職。退職理由は、任期があることから出産・育児等にかかると退職を選択するため。
○3年経過後の再更新の折の手続きはどのようにしているか。
→選考採用を実施し、あわせて定数不足分は公募。少なくとも1回目の更新は選考採用で継続して任用するが、これを拡大するかは不明である。
3.委員間意見交換
【江﨑委員(自治労労働局長)の主な発言】
○短時間勤務職員制度の導入を行った自治体は、現行の制度はやはり要件が厳しすぎる、とりわけ、任期を要件としたことがハードルとなっていると言っている。任期に係る事項について柔軟な制度設計が必要ではないか。
【他委員の主な発言】
○非常勤職員の任用根拠は地公法3条3項3号の特別職としている例が多いのではないか。特別職は労働者性が低いイメージの職が想定され、本来、特別職でなくてもよいという実態が見られるのではないか。また、恒常性の高い業務に特別職非常勤を充てている例も散見されるのではないか。
○地公法3条3項3号による任用は、地公法の適用がないなど規律性が低く使いやすい、このため特別職として扱うのが相応しくなくとも活用されているのではないか。そうだとすると、任期付短時間勤務職員への移行は難しいのではないか。
○地公法3条3項3号の特別職による任用のデメリットとしては、規律が少ない分緩やかであるため、訴訟になったときの対抗力がもてないということが考えられる。重要な点は説明性にある。
総務省は、公立病院に関する国の財政措置のあり方を見直すため、有識者及び公立病院関係者の意見をもとに検討する場として「公立病院に関する財政措置のあり方検討会」を設置し、7月28日第2回検討会が、8月22日第3回検討会が開催されました。第2回検討会では、①公立病院関係者及び②厚生労働省保険局からのヒアリングと意見交換が行われました。第3回検討会では、①公立病院関係者からのヒアリング及び意見交換(過疎地における医療確保等について、救急医療・周産期医療等について)、②地方公共団体に対する意見照会の結果について、が議題として議論されました。検討会資料は下記をダウンロードして御活用下さい。
自治労として検討会の動向を注視し、地域医療の実態に即した意見反映、要請等に取り組んで行きます。
【注】下記総務省HPに、第3回検討委員会の資料が掲載されました。
http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/hospital/index.html
9月5日、第1回「国家公務員制度改革推進本部顧問会議」(以下「顧問会議」という。)が、首相官邸会議室で開催された。
「顧問会議」は、国家公務員制度改革基本法の成立をうけて、「国家公務員制度改革の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について審議し、国家公務員制度改革推進本部長に意見を述べる」ために設置されたものである。委員は<別紙>の通り。
会議には、政府側から福田首相、町村官房長官、茂木公務員制度改革担当大臣、増田総務大臣らが出席した。
冒頭、福田首相は、「当初の趣旨が変わらないよう監督してもらいたい。国民の立場に立った行政を実現し、公務員一人ひとりが誇りを持って働けるようにするために、内閣人事局の整備は重要な課題である」とあいさつした。
引き続き、茂木大臣から「当面、内閣人事局の議論をお願いしたい」旨の提起があり、意見交換が行われた。
髙木会長は「公務員制度改革基本法は、総合懇談会報告より後退している。内閣一元管理の趣旨と目的をもう一度おさえた上で、内閣人事局のあり方を検討すべき。内閣人事局が国民への説明責任を果たすためには、現在、分散している権限の移動が必要。労使関係制度検討委員会の検討状況を踏まえながら、議論をしていくべき。また、幹部職員だけのことでなく、その他多くの公務員のことも考えて改革を進めるべき」と発言した。
茂木大臣からは、「労使関係制度検討委員会を早急に立ち上げたい。幹部職員のことだけでなく、政府全体を通じた説明責任が果たせるよう検討していきたい」との発言がなされた。
なお、次回の開催は、今後調整の上、決めることとなった。
本日、「顧問会議」が開かれたことを受けて、公務労協は、今後とも連合と連携し意見反映に努めるとともに、公務員の労働基本権確立を含めた労使関係の抜本的改革に向けて、下旬にも発足が予定されている労使関係制度検討委員会対策の強化などを図っていくことにしている。
以上
<別紙>
【国家公務員制度改革推進本部顧問会議名簿】
(敬称略、五十音順)
麻生 渡 福岡県知事
岩田 喜美枝 資生堂取締役 執行役員副社長
岡村 正 日本商工会議所会頭
川戸 恵子 ジャーナリスト
堺屋 太一 作家
桜井 正光 経済同友会代表幹事
佐々木 毅 学習院大学法学部教授
高木 剛 日本労働組合総連合会会長
田中 一昭 拓殖大学名誉教授
御手洗冨士夫 日本経済団体連合会会長
屋山 太郎 評論家
9月10日に名古屋市、広島市の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙のとおりです。
なお、名古屋市については、「勤務時間を見直すべき必要は認められず(略)」としていますが、これは、すでに1日の所定勤務時間が7時間45分であるためです。
10月2日に川崎市の人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、つぎのとおりです。
10月2日に福岡県の人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、次の通りです。
この間、調査を進めてきました「臨時・非常勤等職員の実態調査」自治研作業委員会の中間報告について、9月24日の自治労本部中央執行委員会で確認し、29日、総務省記者クラブにて記者発表を行いましたので、お知らせいたします。内容は下記の添付をご参照下さい。
10月3日に北海道の人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
月例給は減額前の職員給与が民間給与を上回っており、期末・勤勉手当は減額後の手当額の支給月数が民間の特別給を上回っているが、①減額措置が相当長期にわたって継続されていること、②職員の士気を確保していくことは重要などを理由に、月例給、期末・勤勉手当ともに本年は改定なしとした。
10月6日に新潟市の人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙のとおりです。
10月6日に、福島県、長野県、広島県、宮崎県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
なお、福島県については、①月例給は職員給与が民間給与を下回っており、給料表を引き上げ改定、②期末・勤勉手当は民間を上回っており、0.02月の引き下げ改定となっています。
連合は、第45回衆議院選挙にむけて、民主党、社会民主党、国民新党と政策協定に調印しました。政策協定の内容は別添のとおり。
10月6日に鳥取県、7日に岡山県、鹿児島県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
なお、鳥取県については、①月例給3.5%引下げ、②期末手当の支給月数の0.03月引下げとなっています。
10月8日に熊本市の人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記のとおりです。
10月8日に仙台市の人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記のとおりです。
10月9日に新潟県、岐阜県、三重県、愛媛県、大分県、沖縄県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙の通りです。
なお、新潟県は、自動車等使用者に対する通勤手当の引上げを勧告しました。また、職員の昇給については、「平成20年度は昇給幅を1号給抑制すること」としています。
10月9日に青森県、10日に秋田県、福井県、奈良県、和歌山県、佐賀県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
なお、秋田県では、職員の減額措置後の月例給は民間給与を上回っているが、この公民較差(▲9,811円、▲2.53%)については、「平成18年に実施した給与構造改革の見直しに伴う中高齢層を対象とした激変緩和措置によるもので、措置対象者の減少に伴って着実に縮小しており、近い将来解消される見込みである」と説明し、月例給の引き下げ改定を勧告していない。
10月9日に長崎県、10日に神奈川県、兵庫県、徳島県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
10月8日に香川県、9日に岩手県、山形県、10日に静岡県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙の通りです。
○香川県においては、公民較差が582円、0.15%でしたが、「平成17年の人事院勧告に準じた給料表を導入しているところであり、本年の人事院勧告において俸給表の改定が行われなかったこと」などを理由に公民較差に基づく改定を見送るとしています。
○岩手県においては、特例減額措置前の公民較差が▲3,082円、▲0.81%でしたが、①実際に支給されている減額措置後の職員給与が民間給与を1.35%下回っており、②2006年4月からの給与構造改革の経過措置がないものとした場合には、職員の給与が民間給与を2.07%下回っている、という状況の中で、③給与構造改革の取り組みにより逆較差が解消される方向にあること、④地方公務員法に定める国や他自治体との均衡の原則などを理由に、月例給の水準改定を行わないしています。
○山形県においても、特例減額措置前の公民較差が▲7,697円、▲1.98%でしたが、①この較差は、給与構造改革により経過措置を講じていることによるもので、今後解消が見込まれること、②国では俸給表を改定しないことを理由に、月例給の改定を行わないとしています。
○静岡県においては、公民較差が▲344円、▲0.09%でしたが、①較差が極めて小さいこと、②月例給の年間分と特別給(較差0.02月)を合わせ考えれば、職員給与と民間給与はほぼ均衡していることを理由に、月例給の水準改定を行わないとしています。
10月10日に特別区人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記のとおりです。
-公務労協は推進本部事務局との交渉・協議で交渉権付与に向けた検討を強く要請-
10月10日、公務労協は国家公務員制度改革推進本部事務局と交渉・協議を行い、労使関係制度検討委員会の発足に向けた作業状況を質した。交渉には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織代表が参加し、推進本部事務局側は、堀江、駒崎両参事官ほかが対応した。
冒頭、岩岬副事務局長が委員会発足に向けた作業状況を質したのに対し、推進本部事務局側は次の通り答えた。
(1) 本日の閣議後、甘利行政改革担当大臣が別紙の労使関係制度検討委員会の名簿を公表した。三者構成であり、組合側からは金田自治労書記長、福田国公連合委員長、山本連合副事務局長に参加いただくことにした。
(2) 第1回はなるべく早く10月中に開くこととし、委員会設置の背景等をご説明し、検討の材料にしてもらいたいと思っている。なお、いつまでに取りまとめるかについて、甘利大臣から「21年度末までには取りまとめていただくことを希望している」との話があった。
これに対し、公務労協側は「基本法に基づいて設置される委員会であり、公務労協としては同法第12条に基づき、「自律的労使関係制度を措置」するための検討であると考えている。団体交渉権を付与する観点での制度設計を精力的に行い、なるべく早く結論を得て、労使関係制度の改革を実現してもらいたい。組合側から委員が参加するが、現場の声を聞いてもらうことも重要であるし、公務労協としても意見を取りまとめることにしているのでそのためのヒアリングを行ってほしい」と審議の進め方について要請を行った。要請に対し、推進本部事務局側は「どのような検討を行うかは委員会の場でご議論いただくことになるが、基本法の趣旨に則って21年度末までに取りまとめていただくことを期待している」と答えるにとどまった。
さらに、公務労協側から、「基本法では人事評価や定年延長などについても検討することとしているが、これらを含め勤務条件に関わる課題については、われわれと随時交渉・協議を行っていただきたい」と強く要請し、本日の交渉を締めくくった。
なお、公務労協では組合側三委員と連携し、要求の実現に向けて対策を強めていくことにしている。
(別紙)
労使関係制度検討委員会委員名簿
学識経験者委員
青山 佳世 フリーアナウンサー
稲継 裕昭 早稲田大学大学院経営研究科教授
今野 浩一郎 学習院大学経済学部教授
岸井 成格 毎日新聞東京本社編集局特別編集委員
諏訪 康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授
高橋 滋 一橋大学大学院法学研究科教授
労働側委員
金田 文夫 全日本自治団体労働組合中央本部書記長
福田 精一 国公関連労働組合連合会中央執行委員長
山本 幸司 日本労働組合総連合会副事務局長
使用者側委員
岡島 正明 農林水産省大臣官房長
村木 裕隆 総務省人事・恩給局長
森 博幸 鹿児島市長
(敬称略、五十音順)
第45回衆議院議員選挙に向け、10月2日に連合は民主党と政策協定を結びました。
それについて、組合員向けの政策協定のポイント、「政策協定チラシ(PDFデータ)」が添付のとおり連合より送付されました。組織内討議資料としてご活用いただきますよう、よろしくお願いいたします。
10月14日に富山県、15日に大阪府、16日に宮城県、埼玉県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙の通りです。
10月16日に東京都の人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記の通りです。
なお、東京都は、①地域手当支給割合の引上げにともなう給料表の引下げ分とあわせて、公民較差△372円、△0.09%分の給料月額を引下げ、②行政職給料表(一)の1・2級を統合し、級編成を8級制から7級制に改正、としています。
10月17日に和歌山市の人事委員会において給与勧告・報告が出されました。その概要については、下記のとおりです。
なお、勤務時間は、週38時間45分に見直しすることが勧告されました。
10月16日に島根県、17日に千葉県、山梨県の各人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙の通りです。
なお、島根県では、月例給の公民較差が特例減額措置前で▲9,699円、▲2.52%であったが、「給料表については、切り替えに伴う差額が年を追って減少することにより、給料水準が段階的に引き下げられていること等を勘案し、改定しない」(勧告本文)とされました。
10月16日に滋賀県人事委員会で給与勧告・報告が出されました。その概要については、別紙の通りです。
9月22日、札幌地方裁判所は、北海道在住の被爆者7人の原爆症認定集団訴訟について、未認定原告4人に対する国・厚生労働大臣の却下処分を取り消し、原爆症と認める判決を下しました。
それに引き続き、10月14日、千葉地方裁判所でも、未認定の原告に対し原爆症と認め国の却下処分の取り消しを命じました。これにより集団訴訟は高裁敗訴も含め国の12連敗となりました。
しかし、国は札幌地裁判決を不服とし控訴し、千葉地裁判決でも控訴を狙っているようです。このことは、高齢化する被爆者をますます苦しめることになり、国の被爆行政の非人道的対応に怒りを覚えるものです。
このことを受けて、原水禁・連合・核禁会議の3団体は、別紙のアピールを発したとの報告を受けましたので、ここに送付させていただきます。
今後、3団体として厚生労働省への申し入れ・交渉など被爆者の権利拡大に向けて具体的な働きかけを強化していくとのことです。
第56回社会保障審議会介護給付費分科会開催報告
連合政策ニュースレター第1048号で標記内容の報告がありましたので通知します。
10月9日に第56回介護給付費分科会が都内で開催され、介護労働者がキャリアアップできる仕組みづくりに関する論点が提示された。また、介護報酬の地域別単価(地域区分)と中山間地域の事業所加算について見直しの方向性が示された。
介護労働者がキャリアアップできる仕組みづくりについては、有資格者の手厚い配置等を要件とする「特定事業所加算」のあり方、事業所の管理者、訪問介護のサービス提供責任者等に係る任用要件のあり方等が論点として挙げられた。
介護報酬の地域区分(地域別単価)に関する見直しについては、サービスごと・地域ごとにみた人件費比率の実態をもとに、現行のサービス区分けと単価の上乗せ率等を見直す方向性が示された。
中山間地域の事業所に対する加算については、現行の「特別地域加算」に含まれていない地域で小規模の事業所を対象にした新たな加算を設けること、移動コストについて加算を拡大する方向性が示された。
同分科会に出席した連合生活福祉局・飯倉部長(小島総合政策局長の代理)は、「介護従事者処遇改善法の趣旨を踏まえて介護報酬改定を行うべき。キャリアアップのためには働きながら研修を受講できる職場環境の整備と経済的な支援が必要。
介護労働者の賃金が確実に改善したかどうか検証できるよう事業主に情報提供を求めるべき。訪問介護のサービス提供責任者が果たす役割を積極的に評価を検討すべき。地域区分の見直しについては実態をしっかり分析すべき」と意見した。
なお、その他委員からの主な意見は以下のとおり。次回は10月30日(木)に開催される。
【同分科会での主な意見】
○キャリアアップに向けた研修を全部自己負担で受講させるようなことで果たして良いのか。公的助成を充実して実効性あるキャリアアップの仕組みをつくるべきだ。
○ホームヘルパー1級や2級の人たちや介護職員が介護福祉士の資格を取得するために働きながら研修を受けるというのは大変だ。研修中は収入がなくなるし、代替人員が確保できなければ研修を受講できない。これらの問題を解決しなければ、大変な思いをして600時間の介護職員基礎研修等を受講するよりは、他産業へ転職する方を選んでしまうのではないか。
○介護福祉士の養成過程に600時間の介護職員基礎研修を導入した趣旨について理解を深めるべきだ。
○人材育成でモデルになるような事業所をつくったとして、その経営が成り立つ介護報酬になっているのかどうか議論すべきだ。
○人材育成という観点からの適切な賃金水準、賃金カーブの在り方について、しっかり議論すべきだ。実態を踏まえれば単純に公務員の福祉職俸給表を参考にするということではないはずだ。
○介護サービスの質は賃金の高低とは無関係だ。賃金を上げるために加算を増やすのなら、同時にサービスの質も高めてもらわないと困る。しかし、賃金が下がったらサービスの質も低下するだろうということは言える。
○賃金水準を引き上げようと施策を講じても、パート労働者は年収103万円を超えて働かないのではないか。これを踏まえると、訪問介護の介護報酬を一律に引き上げるべきではない。
○訪問介護の特定事業所加算は算定のハードルが高い。人材要件、重度化要件は緩和していただきたい。
○特定事業所加算は主に大手が算定しているのではないか。人材確保対策としては、特定の事業所に加算を増やすよりは、全体の底上げをはかる方が望ましい。
○経験年数というものは事業所内に閉じた評価であり、介護報酬上での加算要件には馴染まない。
○事業所が特定事業所加算を算定すると利用料も高くなってしまい、利用者の立場からは負担に対する不安がある。
○利用者負担の問題は、高額介護サービス費や介護扶助をきちんと使えるようにする等、低所得者対策のなかで解決すべきだ。
○加算を増やしたがために、支給限度額を超えてしまうような事態を招いてはならない。そこで、重度化対応の加算相当分は支給限度額の積算において軽減算出する等の工夫を取り入れてはどうか。
○長期的には、介護サービスの質を評価する手法が必要であり、研究を進めるべきだ。
○訪問介護や通所介護事業所の管理者に任用要件がまったくないのは問題だ。
○様々な要件が事業者の柔軟な経営を妨げてはいないか。頑張ろうとしている新しい事業者を応援できるような要件であるべきだ。
○地域区分の見直しは必要だが、今後中期的に、生活保護の例を参考にする等してより実態に即した見直しの検討を進めるべきではないか。また、東京23区の人件費には東京都による補助が含まれているはずだ。
○地域別単価の算出式にある人件費比率の設定において、サービス提供責任者やユニットリーダー等の配置も加味すべきではないか。
○現在の人件費比率40%、60%という設定は実態にあっていない。国は措置時代のように踏み込んだ人件費比率を設定すべきだ。東京特別区は2桁の上乗率が必要ではないか。
○実際の人員配置に応じた介護報酬の評価を取り入れていただきたい。手厚く人員を配置するインセンティブが必要だ。
○中山間地域における移動に対しては、本来は介護保険財源ではなく他の予算措置でカバーすべきではないか。
以上
自治労出版センターでは、自治労本部が企画の2009年版「じちろう手帳」を発行・販売いたします。各地方本部・単組・総支部でのご活用いただけますようお願いいたします。また、申し込みについては、直接自治労出版センター(自治労システムズ)までお申し込み下さい。
詳しくは、下記文書をご覧下さい。
第4回研究会は、2008年10月20日(月)14:30〜16:40、総務省8階会議室で行われた。前半、総務省による臨時・非常勤職員に関する実態調査結果の説明があり、後半には、研究会事務局による「短時間勤務のあり方に関する論点(案)」が提案され、質疑・討論が行われた。
【臨時・非常勤職員に関する実態調査結果について】
前回研究会では、調査のうちの都道府県分の暫定版の説明であったが、今回は、全地方公共団体の臨時・非常勤職員数(職種別・団体区分別・任用根拠別)が示されたほか、団体区分別に、任用根拠別の臨時・非常勤職員を活用する理由、職種別の再度任用の状況、勤務時間、報酬・費用弁償等の状況等が出された。なお、全地方公共団体の2008年4月1日現在の臨時・非常勤職員数は499,302人であった。
【短時間勤務のあり方に関する論点(案)について】
冒頭、論点(案)全体を事務局が説明し、その後、自治労労働局長である江﨑委員を中心に、以下のようなやりとりがあった。なお、今研究会では、2(1)までの議論となり、以降は次回に持ち越されている。
1.基本的考え方について
江﨑委員は、最初に、「『常勤職員との均衡待遇』を原則として明示すべき。とくに、2以降の勤務条件との議論とも大きく関係してくる」と発言。また、ほかの委員からは、「②に『働く側の志向』との文言が出てくるが、2以降、この視点はどの部分に出されてくるのか」「『任期の定めのない常勤職員』が公務運営の基本との原則の下にあるものをさらに明記すべき」などの意見が出された。
それに対し、事務局は、「個々の勤務条件のあり方の中で、常勤職員との比較が必要かどうかの議論を行うことになるのではないか。ここでは、任用のあり方としての原則を総論として書いているものである」「例えば、2(1)②の勤務条件等の明示は、働く側の志向を考慮して行うべきとの考え。『人事管理上の要請及び働く側の志向』と表記したのは、制度のあり方を考える上での視点である」と回答。座長が「2以降の議論をした上で、再度議論してはどうか」と提案した。
2.臨時・非常勤職員の任用のあり方について
(1)採用等にあたって人事管理上どのような点に留意すべきか
冒頭委員から、「①イについては、特別職非常勤のみの厳格適用を記載しているが、一般職非常勤あるいは臨時職員についても、相当緩やかに運用されている実態にあるのではないか。バランスをとるのであれば、すべて厳格適用ではないのか。また、任期付短時間勤務職員と一般職非常勤との関係はどうなっているのか。任期付短時間があるならば、極端に言えば、一般職非常勤の規定は不要なのではないか」との意見が出された。
これに対し、江﨑委員は、「一般職非常勤は概念として周知されていないのではないか。特別職非常勤職員数は、総務省調査を見てもとても多いなか、仮に、特別職非常勤職員の任用を厳格にするとした場合、現在、特別職非常勤職員とされているかなりの者を、任期付短時間勤務職員や一般職非常勤職員の職と位置づけ直すことがほんとうにできるのか。また、特別職以外も厳格適用とした場合、現在のままでは任期付短時間に移行できない部分も十分想定されてしまう。一般職非常勤職員の位置づけの明示や任期付短時間職員の要件緩和など、自治体が活用しやすいようにすることが必要」と発言。
事務局からは、「さまざまな実態がある中で、位置づけ等がクリアになっていない部分もあるのではないか。現在あるカテゴリーを失くすことまで考えうるのか、移行可能な部分を提示していくのかは今後の議論」との回答があり、また、座長は、「自治体が惰性的にやってきたものがあったとしたら、任用根拠を明確にする必要はあるだろう」とした。
また、江﨑委員は、「民間では、パート労働法が『パート労働者の保護』という趣旨に沿って制度改正され、差別取扱いの禁止や常勤職員との均衡という考えが盛り込まれた。差別取扱いの禁止の対象となるパート労働者は極めて少数かもしれないが、公務においても、このような考え方が取り入れられるべきだ」「非常勤職員についても、手当相当分の支給は可能とすべき」と発言。ほかの委員からは、「『報酬等』としているものの具体的内容と考え方を書き込むべき」「報酬水準を設定するうえでの考え方はどのようになっているのか。あくまでも『職務給の原則』に基づいているというのが原則なのではないか」といった意見が出された。
最後に座長が、「現行制度の認識はある程度一致してきたものと考えるが、今日の議論を踏まえ、どのように書き込んで整理していくかを次回以降もさらに議論していく」とまとめ、終了した。
なお、調査結果については、データが総務省ホームページに公表された時点で、また、論点(案)に対する詳細のやり取りについては、出席委員確認後の議事録が公表された段階で別途、情報提供するので参照されたい。
研究会に関する総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html
10月9日、2008現業・公企統一闘争の山場に向けた取り組みの一環として、総務省交渉並びに給与能率推進室長申し入れを実施した。
前半、総務省交渉には、自治労側からは南部現業局長、中村現業評議会議長代行、森下現業評議会事務局長、松本労働局次長など、現業評議会を中心に9人が出席、総務省側からは島田給与能率推進室課長補佐、新田行政体制整備室課長補佐、永井公務員課課長補佐など7人が出席した。
交渉の冒頭、中村現業評議長代行があいさつ、要求書を手渡したのち、南部現業局長が今回の要求の趣旨について、要求項目に添う形で説明し、総務省に対して誠意ある回答を求めた。これに対する総務省の回答は次のとおり。
1.技能労務職員の給与については、人事委員会勧告の対象とはならず、労使交渉を経て労働協約を締結することができるなど、法の適用関係が他の一般行政職員等と異なるところである。しかしながら、この場合においても、地方公営企業法第38条第3項の規定が準用され、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定めるものとされている。近年、技能労務職員等の給与については、同種の民間事業の従業者に比べ高額となっているのではないかといった国民等の厳しい批判があるところであり、各地方公共団体において住民の理解と納得が得られるものとなるよう、総合的な点検を実施し、適切に対処するよう、総務省としても要請をしている。引き続き、各地方公共団体において、技能労務職員の職務の性格や内容を踏まえつつ、民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡に一層留意し、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度・運用となるようにすることが必要と認識している。
2.研究会の「中間取りまとめ」については、総務省では本年4月から「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」において、有識者によるご検討をいただいているところである。そもそもこの研究会は、労使双方にとって、給与決定に当たって拠るべき明確な基準がない現状を踏まえ、基本的考え方を整理するとともに、その具体的な反映手法や住民等への説明責任等について、研究しようとするものである。研究会では、去る8月22日には、これまでの検討を踏まえた「中間とりまとめ」を公表した。これとあわせて意見募集を行ったが、「中間取りまとめ」の内容は「労使自治に対する不当な介入が危惧される内容」と御指摘されるようなものではないと考えている。前回、9月16日の研究会においては、「中間取りまとめ」に対する地方公共団体の人事当局の意見を伺った。さらに、次回の研究会は10月27日を予定しているが、自治労も構成団体のひとつである「公務公共サービス労働組合協議会」の意見も聴き、議論を進める予定である。また、検討の経過については、引き続き、総務省のホームページで公表するなど、情報提供に努めて参りたい。
3.賃金センサスを用いた給与水準の比較については、総務省では技能労務職員等の給与と民間事業の従事者のデータとの比較について、昨年7月に、平成18年4月1日現在の都道府県と政令指定都市との比較結果を公表した。また本年4月には、平成19年4月1日現在の指定都市以外の市区町村を含めた比較結果を公表している。その結果をみると、市区町村においても、同一又は類似の民間事業の従事者のデータに比べて技能労務職員等の給与が高額になっている。民間事業の従事者のデータとしては、賃金センサスを用いているが、それぞれの技能労務職員等の職種と対応する民間の類似職種が完全に同一の業務を行っているものではないことや、民間のデータには雇用期間が短期間の非正規社員等の技能労務職員等とは雇用形態や勤務形態が異なる労働者のデータが含まれていること等から単純に比較することはできないことは私どもとしても認識している。ただし、この比較結果も踏まえ、各地方公共団体において、その給与のあり方についてよく議論していただきたい。
4.地方公共団体の民間委託については、コスト削減の観点だけではなく、サービスの質の維持向上を図っていくことが重要であると認識している。また、民間に委託した公共サービスについて、最終的に責任を負うのは委託を行った地方公共団体であるということは当然のことであり、このことを十分に認識し、委託業者が当該公共サービスを適正かつ確実に実施できるように監督等の措置を講ずることが必要である。総務省では、新地方行革指針等において、各地方公共団体に対し、地域の実情に応じて民間委託等を推進していくよう助言させていただいているが、委託した事務事業についても行政としての責任をきちっと果たしうるよう、適切に評価・管理を行うことをあわせて要請している。今後とも、各地方公共団体に対し、コストとサービス両面から、いろいろな形で議論をして、委託した事務事業の適切な評価・管理がなされるよう必要な助言をしていきたい。
これに対して自治労側は森下現業局次長から、①自治体の中での労使交渉は民間事業者の賃金とのバランスも考慮して行っており、決して地公労法7条のみをたてにとっているわけではない、②研究会の中間報告はわれわれからすれば労使自治に踏み込んでいるとしか受け取ることはできない、③自治労としては賃金センサスが中間報告に基準のひとつとして盛り込まれていることを危惧しており、スタンスを明確にしてほしい、④最終責任が自治体にあることを明確にした上での民間委託をすべて否定しているわけではなく、われわれが積み上げてきたサービスの質の向上と「単純労務」とはいえないものになっている業務に内容を否定しようとしている総務省の姿勢を問題にしているのである、と指摘した上で、評議会三役から現場の実情を伝えた。中村議長代行は、総務省はこの間の交渉で現業職員の賃金について「住民の理解が得られるものに」と回答しているが、自治体当局は「総務省から『ラスが高い』との指摘がある」と主張していることの矛盾を指摘し、どちらなのか明確にするよう求めた。また田中副議長は賃金センサスについてデータの信憑性にそもそも問題があることを指摘した上で、不適正なデータを公表することで社会的な混乱がおきかねないことを指摘、あわせて給食調理員が食育や保護者への調理指導などを実施している状況を伝え、業務についての認識を改めるように求めた。新居副議長は清掃職場でおこなわれているふれあい収集、分別の指導、学校や保育所等での環境教育などを説明した上で、民間にこうした業務を行っている「同一職種」は存在しないことを指摘し、環境行政を担っている自負によって清掃業務を行っている立場からは安易に「同一職種」との均衡を求められることは納得できないことを伝えた。
総務省側はこれに対して、「ラスパイレス指数」というものは地方の一般行政職と国の行政職俸給表(一)を比較するものとして給与水準の比較に用いている。ご指摘の件は国の行政職俸給表(二)を適用される職員の方々と地方の技能労務職員とを比較をする場合に同じような計算の仕方をすれば数字は出し得るので、そのことを言っているのだと思うが、国の行政職俸給表(二)を適用される職員の方々と地方の技能労務職員の方々の職務の内容が必ずしも同種同等といえないため、われわれは一般行政職で使っている「ラスパイレス指数」と同様に扱ってはいないし、一般行政職と同じようなラスパイレス比較は、これまでもしていない。「単純労務」については、たしかに公務の特殊性があり、各地域に比較できる民間の事業者がいない、あるいはいるとしても少数であるという事情が、比較する上での難しさだと思っている。もともとそうした問題意識を持ってこの「研究会」を立ち上げ、比較のために用いる指標にはどんなものがあるのか、研究をしている。職務の責任や困難度に応じた給与の設定について、労使交渉を経て適正な水準になるようにするにはどうしたらよいかという問題意識で研究会を立ち上げ、議論していることをご理解いただきたい、と回答した。
交渉の最後に南部現業局長は、「私たち自身も「単純労務」の名を払拭するために長年「現業職場活性化運動」を積み上げ、自らの意識改革を通じて住民の皆さんの要望を聴き、地域に役立つ、やりがいのある仕事をしたいという思いで運動を進めてきた。にもかかわらず安易なコストのみの民間委託が進み、偽装請負もまた大きな問題になっている。今後は総務省として民間に委託された業務が実際にどうなっているのかの調査を行い、その上で直営職場の業務との比較をしていただきたい。さらに、失効した政令に縛られ、身につけた技能や経験を発揮できない実情を理解し、自治体における地域公共サービスの現状と現業職員の業務実態にふさわしい新たな法整備も検討していただきたい」と今後に向けた課題と要望を述べ、交渉を終了した。
引き続いて、自治労側に江崎労働局長、総務省側に小池給与能率推進室長が加わり、申し入れを行った。
冒頭、江崎労働局長は「研究会のありようは全国の仲間が危機感とともに注視している。将来的には非現業への波及も危惧され、きわめて深刻に受け止めている。最終報告をどのように活用しようとしているのか」と総務省の姿勢を正した。
これに対して小池室長は、同職種との比較が困難な事情や賃金センサスを使用する場合の問題点については、研究会でも課題として検討している。現在自治体では労使交渉を経て給与等が決定されているわけだが、地方公営企業法の規定でも「民間事業の従事者の給与を考慮して」とされ、これは非現業と同じく現業職場の皆さん方にも適用されている。最終的なまとめの位置づけとしては、現在、各自治体の交渉の現場で「考慮」するための適切な材料が存在しない状況を改善するため、選択肢としてこういう考え方もある、と示すものにしていきたいと考えている。そして、それを活用した結果、最終的に住民の方々に納得していただける給与水準となれば、それが一番望ましい、と回答した。
江崎局長は、①住民と首長が納得するものであれば総務省は干渉しないということか、②中間取りまとめは交渉のあり方にも言及しているが国から言われる筋合いのものではない、とさらに追求した。
これに対して小池室長は、交渉すること自体をとやかく言うものではなく、どういう水準で交渉していくのか材料が必要であろうということで研究会を開催している、民間との均衡は法律に明記されており、住民に説明できるものにしていくことが求められている、と回答した。
最後に江崎局長から、研究会最終報告についてはあくまでも「総務省が持っている材料」にとどめ労使自治に対する介入は行わないことを求め、申し入れを終了した。
-基本法12条の「便益及び費用」、「自律的労使関係」のあり方などについて議論-
10月22日、国家公務員制度改革推進本部(以下「本部」という)の労使関係制度検討委員会(以下「検討委」という)第1回会議が、本部所在の中央合同庁舎4号館で開催された。検討委は、本部令第2条に基づき設置されたもので、国家公務員制度改革基本法第12条の国家公務員の労働基本権及び附則第2条の地方公務員の労働基本権について、調査審議し、本部長(内閣総理大臣)に意見を述べることとされ、労働側委員として山本幸司連合副事務局長、福田精一国公連合委員長、金田文夫自治労書記長が参加した。
会議には、政府側から甘利公務員制度改革担当大臣、鳩山総務大臣が出席した。
冒頭、甘利担当大臣は、「時代を画する公務員制度改革がスタートし、その中で労使関係の改革が欠かせない。活発な審議をお願いしたい。法制上の措置は平成23年6月までに行うこととされているので、それに間に合うよう、その1年前ぐらいまでにはまとめていただきたい。私も本部の中心となって取り組むのでよろしくお願いしたい」と、鳩山総務大臣は「今般の改革は、職員が能力を高めつつ、誇りと責任を持って職務を遂行できるようにするために行うものである。改革に当たり、費用、便益について国民の理解を得ていくことが大事だと思う。国、地方の公務員を所管する総務省としても委員会審議に協力していく」とあいさつした。
続いて今野浩一郎学習院大学経済学部教授を座長に、高橋滋一橋大学大学院法学研究科教授を座長代理に選出、会議は公開としインターネット中継を行うことなどを確認し、「基本的検討項目・基本法に基づく工程表について」の審議に移った
(関係資料についてはホームページhttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumuinsuisin/kentou/index.html参照下さい)。
審議の中で福田委員は「協約締結権付与に伴う便益及び費用をまず審議して、その後、具体的制度設計を行うというのではなく、一体的に議論していただきたい。職員の雇用や勤務条件に大きな影響を及ぼす府省間配置転換が交渉・協議なしに今日に至っていることや来年度から本格実施される能力・実績主義に基づく人事管理が求められることなどを踏まえてスピード感のある審議をお願いする」と、山本委員は「基本法12条の結語は『自律的労使関係制度を措置する』ということであり、そのために全体像を提示して国民の理解を得る必要があるということだ。つまり、公務員に民間労働者と同様に労働組合法上の権利を付与するための具体的措置を検討することが課題だ」と、金田委員は「専門調査会報告は、「人勧制度を廃止し、非現業職員に労働協約締結権を付与し、労使が責任ある労使関係を築くこと」を提言しており、そうした方向で検討すべきだ。地方では給与の特別カットが7割にも及び代償措置は機能していない。今回の改革を機に信頼感と責任感ある近代的労使関係を築き、効率的・効果的な行政サービスを構築することが重要だ」との考えを表明した。
そのほかの委員からは①国民の理解を得るためにもまずは費用と便益を示すことが重要、②費用と便益については民間企業の実例を整理した資料を出して欲しい、③自律的労使関係の中身はいろいろある。国家公務員は勤務条件法定主義だが、独法は自律的運営であり違っている、などの意見が述べられ、最後に今野座長が「費用と便益については、厳密には、A制度ではこう、B制度ではこう、ということになるが、当委員会が、一般的な議論を行うことは必要ではないか。事務局に資料を準備してもらうが、委員の皆さんにも情報提供をお願いしたい。次回の進め方については、私と事務局で相談したい」と取りまとめ、第1回会議を締めくくった。
なお、次回は、日程調整の上、いつ開催するかを決めることとなった。
公務労協は、労働側委員と連携しつつ、協約締結権の付与を通じた交渉に基づく労働条件決定制度の確立と自律的労使関係制度の実現に向けて、取組みを強めていくことにしている。
10月28日第2回給与関係閣僚会議開かれる
本年の人事院勧告取扱いをめぐっては、8月15日に第1回給与閣僚会議が開かれ、その後、福田総理の辞意表明に始まる総選挙の可能性を含んだ政局の流動化の中で、政府部内の作業が進んでいなかったが、第1回給与関係閣僚会議から2か月を経過したことや新しい関係閣僚になったことから、10月28日朝、第2回の給与関係閣僚会議が開催された。
会議では、総務大臣と厚生労働大臣が「人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置の根幹であり、勧告通り実施すべきである。国家公務員の勧告取扱いが決定されれば、地方公務員の給与改定等もこれを基本として決定すべき」などと勧告通りの実施を主張したのに対し、財務大臣が「勧告は尊重すべきだが、財政事情等を勘案すれば、さらに慎重な検討が必要」との考えを示し、官房長官がこれらを集約し、「本日は結論を得るに至らなかった。今後さらに検討を進め、適切な時期に再度給与関係閣僚会議を開いて結論を得ることとしたい」と取りまとめた模様である。
公務員連絡会=人勧通り実施の早期閣議決定を要求し総務省交渉
こうした情勢を踏まえ、公務員連絡会は、28日11時から、総務省交渉を実施し、給与関係閣僚会議の内容を含めて本年の人事院勧告取扱いの検討状況を質すとともに、人勧通り実施するとの閣議決定をできるだけ早く行うよう迫った。交渉には、公務員連絡会側から幹事クラス交渉委員が参加し、総務省側は笹島人事・恩給局次長らが対応した。
冒頭、公務員連絡会の岩岬副事務局長が「9月24日の人事・恩給局長との交渉以来になるが、今朝、第2回の給与関係閣僚会議が開催されたと聞いている。会議の状況や政府における検討状況を伺いたい」と質したのに対し、笹島次長は次の通り答えた。
(1) 8月15日に第1回給与関係閣僚会議が開催され、その後、新しい内閣になったので、改めて給与関係閣僚会議が開かれたものと理解している。
(2) 給与の取り扱いについては、人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置の根幹であり、勧告通りの実施を早期に決定すべきとの発言や現下の厳しい財政状況や国民生活などの経済状況を踏まえ、慎重に検討すべきであるとの意見があり、結論は得られず、引き続き検討することになった。
(3) 本日の会議を踏まえ、政府としては、引き続き検討を行い、できるだけ早く結論を得たいと考えている。
これに対し、公務員連絡会側が①今後は、臨時国会中に解決するとの姿勢で努力していただきたい、②閣議決定や国会提出に当たっては、給与法、勤務時間法、退職手当法を一括で扱っていただきたい、と要望したのに対し、笹島次長は「臨時国会の運営がどうなるか確たることを申し上げられない状況にある。今回の人事院勧告に係わっては、12月の期末手当で調整することはないが、国会の日程を念頭に置き、できるだけ早く政府としての取り扱い方針を決めたいと思っている。次回の給与関係閣僚会議の予定は分からない。総務省としては3つの法案を一括で進めていきたいと考えており、国会情勢を踏まえつつ判断したい」との考えを示した。
最後に岩岬副事務局長が「退職手当法改正の大枠について反対はしないが、一部に課題が残されており、それが解決するよう引き続き十分交渉・協議すべきだ。人勧取扱いについては、臨時国会中に解決するよう総務省として最大限の努力を求める」と強く要望、笹島次長が努力することを表明したことから、これを確認し28日の交渉を締めくくった。
なお、公務員連絡会では、総選挙など政治情勢が確定した段階で企画・幹事合同会議を開き、人勧早期実施などの秋季確定闘争方針を検討することにしている。
総務省は、公立病院に関する国の財政措置のあり方を見直すため、有識者及び公立病院関係者の意見をもとに検討する場として「公立病院に関する財政措置のあり方検討会」を設置し、10月1日第4回検討会が、10月28日第5回検討会が開催されました。
第5回検討会では、検討会報告へ向けた論点整理が行われました。検討会では、厳しい自治体財政・自治体病院財政を反映し、交付税措置の大幅な改善、特に不採算地区病院や不採算医療に対する課題が出されているところです。
第5回検討会資料を添付しますので御活用下さい。自治労として検討会の内容を精査し、11月中旬に要請に取り組んで行く予定です。
第4回検討会までは下記をクリックしてご覧下さいhttp://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/hospital/index.html
10月23日、自治労は2008自治体確定闘争の推進等のため、総務省公務員部長交渉を実施した。総務省からは、松永公務員部長、髙尾公務員課長、小池給与能率推進室長ほかが、自治労からは金田書記長、江﨑労働局長、松本労働局次長ほかが交渉に出席した。
はじめに、金田書記長から、次の5点について、総務省側の見解を求めた。
(1)地方公務員の給与について、地域民間給与準拠の徹底の方針・政策を改め、地方公務員法第24条第3項の本旨にしたがい、5つの考慮要素を総合的に考慮した自治体における労使の自主的交渉の結果を尊重していただきたい。
(2)現業労働者の給与については、各自治体における労使交渉と合意を基本とし、労使自治への干渉・介入にわたる検討、助言等は行わないでいただきたい。
(3)所定勤務時間の短縮について、人事院勧告において来年4月の実施が勧告されたことをふまえ、各自治体においても速やかに実施されるよう、必要な取り組みを行っていただきたい。
(4)臨時・非常勤等職員の処遇等の改善のため、常勤職員との均等待遇の実現、雇用の安定にむけた取り組みを行っていただきたい。
とくに、人事院が非常勤職員に係る給与の適正な支給を求める指針を8月26日各府省に通知したことをふまえ、自治体においても同指針の内容を最低として臨時・非常勤等職員の給与等の改善がはかられるよう、所要の措置を行っていただきたい。
また、任期付短時間勤務職員制度の活用のための要件緩和などに取り組んでいただきたい。
(5)財政制度を通じた人件費に対する国の地方への関与を行わないでいただきたい。
とくに、退職手当債の発行、公的資金補償金免除繰上償還の実施の許可に際して、一律的な人件費の削減や特定項目の人件費の削減、適用給料表の変更等を条件としないでいただきたい。
また、地域手当、寒冷地手当など人件費に係る特別交付税の減額措置は、地方交付税の中立性を損なうものであり、地方自治を侵害するものであることから、厳に行わないでいただきたい。
これらに対して、松永公務員部長からは、次の回答があった。
(1)地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨に則り、地域の実情を踏まえつつ条例で定められるべきものである。具体的には、当該団体の規模や給与の実態を踏まえ、国家公務員給与や民間給与の状況等を総合的に勘案した上で、適正な内容とするべきものと考えている。今後とも、このような考え方に立って、必要な助言等を行ってまいりたい。
また、地方公務員に対する国民・住民の信頼を確保するためにも、地方公共団体の給与制度・運用について、住民の理解と納得を得られるよう、給与構造改革の速やかな実施や一層の給与適正化に向けた取組を要請しているところであり、引き続き必要な助言等を行ってまいりたい。
(2)地方公共団体の技能労務職員等の給与については、同種の民間事業の従業者に比べ高額となっているのではないかとの国民等の厳しい批判があるところであり、それぞれの地方公共団体において住民の理解と納得が得られるものとなるよう、総合的な点検を実施し、適切に対処するよう、要請している。技能労務職員の給与については、人事委員会勧告の対象とはならず、労使交渉を経て労働協約を締結することができるなど、法の適用関係が他の一般行政職員等と異なるところであるが、その職務の性格や内容を踏まえつつ、特に民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡に一層留意し、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度・運用となるようにすることが必要と認識している。それぞれの地方公共団体においては、技能労務職員等の給与等について、総合的な点検を実施し、その現状、見直しに向けた基本的な考え方、具体的な取組内容等をわかりやすく明示した取組方針を策定・公表していただいているところであり、この取組方針に沿って、着実な見直しを行っていただくことが必要であると認識している。
(3)地方公務員の勤務時間等の勤務条件は、国及び他の地方公共団体の職員との権衡を図ることとされている。先般、来年4月を施行期日とする勤務時間の短縮について人事院勧告が出されたところであるが、この取扱いは今後内閣や国会の場において検討がなされるものであり、その結果を踏まえて、適切に助言してまいりたい。
(4)臨時・非常勤職員の給与その他の勤務条件等については、地方自治法、地方公務員法やこれらに基づく条例等に基づき、職務内容や職責に応じて、民間における状況等も勘案しながらそれぞれの地方公共団体が定めるべきものと考えている。
今回、人事院が各府省に通知した指針は、国における事務補助職員等の非常勤職員の給与について、それぞれの府省や官署によって均衡がとれていない状況を改善するために、一般職の職員の給与に関する法律第22条に基づき各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事柄を統一的に示そうとするものと承知している。地方における非常勤職員は、その勤務形態や職務内容が多様であるとともに、任用に係る法体系も国と異なるものである。これらのことからすれば、今回の指針は地方公共団体に直接あてはまるものではないと認識している。
一方、任期付短時間勤務職員制度については、常勤職員と同様の処遇で本格的業務に従事することのできるものとして、平成16年から導入したところである。
制度導入から4年が経過したところであるが、活用している団体は限定的であることもあり、臨時・非常勤職員の任用の在り方を含めた地方公務員の短時間勤務の在り方等について検討するため、7月に研究会を立ち上げたところである。
今年中には議論を整理していただき、地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現に資するよう制度・運用の在り方を検討していきたいと考えている。
(5)地方債の基本を定める地方財政法第5条は、地方債を財源としないことを原則としつつ、将来に便益が及ぶ場合に、その便益の範囲内において、地方債の発行ができることとしているが、退職手当債は、この例外として、近年の地方財政の状況、団塊世代の大量退職や総人件費削減の必要性等を踏まえ、特例的にこの原則を緩和し、世代間の負担の公平に反しないよう将来の総人件費の削減により償還ができる範囲内において、許可しているものと承知している。
給与制度や運用が不適正な団体は、そうした不適正な制度や運用がなければ、それらに係る財政負担は縮小し、退職手当所要額はより少なくてすんだはずのものである。こうした部分にまで、退職手当債の発行を認めることは、世代間の負担の公平を著しく阻害するものであり、このようなものについて、退職手当債の許可に際し、制限を行うことは、給与等の不適正な運用に対する制裁又はペナルティーとして行うものではなく、地方財政法第5条の趣旨に基づいて、世代間の公平を図ろうとするものであり、必要な配慮である。
公営企業借換債と合わせて5兆円規模の公的資金の繰上償還については、地方財政の健全化による将来的な国民負担の軽減という観点から行われるものであり、他の地方公共団体に比べて財政運営上余裕があると認められるような定員管理や給与制度・運用を行っている地方公共団体についてまで認めることについて、国民の理解と納得が得られないものと考える。
特別交付税の減額措置は、国の支給基準を超えて給与を支給している地方公共団体については、他の地方公共団体に比べて財政運営上余裕があると認められることから、算定上の一要素としているものと承知している。このような減額措置は、不適正な給与支給に対する制裁という観点から行われるものではなく、特別交付税の公平な算定という観点から行われるものと理解している。
これらの回答に対して、金田書記長からは次のように質した。
(1)地方公務員法第24条第3項には、給与決定の基準としての考慮すべきものとして、生計費、国の給与、他の自治体の給与、民間給与、その他の事情の5要素が定められているが、今の総務省の考え方には地域の民間給与の要素だけが強調されている。法に則って5要素全体を総合的に考慮すべきと考える。自治体の方でも、誤解されている面があるので、5要素を考慮すべきことを明確にしていただきたい。因みに、愛知県職員の手当支給をめぐった名古屋高裁の判例では、5要素のうちの「その他の事情」も考慮して、均衡の原則の幅を広いものとして解釈したものとなっている。
今年の人事委員会勧告では、給与構造改革の経過措置期間中であることや特例減額措置後の公民比較ではプラス較差であったことなど諸状況を勘案し、マイナス改定を勧告しなかった、また国とは異なり公民較差を反映し引き上げ勧告を行ったところなどがある。これらの自治体に対しては、人事委員会の自主性・主体性を尊重し、それぞれの労使交渉に干渉にわたる助言等を行わないでいただきたい。
(2)労使交渉の方法については、それぞれの労使自治の世界である。総務省が設置した技能労務職給与研究会の中間とりまとめでは、労使交渉への干渉とも言える言及があった。今後の検討においては、改めていただきたい。
現業労働者にも、地方公営企業法38条3項で均衡の原則が定められている。これは、民間との均衡だけでなく、生計費、国との均衡、他自治体との均衡、その他の事情を言っている。
研究会の最終報告については、当初4月の地公部会との給与能率推進室長交渉でも室長は「(賃金の比較方法などについて)結論を一つの考え方で、固めることは考えていない。選択肢として提示する」と回答しているところである。再度、このことを確認しておきたい。
最終報告の取り扱いについては、その時期を見て協議させていただきたい。
(3)所定勤務時間については、人事院勧告を尊重し、地方への影響もふまえ、総務省として早期の閣議決定、法改正に努力していただき、所要の措置を行うよう重ねて要請したい。
(4)臨時・非常勤等職員の置かれている問題は、国・自治体を問わず、われわれ労働組合や国会からの要請など各方面からの指摘を背景として人事院は検討し、総務省も今回の研究会を立ち上げたと認識している。このような経過、動きを重く受け止めていただきたい。
国においては、8月に非常勤職員の給与についての人事院指針を出しているが、自治体においても、最低限、人事院指針レベルの内容を自治体の臨時・非常勤等職員に適用し、常勤職員との均衡を基本に、適正な支給をはかることとすべきではないか。国と地方の制度、実態の違いはあり、各自治体の自主的判断はその通りである。しかし、50万人以上と推定できる臨時・非常勤等職員の置かれた看過できない現状を考えれば、人事院指針を参考に自治体で活用できないものかと考えているので、是非、検討していただきたい。
なお、人事院の指針は、地方にはどのような形で情報提供しているのか。
任期付短時間勤務職員制度は、法の谷間にある臨時・非常勤等職員の法的位置づけを明確するための一つの回答であった。しかし、現実には自治体ではあまり活用されていないのはいろいろ問題点があるからではないか。任期付短時間勤務職員制度を活用・普及させるとするならば、①業務の対象に条件を設けない、②再度任用の手続きについて高齢者再任用と同様に「勤務成績等を勘案することで能力の実証をはかる」などにより簡素化をはかる、③生活関連手当・退職手当、昇給は常勤職員と権衡により支給を認めるなどが必要と考える。今回の研究会で是非、取り上げていただきたい。
これを受けて、松永公務員部長から次のように述べた。
(1)職員の給与については、従来の国公準拠を刷新し、地域の民間給与をより重視していただくことが必要であることが「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」の報告書で示された。これは、考慮すべき5要素の中で、国の給与に比重が置かれていた考え方を地域の民間給与への比重を高めるようにしたものであり、地方公務員法の趣旨をより的確に反映することとしたものである。人事委員会勧告は尊重されるべきものである。総務省としても、人事委員会が、その機能を発揮していただくために、従来から必要な助言を行ってきたところである。今後も、必要な助言を行ってまいりたい。
(2)技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会において、有識者によるご検討をいただいている。この研究会は、労使双方にとって、給与決定に当たってよるべき明確な基準がないといった現状を踏まえ、基本的考え方を整理するとともに、その具体的な反映手法や住民等への説明責任等について、研究しようとするものである。8月22日に「中間とりまとめ」を公表し、あわせて意見募集を行ったが、その内容は「労使自治に対する不当な介入が危惧される内容」ではないと考えている。
前回9月16日の研究会においては、「中間とりまとめ」に対する地方公共団体の人事当局の意見を聴いた。さらに、次回10月27日の研究会では、自治労も構成団体である「公務公共サービス労働組合協議会」から意見を聴き、議論を進める予定となっている。
また、検討の経過については、引き続き、総務省ホームページで公表する等、情報提供に努めて参りたい。
最終報告の取扱いについては、ご意見があればお聞きしたい。
(3)(所定勤務時間について)ご要望は承った。
(4)地方における非常勤職員は、その勤務形態や職務内容が多様である上、任用に係る法体系も国と異なることから、国の非常勤職員の給与決定に係る考え方が地方公共団体に直接あてはまるものではないと考えている。
地方公共団体における臨時・非常勤職員の報酬等の処遇については、それぞれの団体において、その職務の内容等に応じて適切に決定すべきものと考えている。
なお、人事院の指針が出された8月26日に、「給与情報」(総務省給与能率推進室が国の給与関係で動きがあったときに地方公共団体に発信している参考情報)として、都道府県および都道府県市区町村担当課を通じて市町村に情報提供している。
任期付短時間勤務職員制度の対象業務に関しては、同制度が国にない例外的な制度として設けられたこともあり、業務対象を拡大することについて、研究会の委員間でも慎重、賛成の両方のご意見があり、研究会で検討の論点となっている。
再度任用の手続き等に関しては、任期付短時間勤務職員制度が本格的な業務を担う職員であることから、地方公務員法の成績主義の原則に基づいて、通常の職員と同じく「競争試験又は選考」がきちんと行われることは担保されなければならない。
任期付短時間勤務職員については、常勤職員並みの本格的な職務に従事するというその性質に鑑み、給料及び手当の支給を可能としているが、長期継続任用を前提としない期間の限られた任用であり、また、特定の業務に従事することが想定されることから、能力の伸長や経験等の要素を考慮する必要性は低いものと考える。そのため、再任用短時間勤務職員と同様、昇給しないこととし、また、生活関連手当あるいは人材確保のための手当についても支給しないことが適当であると考えている。
これらの考え方は、平成16年の運用通知にも示しているが、任期付短時間勤務職員の制度の性質上導かれるものであると考えている。
これらの説明に対して、江﨑労働局長は「必要な助言が、思い余って自治体への圧力にならないよう注意していただきたい。必要な助言といわれるが、われわれにはその範囲を超えると感じられることもある」と強く要請した。
最後に、金田書記長からは、「任期付短時間勤務職員制度が活用されないのは、理由があるからである。その理由を、よく検討していただきたい」、また「人事院指針について、その内容の意味するところが何らかの形で各自治体にとって参考となるような情報の提供ができないものか、と考える。その思いを十分に受け止めていただきたい」と強く訴え、交渉を終了した。
第57回社会保障審議会介護給付費分科会報告
連合政策ニュースレターより
厚生労働省は10月30日に都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、居宅系サービスに係る2009年度介護報酬改定の議論を開始した。連合からは小島総合政策局長が委員として出席した。
今回は居宅系サービスのうち、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、事業所評価加算に係る介護報酬改定の論点が示された。主な内容は下記のとおり。
①訪問介護サービスにおける短時間の頻回訪問や、夜間訪問介護の推進等
②特定事業所加算の要件見直し
③サービス提供責任者の評価と配置基準の緩和
④事業所評価加算の要支援状態における維持の評価のあり方
連合の小島委員は、まず「介護従事者処遇改善法の趣旨に沿った介護報酬改定を行うべき。医療・介護の切れ目ないサービス提供が必要であり、訪問看護、訪問介護など居宅系サービスの充実に資する介護報酬を設定すべき」と述べた。その上で、個別の論点については、下記の発言を行った。
・訪問介護の短時間頻回訪問・夜間訪問介護の推進については、経営の安定化という視点だけではなく、ヘルパーなど介護労働者の処遇改善と利用者のニーズという視点からも検討することが必要である。
・サービス提供責任者の配置基準見直しについて、原則は常勤であるべき。利用者、従事者の安心という点からも、サービス提供責任者の役割をもう一度確認・評価する必要がある。また、複数のサービス提供責任者がいる事業所に統括的なサービス提供責任者を配置した場合、さらに評価してはどうか。
・療養通所介護の定員の見直し、療養室の面積基準緩和について、待機者緩和のために定員増・面積基準の緩和ということだが、療養環境の視点も含めて考えるべき。
・事業所評価加算については、維持も評価する方向で検討すべき。
サービス提供責任者の配置基準見直しについては、他の委員からも「非常勤になることで、利用者の安心が確保できるのか。どのように質を担保するのか」(田中委員・日本介護福祉士会名誉会長)、「サービス提供責任者の評価を明確に位置付けるべきであり、それは常勤であるべき。そうでなければ『名ばかり責任者』となる」(村川委員・日本社会事業大学教授)との意見が多く出された。一方で、堀田専門委員(東京大学特任准教授)は「資格の要件を設ける等して、サービス提供責任者の質を担保すれば、配置基準は非常勤でもよいのではないか」と述べた。厚労省は、「緊急時にサービス提供責任者が居宅介護支援専門員と連絡・連携が取れること等を要件としてはどうかと考えている。引き続き検討する必要がある」と答弁した。
今回に引き続き、次回も居宅介護支援等の居宅系サービスの介護報酬について議論される予定。次回開催日は11月14日の予定。
その他の委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【訪問介護について】
・生活援助の利用抑制が厳しく行われている結果として、利用時間が短時間化している。利用者のニーズではない。
・要介護5の人の在宅介護を支えるためには、短時間の頻回訪問が重要。
・3級ヘルパーの経過措置については、2009年3月末までと決まっているのは周知の事実。なぜ3年間延長するのか。
【訪問看護について】
・医療保険と同様に、退院時に訪問看護ステーションと共同でケアプランを作るなどの仕組みを導入して欲しい
【通所介護について】
・通所介護の個別機能訓練が明確ではない。
・介護従事者のキャリアアップについては、報酬以外の枠組みも考える必要がある。
【療養通所介護について】
・従事者不足だから定員増はおかしい。
・介護の尊厳を真っ向から支えるサービスであり、重要であるにも関わらず認知度が低い。
・サービスの普及を急ぐという視点から、面積が小さくてもまず普及を推進すべき。
・難病の人が通うということだが、医師もおらず、定員を増やしても対応できるのか。
【通所リハビリテーション】
・短時間集中リハの制度化を進めるべき。
・努力した事業所が報われる方向での検討をすべき。
【事業所評価加算について】
・特定事業所加算は継続すべき。
・状態の「維持」の評価と「改善」の評価についてバランスの取れた弾力化を。
・「維持」や「改善」というのは、チームでケアマネジメントした結果。
・利用者の視点に立った見直しとはどのようなことか。
【その他】
・介護報酬が上がることは賛成だが、保険料が上がることには賛成できない。
・単純に介護報酬を上げるのではなく、適正化も行うべき。
・介護従事者、経営者の給与水準を公表する仕組みを創設すべき。
・小規模が経営難だからといって、全ての小規模事業所に報酬をつけるのはどうか。
第9回社会保障国民会議最終報告を総理に提出
昨日(11月5日)、メイントップページで第9回社会保障国民会議の連合談話を掲載しましたが、連合政策ニュースレター第1060号で標記報告がありましたので添付します。
最終報告及び関連付属資料については、トップ連合談話記事の社会保障国民会議ホームページにアクセスして確認してください。
日時・場所:2008年11月4日(火)17:00〜18:30、官邸大会議室
出席者:(委員)吉川・東京大学教授(座長)、髙木・連合会長、阿藤・早稲田大学教授(第1分科会座長)、大森・NPO地域ケア政策ネットワーク代表理事(第2分科会座長)、奥田・トヨタ自動車相談役、唐澤・日本医師会会長、神田・全国消費者団体連絡会事務局長、権丈・慶應大学教授、塩川・東洋大学総長、清家・慶應大学教授(第1分科会座長)、竹中・プロップ・ステーション理事長、中田・老人福祉施設協議会副会長、樋口・NPO高齢社会をよくする女性の会理事長、南・読売新聞編集委員
(欠席委員)小田・日本青年会議所会頭、山田・京都府知事
(閣僚等)首相、内閣官房長官、財務大臣、経済財政政策担当大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、少子化対策担当大臣他
議題:1.最終報告案について
社会保障国民会議は、4日、社会保障の機能強化を明記した最終報告をとりまとめ、麻生総理に提出した。総理は「大変重要な議論の土台を作っていただいた。社会保障は、安定的財源の確保に向け年内中にとりまとめる『中期プログラム』の大きな要素である。国民会議はこれで役割を終えるが、座長と3分科会の座長には引き続き、具体的な改革の実施のための工程表づくりに参加していただく」と発言した。
髙木委員は、「改革のための追加費用を消費税で負担するという間違ったメッセージが、国民に届くことを懸念する。社会保障の所得再配分機能が劣化している中、逆進性の高い消費税だけではなく、総合的に財源を議論するというメッセージを届けるべきである」と指摘。それに対して、中川財務大臣は、「消費税だけ手をつけるわけではない。法人税、資産課税、贈与税を含めて改革するべき」と返答した。さらに、経済財政諮問会議での「日本は中福祉・低負担」議論に触れ、「『中負担』というが、負担は所得と相対的にみるべき。『高い低い』のものさしを吟味する必要がある」と発言した。
「最終報告」は、「中間報告」への追加事項として、きめ細かな就労支援施策の実施、最低賃金の引き上げ等の低所得者対策と、就労ニーズに即した能力開発施策の整備等を加えた。医療・介護費用のシミュレーションでは、サービス提供のあるべき姿を実現した場合の2025年の追加費用を消費税換算で4%程度と推計し、年金および少子化対策と合わせた社会保障の機能強化のための追加公費負担は、2015年で消費税3〜4%、2025年で6%程度になることを明らかにした。財源については、「速やかに、安定的財源確保のための改革の道筋を示す」と、具体的な提言をさけた。連合が主張してきた「年間2200億円」に象徴される社会保障抑制策からの転換は、最終報告には明記されず、総理または閣僚からも抑制路線を改めるとの発言はなかった。
今後は、医療・介護のサービス提供体制の強化など、最終報告が示した改革の実施「工程表」を、吉川座長および3分科会座長などで構成するグループが年末に向けて作成する。
主な意見は以下の通り。
<塩川委員>国民が議論に参加していくためには、わかりやすい制度にするべき。まずは、過去の施策を検証・評価するべき。相互扶助であるならば、高所得者が、税ではなく保険料で負担する仕組みが必要。年金は、セーフティネットなのか老後の所得保障なのかはっきりするべき。高額所得者が年金をもらうのはおかしい。
<与謝野大臣>いわば2つの政府があるように、社会保障と非社会保障を区分する必要がある。負担増を官の肥大化には使わせない。
<中田委員>これだけ負担があるから、これだけの安心があるというメッセージを国民に着実にとどけるべき。
<樋口委員>歳以上人口が20%を超えるのは日本だけ。少子化対策は他の分野よりは費用が少なく、まったなしの状況である。男性の長時間労働の是正など、風土と制度を変えて、若者が所帯を持つ夢がもてる社会にするべき。
<髙木委員>
○ 総理の「生活対策」発表会見の後で国民会議の報告が出されることで、追加費用をすべて消費税で負担するとの間違ったメッセージが、国民に届くことを懸念する。社会保障の所得再配分機能が劣化する中、逆進性の高い消費税を増税すると、国民はより負担を感じる。
○ 経済財政諮問会議は、日本は中福祉・低負担だから中負担にするべきと議論している。年収200万円の人と高額所得者では(定額の)国民年金保険料の負担は違う。ミスリードのメッセージにならないよう、負担は所得と相対的に考えるべき。
○ 雇用保険の意義について制度を作ったときの議論を思い返すべき。保険料率引き下げと国庫負担削減は反対である。
<権丈委員>この国は中福祉までいっていない。極端に小さい福祉国家である。
<奥田委員>在宅介護を充実するためには、住宅政策や外国人労働者と連結して政策をだしていくべき。
<神田委員>社会保障番号には不安がある。国民の合意を得てから、議論をすすめるべき。消費税ありきにならないよう、改革の議論をすするべき。
以上
-「ごく近日中に勧告通り実施するとの閣議決定を行う」見込みと回答-
公務員連絡会は、11月13日9時から、総務省の村木人事・恩給局長との交渉を実施し、本年の人事勧告取扱いの作業状況を質した。この交渉は、臨時国会の会期末も迫ってきたことから、本年人勧を勧告通り実施する内容の閣議決定と、関係法案の早期国会提出を迫って実施したもので、公務員連絡会側は書記長クラス交渉委員が参加した。
冒頭、吉澤事務局長が、9月24日の交渉以降の、本年人事院勧告の政府における検討状況、今後の見通しを質したのに対し、村木局長は「総務省としては、この臨時国会に法案を提出するという方針で作業をしてきたが、近日中に、第3回給与関係閣僚会議が開催される予定であるので、本日は現時点でお話できることを申し上げたい」として、次の通り答えた。
1.給与・勤務時間勧告について
人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置の根幹をなすものであり、政府としては、同制度を尊重するとの基本姿勢を堅持してきたところである。
国家公務員の勤務条件を取り巻く環境には極めて厳しいものがあるが、総務省としては、本年の給与及び勤務時間に係る勧告について、従来からの基本姿勢の下、国民の理解を得られるような結論を早急に得るべく、国政全般との関連を考慮し、誠意をもって検討を進めてきたところである。
その結果、近日開催予定の第3回給与関係閣僚会議では、勧告どおり実施する旨の決定がなされるものと思料している。
なお、給与構造改革の今後の取扱いについては、昨年度の取扱方針の閣議決定において、人事院に対し、公務員給与について地域の民間給与をより一層反映させる方策の検討を要請したところである。さらに本年度の閣議決定においても、昨年度と同様の趣旨から、来年の勧告において地域別官民給与の実態を公表すること等について、改めて人事院に要請することを予定している。
人事院は、本年の人事院勧告時の報告において、給与構造改革期間終了後の取組として、地域における民間給与の状況等を踏まえ、引き続き地域間の配分の在り方を検討することとしており、今後、人事院において、地域における民間給与等の実態についての調査等が行われるものと考えている。
2.人事評価について
リハーサル試行については、7月3日付の「人事評価のリハーサル試行実施要領」に基づき、各府省において進められているところであり、その実施状況は、今月7日に総務省ホームページに掲載したところである。
政令の策定は行革事務局において行われるが、総務省としては、今後とも職員団体と十分に話し合うことは必要であると考えている。
3.非常勤職員について
非常勤職員の職務の内容や勤務形態は多種多様であり、その処遇等について一律に取り扱うことにはなじまないことから、まずはそれぞれの職員の勤務実態をよく知る各府省において給与法等の趣旨に沿った適切な対応がなされるべきものと考える。
その上で、人事院が本年の報告を踏まえ、給与に関する指針を策定するとともに、同報告において、「休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされているところであり、今後、各府省の対応状況の把握なども含め、人事院及び必要に応じ他の関係機関とも連携しつつ、適切に対応してまいりたい。
4.公務員制度改革について
国家公務員制度改革基本法に規定された事項については、内閣に置かれた国家公務員制度改革推進本部を中心に検討が行われているが、公務員制度を所管する総務省としても、法律の基本理念、方針の趣旨を踏まえつつ、今後とも国家公務員制度改革の推進に連携・協力をしてまいりたい。
5.退職手当法について
退職手当法の改正については、現在、鋭意法制化の作業を進めており、法案の国会提出については、給与法及び勤務時間法の改正法案と同時期を目指して関係各方と調整しているところである。
退職手当については、職員の重要な関心事項であり、総務省としては、今後とも職員団体からの意見は十分承ってまいりたい。
これに対して、公務員連絡会側は、次の通り、さらに局長の見解を質した。
(1) 本年の人勧について勧告通り実施するとの閣議決定を行う方向になったことについては総務省の努力を多としたい。なお、最終的には総務大臣との交渉の場で確認したい。
(2) 閣議決定に当たり、昨年の要請に続いて「地域の民間給与をより一層反映させる方策の検討」を要請するということであるが、人事院に対する「政治的介入」であり、到底認められない。この点は大臣交渉でも、申し上げざるを得ない。
特に問題なのは、なぜ来年、地域別官民給与の実態の公表を要請するのかということだ。2010年度の給与構造改革の完成を待って人事院が主体的に検討を進めるべきではないか。
(3) 非常勤職員の問題については、①まず職務や雇用形態等についての実態把握を行うこと②その上で問題解決に向けて検討する場を設置することを要求してきたが、今日の回答は、すべて各省まかせであり、総務省としての主体的取組みが明らかとなっておらず不満である。制度官庁として具体的に取り組む姿勢を示していただきたい。
これに対し村木局長は、次の通り答えた。
(1) 人事院に対する要請は、労働側が人事院に対して要請するのと同じで、使用者としての要請であり、おかしくない。それを踏まえて、あくまで人事院がどう判断するかということだ。来年はデータぐらいは出してほしいということであり、人事院に対し政治的圧力をかけるものとは考えていない。いずれにしても、人事院が責任をもって判断することになる。
(2) 非常勤職員の問題については、まずは各府省が自覚を持って対応してもらうことが第一であると考えているが、総務省として何もやらないということではない。各省の取組みをみて必要があればそれをフォローしていきたい。任用や雇用形態のなどの制度的問題は、政府全体の課題であり、総務省としても人事院と相談もしている。大きく困難な課題であるが、検討は誠心誠意進めていきたい。給与の指針が出たので、まずそこから始め、各府省の対応を見て、適宜考えて行きたい。
以上のように、村木局長が人事院への地域給与に関する要請や非常勤職員の問題について、納得できる見解を示さなかったことから、公務員連絡会側は本日夕刻に予定されている総務大臣交渉でさらに追及することとし、吉澤事務局長が「公務員に対する風当たりは強いが、現場で頑張っている公務員に報いるために、関係法案が会期内に成立するよう努力願いたい」と申入れ、局長交渉を締めくくった。
(注記)退職手当法の改正について
2007年10月30日の人事院勧告の取扱いにかかわる閣議決定において、公務員による不祥事の発生を踏まえ、「不祥事を起こした国家公務員に対する退職手当の取扱いについて、総務省において制度の在り方に関する検討会を開催し、来年の春までを目途に結論を得る」とされた。
このことから、2007年11月28日に検討会が発足し、2008年6月4日に報告書が明らかにされた
公務労協は、1月18日と5月14日の2回にわたり、検討会で意見を述べているが、5月のヒアリングでは、
①返納事由の拡大とその範囲、②支給制限制度の在り方及び一部支給制限制度を創設した場合の基準、③遺族への支給制限及び相続人からの返納制度、④返納命令を行いうる期間の限定、⑤支給制限・返納処分の手続き、の5点にわたり具体的に意見を述べた(資料参照)。
公務労協の意見はおおむね取り入れられる結果になったが、①相続人からの返納については制度化すべきではない、②支給制限・返納処分の手続として、専門的な第三者機関の関与は当然のことであり、人事院に行わせることとすべき、③法律で支給制限等の程度に関する基本的な基準(「過去の功績の没却」の程度との関係が基本と成るべき)を明記すべき、という3点は、課題として残されている。
このことから10月28日の総務省人事・恩給局次長交渉で、公務員連絡会は改めて「退職手当法改正の大枠について反対はしないが、一部に課題が残されており、それが解決するよう引き続き十分交渉・協議すべき」と申し入れた。
以上のことを踏まえ、今回の退職手当法改正については、引き続き政令における課題解決に努力することを前提に、人事院勧告にもとづく給与法改正、勤務時間法改正とあわせて閣議決定、法案提出することを求めたものである。
-明日(14日)勧告通り実施を閣議決定し来週中にも法案提出の方向-
公務員連絡会福田議長ほか委員長クラス交渉委員は、11月13日午後4時15分から総務省で鳩山総務大臣と交渉を持ち、2009人勧の取扱い状況などについて大臣の見解を質した。これは、勧告日の8月11日に提出した要求書に対する回答を求めて行われたもの。
これに対して大臣は、「明日、第3回給与関係閣僚会議を開き、給与・勤務時間について勧告通り改定する旨の決定がなされるもの」とし、明日(14日)、2009人勧を勧告通り実施する閣議決定を行う見通しであることを明らかにした。これに対して福田議長は、勧告通りの閣議決定については評価したものの、人事院に対してより一層の地域の民間給与を反映させる方策の検討や来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表するよう要請する点を「到底容認できない」として強く抗議した。
明日の閣議決定を受けて政府は、勤務時間法・給与法・退職手当法改正法案の策定作業に入り、来週中には法案を閣議決定し、国会提出する予定。公務員連絡会は、大臣交渉後に開いた企画・幹事合同会議で、①14日を全国統一行動日として各構成組織ごとに時間外職場集会等を実施すること②会期が迫り厳しい情勢にあるが関連法案の早期国会提出と成立を目指して取組みを進めること、など今後の取組み方針を確認した。
<総務大臣交渉の経過>
13日午後4時15分から総務省で行われた交渉の冒頭、公務員連絡会側が2008人勧の取扱状況を質したのに対し、鳩山大臣は次の通り見解を示した。
(1) 本年度の国家公務員の給与改定については、去る8月11日に人事院勧告を受け取って以来、関係府省間で検討を進めてきたところであります。総務大臣としては、国の財政事情をはじめ国家公務員給与を取り巻く環境がきわめて厳しい中、給与関係閣僚会議において、労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度を尊重すべきとの立場で意見を申し上げてまいりました。
(2) その結果、明日、第3回目の給与関係閣僚会議を開いていただくことになり、そこでは、給与及び勤務時間について勧告どおり改定する旨の決定がなされるものと思います。給与関係閣僚会議で決定がなされれば、その後の閣議において政府として取扱方針が決定されることになると思います。
(3) 職員の皆様には、今回の決定が現下の厳しい諸情勢の下でなされたものであることを十分理解し、今後とも、国民の信頼にこたえ、公務能率及び行政サービスの一層の向上に努めていただきたいと思います。
これに対して福田議長は、次の通り大臣回答に対する見解を述べ、政府が人事院に地域別官民比較の公表などを要請することについて強く抗議するとともに、①一刻も早い関連法案の国会提出と成立に努力すること②納得性の高い人事評価制度を構築するよう努力すること③超勤縮減に努力すること④地方分権改革の第2次勧告に向けて十分意見交換すること、などを申し入れた。
(1) 公務を巡る情勢が厳しい中、所管大臣として、今日まで完全実施に向けて努力していただいたことに感謝申し上げたい。ただ、明日予定される閣議決定の中で、昨年に続いて、官民比較方法見直しの検討を人事院に要請すると聞いているが、これは本来、今進めている給与構造改革終了後(平成22年度)、その結果を踏まえて人事院において検討されるべきものである。にもかかわらず、本年、政府が人事院に検討を要請することは、労働基本権制約の代償機関に対する「政治」の圧力そのものであり、われわれとしては到底認められない。強く抗議する。
今後、政府は閣議決定を踏まえて、勤務時間法改正法案、給与法改正法案、退職手当法改正法案の作成作業に入ることとなるが、タイムリミットも迫っており、一刻も早い国会提出と会期内成立に最大限努力するよう要請する。
(2) 新たな人事評価制度の本格実施については、現在リハーサル試行が行われているが、その結果を十分検証し、納得性の高い評価制度が円滑に実施されるよう、政令策定に向けて努力いただきたい。
勤務時間勧告の実施は、公務の勤務時間を民間にあわせるものであり、ワークライフバランスの観点からも、きわめてタイムリーな、かつ重要なものだと考える。ただ、所定勤務時間が短縮されたとしても、超過勤務が現状のままでは意味がない。政府には、超過勤務縮減に一段と力を入れてもらうよう要請しておきたい。
国家公務員制度改革推進本部のもとに設置された「労使関係制度検討委員会」の審議が始まったが、政府としてその検討を急ぎ、公務労使関係の抜本改革に着手し、団体交渉で賃金・労働条件を決定するシステムを確立するよう強く要求する。
(3) 鳩山大臣は分権改革担当大臣でもあるので、地方分権改革に向けた第2次勧告についてひとこと要請しておきたい。わたしどもは、地方分権改革を積極的に進めるべきだと考えている。しかし、地方分権改革推進委員会で検討されている国の出先機関の見直しについては、単なる出先機関の縮小と総人件費削減に過ぎないのではないかという危惧を持たざるを得ない。大臣には、①まず国と地方自治体の役割分担を明確にし、国民生活の観点から事務・事業の精査を十分行った上で国の出先機関のあり方を検討すること②見直しに当たっては、政府が雇用と労働条件の確保を明確に保障すること、などについて特段の努力を要請しておきたい。この件については、第2次勧告を受けて、改めて大臣に要請したいと思っているので、よろしくお願いしたい。
これに対して大臣が「要望は承った」としたことから、議長は「ただいまの大臣の回答は、組織に持ち帰って報告し、公務員連絡会としての態度を決定する」とし、交渉を締めくくった。
政府は、11月14日8時から第3回給与関係閣僚会議、8時30分から閣議を開催して2008年人事院勧告の取り扱いに関する方針を決定しました。
閣議決定の内容と公務員連絡会の声明は、次の通りです。 総務省の事務次官通知等の関係資料は、入手次第、別途掲載します。
総務省は、本日の人事院勧告の取り扱いに関する閣議決定を受けて、「地方公務員の給与決定に関する取扱い等について」の事務次官通知を発出-
総務省は、本日(11月14日)、2008年人事院勧告の取扱いの閣議決定を受けて、「地方公務員の給与決定に関する取扱い等について」の事務次官通知を発出しました。
事務次官通知の主な特徴的内容
(1)地方公務員の給与改定については、国における取り扱いを基本として、地域における民間給与等の状況を勘案適切に対処すること。
(2)技能労務職員の給与等については、自治体が策定した技能労務職員等の給与等の見直しの「取組方針」に沿って着実に実施すること。
(3)能力・実績に基づく人事管理を推進し、そのために公正かつ客観的な人事評価システムを活用し、評価結果を昇給や勤勉手当等の給与決定に活用するなど、少なくとも国と同様の勤務実績の反映に努めること。
(4)地方公務員の勤務時間の改定については、国家公務員の勤務時間の改定を基本とすること。
(5)勤務時間や休暇等の勤務条件について、合理的な理由のないまま、国と異なる制度、運用を行っている団体は、速やかにその適正化をはかること。
なお、人事院の「非常勤職員の給与に関する指針」(8月26日、給実甲1064号)をふまえた自治体の臨時・非常勤等職員の処遇改善に関しては言及されていません。
自治労は、引き続き、地方公務員の給与・勤務条件は自治体における労使の自主的・主体的な決定が尊重されることを基本として、公務員連絡会に結集し、2008自治体確定闘争の取り組みを強めていくこととします。
*事務次官通知のほか、閣議決定の関係資料として、総務大臣談話、官房長官談話の資料を添付します。
資料1-事務次官通知
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資料2-総務大臣談話
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資料3-内閣官房長官談話
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11月12日、与党は、家計の緊急支援対策として打ち出した定額給付金の所得制限に対して、市町村にゆだねるという決定しました。
この定額給付金制度に対する自治労の考え方です。ご活用ください。
-各自治体における労使交渉の尊重を強く求める-
公務員連絡会地公部会は、11月13日15時から、幹事クラスによる総務省公務員部給与能率推進室交渉を行った。総務省からは、小池給与能率推進室長、島田課長補佐らが対応した。
最初に藤川事務局長が、14日に給与法・勤務時間法・退職手当法の取扱いを協議する給与関係閣僚会議と、それらの取扱いを決定する閣議が予定されていることから、2008年地方公務員給与決定などに関して、以下の5点について総務省に質した。
(1) 閣議決定を受けた総務事務次官通知(自治労情報/2008年11月14日)の基本的な考え方と取扱いはどのようなものになるのか。また、人事院勧告、各人事委員会勧告を踏まえた給与改定については、地方公務員法第24条第3項の趣旨をふまえ、自治体における労使の自主的交渉の結果を尊重するべきである。さらに、公営企業職員や現業職員の給与については、団体交渉による協約締結権があることを尊重した対応をすべきである。
(2) 首長が一方的な給与カットを行う事例が相次いでおり、認められない。十分な交渉・協議と合意に基づくものであるべきと考えるがいかがか。
(3) 臨時・非常勤等職員の処遇改善に向け、人事院指針を参考にしつつ、常勤職員との均衡を原則とするよう、自治体への助言等を行う必要がある。
(4) 地方公務員の人事評価制度の見直しにあたっては、拙速な対応を行わないことを求めるとともに、「地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会」の検討にあたって、地公部会の意見反映の場を設定していただきたい。
これに対して、給与能率推進室からは、次の回答があった。
(1) 給与改定等の取扱いに関する事務次官通知については閣議決定後、速やかに自治体に向けて発信する予定。昨年と同様に、国の人事院勧告の取扱いを基本として、地域における民間給与の状況等を勘案し、適切に対処することとしている。人事委員会勧告の尊重が基本であり、給与決定の原則は、地方公務員法第24条第3項に書かれているとおり。地域の実情をふまえ、総合的に勘案して適切な内容になるよう、必要な助言は行っていく。また、技能労務職員や企業職員については、労使交渉を経て労働協約を締結できるなど、法の適用関係が他の一般行政職員等と異なるものであるが、その給与については、職務の性格や内容を踏まえつつ、地域における民間の同一又は類似の職種の給与との均衡に一層留意し、住民の理解と納得が得られる適正な制度・運用を引き続き求めていく。
(2) 独自の給与削減については各地方公共団体において、十分な議論を経た上で条例改正をしているものと認識している。
(3) 自治体に任用される臨時・非常勤職員は、その勤務形態や職務内容がさまざまであり、任用に係る法体系も国と異なる。人事院の指針は、自治体に任用される非常勤職員等に直接あてはまるものではない。
(4) 研究会の最終報告は今年度中に出される予定であり、研究会の内容については、必要な情報提供は行ってきた。引き続き、これまでと同様に対応していく。
これらの回答に対し、地公部会は、以下の指摘を行うとともに、適切な対応を強く求めた。
(1) 民間賃金の反映のみが強調されている。公務員賃金が高いとの批判に対しては、総務省として毅然として対応すべきである。
現業職員には、公務員として住民に対する責任が強く求められており、民間においてまったく同様の職種はないのではないか。「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」の最終報告に向けて、地公部会との交渉・協議を強く求める。
(2) 給与削減は首長の恣意的なパフォーマンスであることが多く、組合との十分な協議は行われていない。人勧尊重が基本スタンスであるならば、総務省として的確な対応を求める。
(3) 国の非常勤職員には、正規職員との権衡原則が規定されている。地方公務員については職務の内容と責任に応じるとする職務給の原則があるが、実態として、それすら守られていない。均衡の原則を自治体に対しても示すべきである。
(4) 国が人事評価を本格的に実施したからといってそのまま自治体でできるものではない。地方公務員法改正案がこのまま成立しても、十分な準備期間がない場合、円滑な実施はできない。
これに対し、給与能率推進室は、次のとおり回答した。
(1) 行政サービスについては、民間にない部分があること、全く同一といえない部分があること、自治体としての責任などについては理解する。しかし、民間賃金は法律で定められているとおり重要なひとつの目安であり、これとの関連で説明責任を果たしていく必要がある。公務員賃金が高いとの批判に対しては、集中改革プランの実施状況を公表し、給与・定員などについて各自治体で努力していることは説明している。
技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会報告については、随時、地公部会との間で必要な対応を行っていきたい。
(2) 人事委員会勧告を尊重することが総務省としての基本的なスタンスであり、各自治体の事情により判断されているものと考える。
(3) 臨時・非常勤職員の職務内容、報酬は各自治体で異なるが、職務給原則が適正に反映されるのであれば、臨時・非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員との均衡は図られるはずである。
(4) 研究会では、地方公共団体における人事評価の任用面での活用について、国の施行状況をふまえつつ、方向性と活用する上での留意点について整理している。国で実施していることを踏まえた準備を進めることを各自治体に対してすでに助言している。ただ、実施に向けての懸念や難しい問題を抱えていることについては十分承知している。
この回答に対し、とくに、臨時・非常勤職員の均等待遇を基本スタンスとし、自治体条例に明記させるなど、総務省の積極的な対応を強く求めるとともに、その他の課題について継続した交渉・協議を申し入れ、終了した。
保育制度の規制緩和や完全市場化に向けた動きが、規制改革会議や地方分権推進会議の議論で焦点になっています。自治労は、地域における公的保育所の役割を明らかにし、最低基準の撤廃や行き過ぎた市場化がもたらす影響に警鐘を鳴らし、公的保育サービスを解体させない取組みを強めています。このため、2008年11月10日の中央執行委員会において、保育の規制緩和に対する自治労の考え方を確認したところです。
一方、11月10日発行(全国配送12-14日頃)の『自治労通信№733号』において、記事の一部に、自治労が「地方分権を進めるために保育所最低基準などを撤廃する必要がある」と読み取れる旨の記載がありましたため、この件についての「認識と考え方」についてもあわせて添付いたします。
自治労は、今後とも地方分権の推進と公共サービスの充実に向けて取組みを強めていく決意です。
保育制度の規制緩和・市場化にかかる考え方と取り組みについてをダウンロード
自治労通信第733号「 Part3.検証・福祉と道路の地方分権とは 」記事についての認識と自治労としての考え方についてをダウンロード
10月14日、第3回「国家公務員制度改革推進本部顧問会議」(座長:御手洗日本経団連会長)が首相官邸会議室で開催され、今後の検討の進め方、内閣一元管理のプロセスなどについての論議を行った。
座長の御手洗・日本経団連会長が「ワーキンググループのメンバーと運営、当面の論点をまとめた。まず、一元管理と国家戦略スタッフ・政務スタッフの議論を行い、方向性が出た時点で内閣人事局の議論をしたい。本日は、ワーキンググループに先立ち率直な意見交換をしておきたい」と発言し、連合の高木会長は「国家公務員制度改革基本法の「目的」「基本理念」「基本方針」はいろんな読み方ができる。今後の議論を左右するので、国会での修正の心について、もう一度確認してから議論にはいるべきではないか」との考えを述べた。
委員間での意見交換を受けて、最後に御手洗座長が「ワーキンググループでは、集中的に論議し、論点整理を行ってほしい」と要望し、第3回顧問会議を終えた。
※ホームページ:http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/komon/dai3/gijisidai.html
―顧問会議が内閣人事局WG報告を担当大臣に提出―
11月14日、第4回国家公務員制度改革推進本部顧問会議(座長:御手洗日本経団連会長)が開催され、内閣人事局の機能や組織に関わるワーキンググループ(主査:桜井正光経済同友会代表幹事)(以下、「WG」という。)の「論点整理に関する報告」について審議し、甘利行革担当大臣に提出した。
その内容は、内閣人事局が「国家公務員全体の人事管理に関する制度及びその運用の全般について、Plan機能(企画立案、方針決定、基準策定、目標設定等)とAct機能(制度や運用の改善・改革)を担う」こととし、「労働基本権制約の下では、(中略)勤務条件について内閣人事局がPlan機能を担い、例えば、勤務条件の細目についても法律に基づき内閣人事局が政令で定め、人事院がこれに対して意見申出を行うような仕組みや内閣人事局があるべき勤務条件について基本的な企画立案を行い、人事院に対して必要な検討、勧告・意見申出を行うよう求めるような仕組み」とすることを求めている。
WGは、内閣人事局を新たに設置するに当たって、国家公務員制度改革基本法の趣旨を具体化するためには、どのような機能と組織が必要かについて「論点整理」を行うことを求められていたが、スケジュールありきの拙速な審議を行い、基本法が求める割拠主義打破による「幹部職員等の一元管理」を名目として、労働基本権制約の下において、第三者機関である人事院の権限を形骸化し、使用者の権限を一挙に拡大することを報告している。労働基本権の付与については、別に設置されている「労使関係制度検討委員会」(座長:今野浩一郎学習院大学経済学部教授)で検討することとてされており、そこで結論を得る前に使用者側の人事管理権限を強化することは、労働基本権制約の代償措置との関係で受け入れられないものである。
WGの審議には、連合を代表して草野連合総研理事長が委員として参加し、割拠主義の打破などを訴えるとともに、給与制度等について企画立案を行うことは代償機能そのものであることから、内閣人事局の権限としないことを主張してきたが、取り入れられなかったものである。また、顧問会議には、高木連合会長が、【別紙】の通り、意見書を提出し、①使用者である内閣人事局が企画立案等を所管または関与することは、断じて許されないこと、②公正・中立性を確保する機能を内閣人事局に移管することは、行政の継続性及び安定性、公正性と中立性に影響を及ぼすこと、③幹部職員の人事については、入口選別主義に基づくキャリア制度を廃止し、評価制度に基づく真に公正・中立な人事システムを構築すること、④内閣人事局が担うべき機能や役割等については、顧問全員が参加する機会を設定し、慎重かつ十分な審議・検討の確保をはかること、などを強く訴えたが、反映されなかったものである。
報告を受けた甘利行革担当大臣は、顧問会議の場で「持ち帰って週末考えさせていただき、総理や党にはかって、最終的に方針を決めたい」との考えを表明している。
報告では、人事院の代償機能の形骸化のみならず、行政管理局や財務省主計局給与共済課の機能についても内閣人事局に統合することなどを求めており、政府の「最終的方針」がどうなるかは不透明である。仮に、来年度に内閣人事局を設置することになれば、年内に予算要求を取りまとめるとともに、次期通常国会で内閣法、国家公務員法、各府省設置法等の改正を行う必要があることから、推進本部事務局で具体化に向けた検討作業が行われることになる。
このため、公務労協は連合と連携して、労働基本権制約の下で代償機能が損なわれ、使用者側の人事管理機能が一方的に強化されることを阻止するため、推進本部との交渉の強化や労使関係制度検討委員会での審議促進など、今後の対策を強めていくことにしている。
ホームページ:http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/komon/dai4/gijisidai.html
以上
【別紙】高木連合会長の意見書
「論点整理に関する報告」に対する意見
顧 問 高 木 剛
これまでの顧問会議における議論とワーキング・グループの論点整理等を踏まえ、内閣人事局が担うべき機能や役割等について審議する第4回顧問会議を欠席するにあたり、書面により以下の意見を提出し、同会議における議論への反映を要請します。
1.職員の勤務条件に係る事項の権限については、労働基本権が制約される現行法制度において、代償措置の中核をなす人事院勧告以前の段階において、使用者である内閣人事局が企画立案等を所管または関与することは、断じて許されない。仮に人事院の意見聴取を前提とするものであっても、代償措置・機能を形骸化するものに他ならない。
ILОにおける代償措置論は、「制度の構成、手続、実効性の確保などの点において、労働者の要求を十分にみたしうるものでなければならず、それによってはじめて基本的権利尊重の趣旨と整合性を確保しうる」(ILО結社の自由委員会第139次報告(1973年))としている。また、「日本の公務における雇用条件等を決定する現行制度が関係当事者の信頼を確保するものといえるかどうかにつき、強い疑念を表明せざるを得ない。政府はこれらの労働者が目下のところ享受していない基本権の適切な代償となるような公務における賃金および労働条件決定手続を確立し、当該労働者が雇用条件等の決定に参加できるよう強い希望を表明する」(同委員会第236次報告(1984年)、第329次報告(2002年)他)としている。
その意味で、現行制度でさえ代償措置・機能が適切なものではないと国際的にも判断されているにもかかわらず、代償機関としての現在の人事院の機能・権限を使用者である内閣人事局に移行することは、第三者機関としての人事院に付与されている「職員の利益を保護するための権限」を阻害し、代償機能を事実上否定するものであり、到底容認できない。
勤務条件に関わる事項についての人事院権限の移管は労使関係制度検討委員会の検討結果を踏まえて措置すべき事項である。
2.主権者たる国民のコントロールは、政治主導を強化することにより発揮されるが、同時に職業公務員の公正・中立性の確保をこれまで以上に徹底することが必要である。これは、民間企業の人事管理とは異なるものであり、国民全体の利益をはかる公務における特性として、諸外国においても外部からの圧力で歪められることのないよう制度的保障がなされている。
公務員人事において公正・中立性を確保する機能については、憲法の「全体の奉仕者としての公務員」に由来する重要な機能であり、これを十分かつ具体的さらに専門的な検証もなく、移管することは、行政の継続性及び安定性、公正性と中立性に影響を及ぼす。基本法制定の際の国会の附帯決議をも踏まえ、拙速な対応をはかってはならない。
3.幹部職員の人事について、課題と目的は、入口選別主義に基づくキャリア制度を廃止し、評価制度に基づく真に公正・中立な人事システムを構築することにある。つまり、各省割拠主義の基盤が府省の絶対的な人事権限にあるとし、どれだけ各府省の権限を規制・排除しても、結果的に、内閣人事局のもとで、総合職試験採用〜幹部候補育成課程〜幹部というように実質的に現行のキャリア制度の運用が維持・温存されたのでは意味がない。
幹部職員の人事制度の検討については、あくまで基本法の範囲において検討がはからなければならないことは自明のことである。つまり、幹部職員と他の職員を一つの公務員集団としている現行制度のもと、それを前提とした幹部職員に係る措置の検討であることに留意しなければならない。
4.限界を超えている格差社会からの脱却が求められている今日、新しいリスクに対応する公共サービスの重要性を認識し、それを機能させる基盤となる公務員制度改革はまさに国民的課題であり、改革の頓挫は許されない。また、国家公務員制度改革基本法が与党と民主党との間における修正協議に基づき成立した経過を踏まえ、幅広い関係者の意見聴取を行い、如何なる政権のもとでも常に安定的に機能する公務員制度を確立しなければならない。
国家公務員制度改革基本法の主たる目的は、官僚内閣制と各省割拠主義を廃し真の意味での政治主導体制を確立すること、さらにキャリア制度を廃止し公正・中立な人事制度に改めることにあるといえる。そして、内閣人事局は、これらの目的を達成するために必要となる組織である。
ところで、当顧問会議の任務については、「国家公務員制度改革の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について審議し、国家公務員制度改革推進本部長に意見を述べる」こととされている。その意味で、国民を代表する立場から施策の検討に参画しているという自覚のもと、国民が納得できる改革を提示することに留意しなければならない。
内閣人事局が担うべき機能や役割等については、少々の検討スケジュールの遅れを改革の後退と評価されることに懸念した拙速な対応をはかるのでなく、国家公務員制度改革基本法に定められた期限のもと、顧問会議全体の合意形成に配慮すべきである。そのため、顧問全員が参加する機会を設定し、慎重かつ十分な審議・検討の確保をはかることが最低限必要である。
以 上
公務労協は、11月14日に甘利行政改革担当大臣に提出された国家公務員制度改革推進本部顧問会議の内閣人事局に関する報告について、推進本部事務局交渉を実施し、「労働基本権制約下において、代償機関である人事院の機能を使用者側となる内閣人事局に移すことは断じて認められない」と厳しく抗議した。
交渉は、13時から行われ、公務労協側は吉澤・岩岬の正・副事務局長、構成組織職長が参加し、推進本部事務局側は岡本次長らが対応した。
冒頭、岡本次長が「報告(概要)」に基づき、「顧問会議として、「報告」及び当日提出された欠席顧問からの意見と合わせ、大臣に提出した」と説明したのに対し、公務労協側は次の通り主張し、報告の問題点を厳しく追及した。
(1) 報告内容については、多々疑問や疑義があるが、最大の問題は、人事院の代償機能がどういう歴史的経緯や意義をもっている、すなわち憲法上、法制上の問題について、ワーキング・グループ(以下、「WG」という。)や顧問会議で十分検証していないことだ。
(2) 内閣人事局は「国家公務員の人事管理に関する戦略中枢機能を担う組織」とされているが、基本法にはない概念だ。それを根拠として、人事院の代償機能である試験、任免、給与、研修の企画立案、方針決定機能等を使用者である内閣人事局に移すことは、使用者の権限だけ強化するものであり、断じて認められない。
(3) 代償機能は、全農林警職法判決で労働基本権制約が憲法違反とならないための要件とされているものであり、代償機能が弱められれば、憲法問題になる。また、ILO勧告では現状の代償措置では不十分と指摘しており、それをさらに弱めることは受け入れられない。
これに対し、岡本次長らは、次の通り見解を述べた。
(1) 代償機能の問題は認識しており、過去の経緯について資料をお配りし、個別に説明した。日本以外の国の状況についても資料をお配りしている。それが十分かどうかは委員の皆さんの判断と思う。
(2) 基本法の一元管理、説明責任を果たすためには、人事管理の中枢機能を担う必要があり、その場合、試験、任免、給与等について手を触れられないのでは機能を発揮できないため、主体的に企画立案等を行うが、他方、代償機能ということがあるので人事院が勧告や意見の申出を行うことなどを考えることにしたもの。
(3) 報告内容で警職法判決に反することはないと考えている。いずれにしても、報告はWGや顧問会議の考えであり決めきったものではないので、具体的にどう対応していくかは、甘利大臣が判断していくことになる。
以上のように、推進本部事務局側は、報告はWGや顧問会議の考えであり、どう具体化するかは大臣の判断、との考えを示すに止まった。これに対し、吉澤事務局長が「報告内容と具体化に向けた検討については、引き続き交渉・協議をさせていただく。また、大臣が判断するということであり、公務労協としては認められない報告内容であるため、大臣との交渉を申し入れる」と要求し、交渉を締めくくった。
また、公務労協の公務員制度改革対策本部は、「労働基本権制約の代償措置と公務における公正・中立性を蔑ろにするもので、到底認めることができるものではなく厳重な抗議の意を明らかにする」との福田本部長談話を発表した。
以上
「論点整理に関する報告」についての談話
11月14日、国家公務員制度改革推進本部顧問会議(以下、「顧問会議」という。)は、多くの顧問が不参加のもと、高木顧問(連合会長)が提出した「拙速な対応をはかるのでなく、顧問全員が参加する機会を設定し、慎重かつ十分な審議・検討の確保をはかることが最低限必要である」とする意見書を無視し、座長の強権的会議運営により、「論点整理に関する報告」を了承し甘利行革担当大臣に託した。「論点整理に関する報告」は、前日の13日に開催された顧問会議ワーキンググループへの草野委員(連合総研理事長)の修正要求をも無視したものである。また、その内容は、労働基本権制約の代償措置と公務における公正・中立性を蔑ろにするもので、到底認めることができるものではなく厳重な抗議の意を明らかにする。なお、同顧問会議において甘利行革担当大臣は、「来年度予算への対応について、各省との交渉・了解等の作業
もしなければならず、総理や党にはかり最終的な方針を決めたい」との慎重な姿勢を明らかにしている。
「論点整理に関する報告」は、①今回の公務員制度改革の理念と内閣人事局の設置の目的について、国家公務員制度改革基本法の基本理念を再掲し、②顧問会議より検討依頼がなされた論点を5点について整理、③内閣人事局の担うべき機能及びその組織のあり方について、内閣人事局があるべき勤務条件について基本的な企画立案を行い、人事院に対して必要な検討、勧告・意見申出を行うような仕組みとする方向で、できる限り見直す等を指摘している。
労働基本権が制約される現行法制度において、内閣人事局が企画立案等を所管または関与することは、断じて許されない。ILОをはじめ国際的にも代償措置たり得ないと判断されている現在の人事院の機能・権限等を使用者である内閣人事局に移行することは、現行制度さえ否定するものであり、全農林警職法事件最高裁判決にも矛盾するものに他ならない。今後の次期通常国会をはじめとする政府の対応如何によっては、連合との連携のもとILО結社の自由委員会への再提訴も辞さない覚悟を明らかにする。
また、公務員人事において公正・中立性を確保する機能について、十分かつ具体的さらに専門的な検証を行うこともなく、試験、任免、分限・懲戒等の企画立案機能を内閣人事局に移管することは、行政の継続性及び安定性、公正性と中立性に重大な影響を及ぼすものとして容認できるものではない。
公務労協は、「論点整理に関する報告」に基づく法律措置に反対し、内閣人事局について、非現業公務員の協約締結権付与を前提とした労使関係において政府を代表する責任ある使用者としての権限を具備する組織とすることを強く求める。さらに、連合との連携のもと、ILO勧告をみたした労働基本権の確立と民主的公務員制度改革の実現を不断に追求するものである。
2008年11月18日
公務公共サービス労働組合協議会
労働基本権確立・公務員制度改革対策本部
本部長 福 田 精 一
自治労は11月17日、18日に地方三団体(知事会、市長会、町村会)に対して、2009年度予算編成、定額給付金問題などについて意見交換を行うとともに、必要な地方財源の拡充を求め、要請行動を実施しました。要請記録と要請書は別添のとおりです。
全国市長会要請
全国市長会への要請は11月17日13時30分から行った。自治労側は、友利政治政策局長、下目政治政策局次長、平川臨時執行委員が参加した。全国市長会は、中嶋財政部長、池田財政部副部長、武居行政部副部長らが対応した。
自治労側の要請に対し、全国市長会は「地方財政に対する認識は自治労とほぼ共通であり、従来の要請内容に加え環境分野に関する自治体予算の確保に向けて強く打ち出しているところ。景気後退による税収減により地方交付税の確保が厳しい状況に対して、交付税を確保するよう要望を政府に提出している。定額給付金制度は、自治体議会の議員構成によって受給できる自治体、できない自治体が発生する可能性もある。支給に際して基準日をいつに設定するか、施設等に入居している方々への支給のあり方、実施するならば解決しなければならない課題がある。市長会では、自治体が混乱しない対応が必要と政府に強く要請している。社会保障分野は、地域の安心・安全の基本に関わるところだが、「骨太方針2006」を撤回しない限り、必要な財源確保が難しい状況になっている。必要なサービスが確保できるよう中長期的な政策を考えることが必要だ。自治体は起債制限や健全化法などの一定の制約のもとで財政運営を進めているが、財務省は自ら予算編成を行っておきながら国の財政は自治体よりも厳しいと明言している。こうした発言は疑問に思わざるを得ない」などと回答した。
最後に自治労側から、不採算医療に対する交付税措置の拡充など公立病院の財政措置の充実にむけて総務省に要請する予定だが、理解と支援をお願いしたいとし、要請を終えた。
全国知事会要請
全国知事会への要請は、11月18日13時30分から行った。自治労側は、友利政治政策局長、下目政治政策局次長、平川臨時執行委員が参加した。全国知事会は、重松調査第一部長、鶴島調査第一部副部長、金岡調査第二部副部長らが対応した。
自治労側の要請に対し、全国知事会側は「地方消費税の拡充を含めた地方財政の充実について、知事会の要望とほぼ同じとの認識だ。自治体は財源ばかり要求しているとか、仕事の無駄が多いとかの議論のなかで、地方交付税を削減すべきとの意見が出てくるが、地方の立場から明確に主張しなければならないことは、強く主張すべきとの考えだ。知事会長も国に対して人件費を含めて自治体がぎりぎりまで努力していることを主張しているが、地域のサービスを支えるため、労使双方から財源確保について声をあげることが重要と考える。環境税制については、国税か地方税かという課題、消費税などの既存税制との兼ね合いをどうするかなどさまざまな課題があるが、各方面で意見交換しながら考えていかねばならない問題だ。生活保護については利用抑制という方向でなく、漏給問題の解決など保護を必要としている人に必要な保護がいきわたることが重要との認識」と回答した。
最後に、自治労側から、「国は財政再建のために地方財政をさらに切り込むべきとの姿勢をみせているが、防災など非常時を想定すれば自治体の機能をこれ以上、減じてはならない。組合としても職場から声を上げていくが、知事会としても理解をお願いしたい。さらに、都道府県立病院の特別交付税を市町村並みに引き上げることや、知事会が提言している保育所の最低基準の撤廃方針の変更を求めたい」とし、要請を終えた。
全国町村会要請
全国町村会への要請は、11月18日14時10分から行った。自治労側は、友利政治政策局長、下目政治政策局次長、平川臨時執行委員が参加した。全国町村会は、小川財政部副部長が対応した。
自治労側の要請に対し、全国町村会側は「住民に近いところで行政サービスを提供する町村としても、必要人員の確保、福祉人材の確保の基本となる地方財政の確立が重要と考える。町村会としても、みなさんとほぼ同じ主旨で政府に要望を提出している。定額給付金問題は、短期間に確実に支給するためには、解決しなければならない課題が多く、窓口で混乱が生じないような道筋をつける必要がある。町村会では、定額給付金のあり方について来週にも会議を開くが、新聞報道にあるように所得制限を設けない方向で議論のたたき台を出す予定だ。自治体財政の悪化には、国の政策に協力した部分もあり、財政基準のためにサービス水準を必要以上に切り詰められることは問題と考える。また、過疎自立支援促進特別措置法が2010年に期限切れするため、その後の延長など要望について町村会で運動を展開しているが、町村の行財政充実に向け取り組みたい」と回答した。
最後に、自治労から、不採算医療の充実にむけて1床あたりの交付税単価の引き上げなどについて総務省要請を行うが、町村会としても公立病院の財政措置の充実について理解と支援をお願いしたいとし、要請を終えた。
自治労は11月19日公立病院に関する今後の地方財政措置のあり方について「公立病院に関する財政措置のあり方検討会」で検討されていることから地域医療を確保する観点から総務省に対する交渉をおこなった。
自治労公立病院改革対策本部から加藤副委員長、中島健康福祉局長、松井健康福祉局次長、平川健康福祉局次長他が参加し、 細田大臣官房審議官に要請を行った。
http://www.jichiro.gr.jp/news/2008/11/081119.html ←自治労本部ホームページ
【要請書】
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【交渉報告】
冒頭、加藤副委員長より、「7月の交渉時に久保自治財政局長はガイドラインの目的は地域医療の確保であると述べられた。公立病院に関する財政措置のあり方検討会のまとめが25日に出るようだが、地域医療確保の観点から財政措置を検討して頂きたい」と要請趣旨を述べた。
これに対し、細田審議官は以下のような回答を行った。
「ガイドラインの目的は地域医療確保であると私も理解している。交付税についてだが、交付税は使途制限がなく、繰り出し基準も抽象的なものとなっている。自治体立病院は自治体がつくっている病院であり自治体の判断が原則だ。特別交付税の拡大は検討会でも、産科、小児科、救急も含め検討がされている。病床利用率に応じた交付税措置は、使われていない病床も交付税を目的に維持している実態があり許可病床数ベースは問題が多いという意見が多く出ており、検討中である。無床の診療所は、小さいため有床とは違うと考えている。へき地医療支援機構については、若干特別交付税を措置しているが、都道府県の主体的な機能の強化が課題だ。自治医科大学は定数を20年度から現状の100人を110人に増員し、今年度さらに3人増の113人で申請中だ。自治医科大卒の医師の地域への定着は都道府県の創意工夫ある取り組みをお願いしたい。公立病院の建物については災害拠点病院もあり、そこでは病院債で割り増しをしている。病院の収入は診療報酬で決まるという限界のある厳しい状況の中で地域医療を守ることが求められており、ガイドラインはこのためのものだ。ネットワーク化は鍵となるが、都道府県で温度差、取り組みの差があるのが実情で、いろんな機会を通じて県がきちんと考えていただきたいと話している」
これに対し、自治労側は、
「交付税については、基準通りの繰り出しが病院会計にされていない不満が強い。病床利用率については、地域の医療需要よりも医師不足のため利用率が上がらないという場合もあることについて理解し、配慮すべき。ネットワーク化については、基幹病院に患者が集中し負荷がかかる一方で周辺の病院に患者が行かないなど問題が発生している事例もあり、検討にあたっては地域の事情にあったものとするよう配慮してもらいたい。へき地医療支援機構は、県費を入れながらやっているところもあるが、その機能はかなり都道府県格差がある。病院建設にかかる減価償却が病院経営を圧迫している現実があるので、改善方策について検討できないか」と重ねて要請した。
この後、指定管理者制度が導入された病院の事例を挙げながら指定管理者制度の問題点について意見交換し、今後とも自治労として地域医療や公立病院の実態について改革の要請や提言を行っていくので積極的に取り上げて欲しい旨要請し、終了した。
【高嶋参議院議員による公立病院にかかる総務省ヒアリング】
11月14日高嶋参議院議員(総務委員会委員長)による公立病院にかかる総務省ヒアリングが参議院議員会館内総務委員長室内で行われ、梅村参議院議員などが参加した。総務省側は自治財政局地域企業経営企画室濱田室長が対応した。主な内容は以下の通り。
高嶋議員が、改革プランに対する総務省の対応を質したのに対して、濱田室長は、「総務省としては、原則としてチエックするつもりはない。ただ、特例債の申請があれば、内容についてチエックしている。各自治体のプランはある程度まとまってからHPで公表する」と応えた。
また、高嶋議員が、経営形態について質した中で、濱田室長は、「指定管理者制度はいかに良い管理先を探すのか、ということ。
職員が入れ替わるような『乗っ取り』型の指定管理では、自治体の負担が大きくなる危険性がある。その辺りは自治体に伝えている。
一部適用のところについては、少なくとも全適までは検討してほしい。行政行動原理と病院経営は合わないと考えている。いろんな選択肢をもって検討してほしい」と応えた。
以 上
居宅系、地域密着型サービスの介護報酬について引き続き議論が行われる
(連合政策ニュースレター第1067号により)
厚生労働省は11月14日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、前回に引き続き居宅系サービスと地域密着型サービスに係る2009年度介護報酬改定の議論を行った。連合からは小島総合政策局長が委員として出席した。
今回示されたのは、特定施設入居者生活介護、福祉用具、ケアマネジメント、短期入所生活介護、短期入所療養介護、居宅療養管理指導、夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護に係る介護報酬の論点。主な内容は下記のとおり。
【福祉用具】
○福祉用具サービスの向上、貸与種目と販売種目の整理等については引き続き議論・検討を行う
【ケアマネジメント(居宅介護支援・介護予防支援)】
○介護支援専門員1人当たり担当件数について「40件」を超えると報酬が逓減する仕組みの検討
○特定事業所加算について段階的評価の仕組みの検討
○入退院時の調整等業務に対する評価の充実の検討
【小規模多機能型居宅介護】
○在宅サービスからの円滑な移行が可能となるような方策の検討
○人員の効率的配置等、経営の効率化を促進するための基準の見直し
【夜間対応型訪問介護】
○オペレーターの質を確保した上での、資格要件の緩和
会議の冒頭、厚生労働省より『生活対策』(「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」10月30日発表)の「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」について説明があった。これは、平成21年度の介護報酬改定をプラス3%とし、それによって介護従事者の処遇改善を図ることとしつつ、それに伴う介護保険料の急激な上昇の抑制等を行うもの。65歳以上の第1号被保険者の保険料分については市町村に基金を設置し、40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料分については、財政状況の厳しい保険者団体に交付される。
プラス3%の改定率の根拠について、厚生労働省は、「前回改定以降3年間の賃金上昇率、物価上昇率を合わせても1%に満たない。しかし、介護従事者については人材確保難もあり、その処遇改善のために1%を大きく上回る3%とすることに政府として決定した」と説明した。
続いて行われた居宅系サービス、地域密着型サービスの議論の中で、連合の小島委員は、ケアマネジメント、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護、福祉用具について下記の発言および質問を行った。
・ケアマネージャー1人当たりの実際の利用者数は約27人というデータだが、担当件数40件を超えると報酬の逓減が行われることについて、見直しをすれば27人より増えるのか、検証が必要だ。
・ 地域包括支援センターは、地域の被保険者の相談事業、支援事業、虐待の防止・早期発見、権利擁護など、ケアプラン作成以外に多様な役割を担っている。ケアプラン作成は1件4000円だが、その費用で支援事業を維持できるのか。また、支援事業がどこまで行われているのか実態調査を行うべき。
・小規模多機能型居宅介護は、社会保障国民会議のサービス保障分科会でも、認知症高齢者の受け皿として大きな役割を果たすと期待されている。しかし、現場からは包括払いで他のサービスが使えないために、使い勝手が悪いという声もある。利用者数を増やすためには、サービスの併用なども検討が必要ではないか。
・福祉用具については引き続き議論・検討を行うということだが、今回の介護報酬改定では反映できないということなのか。
福祉用具について、厚生労働省は「できるだけ早期に調査の上、議論を行う」と答弁した。ケアマネジメントに関して、前回改定で導入された報酬の逓減制の見直しの必要性について意見が出される一方、質の担保のために35件で収支が均衡するように逓減制を導入したのであり、1人当たりの利用者数が27人に留まっていることに問題があるのではないかと指摘する意見もあった。
次回は施設系サービスの介護報酬について議論される予定。次回開催日は11月21日の予定。
その他委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【福祉用具】
・はずれ値の問題については、給付通知だけでよいのか。著しく高いものについては、上限を設けるなどすべき。
・安価な福祉用具はレンタルではなく、販売にすべき。
・福祉用具はメンテナンスなどにコストがかかるため、価格だけを見て判断するのはどうか。
・公定価格を設けるべき。はずれ値の業者に対しては厳しく対処すべき。
【ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)】
・ケアマネジメントを行うだけで食べていけるよう、入院・入所に関する評価、状態に合わせた評価、維持に対する評価も行うべき。
・特定事業所加算について段階的に評価するのは賛成。
・都道府県の指導監査を標準化して欲しい。
・40件を超えた場合の減算については、改善する必要がある。
・予防支援が400単位では低いのではないか。
・35件で収支のバランスが合うのか。
【夜間対応型訪問介護】
・オペレーターの資格要件を緩和する場合、どのように質を確保するのか。
・夜間が日中にも対応可能ということになれば、名前とサービスの内容について整理する必要がある。
・働く人の労働条件も考えるべき。
【小規模多機能型居宅介護】
・小規模は非常にお金がかかる。なぜ従来型のサービスから移行させなければならないのか。
・定額払いに加えて、出来高払いも検討する必要があるのではないか。
・利用者を集められないことが問題。ケアマネージャーにインセンティブを与えられるような方法を。
・ 想定より軽度の利用者が多いが、中重度認知症のスタンスは変えるべきではない。
以上
-政府としては早期法案閣議決定・国会提出に努力すると回答-
公務員連絡会は、11月21日、総務省交渉を実施して、11月14日の勧告通り実施するとの人勧取扱い方針の閣議決定を踏まえた法案作業の状況や見通しを質した。交渉は、14時から行われ、公務員連絡会からは幹事クラス交渉委員が臨み、総務省側は笹島人事・恩給局次長、川淵総務課長、辻・境両参事官が対応した。
冒頭、公務員連絡会の岩岬副事務局長が「11月14日に人事院勧告の取扱い方針が閣議決定され、人事・恩給局長から会期内の法案提出をめざして努力するとの回答が示されたが、会期末が迫っている今日時点で、まだ法案の閣議決定がなされていない。閣議決定が行われていない理由及び今後の見通しをお願いしたい」として、法案の閣議決定の見通しを質した。
これに対し、笹島次長は「11月14日に人勧取扱いの政府方針が閣議決定され、会期内に提出できるよう努力する考えを申し上げた。今週、18日に与党審査が行われ、公明党では了承されたが、自民党では『引き続き検討が必要』ということで了承が見送られた。自民党内の話であるので、いつ了承されるかについてはわからないが、政府としては、引き続き対応して参りたい」との見解を示した。
さらに、公務員連絡会側が①会期内法案閣議決定・国会提出という総務省の方針に変わりはないか、②与党内にはいろいろな意見があったようだが、勧告通り実施するという政府方針に変わりはないか、③退手法改正と合わせ、勤務時間法、給与法を一体で閣議決定し、国会に提出するという方針も変わりないか、と総務省の考えを質したのに対し、笹島次長は①会期延長があるかどうか分からないが、会期内に閣議決定し、国会に提出することで努力する方針に変わりはなく、今後も関係方面に説明をし、法案化作業を進めていきたい、②政府としては、勧告通り実施する方針に基づいて法案化することや三本一体という方針に変わりはない、と答えた。
最後に岩岬副事務局長が「会期末が迫る中、いまだ法案の閣議決定がされていないのは遺憾である。勧告通りの内容で、法案の会期内閣議決定、国会提出ができるよう、できる限り努力していただきたい」として、総務省のさらなる努力を求め、交渉を締めくくった。
政策ニュースレター第1072号
介護3施設についての議論が行われる
厚生労働省は11月21日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、施設系サービスに係る2009年度介護報酬改定の議論を行った。連合からは、小島総合政策局長が委員として出席した。
今回示されたのは、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、口腔機能向上加算・栄養改善加算、栄養管理体制加算の論点。主な論点は下記のとおり。
【介護老人福祉施設】
○介護職員の手厚い配置を評価する加算の検討
○施設内における看取りの労力をより適切に評価する方法についての検討
○質の高い介護のための職員の手厚い配置を評価する報酬上の仕組みの検討
【介護老人保健施設】
○リハビリテーションマネジメント加算の本体報酬への包括化
○短期リハビリテーション実施加算の評価見直し
○在宅復帰支援機能加算の算定要件の見直し
○看取りの労力を適切に評価することの検討
○夜勤の職員配置に関して、配置の実態を踏まえた評価の検討
【介護療養型医療施設】
○リハビリテーションマネジメント加算の本体報酬への包括化
○短期集中リハビリテーション実施加算の評価見直し
【口腔機能向上加算・栄養改善加算】
○対象者の基準の明確化の検討
○口腔機能向上加算、栄養改善加算、アクティビティ実施加算の評価のあり方の見直し
【栄養管理体制加算・栄養マネジメント加算】
○栄養管理体制加算の基本サービス費への包括化
○栄養マネジメント加算の評価の見直しの検討
連合の小島委員は、まず「今回の介護報酬改定の目的は人材確保である。介護従事者のキャリアアップの仕組みの構築と、それに対する評価が大事だ」と述べた上で、特養と老健の人員配置基準について以下の発言を行った。
・各施設ともに当初想定された人員配置基準を上回って人を配置している所が多い。これは、そもそもの配置基準自体が実態に見合っていないこともあるのではないか。
・人員配置の見直しは、施設における労働条件の改善や、介護・看護の質の向上が期待される。
・配置基準を見直すとすれば、①一律の基準見直し、②複数の配置基準を設ける、③手厚く配置している施設に加算を行う、という3つの方法が考えられる。
・老健における夜間の看護職員の配置については、入所者の重度化が進んでいることを考慮すれば、老健における看護師の夜間配置の義務づけと、配置している施設を評価する必要があるのではないか。
人員配置基準については、配置基準よりも手厚い看護・介護職員の配置を評価してほしい、体制要件の変更も含めて考えるべきではないか、といった意見が出された。一方で、堀田委員(東京大学社会科学研究所特任准教授)は「職員の配置について、「手厚い配置」があれば質が高いと言えるのか。配置基準とはミニマムを決めること。求めればきりがない」と述べ、配置基準の見直しや評価のあり方について懸念を示した。
次回は介護療養型老人保健施設(転換老健)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)等について議論される予定。次回の開催は11月28日の予定。
その他委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【介護老人福祉施設】
○人件費率を訪問・通所系並の人件費率60%に統一し、地域区分ごとの割増率を見直すべき。
○介護福祉士を一定割合以上に配置している施設の評価、定着に着目した評価を行うべき。
○人員配置基準を上回る事業所を評価するべき。
○看取り介護加算における、死亡場所による加算額の差を廃止するべき。
○看護・介護職員の配置については、加算により評価するのではなく、体制そのものの基準を検討すべき。
【介護老人保健施設】
○老健で行われているターミナルケアについて、評価の対象としてほしい。
○在宅復帰率については段階的な評価を可能とすべき。
○入所・退所時のケアマネとの連携の仕組みに工夫が必要。
【介護療養型医療施設】
○廃止されて本当に介護難民がでないのか。都道府県だけに計画を任せておいていいのか。
○介護保険によるリハビリと医療保険のリハビリの整合性をとることについては評価する。
【口腔機能向上加算】
○ライセンスを持っている歯科衛生士を活用してはどうか。
○介護保険と医療保険の両方から請求できるようなことにすべきではない。
○運動、口腔、栄養のアセスメントを義務化すべき。
○対象者の基準をはっきりさせてほしい。
【その他】
○介護報酬のアップに合わせて限度額も上げてほしい。
○有資格者の雇用を評価した報酬体系を設定し、有資格者の給与へ反映すべき。
○3%の介護報酬アップについては、それが人材確保に振り向けられていることが分かるようにすべき。
○介護サービス情報の公表制度について、利用者が求めている情報と公表内容にギャップがある。
以上
2008年11月11日、参議院外交防衛委員会における「田母神・前幕僚長への参考人質疑」の内容について、平和フォーラムより参議院ホームページに掲載された議事録を読みやすく変更し、資料を送付いただきましたので、添付しお知らせします。
参議院のホームページでも、ご覧いただけますが、下記ファイルをご参照ください。
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-大臣は「労使関係制度検討委員会で議論を急ぐ」などと回答-
公務労協の労働基本確立・公務員制度改革対策本部は、11月25日、内閣人事局の設置に関わって、甘利公務員制度改革担当大臣に別紙の「国家公務員制度改革推進本部顧問会議報告に対する申入れ」を提出し、申入れ内容の実現を迫った。
この申入れは、14日に推進本部顧問会議が労働基本権制約の下で人事院の権限を内閣人事局に移す内容の「報告」を甘利大臣に提出したことを受けて実施したもので、福田本部長以下、構成組織委員長が参加した。
冒頭、福田本部長が、以下の通り述べ、甘利大臣の見解を質した。
(1) 11月14日に開催された第4回顧問会議は、前日の13日のワーキンググループにおける論点整理を踏まえ、これに対する高木顧問・連合会長をはじめとする欠席した委員から出された意見書を含めた報告を大臣に託したものと承知している。
この報告は、とりまとめに至る経過はもとより、とくに内容について、労働基本権が制約される現行制度において、その代償措置を蔑ろにするものであり、極めて問題がある。
(2) 報告を受けた内閣人事局に係る法制上の措置について、大臣は、20日の参議院・内閣委員会において、対応についての考え方を明らかにしているが、今週には行われると言われた総理と相談の上での判断にあたり、
○ 勤務条件に関わる事項の人事院権限については、労使関係制度検討委員会の検討結果を踏まえて措置すること。
○ 公正・中立性を確保する機能については、報告に基づく拙速な対応をはからず、十分かつ具体的さらに専門的な検証と検討を行うこと。
○ 幹部職員の人事制度の検討については、他の職員と一体的に構成されている現行制度を前提とした対応に留意すること。
(3) 以上について、私どもとの交渉・協議、合意に基づき進めることを求め、大臣の見解を伺いたい。
これに対し甘利大臣は、次の通り答えた。
(1) 労使関係制度検討委員会でこの議論を急ぐよう、私が出て行ってお願いしようと思っている。労働基本権の整理ができれば、この問題はすっきりする。
(2) WGの報告について、顧問会議の議論を含めた意見をいただいたが、労働基本権の制約の下で、代償措置の根幹を揺るがさずに何ができるか、人事院が今行っていることを含めて内閣人事局がいろんなことを行うことが可能ではないかということについて報告されたものと思う。内閣人事局は、公務員が全体の奉仕者として、公正・中立に選抜されることが担保される基準を作るし、加えて人事院の事後チェック機能はきちんと持ってもらう。
(3) 自分も労働大臣をやっていたので、皆さんのご懸念はよく分かる。すべては、いまだこれからなので、現行制度の下で何ができるかは人事院と協議してみたいと思っている。生煮えのまま決まることにならないようにしていきたい。
これに対して福田本部長は「この問題には2000年以来の長い経過があり、特に、労働基本権問題については、連合とともに対応してきた4次に及ぶILO勧告がなされている。拙速にならないように進めていただきたい。公務員制度改革は労働基本権の問題だけではないが、しっかりと平仄を合わせてほしい。労使関係制度検討委員会も12月上旬には2回目が開かれることになっている。拙速でなく、しかも十分中身のある議論が必要だ。局面によっては、重大な判断と覚悟を持って臨むことになるという決意を明らかにしておく。大臣には、改めて、私どもの申入れに基づき、誠意ある政治判断をお願いしたい」と、また岡部自治労委員長は「ぜひ生煮えでない結論をお願いしたい。公務員制度改革は、労働基本権に止まらない大きな課題だ。与野党合意で成立した基本法であり、先送りしてはいけない」と、さらに大臣の見解を質した。
これに対し甘利大臣は、「拙速でも先送りでもない内容にしたいと思っている。基本法に工程が示されているのでそれに基づいて進めていく。基本法は国会の意思であり、政府はそれに縛られており、それに従って進めて参りたいので、宜しくお願いする」との考えを示した。
最後に福田本部長が「中身のある公務員制度改革になるよう、大臣の努力をお願いする」と重ねて要請し、申入れ交渉を締めくくった。
以上
自治労は、11月21日、消防職員の団結権問題に関して鳩山総務大臣と岡部自治労委員長との定期協議を行った。
これは、1995年5月26日の合意に基づくものであり、この日の協議には、鳩山大臣と岡部委員長とともに、総務省側から松永公務員部長、髙尾公務員課長、江村消防庁消防・救急課長が、自治労側からは金田書記長他の五役が参加した。
まず岡部委員長から「『公務・公務員及び労使関係に関する専門調査会』が最終報告を取りまとめ、本年6月には「国家公務員制度改革基本法」が成立するなど、公務員の労働基本権問題は大きな転換点にある。
消防職員の団結権問題についても、本年6月、ILO結社の自由委員会が4度目となる勧告を含んだ第350次報告をILO理事会に提出し、採択されている。これらの状況を踏まえ、早期の解決がはかられるよう対応いただきたい。また2005年8月に施行された消防職員委員会の改善策も施行から3年余りが経つが、全国の施行状況の事態把握に努め、より有用かつ円滑な実施がはかられるよう要請する」と述べた。
これに対して、鳩山総務大臣は以下の通り回答した。
「消防職員の団結権については、昨年10月の行政改革推進本部専門調査会報告書では、付与すべきか否かについて意見が分かれ、両論併記とされたものと承知している。なお、消防職員の団結権問題については、労働基本権に関する国民のコンセンサスの推移に応じ、将来的に関係者間で議論することまで否定をするものではない。消防職員委員会の改善策については、平成16年の定期協議に基づいて設置された懇談会における合意内容を踏まえ、「意見取りまとめ者」制度の創設などを内容とする改正を平成17年8月に施行したところである。消防庁においては、各種会議の場や平成19年度から開始した消防職員委員会の担当者会議の開催等を通じ、新制度の円滑な実施に向けて努力してきたところである。
平成19年度の運営状況の調査によれば、全体の意見のうちの意見取りまとめ者を経由して提出された意見が占める割合は、78.6%(審議件数5,312件中4,177件)となっており、この制度が定着しつつあると認識しているところである。消防庁においては、毎年度、消防職員委員会の運営状況に関する調査を全消防本部を対象に行い、その実態把握に努めているところであるが、今後とも、制度のより効果的かつ円滑な実施に向けて努力してまいりたい。」
こうした回答に対し、岡部委員長は、「消防職員は地域住民の安心・安全のために自らの生命を省みず職務を行なっている。今度とも消防職員が安心して職務に従事できるよう、職場環境や処遇に対し、大臣の格段の配慮をお願いしたい」と要請し、この日の協議を終えた。
以上
-行革のための出先機関見直しを厳しく批判し、大臣交渉を申入れ-
公務労協は、11月27日16時から、内閣府の地方分権改革推進委員会事務局次長交渉を実施し、国の出先機関見直しに関する第2次勧告に向けた検討状況を質した。
この交渉は、地方分権改革委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠取締役会長)が8月に取りまとめた「国の出先機関の見直しに関する中間報告」に基づいて検討作業を進め、12月上旬に第2次勧告を行う情勢となっていることを踏まえて実施したもので、公務労協側は吉澤事務局長と関係構成組織書記長等が参加し、地方分権改革推進委員会事務局側は小高事務局次長、高野参事官らが対応した。
冒頭、吉澤事務局長が①中間報告に基づく検討作業、2次勧告のスケジュール、②11月6〜7日の総理と丹羽委員長の協議と総理の指示内容、を明らかにするよう求めたのに対し、小高次長は次の通り答えた。
(1) 中間報告の仕分けに基づいて地方への移譲ができないか各府省担当者と議論・折衝を行っている。丹羽委員長が12月上旬に勧告したいということを表明しているが、何日かは決まっていない。次回の委員会は12月2日でその次は決まっていない。2次勧告では出先機関以外に、地方に対する法令による枠付け・義務付けの見直しも勧告することにしている。
(2) 11月6日には丹羽委員長が総理に呼ばれて懇談した。総理から①二重行政の廃止、②国会や国民の目の届かない出先機関を住民の目が届くものにする、③地方再生・地域振興、の三つの観点から、出先機関の抜本的な統廃合を行ってほしい、ということで、その例示として地方農政局と地方整備局の名前が挙げられた。7日の閣僚懇ではペーパーが配られたが、そこには「統廃合」「地方整備局、地方農政局」の記載はなかった。
これに対し、吉澤事務局長は、「6月18日の交渉では松田次長から『事務・事業、権限の仕分けをした上であるべき役所の組織をどうするか』の観点から検討していくと、また、8月4日には宮脇事務局長から『分権委員会は行財政改革を目的としているわけではないので、廃止、民営化、独法化を前提とはしていない。あくまで分権の観点で検討していく』、との考えが示されていたが、11月6日の話は総理と丹羽委員長の間で『統廃合、廃止ありき』でまとまったということであり、話が違うのではないか」と分権事務局の考えを厳しく追及した。
追及に対し、分権事務局側は「中間報告では残った組織についても二重行政が再び拡大することがないようにすることについても書いてあるので、抜本的統廃合も視野に入ってくるという文脈での話ではないか。一般の行革では、器、組織から入っていくが、分権改革委では事務事業の仕分けから入っており、入口が違う。総理の発言の意味を忖度する立場にはないが、事務権限を仕分けして抜本的改革をしてほしいというのが政府の方針である」と釈明するに止まった。
さらに公務労協側は、次の通り、事務局の考えを質した。
(1) 農水省では、事故米の問題を発端として、今日、「緊急提言」が公表されたが、分権事務局と相談してだしたというものではなく、分権改革とは別の話であることを確認させていただきたい。
(2) 現場の職員も分権改革委のホームページを見ているが、総理と丹羽委員長の会談後、委員会の議論は組織の廃止縮小がメインテーマとなって、そのために仕事を委譲すべきだという意見が多くなっている。ボリューム感が大事だ、どれだけ行革に貢献できるかが大事だという方向になっている。現場からは心配する声が上がっており、きょうの話を聞いても安心できない。分権ではなく、行革になっている。
(3) 分権の観点から、勧告が求められるかどうかについて懸念をしており、行革ではなく、分権改革という方針を堅持していただきたい。
これに対し分権事務局側は、次の通り、見解を示した。
(1) 事故米の問題については食糧部長から話を聞いたが、農水省の「緊急提言」について当事務局と相談しながら出したというものではないか、農水省の改革方針として出されれば委員の皆さんも当然関心を持つことになるのではないか。
(2) 60数回の審議を行ってきているので、その全体を見てほしい。特定の発言だけを見て言われると委員はつらい。
(3) 政府としては、来年に予定される第3次勧告を踏まえ、地方分権改革推進計画を閣議決定し、しかるべき時期に一括法を提出する。出先機関見直しは年度内に工程表を作ることになっている。これらの実施プロセスの中で、皆さんの懸念をどう受け止めていくのかは重要な問題だと考えている。総理もそのことには言及している。
最後に吉澤事務局長が「行財政改革のために国の出先機関を廃止するということではなく、あくまで事務事業を精査して、あるべき分権改革を進めていただきたい。雇用問題も極めて重要な問題である。本来は、総理からわれわれに対して発信がないといけない。2次勧告は政府が方針を決める際に大きな影響力を持つことになるので、担当大臣との交渉を申し入れる」と要請し、小高次長が「努力する」と答えたことからこれを確認し、交渉を終えた。
2008年11月26日15時30分から、財務省要請を行った。自治労から、加藤副委員長、友利政治政策局長、松本労働局次長が参加した。財務省は、丹後主計局長、加藤主税局長が対応した。峰崎直樹参議院議員が同席した。
加藤副委員長が「自治体を取り巻く財政状況は厳しさを増している。とくに、「骨太方針2006」以降の歳出削減策の影響は、公共サービス水準の低下をもたらしている。国民の生活不安を解消するためには社会保障などの財源確保が必要であり、財政再建のために公共サービスを削減する政策を早期に転換する必要がある」と述べた。
続いて、友利政治政策局長から、要請書に沿って「景気の急速な後退を背景に、税収減が予想されている。国税とリンクする地方交付税の確保が例年になく厳しい状況と報じられているが、地方の疲弊からみれば地方財源の確保は不可欠だ。また、社会保障費の毎年2200億円カットは、自治体の社会保障の水準に多大な影響が生じており、一律の歳出削減を求める「骨太方針2006」を撤回し、必要な財源を確保する決断が必要だ」と指摘した。
これに対し、丹後主計局長は「社会保障費は少子高齢化等による自然増で8,500億円の増加が見込まれている。毎年の削減目標2,200億円を差し引いても、6,500億円の増加となり、来年以降の公的年金の国庫負担2分の1への増額も考えれば、歳出に占める社会保障費の増額は相当なものとなる。社会保障費の削減が国民生活にもたらす影響について国会で審議されているが、一方で財源をどう手当てするかという問題がある。当面、国民に負担をお願いできる状況でないなかで、ジェネリック薬品の使用などで工夫しつつ、社会保障関係費を抑制していく必要がある。また、将来世代につけを残さないためにも、社会保障財源に関する中長期的なあり方を考える必要がある」と回答した。
加藤主税局長は、「将来に財政負担を残さないためには、財源確保のあり方について真剣な議論が必要と考えている。税制改革の方向については、消費税の引き上げの議論が焦点化されているが、皆さんの要請書にあるように、所得税の累進度の引き上げ、資産課税も含めて、税体系のあり方について総合的な議論が必要との認識にたっている」と回答した。
最後に、自治労側から「歳出削減ありきでは、公共サービスに対する国民の信頼感を得ることはできない。国民の信頼が得られない状況では、財源確保の議論が難しいのではないか。政府として、歳出削減ではなく、公共サービスの重要性を強調することが不可欠であり、そのための財政のあり方の議論が必要だ.。また、景気の急速な減速により、地方経済は深刻な状態に追い込まれており、政府として早急な経済対策が必要である」と指摘し、引き続きの協議を求め、要請を終えた。
介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価について議論される
連合政策ニュースレター第1075号で標記の内容で報告がありましたので通知します。
厚生労働省は11月28日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、前回に引き続き施設系サービスおよび認知症関連サービス、介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価について議論を行った。連合からは、小島総合政策局長が委員として出席した。
今回示されたのは、認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護、認知症短期集中リハビリテーション等、介護療養型老人保健施設(転換型老健)、介護従事者の処遇改善に関する論点。主な論点は下記のとおり。
【認知症対応型共同生活介護】
○認知症ケアの質の向上を図ることの評価の検討
○看取り対応の評価についての検討
○退去後のサービスの利用に関する相談支援を行う場合への評価の検討
【認知症短期集中リハビリテーション】
○中等度〜重度の認知症である者へのリハビリテーションの対象者拡大
○老健以外への実施施設の拡大の検討
【介護療養型老人保健施設】
○医薬品費・医療材料費等の実態をふまえた評価の見直し
○医師の提供するサービスについて実態をふまえた評価の見直し
○入所者の入所前の所在別の割合の差を用いた施設要件について特例を設けることの検討
【介護従事者の処遇改善】
○専門性を有する介護従事者を多く雇用する事業者に対する報酬上の評価
○一定以上の勤続年数を有した者の割合に着目した評価の検討
○常勤職員の割合に着目した評価の検討
【介護従事者の給与水準等の処遇に関する情報の公表】
○給与情報の公表については事業者による自主的な公表、情報公表の一定の義務化の選択肢が考えられる
○処遇改善の方法としては、給与以外に有給休暇等の労働条件、教育訓練等も想定されることについて、これらの情報も含める必要があるのではないか
会議の冒頭、厚生労働省より第4期計画期間における第1号被保険者の介護保険料基準額の推計値について、説明があった。現在の第3期(2006年〜2008年)では、加重平均で月額4,090円の介護保険料となっているが、第4期(2009年〜2011年)では暫定値で約4,270円となり、180円程度増加する見込み。
保険料の徴収方法について、石川委員(東京都稲城市長)は「徴収方法の変更について、現在の方法は市町村と合意の上で決められたもの。市町村の意見を無視して口座振替との選択制を導入することは許されない」と発言し、保険料の支払い方法に選択制を導入することに反対の意見を表明した。
厚生労働省は、「長寿医療制度では選択制が可能である一方、介護保険では利用できないのは被保険者から見てどうか」と述べた上で、混乱が起きないよう検討したいと回答した。
その後行われた報酬改定の議論において、連合の小島委員は介護従事者の処遇改善を図るための評価について、以下の発言を行った。
・ 介護事業所の介護サービスの「質の高さ」を図る指標としては、介護従事者の「資格」や「一定以上の勤続年数を有した者の割合」に着目して評価する方向でよいのではないか。
・ 介護従事者が離職する理由の1つに「人間関係」が挙げられる。雇用管理改善のためにも、従事者の定着に着目した「勤続年数」の評価はよいのではないか。
・ 処遇に関する情報の公表については、一定の義務づけが必要ではないか。今回の報酬改定は「介護従事者の処遇改善」のために3%の改定率が決められたのであるから、実際に処遇改善につながったのかどうか、事業所は公表するべき。
情報の公表については他にも、「介護従事者の給与は喫緊の課題。国民の目に見える形で検証できることが必要」(石川委員)とする意見がある一方、「公表を義務づけるのは非現実的であり実効的ではない。反対である」(堀田委員・東京大学社会科学研究所特任准教授)とする意見もあった。
次回の社会保障審議会介護給付費分科会は12月3日の予定。
その他委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【認知症対応型共同生活介護】
○夜間対応について2ユニットで1人は大変。1ユニットで1人にするべき。
○職員の給与が他と比べて低いのはなぜか。
○入所者の要介護度が2.6ということだが、軽度要介護者の住居になっているのではないか。
○入院時・外泊時の報酬算定が認められておらず、入院で不在にするとその間算定できないことが経営を圧迫しているのではないか。
○職員の配置について、専門職を配置することは考えていないのか。
○要介護度が軽度の報酬が高く設定されている。重度へのインセンティブが働かない。
【若年性認知症対策】
○市町村の介護保険事業計画では若年性認知症への視点が欠落している。
○加算の結果、利用者負担が上がっており、限度額の関係から利用抑制も起こっている。
【介護療養型老人保健施設】
○従来型老健にほんの少し足された程度の報酬ではやっていけない。
○転換前と転換後で入所者像が変化していないが、これは転換型老健でも医師が必要ということ。
【介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価】
○勤続年数を評価するということだが、新設された事業所に不利になるのではないか。
○3%の報酬改定で2万円の給料アップというような期待がある。厚生労働省として早くスタンスを示し、対応すべき。
○処遇改善の中には給与以外の工夫も考えられる。改善の多様性をふまえた評価を行うべきではないか。
○介護の「質の高さ」をはかる指標については研究する必要がある。
○勤続年数は指標が開発されるまでの暫定的なものとすべき。
○常勤割合は介護の質とは関係ない。
○専門性を有する従事者を抱える事業所を評価することは、評価要件としてよいのではないか。
○「質の高さ」については、個人のレベルと事業者のレベルは分けて考えるべきではないか。
○質の高さ=資格ということになっているが、資格を設けることによって、この分野で働こうとする人への壁を高くしているのではないか。
【介護従事者の給与水準等の処遇に関する情報の公表】
○給与実態の調査が難しい。事業者でも分からない。
○検証は処遇全体として行われるべきで、給与だけを見て行われることのないようにすべき。
○今回の改定が単に事業者を潤すのみであってはならない。報酬の一定割合を人件費として位置付けるべきではないか。
○改定後に事業所、施設の給与が幾らなのか、検証は必ず行うべき。
○まずは自主的にでも公表を促すべき。ガイドラインを策定し、段階的に広げ、将来は一定規模以上の事業所には当然求めるなどしてはどうか。
【介護サービス事業者の事業運営の効率化】
○サービス提供責任者について、厚生労働省としてどう考えているのか、具体的に示すべき。
○常勤スタッフを軸にすべき。安易な緩和はすべきではない。
○事務負担はもっと軽減すべき。
○サービス提供責任者の評価が先にあってもよいのではないか。
以上
第4期計画期間における65才以上の者の介護保険料基準額の推計値について
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自治労は2009年度政府予算要求第2次中央行動の一環として、2008年11月28日、厚生労働省の森山寛総括審議官に対し、要請を行った。
要請報告
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要請書
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-工程表は1月中に、内閣人事局設置法案は3月予定-
公務労協は、12月2日、公務員制度改革をめぐって国家公務員制度改革推進本部事務局との交渉・協議を実施し、今後の進め方を質すとともに、労働基本権の制約の下において、使用者側が給与などの勤務条件の企画立案を行うことは問題であり、認められないと強く抗議した。
この交渉・協議は、11月28日に甘利公務員制度改革担当大臣が麻生首相と会い、本日朝には第2回推進本部会議が行われ当面の方針が決定されたことから、その内容を質すために実施したもので、公務労協側からは各構成組織書記長が参加し、推進本部事務局側は岡本事務局次長、古賀・淵上両審議官らが対応した。
冒頭、公務労協の吉澤事務局長が、甘利大臣と麻生総理の会談の内容及び第二回本部会議の内容を質したのに対し、岡本次長は次の通り答えた。
(1) 11月28日に甘利大臣と麻生首相が面談し、本日の本部会議で正式に政府の方針が決まった。
(2) 甘利大臣からは、本部会議で、①内閣人事局の設置については、「拙速」でも「先送り」でもなく、他の改革との整合性も踏まえて、しっかりとした結論を得るため、平成22年度4月の発足をめざし、来年3月の法案提出に向け鋭意作業していくこととし、内閣人事局への機能の移管については、顧問会議の報告を尊重して、人事院を含む関係府省等と折衝を進める。両論併記であった行政管理局については、内閣人事局に移管する方向で折衝を進める②国民に対し、公務員制度改革を大胆かつ着実に進めていくことを示すため、来年1月中を目途に、基本法に掲げる改革事項全体について、いつまでに実現するかを具体的に示した工程表を政府として決定し、その中で基本法の定める全体として5年の改革スケジュールを4年に短縮する方向で検討し、給与制度見直しの方向性やスケジュール、労働基本権見直しのスケジュールも盛り込む、との発言があった。
(3) これに対し、麻生首相からは、「その方針で進めていきたい。とくに重要なのは、しっかりとした工程表を作ることであり、改革の方向性やスケジュールについて、内閣としての公務員制度改革に取り組む決意を、国民にきちんとお示しすることだ。拙速だとか先送りだとか言われると思うが、毅然とした態度を示せば充分に説明できる。大きな制度改革であり、閣僚各位のご協力が不可欠であり、よろしくお願いしたい」との協力要請があった。
(4) 事務局としては、以上の方針に基づき、関係府省等との折衝を進めることとしたい。
説明に対し、公務労協側は次の通り、事務局の考えや対応を厳しく追及した。
(1) 工程表や内閣人事局の検討については、関係府省だけではなく、公務労協とも交渉・協議を行うことを約束していただきたい。また、できるだけ早く検討内容を示してほしい。
(2) 「給与制度見直しの方向性」を検討するとのことであるが、労働基本権が制約されている下で使用者としての政府が検討することは問題だ。政府として検討するということであれば、公務員に労働基本権を付与した上で、交渉で決定すべきである。制約の下では代償機関が主体性を持って検討しなければならず、政府の側が一方的に検討することは認められない。政府の考えを人事院に伝え勧告してもらうとのことだが、それは使用者側からの圧力であり問題だ。甘利大臣にも、こうしたわれわれの考えをしっかり伝えていただきたい。
(3) 基本法には給与関係の見直しについて、4項目の言及があるが、推進本部として給与制度のどこを見直したいのか、具体的に示してほしい。とくに能力・実績主義の給与については、来年度に施行される改正国公法に基づき、いま、リハーサル試行を行うなど、労使でいろいろと積み上げてきた経緯がある。別のことをやるということになると職場は混乱するし、また、最初からやり直さないといけない。
公務労協側の追及に対し、事務局側は次の通り答えた。
(1) 今、内部で詰めているところであり、責任を持ってお示しできるものはないが、今後の進め方を含めて、政府として決定する前に皆さんにお示しし、十分、意見交換、ご相談をさせていただく。
(2) 基本法が検討を求めている事項について企画立案を行う責任があるのは推進本部であり、給与制度についてもそうした立場で検討を進めていくが、労働基本権の制約の下で代償機能として人事院が勧告権を持っているので、政府としての方向性を示して人事院に勧告するようお願いをしたい。それをどうするかは人事院の判断であり、圧力とは思わない。また、基本法では人事院の機能のうち一元管理に必要な機能は移すということが書いてあり、どこまでが代償措置なのかを含めて検討しないといけないと考えている。皆さんの考えは大臣に伝える。また、労使関係の検討は加速していく。
(3) 新たな人事評価制度の実施に向けたこれまでの積み上げは承知しており、それを蔑ろにしたり、一切合切やめるということではない。基本法の趣旨を実現するために、全体の整合性を図る観点から検討したいということである。
さらに、公務労協側は「給与制度見直しの具体的内容をいつ提示するのか」などと追及したが、推進本部事務局側は、「公務労協の意見を聞く」との姿勢は示したものの、「現時点で示せるものはない」との見解に終始し、議論は平行線をたどった。
以上の議論を踏まえ、最後に、吉澤事務局長が①工程表、内閣人事局について、誠意を持って交渉・協議を行うこと②本日われわれが主張した内容を甘利大臣にきちんと伝えることを求めるとともに、「行政を取り巻く情勢が厳しいだけに、国、地方の公務員が元気を出してがんばれるような改革の方向性を出せるよう検討していただきたい」と強く求め、交渉・協議を締めくくった。
-11/27各政党および知事会・市長会、12/2議長会3団体に要請-
公務員連絡会地公部会は、11月27日および12月2日の両日、地方財政確立等に関する各政党、地方団体への要請を実施した。各政党要請には地公部会委員長クラス、全国知事会・全国市長会に対しては書記長クラスが、各議長会要請には幹事クラスが参加した。各政党、地方団体へは、①地域公共サービスの実態に見合った財源保障、②地方税財源確保のための制度改革など地方自治の確立、③自治体の自主的・主体的な財政健全化の支援、④地方公務員の総人件費の十分な確保の実現に向けて、関係省庁・政党へ働きかけるよう申し入れた(別紙要望書参照)。
要請の概要については以下の通り。
<各政党要請の経過>
民主党・社民党・公明党への要請は27日午後に実施された。要請には、地公部会から議長の佐藤全水道委員長、同副議長の岡部自治労委員長、中村日教組委員長、武田都市交委員長、小池日高教委員長が出席した。
(1) 公明党への要請の概要
公明党からは、谷口和史労働局長、弘友和夫団体渉外委員長が対応した。冒頭、佐藤議長から「厳しい経済情勢の中で、地方財政はさらに厳しさを増している。鳩山総務大臣もこの間の地方財政の圧縮について、やりすぎとの認識を示している。公明党は与党として責任のある対応をしてほしい」と挨拶、続いて、藤川事務局長が要望書に基づき、4点にわたって要請を行った。
これに対し、谷口和史労働局長は「地方法人税の大幅減収が見込まれるなど、地方財政の厳しい現状については認識している。第二次補正のなかで対応するつもりであり、年明けには国会に提出するつもりだ。また、財政健全化について、地方の自主性を尊重すべきことは当然であり、同意見だ」と述べた。また、弘友和夫団体渉外委員長は、「地方財政については全く同じ認識」とした上で、定額給付金の問題について「地方の皆さんには大変お世話をおかけする」との発言があった。
岡部自治労委員長は「2011年にプライマリーバランスを黒字化するという目標を置いたままで、小手先の景気対策をしても、根本的な解決にはならない。このままでは、地域社会は崩壊しかねない状況だ。政策変更も含め対応すべきではないか」と指摘した。これを受け、谷口和史労働局長からは「公明党としても、プライマリーバランスの黒字化は金科玉条ではない。要請の4項目については基本的方向では一致している。しっかりと受け止めて頑張るつもりである」との見解表明があった。
最後に地公部会側が、要請内容への最大限の努力を再要請し、要請を終えた。
(2)民主党への要請の概要
民主党は、原口一博ネクスト総務大臣、黄川田徹・内藤正光同副大臣が対応した。
冒頭、佐藤議長が「地方交付税の大幅削減などにより、地方財政は危機に瀕している。自治体立病院の問題など、公共サービスの縮小や質の低下が危惧されている。さらに、半分以上の自治体で独自の給与カットが行われている現状もある。公共サービスのあり方の議論と、公共サービスを担う労働者の労働条件の確立をお願いしたい」とあいさつした。
要請に対して、原口一博ネクスト総務大臣からは、「いただいた要請の4点については、民主党としても同じように考えている」とした上で、「地方財政対策については、民主党としても通常国会に向けて法案を準備している。今の社会は、地方から富を簒奪するシステムが出来上がってしまっている。政権交代を成し遂げたら、地域から富が簒奪される仕組みを根本的に改めていきたい。公共サービス基本法の意義もまさにそこにある」との発言があった。これに対し岡部自治労委員長は「地方で財が回る仕組みをつくる、という発想は重要だ。たとえば、この間、自治体で独自の人件費カットが行われているが、各県の人事委員会勧告との差額を積算しただけでも、軽く兆は超える金額になるだろう。しかし、その財源はどこに消えたのか。社会保障に回ったわけでもなく、そこも削られている。まさに富が簒奪されている状況だ」と述べた。さらに原口ネクスト総務大臣は「中央政府の予算と決算は一致していない。分配すべき財源が確定できないシステムなので、社会保障や賃金など、本当に資源を分配すべきところに財源が回っていかない。システムを変えていく必要がある」と述べた。
最後に、内藤ネクスト総務副大臣から、当面の地方交付税の確保などの地方財政対策とあわせて、政権交代にむけた決意が述べられ、要請を終了した。
(3) 社民党への要請の概要
社民党からは福島みずほ党首、又市征治副党首、重野安正幹事長、日森文尋国会対策委員長、照屋寛徳企画委員長、菅野哲雄自治体委員長、辻元清美女性青年委員長が対応した。
冒頭、佐藤地公部会議長が、「地方交付税の大幅削減などにより、地方財政は危機に瀕している。さらに、半分以上の自治体で独自の給与カットが行われている現状もある。社民党としても地方財政の確立に向けて積極的に対応してもらいたい」と挨拶した。
要請に対して、福島みずほ党首は「基本的認識は全く同じだ。要請の趣旨を受け止めて努力したい」との発言があった。また、重野安正幹事長は「全国町村会の大会で、麻生首相に厳しい野次が飛んだ。今までの大会に見られない緊張した雰囲気だ。それだけ、地方は厳しい状況にあるということだ。このような状況の中、労働側としても、何らかの在野にアピールする行動をとるべきではないか」と述べた。また、又市征治副党首は、「お互いの認識は完全に一致している。問題は、どのようにこの状況を打開するかだ。麻生政権が揺らいでいる今こそ攻め時だ」と述べ、今の政府・与党の姿勢を厳しく追及していくべきとの認識で一致した。
その他幅広い意見交換の後、最後に、地公部会側から、地方財政の確立に向けて最大限の努力を行うことを再要請し、要請を終えた。
<首長会団体要請の経過>
全国知事会、全国市長会への要請は、27日午前に実施された。要請には、藤川地公部会事務局長および地公部会各構成組織書記長が出席した。要請の概要は以下の通り。 なお、全国町村会への要請については、後日あらためて実施する予定である。
(1)全国知事会への要請の概要
全国知事会に対する要請は9時30から行われ、重松調査第一部長らが対応した。全国知事会からの回答の概要は以下の通り。
○要請事項については、ほとんど同主旨の内容を政府・国会議員等に働きかけている。
○地方では財政縮減に一生懸命がんばっているのに、世間に認められないというのは残念である。職員の給与カットを行っているところでは、不本意なことであるという感を抱いている。
○地方分権というとお金や権利が欲しいという報道がなされるが、本来は、国と地方の金の取り合いではない。住民のニーズに応えるきめ細やかな政策と財政支出の実現である。権限が与えられれば責任も伴いしんどい話ではなるが、有効に活用できる財政の確立、地方分権を進めていく必要がある。
○住民の理解を得るべく、労使一体となって住民のために取り組んでいくことが重要だ。
最後に地公部会から、地方財政の確立についての尽力を求めると同時に、「職員の給与カット提案に関して、組合との交渉において少し乱暴な対応を行う知事もいる。職員のモチベーションにも大きく影響する。プロセスをもう少し丁寧にやってもらえるよう、全国の知事に伝えて欲しい」と強く要望した。
(2)全国市長会への要請の概要
全国市長会に対する要請は10時10分から行われ、杉田行政部長らが対応した。全国市長会からの回答の概要は以下の通り。
○毎年12月中下旬に集中して行っている地方財政計画の策定について、翌年の税収見通しが分からないと難しい面もあるが、中期的な視点に立って通年で国と協議させてほしいと求めている。
○補助金改革をはじめ一般財源化や税源移譲も求めており、まさにおっしゃる通りであるが、一般財源化については、さまざまな問題が絡んでくる。マクロでは3.4兆円の確保が前提でそれ以上を求めるが、ミクロの部分ではそれぞれの自治体での考え方がある。2006骨太方針があるなかそれをはずさないと増額はなかなか難しいが、一般財源の総額確保や地方交付税交付金の復元ということはこれまでも主張してきている。
○自治体財政健全化法の運用については、今後明確になると思うが、自治体に不利になるようなところは改善を求めていきたい。
○地方自治体ががんばっていることを、今後も広くアピールしていきたい。
<議長会3団体要請の経過>
議長会3団体への要請は、12月2日午前に実施した。要請には、藤川地公部会事務局長はじめ地公部会幹事が出席した。要請の概要については以下の通り。
(1)全国都道府県議会議長会への要請の概要
全国都道府県議会議長会に対する要請は10時から行われ、松岡調査一部長らが対応した。冒頭、藤川事務局長から地方財政計画に策定にあたっての財源保障や地方交付税の総額確保など地方財政の確立、地方公務員の定数・給与の確保など要請の趣旨を説明し、公共サービスの充実のための財源確保の必要性を訴えた。
それに対する全国都道府県議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
① 要望書の4項目については基本的に同じ立場である。11月25日には、地方6団体全国大会を行い、地方財政の確立に向けた決議を行い、官邸・与党への要請を実施し、また、全国都道府県議会議長会としても要請行動を実施している。
② 議長会としては地方自治委員会で税財源対策を協議し、減収の補填や景気対策について政府に要請しているところ。しかし、現状の政治情勢において、今後の地方財政制度の改革の方向性が見えていない。
③ 道路特定財源については一般財源化が前提であるが、生活道路や高速道路など整備が必要なものもあり、その使途等については議長会内でもさまざまな意見があるところと思われる。
④ 職員の人件費について、直接の議論は行っていない。地方だけではなく国も行革が必要との要請にとどまっている。
これに対し、最後に地公部会から、自治体はぎりぎりの行政運営を行っている現状にあり、今後、綿密な協議や課題の共有化が必要として具体的な行動を進めていくことを要請した。
(2)全国市議会議長会への要請の概要
全国市議会議長会に対する要請は10時35分から行われ、上市政務第一部副部長らが対応した。冒頭、藤川事務局長から、景気悪化による地方財政状況のさらなる逼迫が迫っていることから、国の対応を要請するなどの行動を求めるとともに、「これ以上の職員定数削減は、果たすべき住民サービスに支障が出かねない」と実情を訴えるなど、要請の趣旨を説明した。
それに対する全国市議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
① 市議会議長会としては、地方財政の確立を求めるというスタンスは同様。要望書の1.2については11月25日の地方六団体全国大会で決議した。その後、市議会議長会は、26日に地方財政委員会で要望書を作成し、自民党政調へ申し入れ、27日に国会対策委員会では地方財政の確立を重点項目として、閣僚と国会議員に要請したところ。予算編成は不透明であるが、年末に向けて再度要請していきたい。
② 道路特定財源については、交付金なのか交付税なのかの議論が政府としてもあるようだが、配分基準が変わることによって各自治体の現行水準から削減されるようなことがあってはならないと考える。制度設計はこれからであろうが、議長会としては、総額確保と、それ以上の充実を求めている。
③ 財政需要を地方財政計画に反映させることは大枠として求めているが、人件費を具体的に対象とした議論は行っていない。個別項目は各部会(ブロック)から全国の役員会に挙げられてくることが必要で、事務局としてはイニシアチブをとっていくことはできない。ただ、個人的な問題意識はある。
④ 地域医療・社会福祉の問題は、例年になく議論項目として挙げられてきており、全国的な問題になっているとの認識は強くなっているのではないか。
これらの回答に対し、地公部会から、就学援助水準や教材・図書の充足率の低下など教育の劣化や、解雇・失業率の増加などの雇用問題をはじめとして地方の閉塞感はさらに強まっているとして、それを打開するための地方税財政の確立の必要性を重ねて要請した。
(3)全国町村議会議長会への要請の概要
全国町村議会議長会への要請は、11時20分から行われ、美多企画調整部主幹が対応した。冒頭、藤川事務局長から「医療・介護・福祉など住民に不可欠なサービスを提供する上で、町村はとくに厳しい状況にある。住民サービス確保のためには交付税総額の確保が必要」と、要請の趣旨を説明した。
それに対する全国町村議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
① 三位一体改革で大きく減収してきた地方交付税を復元することを強く求めており、11月25日の地方6団体全国大会では、6団体が同じスタンスに立って政府への要請を行ったところ。11月19日の全国議長会全国大会においても、地方交付税制度の堅持は不可欠との決議を行った。
② 財政健全化については、もともと町村のほとんどは財政基盤が脆弱であり、財政難から人員削減も実施してきたが、もはや当該町村だけでは対応できるものではない。
③ 職員給与については、各町村議会では問題になっているだろうが、町村議長会では全体の議論になっていない。むしろ、町村会のほうに挙がっているのではないか。
④ 地域医療の存続や小中学校校舎の耐震対策費用については要望してきている。
⑤ 市町村合併によって町村数が大きく減少するなかで、さらに「窓口自治体」といった行政機能の削減が議論されるなど、全国の町村はさらに厳しい状況におかれているが、町村存続への道を探りたい。
これに対し地公部会からは、課題を共有化し、日常的な意見・情報交換の実施などを進めていきたいと要請した。
(別紙)地公部会の要望書 (内容は各政党、地方6団体共通)
2008年11月27日
様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
地方財政確立等に関する要望書
貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。
一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間追及されている規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。
地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成が求められます。
貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。
記
1.地方財政計画の策定については自治体との協議のもとに、地方分権、少子・高 齢化、地域医療確保、環境保全など地域の行政需要を的確に反映させ、地域公共 サービスの実態に見合った財源保障を行うこと。
2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲 など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図 ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方財政の充実改善につ ながるような制度設計を行うこと。
3.自治体財政健全化法の運用については、国の関与は最小限に止め、自治体の自 主的・主体的な財政健全化を支援すること。
4.医療・福祉・介護、教育、環境などの公共サービス水準を維持・向上させるた め、地方公務員の総人件費(定数・給与)の十分な確保を行うこと
以 上
臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会については、すでに道本部ホームページと、機関紙「自治労北海道」には記事として掲載済みですが、自治労本部から総務省への要請内容についての詳細が届きましたので掲載します。
臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会と前段の総務省要請報告
11月12日東京で「臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会」を開催しました。、当日の参加は、39県本部147人でした。それに先立つ11日に、臨時・非常勤等職員全国協議会として、総務省要請を実施しましたので、その内容について〈別記〉でお知らせいたします。要請書については〈別紙〉ご参照ください。
〈別記〉
11月12日の「臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会」に先立ち、11月11日16時より、臨時・非常勤等職員全国協議会として自治体の臨時・非常勤等職員の安定雇用と労働条件に関する要請書を提出し、総務省交渉を実施した。
自治労からは、松本労働局次長、合田組織局次長をはじめ、臨時・非常勤等職員全国協議会の全国幹事が出席、また総務省からは植村公務員課理事官、島田給与能率推進室課長補佐、田村公務員課課長補佐らが対応した。
冒頭、金森議長が要請書を手渡し、要請の主旨について説明を行い、改善の方向について前向きな回答を求めた。
これに対して植村理事官が、重点項目とした要請書の1、3、4について次のとおり回答した。
① 短時間勤務職員については、1999(平成11年)年4月27日の地方公務員制度調査研究会報告で、各種検討の必要性が述べられた。その後、各般の状況を踏まえながら、検討が進められた結果、2003(平成15)年年12月25日の地方公務員制度調査研究会報告で、任期付短時間勤務職員制度について、制度の創設について盛り込まれ、それを受けて、任期付短時間勤務職員制度を制度化したところである。しかし、任期の定めのない短時間勤務制度については、国家公務員制度における検討の動向なども注視しつつ、慎重に検討すべきであるとされた研究会の報告と検討過程をふまえ、ハードルが高いというのが現状である。任期付短時間勤務職員制度も、地方公務員制度としては初めて国にない任用制度を導入したもので、その導入自体いろいろな困難と思われた点をクリアして制度化したことは理解していただきたい。なお、任期付短時間勤務職員制度については、制度導入から4年が経過したものの、その活用も限定的であることから、更なる活用を図るために、地方公務員の短時間勤務の在り方等について検討するため、自治労本部からも労働局長に委員として参画いただき、7月に研究会を立ち上げたところである。今年中には議論を整理していただき、地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現に資するよう制度・運用の在り方を検討していきたいと考えている。
② 人事院が各府省に通知した指針は、国における事務補助職員等の非常勤職員の給与について、府省や官署によって均衡がとれていない状況を改善するために、一般職の職員の給与に関する法律第22条に基づき各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事項を統一的に示そうとするものと承知している。地方における非常勤職員は、その勤務形態や職務内容が多様であるとともに、任用に係る法体系も国と異なるものである。これらのことからすれば、今回の指針は地方公共団体に直接あてはまるものではないと認識している。
③ 2007(平成19)年11月に東京高裁において言い渡された中野区非常勤保育士の地位確認等請求訴訟の判決においては、地位確認と賃金支払請求は棄却され、損害賠償の一部が認容されたものと承知している。しかし、同様の裁判における最高裁の判例においては、期限付きで任用されている非常勤職員は、任用期間終了をもって職員としての身分を失うことと解されており、期限付きの任用を反復して更新されても、期限の定めのない任用に転化することはないとされている。本判決においても、こうしたこれまでの最高裁の判例の考え方に沿って判断がなされたものと考えている。法の整備を求めた部分も主要な論点ではなく傍論部分であると理解している。いずれにしても、本判決においては、任期の終了後、再度任用されることを期待させるような特別の事情があったと判断され、損害賠償が認められたものであり、各地方公共団体においては、本来、臨時的・補助的な業務に従事することが想定されている臨時・非常勤職員の制度に沿った適切な運用を行っていただく必要があると考えている。
この回答を受けて、合田組織局次長、金森臨時・非常勤等職員全国協議会議長はじめ全国幹事が、大きな割合で自治体の業務を担っている臨時・非常勤等職員のおかれた実態と、その任用制度にずれがあると指摘して、以下のとおり総務省の見解を質した。
① 今ある任期付短時間勤務職員の制度に制約があって導入が進まない。特に任期の壁は大きい。任期付短時間勤務職員で再任に厳格な試験や選考が必要となると、ハードルが高い。仕事に対する安定感もなく、それでは生活の安定がない。
② 自治労の調査でも、働いて食べていけるといわれる年収200万円を超えない臨時・非常勤等職員が40万人いるのではないかと推計されている。人事院が示した指針については、自治体で働く臨時・非常勤等職員の唯一つ適正賃金の水準を示すものである。自治体に対して、十分な活用を働きかけていただきたい。
また、臨時・非常勤等職員の一時金や退職金支給をめぐり支出が適正かを問う住民訴訟の判決が相次いでいる。それらの判決の中では、給与条例主義にもとづき、明確な条例化を前提に、実態として常勤的に働いている臨時・非常勤等職員に一時金や退職金を支給することを認めている。また指針でも一時金の支給を求めており、自治体で働く臨時・非常勤等職員にとって一時金や退職金の実現に、地方自治法203条が壁になっている。地方自治法203条、204条を改正するか、自治体に条例準則を示すことが必要ではないか。
③ 雇用の安定は重要で、毎年3月に任用期間終了を前に不安を感じている。
これに対して植村理事官は、以下のとおり回答した。
① 臨時・非常勤職員の任期は1年単位であり、任期付短時間勤務職員の任期は制度上3年ないし5年とされている。任期付短時間勤務職員の再任用については、公務内でも公務外でも職を希望されている方が同じ能力であれば等しい条件の中で選考や試験を経て選ばれることが必要である。客観性を担保した上で、選考基準で実務経験をより重視するような工夫ができないことはないと考えるが、客観性の担保とのバランスが重要である。
② 地方自治法上、非常勤職員には、給料及び手当ではなく報酬を支給することとされている。これは、非常勤職員に対する給付が、役務の提供に対する対価であることに基づいているものであり、常時勤務を要する職員に対して給付される生活給や長期にわたる職務の従事における昇任等を前提とした給料及び手当の制度が適用される余地はないことから、特に制度改正は必要とは考えていない。
なお、任期付短時間勤務職員については、勤務の形態は非常勤的ではあるが、常勤職員並みの本格的な職務に従事するというその性質に鑑み、給料及び手当の支給が可能である。
合田組織局次長が、「自治体には責任をもつべき仕事があり、多くの臨時・非常勤等職員がその最前線で、質の高い公共サービスを維持するための人材として働いている。そのことを踏まえて、人材確保や生活の安定という観点から制度改善を求めたい」とまとめの発言。
さらに、松本労働局次長から、「格差の問題や非正規労働の問題に社会的関心が高まり連合も重点的なとりくみとしている。公共サービスの中にもそうした労働者がたくさんいることを受け止め、総務省には努力を要請したい」と発言した。
それに対して植村理事官は、「課題があることは認識している。臨時・非常勤職員の課題については様々なところからご意見を聞いている。自治労の立場から見て納得いただける結果が出せるかどうかはわからないが、課題の解決に向けて努力をしていきたい。」と答えて交渉は終了した。
以 上
〈別紙〉
2008年11月11日
総務大臣
鳩山 邦夫 様
全日本自治団体労働組合(自治労)
中央執行委員長 岡部 謙治
自治労臨時・非常勤等職員全国協議会
議 長 金森 多恵
自治体の臨時・非常勤等職員の安定雇用と労働条件に関する要請書
貴職の地方自治確立と地方公務員の労働条件改善に向けた努力に敬意を表します。
今日、自治体に働く臨時・非常勤等職員は50万人を超え、多くは自治体の最前線にあって地域における公共サービスを担っています。その業務は「基幹的・恒常的」であり、今や臨時・非常勤等職員の存在なくして公共サービスが提供できない実態にあります。
しかし、臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件は、常勤職員との間に大きな格差が存在しています。さらに、雇い止めの不安は常につきまといます。
現行の臨時・非常勤等職員については、法が想定していた状況とはあまりにも乖離があり、実態を踏まえた法的整備の必要性が強く望まれるところです。1999年の地方公務員制度調査研究会でも制度改善の検討が提言された経緯を受け止め、実態にあわせた法整備を求めるとともに、均等待遇の実現を図るよう、下記のとおり要請します。
記
1. 地方公務員制度調査研究会報告において中長期的課題とされた「任期の定めのない短時間公務員制度」について、自治体における実態を踏まえ、早急に検討すること。
2. 格差是正の観点から、常勤職員との均等待遇原則にもとづき、臨時・非常勤等職員の職務の種類、経験・習熟度合いによる賃金・労働条件となるよう必要な措置を講じ、年齢別最低賃金制度の確立を図ること。
3. 人事院が非常勤職員に係る給与の適正な支給を求める指針(給実甲第1064号「一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項の非常勤職員に対する給与について」)を本年8月26日各府省に通知したことをふまえ、自治体においても同指針の内容を最低として臨時・非常勤等職員の給与等の改善がはかられるよう、所要の措置を行うこと。
4. 中野区非常勤保育士再任用拒否事件の地位確認請求訴訟(東京高裁―平成18年(ネ)3454号)の高等裁判所判決が、反復任用された非常勤職員に対する実質面に即応した法の整備を求めたことを受け止め、雇い止めなど民間パート労働者に比して著しく労働者に不利益な現状を是正するため、自治体が任用する臨時・非常勤等職員に対し、労働者保護を目的とした法制度の整備を図ること。
5. 臨時・非常勤等職員を共済組合制度の適用とすること。また、臨時・非常勤等職員への社会保険制度の適用を徹底するよう、自治体への働きかけを行うこと。
6. 労働時間に比例した年次有給休暇の付与や不払い残業の一掃など臨時・非常勤等職員の労働条件の改善を自治体に働きかけるとともに、「偽装請負」など法令違反の動きに対し、適切な助言を行うこと。
7. 通勤費の性格は費用弁償であることから、上限なしに支給できる旨を再度各自治体に対し通知すること。
8. 仕事と家庭の両立支援策拡充の観点から、臨時・非常勤等職員についても育児休業と介護休暇を取得できるよう、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正を行うこと。
以 上
11月26日にお知らせしましたように、「公立病院の財政措置のあり方検討会報告書」が出されました。
これに対する自治労見解を別紙の通り添付します。
2009年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)が示される
〔連合政策ニュースレター第1077号〕
厚生労働省は12月3日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、『平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)』を示した。連合からは、小島総合政策局長が委員として出席した。
今回はたたき台の他、サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直しについて、厚生労働省より見直しの方向性が示された。見直しの主な方向性については下記のとおり。
【サービス提供責任者の報酬上の評価】
○手間のかかる初回及び緊急時における対応の評価する
○特定事業所加算の人材要件について見直し、加算を取得しやすくする
【サービス提供責任者の人員配置基準】
○現行のサービス提供時間(450時間)又は訪問介護員等の員数(10人)に応じたサービス提供責任者の規制は維持
○常勤は基本としつつ、サービス提供責任者を複数配置する事業所において、非常勤の者については常勤換算した数が常勤者数を超えない
連合の小島委員は、2009年度の介護報酬改定率が3%と決定されたことについて、「介護従事者の処遇を底上げするという意味で、3%の改定率で決定してしまうことに対しては疑問がある」と述べた上で、介護従事者の処遇改善、サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直し、たたき台について以下の発言を行った。
・処遇に関する情報の公表については、「国や事業者団体が一定のガイドラインを作成する」ことは必要。たたき台の文言から外すべきではない。
・介護従事者の勤続年数を評価の対象については、指標としては経験年数の方がよいと思うが、介護従事者の定着、雇用管理の改善という意味からも、勤続年数を評価の対象とするのは、適切な指標がない段階ではやむを得ない。
・サービス提供責任者の役割は重要であり、常勤が原則である。初回、緊急時に評価するということだが、非常勤のサービス提供責任者で緊急時に対応できるのか懸念がある。
・ サービス提供責任者を一部常勤換算することによって、経営の弾力化を図るということだが、常勤専従を配置することができず、サービスを提供できない事業所がどれ程あるのかを示すデータはあるのか。検証する必要があるのではないのか。
検証の必要性について、厚生労働省は「常勤専従のサービス提供責任者を確保できないために、どの程度サービスが抑制されているのかを示すデータはない。早急に調査を行いたい」と回答した。
最後に、今後の報酬改定の流れについて、大森分科会長は「改定率はプラス3%で決定しており、来年は要介護認定一次判定の見直しと変更もある。市町村の事務を考えると、年内に報酬改定について諮問・答申を済ませる方向で努力したい」と述べ、12月末までに報酬改定の議論を終えることを示唆した。
次回の社会保障審議会介護給付費分科会は、引き続き『平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)』について、12月12日に議論される予定。
その他、委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
○介護報酬の改定率について唐突感があり、分科会として遺憾の意を表するべき。
○認知症については、軽度だからといって負担が軽くなることはない。
○「常勤者」の中には正社員ではない人もいる。「正規職員の割合」にすべきではないか。
○処遇に関する情報の公表について、ガイドラインの作成は自主的な取り組みを阻害するので、審議報告の文言から省いてほしい。
○常勤と勤続年数は質とは関係ない。適切な指標がないということであれば、今回は評価の要件としては有資格のみにすべき。
○大規模減算について、ケアマネージャーの40件を超える件数については逓減制とする方向で検討されていることとの整合性はどう取るのか。
○夜間対応型訪問介護事業所のオペレーター資格要件の緩和について、准看護師が入っていないのはなぜか。
○専門性やキャリアアップについては全体に共通することであり、サービスごとに異なるわけではない。
○介護職のキャリアアップや研修体制の構築については、国として行うべき
○人件費割合を見直すことには賛成だが、地域区分の見直しについても行うべきではないか
○介護療養型老人保健施設について、医療機関から入所した人が家庭から入所した人より全て重いというわけではない
○昨今の雇用環境を見れば、3%の改定率は評価してよいのではないか
○サービス提供責任者のように中核的スタッフとして位置付けられてきたものを安易に緩和するのはどうか
○サービス提供責任者の安易な非常勤化は許されない。「常勤換算した数が常勤者数を超えない」という基準では、常勤者が半分を超えればあとは常勤換算でよいということ。緩和するとしても、せいぜい4分の1、または2割であり、75%から80%は常勤とするべき。
○訪問介護の特定事業所加算の見直しにより、どれ程取得が見込まれるのか。
○介護従事者は希望する就業形態も多様化しており、ワーク・ライフ・バランスの点からも、質を担保しつつ能力の高い非常勤を活用することを考えるべき。
○地域包括支援センターの本体業務については、交付金の支給をしっかり行うべき。
○介護老人保健施設の支援相談員については、配置基準を緩和するより、多く配置しているところを評価すべき。
○人件費の見直しについては、3%のうちのどの程度が必要になるのか。
○認知症についてはエビデンスのない論理が横行している。認知症についての研究を早急に行うべき。
以 上
介護人材の確保・介護従事者の処遇改善(案)
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サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直し
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平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)
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保育の質を量的拡大の犠牲にしてはならない(篠原委員)
〔政策ニュースレター1078号〕
日時:2008年12月3日(水)15:00〜17:00
場所:厚生労働省省議室
出席者: <委員> 大日向恵泉女学園大学教授(部会長)、篠原連合生活福祉局長、大堀参考人(清原三鷹市長代理)、駒村慶應大学教授、佐藤東京大学教授、庄司立教大学教授、杉山セレーノ代表取締役、福島日本経団連少子化対策委員会企画部会長、宮島日本テレビ報道局解説員、山縣大阪市立大学教授、吉田「遊育」代表取締役
<事務局>村木厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、北村審議官他
議題:1.経済的支援について
2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
3.これまでの議論の整理
1.経済的支援について
「子どもと家族を応援する日本」重点戦略及び社会保障国民会議で既に確認されている「経済的支援よりも、保育等のサービスを充実すべき」ことを確認した。
2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
岩淵副部会長の「社会的責任の観点から、財源負担について事業主はもう少し前向きになるべき」との意見に対して、福島委員は「少子化は国の問題である。基本は税で賄うべき」と反論。岩淵部会長は、「事業主負担は、賃金体系にある扶養手当など一緒に議論する必要がある」と取りまとめた。
3.これまでの議論の整理
篠原委員から、最終報告のとりまとめにあたって、「両立支援という観点からは、保育の量的拡大と多様なニーズに対応する提供体制の整備が重要となるが、そのために保育の質を犠牲にすることがあってはならない。地方分権改革推進委員会が来週とりまとめる勧告には、保育所の最低基準の廃止が盛り込まれるとの報道があるが、その考え方については反対である」と表明した。
大日向部会長は、第10回(9月5日)から第18回(11月21日)までの議論を以下のようにとりまとめた。
○保育サービスの必要性の判断基準について
保育の必要性の判断が独自に行われ、それに基づいて受給権が発生し、サービス提供基盤の整備責任を明確化させる制度にすることを検討する。需給がアンバランスの現状においては、保育を必要とする子(とりわけ母・父家庭、被虐待児童等)が拒否されるケースを回避すること、施設の安定的運営に配慮する必要がある。
○利用方式のあり方について
利用者と施設が向き合い、公的関与が入り質を向上するしっかりした仕組みをつくる必要がある。
その他の主な意見は以下の通り。
<山縣委員>保育所利用料の徴収は、たとえ直接契約になっても、市町村がすべき。施設は、滞納世帯の子どもを避ける傾向にある。滞納世帯からの徴収は大変な業務であり、施設に任せるのは困難。
<佐藤委員>保育所を利用できる世帯とできない世帯、また認可外保育を利用する世帯の間に、公的支援の格差が生じている。児童を受け入れた施設に補助する形をとれば公平性は担保できる。
<駒村委員>滞納を防止するためには、直接施設に納める方式も一つの考えではないか。
<岩村委員>直接契約にした場合は、施設が徴収するのが自然。事業者が滞納世帯の子どもを敬遠するのは行政監督の問題である。
<宮島委員>面倒を見る祖父母がいる世帯が要保育からはずされると、3世代同居を妨げかねない。
次回(12月9日)には最終報告案が示され、16日の会議で取りまとめる予定。
以 上
12月3日、国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(座長:今野浩一郎・学習院大学教授)第2回会議が、本部のある中央合同庁舎4号館で開催された。委員会には、労働側委員として山本幸司連合副事務局長、福田精一国公連合委員長、金田文夫自治労書記長が参加した。
冒頭、出席した甘利公務員制度改革担当大臣は「公務員制度化改革は、政府としても重要な課題と位置づけている。能力・実績主義等を基にした改革を進めるためには、当検討委員会の議論を避けて通れない。すでに顧問会議から内閣人事局の機能に関する報告も出されており、当委員会でも改革の全体像、その措置の内容について、早急な検討を求めたい。当初描いていた平成21年度中という日程についても、”度”をとり、平成21年内のまとめとして、できるだけ早い時期をお願いしたい。全体の日程についても、渡辺前大臣の描いた1・3・5年の予定を1・2・4年として早めたい。そうした工程表に基づき改革をバインディングし、部分的に食い逃げされないようにしたい。当委員会における議論を前倒させ、工程表上の日程に間に合わせて欲しい」とあしさつした。
その後、事務局から「顧問会議の報告」に関する説明があり、その説明を受けて山本委員は「顧問会議の報告には、内閣人事局の機能などの報告がされている。この報告は代償機能を内閣人事局に移すことを前提としているが、これは公務員の非管理職層に労働基本権を付与し代償機能をなくす、としなければ平仄が合わない。政府としては、内閣人事局が発足するときに、人勧制度によらない給与決定システムも構築されるように、その改革の内容面とスケジュール、タイミングについても、平仄を合わせていくつもりか」と甘利大臣を質した。
これに対し、甘利大臣は「顧問会議でも同様の指摘はあった。昨日も国家公務員制度改革推進本部を開催し、私から工程表に基づき、前倒しで議論を進めることを報告し、総理からもその旨指示を受けている。今後の改革については、全体の見通しをもって、整合性をはかりつつ、進めていきたい」と応じた。
続いて、事務局から「便益及び費用について」の説明があり、各委員による審議が行われた。
審議のなかで、金田委員は「資料にある想定される便益及び費用の内容では、労使関係に手間をかけるとコストがかかる、デメリットになるというイメージになっていないか。専門調査会のヒアリングにもあるように、民間では労使のパートナーシップで事業を改革していく、組合にはその橋渡しの大きな役割があると指摘されている。公務でも同じだ。今置かれた状況にあっては、一層、意思疎通を密にする必要がある。それで業務をうまく進めること自体大きな便益になると思う。また、給与調査について、イギリスやドイツではあくまで労使交渉による決定で、特別な調査はしていない。アメリカでも労働省の調査データを活用しており、コストはかけていない。つまり、特別調査をやることは、そもそも前提ではないはず。
また、ドイツでは協約締結権のない官吏の給与については、交渉で決める職員の給与水準に準拠する形で決められている。これにもコストがかかっているわけではない」などの考えを表明した。
また、福田委員は「便益についてはフワっとした印象で書かれているのに、費用については具体的な書きぶりになっているので、コスト論だけが目立つ。最小の費用で最大の便益を得るには、労使関係の質の問題が大きい。その質を高めるための論議こそ必要」などと発言した。
その他の委員からは「国民を究極的な使用者とするのか、タックスペイヤーと捉えるのか。そこを考えないと、資料に便益として示されている記述のうち『国民への説明責任』や『国民に理解される』という表現に違和感が出てくる」、「資料に記載されているのは、想定される便益および費用の内容に関する『基本的視点』にすぎない。そのまま『内容』と決めると誤解を生じるので、ここでは基本的視点ぐらいのものとして合意する程度でいいのでないか」、「便益については、抽象的にならざるを得ないが、国民に示すにはより分かりやすく説明する必要がある」、「費用と便益は、高くていいもの、安くて今ひとつなもの、その兼ね合いで決めるべきもの」などの意見が出された。
これら意見を受けて、座長は「費用と便益を考える視点な何なのか、共有化していきたい。それを次回、事務局でまとめて提出して欲しい。資料の『想定される便益及び費用の内容』については『想定される便益及び費用の内容の視点』くらいの表記でいいのではないかと思う」としてまとめた。
最後に、事務局から「今後の検討スケジュール」「便益及び費用に関する調査の方針について(案)」の説明があり、各委員からはアンケートに対し、「しっかりした制度の中身を示して行わないと、アンケートをやっても意味がない」「アンケートは難しい。結果に我々自身も影響されてしまう」「アンケートは、聞き方の問題で、バイアスがかかる」などの意見が出された。また、ヒアリングについても幾つか意見が出され、座長は「事務局案をリスト化し、次回委員会までに事前配布したい」として締めくくった。
次回以降の日程は、日程調整の上、開催日を各委員に知らせることとなった。
引き続き、自治労は、労働側委員と連携しつつ、協約締結権の付与を通じた交渉に基づく労働条件決定制度の確立と自律的労使関係制度の実現に向けて、取組みを強めていく。
以上
公務員連絡会地公部会は12月5日、地方財政確立等に関する総務省、財務省への要請を実施した。総務省要請には地公部会書記長クラス、財務省には幹事クラスが参加した。両省へは、①地域公共サービスの実態に見合った財源保障、②地方税財源確保のための制度改革など地方自治の確立、③自治体の自主的・主体的な財政健全化の支援、④地方公務員の総人件費の十分な確保の実現を申し入れた(別紙1,2参照)。
要請の概要については以下の通り。
<総務省要請の経過>
総務省への要請は13時30分から実施された。総務省からは久保自治財政局長が対応し、地公部会からは企画調整委員クラスの金田自治労書記長、岡本日教組書記長、岸川自治労連書記長、大出高教組書記長、藤川地公部会事務局長が出席した。
冒頭、金田企画調整委員代表から「三位一体改革以降の地方財政の大幅な圧縮に加えて、昨今の景気後退による地方税等の減収見込みなどにより、地方財政は一層危機的な状況にある。一方、医療・福祉・介護、教育、環境など地域公共サービスの質は確保されなければならない。危機的な地方財政の現状をふまえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成を要請したい」と述べた後、別紙の5つの項目について要請した。
これに対して、久保自治財政局長は、次の通り回答した。
(1) 地方財源不足は、今年度は5.2兆円であったが、来年度は2桁に上る見込みである。この地方財源不足は、法律にもとづき国と地方の「折半ルール」で地方の財源対策債と国の一般会計加算で補填せざるを得ないのではないか。こうした状況下、現在、総務省としては、地方歳出を改めて適切に見積もり、必要な行政需要は基準財政需要総額にきちんと算入することによって、この間圧縮してきた地方財政計画額の増額をすべきではないか、と考えているところである。ただし、どこまで実現できるかどうかは分からない。皆さんの知恵と応援も是非いただきたい。
(2) 地方分権改革の要請は、その通りである。道路特定財源の一般財源化については、地方道路整備臨時交付金約7,000億円に、どこからか3,000億円をプラスして道路を中心に関連インフラ整備に使途する1兆円の交付金とする、他に地方交付税は予算編成過程で増やしていくとの内容で、週明けの政府・与党協議にかけられる予定となっている。一般財源化とは、税と地方交付税にすることである。自治体にとっては、使途が制限される特定財源や交付金よりも、一般財源の方が使い勝手がよいはずである。また、地方交付税は、地域間の格差是正をはかるためにも有効である。しかしながら、道路特定財源は、暫定税率を維持することにしているため、ユーザー・税負担者からすれば道路以外の需要に使途するのであれば、暫定税率を引き下げるべきとの主張があるため、一般財源化することに困難な面があることも事実である。
(3) 財政健全化比率以上の自治体に対して、財政措置の支援策を、とのことについては、健全化の努力をしない自治体に支援をし、健全化の努力をしている自治体に支援をしないということにもなり、なかなか難しい問題がある。ただし、健全な財政運営をしているにもかかわらず、特別会計との関係でどうしても支援しなくてはならないケースもあり、例えば病院を抱えているようなケースについては、支援策を講じようとしているところである。どういうケースがあるか、知恵をいただき、研究してまいりたい。
最後に、金田企画調整委員代表より、「自治体では賃金カットも横行している。人件費の適正な水準も確保されるよう、財源確保に努力していただきたい。本日は、地方財政について総務省とわれわれが、ほぼ同じ認識であることが了解できた。お互いに最大限の努力をしていきたい」と述べ、要請を終えた。
<財務省要請の経過>
財務省への要請は、江﨑地公部会事務局次長をはじめ幹事クラスが出席し、13時から実施された。財務省側は、主計局の藤井主計官(総務・地方財政担当)が対応した。
冒頭、江﨑事務局次長が申入書を手渡し、「地方にとって厳しい状況が続き、大変疲弊しているなか、来年はさらにその厳しさが増すことが確実となっている。地域医療の確保をはじめとして自治体では必要なサービスを提供するための財源の確保が最大の課題である」として、要請の趣旨を説明した。
財務省からは、以下の回答があった。
(1) 夏以降、アメリカ発の金融危機によって経済情勢は悪化し、大幅な税収減に直面している。必要な行政を行うために、国・地方ともにどうやって財源を確保するのかは確かに大きな課題である。麻生内閣は、当面の景気対策と、持続可能な経済政策のための中期プログラムの策定とを行うとしているが、当面の対策に向けた予算編成については、これから総務省との議論になる。
(2) 三位一体改革で削減された地方交付税の復元を、地方団体をはじめ各方面から求められるが、2003年以降、税源移譲とは別に地方税が5.3兆円増収してきた。メカニズムとして、地方税収が増えれば交付税は減る。確かに小泉内閣からの行財政改革によって地方財政計画は抑制されてきたが、マクロの地方財政としては地方税でカバーされているものである。一般財源水準および一般財源比率としては、2008年はここ10年間でもっとも良好な状態にある。個別自治体の財政状況は、総務省の管轄である。
(3) 道路特定財源については、本日与党内で、道路を中心に関連インフラ・ソフト事業に充てる新たな交付金とすることが合意されている。対象事業は広がった。また、地方の道路整備に充てられていた総額は減少しないようにする、というのが基本の考え方である。
(4) 税源移譲については財政制度等審議会の建議にもあるが、地方税のウエイトを高めると、財源の偏在性が大きくなる。地方税を充実させるのであれば、どう財政格差を埋めるのかの具体的な議論が必要になる。偏在をならすための水平的調整は、例えば法人2税の方式が有効と考えている。
(5) 自治体財政健全化については、財務省として答えるものはない。
これらの回答に対し、地公部会は以下のとおり財務省を質した。
(1) 99年以降、地方財政計画の人件費は減少を続け、その減少額は1兆4千億にのぼる。地方公務員にとっては、どこまで厳しくなるのかとの大きな不安と不満がある。
(2) 良質でいいサービスの提供とそのための人材の確保のための視点を持って人件費を考えてもらいたい。
これに対し、財務省は、以下のとおり回答した。
(1) 財政制度等審議会での議論については、ここ何年も公務員の人件費がメインテーマとなってきた。6年間の行革努力は評価できるものと考えるが、地方公務員と国家公務員との比較だけではなく、地域民間との比較が必要である。これは人事院への問題提起でもある。
(2) 地方の思いについては理解できる。これから総務省とよく協議していきたい。
最後に、「公共サービスの提供にはなによりもマンパワーが必要だ。地方財政担当として、地域の公共サービスを守る立場で奮闘してほしい」と重ねて要請し、終了した。
(別紙1) 総務省への申入書
2008年12月5日
総務大臣
鳩 山 邦 夫 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
地方財政確立等に関する申入れ
貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。
一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間追及されている規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。
地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成が求められます。
貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。
記
1.地方財政計画の策定については、自治体との協議のもとに、地域の行政需要を的確に反映させ、地域公共サービスの実態に見合った財源保障を行うこと。とくに、三位一体改革で削減された地方交付税の復元をただちに行うこと。
2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方へ財源の移譲を行うよう制度設計を行うこと。
3.自治体財政健全化法の運用については、国の関与は最小限に止め、自治体の自主的・主体的な財政健全化を基本とすること。また、財政健全化比率以上の自治体に対し、行政水準を維持・確保するための財政措置等の支援策を講じること。
4.地方分権、少子・高齢化、地域医療確保、環境保全などの公共サービス水準を維持・向上させるため、地方公務員の総人件費(定数・給与)の十分な確保を行うこと。
(別紙2) 財務省への申入書
2008年12月5日
財務大臣
中 川 昭 一 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
地方財政確立等に関する申入れ
貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。
一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間の規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。
地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、2009年度政府予算案編成においては、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しが必要です。
貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。
記
1.各地方自治体において、少子・高齢化、地域医療確保、環境保全など地域公共サービスの維持・改善が可能となる財源が確保できるよう、地方税と地方交付税を合わせた一般財源の総額を確保すること。
とくに、三位一体改革で削減された地方交付税の復元をただちに行うこと。
2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方へ財源の移譲を行うよう制度設計を行うこと。
3.自治体財政健全化法の運用については、行政水準を維持・確保するための財政措置等の支援策を講じること。
12月8日、地方分権改革推進委員会は、国の法令による義務付け・枠付けの廃止・見直し、国の出先機関の廃止・縮小等を主な内容とする「第2次勧告」をまとめました。これ「第2次勧告」に対する、自治労の見解は別添のとおり。
地方分権改革推進委員会 第2次勧告は下記HPをご覧下さい
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務員連絡会地公部会は12月5日、給与法案、勤務時間法案を受けた総務省への要請と公務員部長交渉を行った。総務省からは松永公務員部長ほかが出席し、地公部会からは構成組織書記長と藤川地公部会事務局長が臨んだ。
はじめに、地公部会の金田企画調整委員代表より別紙要請書(資料1)を手交し、(1)賃金確定における労使交渉の尊重、(2)公営企業職員・現業職員の非現業職員との決定方式の違いを踏まえた労使交渉と合意の遵守、(3)臨時・非常勤職員の処遇等の改善、(4)国家公務員の新たな人事評価制度本格実施を受けた総務省の対応についてその見解を求めた。
これらについて、松永公務員部長からは、次のとおり応えた。
<公務員部長回答>
1.地方公務員の給与決定について
○ 地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨に則って、地域の実情を踏まえつつ、条例で定めるべきものであると考えている。具体的には、当該団体の規模や給与の実態等を踏まえ、国家公務員の給与、民間給与の状況等を総合的に勘案した上で、適正な内容とすべきものと考えている。地方公務員に対する国民・住民の信頼を確保するためにも、地方公共団体の給与制度や運用について、住民の理解と納得を得られるよう、一層の給与の適正化にむけた取組を要請しているところ。引き続き必要な助言等は行っていきたいと考えている。
○ 技能労務職員の給与については、人事委員会勧告の対象とはならず、労使交渉を経て労働協約を締結することができるなど、法の適用関係が他の一般行政職員等とは異なるところであるが、職務の性格や内容を踏まえつつ、特に民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡に一層留意し、住民の納得と理解が得られる適正な給与制度、運用とすることが必要であると考えている。
2.臨時・非常勤職員の給与、その他勤務条件について
○ 地方自治法、地方公務員法やこれに基づく条例等に基づき、職務の内容や職責等に応じて、各地方公共団体が定めるべきものと考えている。今回出された人事院の指針だが、国における事務補助職員等の非常勤職員の給与について、府省や官署において均衡が取れていない状況を改善するために、一般職給与法第22条に基づき、府省等の長が非常勤職員の給与を決定する際に、考慮すべき事項を統一的に示そうとされたものであると承知している。地方における臨時・非常勤職員は、その勤務形態や職務の内容が多様であるとともに、任用に係る法体系が国と異なっており、このようなことから今回の指針は地方公共団体に直接当てはまるものではないと認識している。
○ 社会保険や労働保険の適用については、多種多様である個々の臨時・非常勤職員の勤務形態に応じて、各制度の適用要件に照らして判断されるものであり、まずは各地方公共団体において、法令に沿って適切に運用されるべきものと考えている。
3.人事評価の関係について
○ 人事評価システムの導入に当たっては、評価の透明性・客観性・納得性を確保するために、各地方公共団体においてその枠組みを適切に構築することが必要であると考えている。人事評価システムが効用を発揮するためには、職員の理解と納得が得られるよう努めることが必要であり、制度の趣旨や内容について、職員との意思疎通を図ることが重要であると認識している。人事評価システムの内容は、各地方公共団体において決められていくべきものである。総務省としても地方公共団体における円滑な導入・運用が行われるよう、必要な助言を引き続き行っていきたいと考えている。
○ このような考えのもとに、研究会においては、人事評価の実施や活用に係る考え方や方向性を検討していただいているところである。検討に当たっては、地方公共団体の実情を踏まえた公正かつ客観的な人事評価システムの構築・運用に資するものとなるように努めていきたいと考えている。
4.勤務時間の関係
○ 先日、「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、同法案が国会に提出されたところである。これに先立ち、総務省としては、人事院勧告の取扱いに係る閣議決定が行われたことを踏まえ、地方公務員の勤務時間の改定について、国家公務員の勤務時間の改定を基本とすること、公務能率の一層の向上に努め、行政サービスを維持するとともに行政コストの増加を招かないことを基本とすること等を事務次官通知により各地方公共団体に要請したところである。今後も適切に助言を行っていきたいと考えている。
これに対して、地公部会側は以下の点を質した。
(1) 多くの地方公共団体で給与カットが強行されている。人事委員会勧告を尊重する立場から問題があるのではないか。
(2) 労使交渉によって決定される技能労務職給与について、総務省は過剰な干渉はしないという考え方でよいか。民間労働者との比較について、民間と公務における同じ現業職員といっても職務・職責は実態としては全く同じではないということは、完全に水準をそろえるべきものだということではないということでよいか。また、今後とも十分な交渉・協議を求めたい。
(3) 臨時・非常勤職員の置かれている実態として、職務の内容と責任に応じた給与が支給されていない実態もあると認識している。たとえば、 資格性のあるような職について、常勤の職員と同様な仕事を行っているにもかかわらず、均等待遇が図られていない現状は、職務給の原則からしても問題ではないか。また、教育現場における臨時・非常勤職員がおかれている厳しい実態も踏まえるべきである。
(4) 人事評価制度に係わって、人事評価の研究会は、年度内に結論を出すとのことであるが、重大な関心を持っているので、地公部会への詳細な情報提供を行うこと、また、組合との十分な交渉・協議が重要であることを、研究会の場でも再確認されたい。
これに対して、松永公務員部長は、次のように回答をした。
(1) 人事委員会が置かれている地方公共団体における職員の給与の決定に当たっては、人事委員会勧告を尊重して給与改定を行うということが基本であると認識している。独自の給与抑制措置については、このような勧告尊重の基本姿勢に立った上で、それぞれの団体において 厳しい財政状況等を勘案して、人事当局と職員団体との交渉や議会における審議等を経て、条例改正を行い実施されているものであると承知している。地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨を踏まえて、それぞれの地方公共団体において十分に論議いただくべきものであると考えているところである。
(2) 技能労務職員の給与については、職務内容が公務として民間とは異なるところもあるが、法の原則どおり、同一又は類似の民間事業の従業員の給与を考慮し、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度・運用となるようにすることが必要であろうと考えている。
賃金センサスのデータを地方公務員の給与と比較する際には、公表されているデータのままでは、雇用形態や勤務形態の異なる民間事業所の従業者の給与が含まれていることについては、留意が必要であるということは承知している。研究会においても、こういったことを踏まえて、労使双方に題材を提供するという観点から、賃金センサスデータの分析を含めて民間給与の調査・比較手法等について研究してもらっている。研究会の議論については、今後とも、引き続き、情報提供をしていきたい。
(3) 地方公共団体における臨時・非常勤職員の報酬等の処遇については、それぞれの地方公共団体において、その職務の内容等に応じて適切に決定すべきものだと考えている。研究会においても、「臨時・非常勤職員の報酬等については、業務の内容や業務に伴う責任の程度等に応じて、各地方公共団体において適切に判断すべきではないか。」という観点から、議論が行われているところである。今年中には研究会における議論を整理していただくこととなっており、これを受けて地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現に資するよう制度・運用の在り方を検討していきたいと考えている。
文部科学省が教員の勤務実態に関する調査を行われたことは承知している。教職調整額のあり方等の問題については文部科学省が中心となって検討を進めているところである。こうしたことも含め、様々な議論があることは認識している。
(4) 研究会については、そろそろ報告書の取りまとめ時期にさしかかってきているが、研究会資料や議事概要については、これまでと同様、情報提供を行っていきたい。
また、職員との意思疎通が重要である点は、研究会でのこれまでの議論でも委員の方々の間では共通認識となっており、取りまとめに当たっても、その点に変わりはないものと考えている。
最後に、金田書記長から、地方自治体における行政サービス水準の向上と人的資源確保のため、地方公務員の新たな定員削減計画を地方自治体に求めないことを要請して、交渉を終わった。
資料1.総務省への申入書
2008年12月5日
総務大臣
鳩 山 邦 夫 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
地方公務員の賃金、労働条件に関する申入れ
貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
今日、雇用・生活などの地域間格差は重大な政治・社会的な課題となっており、少子高齢社会における社会保障の水準確保や教育、医療、防災など地域における住民ニーズに適切に対応する自治体の役割強化が求められています。
しかし、政府の国・地方の歳入歳出一体改革により、公共サービスのあり方についての十分な国民的議論と合意を抜きにした定員・賃金の削減や、地方財政計画の圧縮、地方交付税の大幅削減により、公共サービスの縮小や質の低下が懸念される事態になっています。それに対して、地方公務員の多くは、公共サービスの維持・改善をすすめるため、懸命の努力を続けています。その一方、財政逼迫を理由とした一方的な賃金引下げが深刻化し、労働基本権が制約されていることへの代償措置である人事委員会制度は空洞化していることから、労使が交渉を通じて自律的に勤務労働条件を決定する制度への転換が急がれます。
貴職におかれましては、地方公務員の賃金水準の確保と、労使自治を尊重した賃金確定が強く求められており、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。
記
1.自治体サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金水準が確保されるよう取り組むこと。また、自治体賃金の確定に当たっては、地公法第24条3項の趣旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるよう対応すること。とくに、公営企業職員や現業職員の給与については、非現業職員との決定方式の違いを踏まえ、労使交渉と合意を尊重して対応すること。
2.地方公務員の標準的給与の確立に向けた取組みを行うこと。そのため、全国人事委員会連合会の体制・機能の強化をはじめ人事委員会の体制・機能強化や人事委員会相互の連携方策の強化について支援を行うこと。
3.臨時・非常勤職員の処遇等の改善のため、非常勤職員に係る給与の適正な支給を求める人事院の指針を参考にしつつ、常勤職員との均衡と雇用の安定に向けた取組みを行うよう各自治体に助言すること。また、社会保険・労働保険の適用に係って、法令に沿った運用が行われているかどうか実態把握をすすめ、問題点、課題の改善に取り組むこと。
4.公立学校教員給与について、人材確保法の趣旨を踏まえた水準確保を図るよう自治体に助言すること。
5.国家公務員の新たな人事評価制度の実施に伴う地方公務員の人事評価制度の見直しにあたっては、4原則2要件を具備した制度となるよう組合との十分な交渉・協議と合意と納得を得るよう「助言」をすること。また、「地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会」の検討にあたって、地方公務員部会の意見反映の場を設けること。
6.退職手当債の発行、公的資金補償金免除繰上償還の実施の許可に際して、一律的な人件費削減や、特定項目の人件費の削減などを条件としないこと。また、地域手当、寒冷地手当など人件費に係る特別交付税の減額措置を実施しないこと。
7.地方自治体における行政サービス水準の向上と人的資源の確保のため、地方公務員の新たな定員削減計画を地方自治体に求めないこと。
8.所定勤務時間の短縮について、人事院勧告において来年4月実施とされたことを踏まえ、各自治体においても速やかに実施されるよう、所要の措置を行うこと。
”720時間上限目安"の問題を厳しく追及し、"フォローアップ実施"を約束させる
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務員連絡会は、12月9日、10時から人事院交渉を実施し、過日提出した「新たな超過勤務上限目安時間設定についての意見」に対する回答を求めた。交渉には、公務員連絡会から労働条件専門委員会交渉委員が参加し、人事院側は、松尾職員団体審議官付参事官、阿部職員福祉課調査職、役田同課補佐が対応した。
冒頭、松尾参事官は、「11月19日に提出された意見について検討した結果を申し上げたい」として、次の通り答えた。
(1) 超過勤務実態等の調査については、現行指針では360時間の超過勤務上限目安時間によらないことができる部署を定めており、これらの部署は、国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等の各府省の枠を超えて他律的に業務が決まる部署なので、どの部署が当てはまるかについては各府省が業務内容を見て判断している。そのため直ちに調査することは困難であるが、一定の期間を経過した後にはフォローアップが必要であり、ご要望の点も含めて調査を行うことを検討したい。
(2) 在庁時間縮減については、政府全体として縮減に努めることとし、本年4月から各府省において具体的な取組みを進めており、夏の勧告前に取組み状況をお知らせしたところである。来年4月には本年度の取組み状況のフォローアップを行うことにしているので、まとまった段階で職員団体の皆さんにお知らせすることとしたい。
(3) 超過勤務の規制のあり方については、他律的業務部門についても、まずは上限目安時間を定めて、その実施状況を見極めた上で、より実効性のある対策を講じることが必要と考えている。今後とも皆さんと必要に応じて協議を行わせていただきたい。なお、年間720時間の根拠は、深夜勤務が午後10時からなので、それに至らない範囲である3時間の超勤を1か月に20日行うとして設定したもである。これでも多いとの指摘もあると思うが、現実に720時間を超えている実態があることを踏まえたものである。
(4) 今月中旬には指針を発出し、原則として1月1日を起算日として適用することを考えている。
以上の回答に対し、公務員連絡会側は、次の通り、さらに人事院の見解を質した。
(1) 人事院としてしっかり構えて取り組むという姿勢が伺えない。民間企業では労使で36協定を結ばないと超過勤務をさせることができない仕組みであるのに対し、公務員の場合は労働基本権制約の代償機関としての人事院がその役割を果たすことになる。にもかかわらず、厚生労働省告示の上限は360時間であり、その2倍の720時間を目安にするというのは問題であり納得できない。
(2) 他律的業務については、国会を含めて人事院としての働きかけを行うべきではないか。
(3) いまの指針が定められたのは平成11年であり、各府省でどのように実施されてきたかフォローべきであった。今後は取組み状況を含めてしっかり調査していただきたい。また、指針には「健康への配慮」も定められており、各府省に任せるだけでなく、人事院として調べるべきである。
(4) 職員個人個人が、自分は360時間なのか、720時間なのか、分かるようにしていただきたい。また、各府省では、とくに今まで360時間を取り組んでこなかったところでは、720時間まで超勤をさせてもいいということになりかねないので、厳しく指導していただきたい。
これらの追及に対し、人事院側は次の通り答えた。
(1) 行政サービスとしていろいろあることや実態として720時間を超えている職員がいることを踏まえると、720時間ということ自体に問題がないとは思わないが、まずはこれを上限目安とすることが適当と考えたものである。実行不可能なものではなく、他律的業務に対しても、現場で努力できるものとして設定することにしたものだ。この取組みを踏まえて、将来どうするかは考えていきたい。
(2) 国会に対しては、本年の報告で「関係各方面の理解と協力を得て、改善が進むことを期待する」と書いたところであり、それ以上の働きかけは難しいと考えており、組合の皆さんのご協力も得ながら取り組んでいきたい。
(3) 各府省が1月から職場ごとにどのように取り組むかまで調べるのは難しいと考えているが、一定期間後には調査を行いたいと考えており、どのような調査を行うかについてはご要望の点を含めて検討したい。
(4) どの部署がそれぞれに当てはまるかは各府省が決めることであり、個々の職員に伝えることまでは求めないが、現場の管理職に指導してもらいたいと思っている。なお、どのような部署単位で指定するかは各府省の任意である。
最後に公務員連絡会側は「われわれは720時間という上限目安の設定について納得したわけではない。しかし、指針を出すからには、各府省をしっかりと指導していただきたい。より実効性のある縮減方策にしていくために、取組みをフォローアップし、成果が上がっていなければ、われわれが要求しているような新たな超勤規制策を検討することを約束していただきたい」と人事院の見解を求めたのに対し、人事院側は「まず720時間の上限目安を仕組みを作って、一定期間後に縮減状況をフォローアップを行い、それを見極めてどんなことが実行可能か、皆さんの意見を伺いながら検討していきたい」と答えたことから、これを確認し交渉を終えた。
市町村の適切な関与で、利用者・保育所間の公的契約
〔連合政策ニュースレター第1080号〕
日時:2008年12月9日(水)15:00〜17:00
場所:厚生労働省省議室
出席者: <委員> 大日向恵泉女学園大学教授(部会長)、篠原連合生活福祉局長、岩村東京大学教授、清原三鷹市長、駒村慶應大学教授、佐藤東京大学教授、庄司立教大学教授、杉山セレーノ代表取締役、速水参考人(野呂徳島県知事の代理)、今井参考人(福島日本経団連少子化対策委員会企画部会長の代理)、宮島日本テレビ報道局解説員、山縣大阪市立大学教授、吉田「遊育」代表取締役
<事務局>村木厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、北村審議官他
議題:第1次報告(案)
次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けた方向性を示すための、報告案が提示された。報告案は、保護者の就業状態にかかわらず、保育を必要とするすべての子どもが保育サービスを受けられるようにサービスの供給量を拡大することを前提に、「現行制度維持」、「新たな保育の仕組み(サービス保障の強化+財源確保)」、「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」の3つの案を示している。「新たな保育の仕組み」案では、①市町村により保育の必要性を判断された者に受給権を付与し、②市町村に提供体制整備等の実施責任を課し、③市町村の適切な関与を維持した上で、保育所には応諾義務を課し、④利用者が保育所と公的契約(具体的契約方法については今後検討する)を結ぶことを提案している。
篠原・連合生活福祉局長は、「保育サービスを拡充すれば、女性の就業率が上がるという単純なものではない、男性も含めた働き方を見直す必要がある」と、男女がともに子育てをしながら働き続けられる職場環境を整備する必要性を強調した。
報告案は、16日に再度審議され、最終となる予定。その後は、来年いっぱい制度設計の詳細について議論する(議論の場については未定)。
以上
第1次報告(案)、今後の保育制度の姿(案)は下記、社会保障審議会・少子化対策特別部会のホームページをご覧下さい。
(1)民主党要請
民主党に対する要請は、12月8日15時から実施した。自治労からは徳茂副委員長、友利政治政策局長が参加し、民主党からは直嶋政策調査会長が対応した。
冒頭、徳茂副委員長から、「急激な景気悪化により、一層雇用不安が増大している。失業者などが、緊急避難的に自治体の窓口に相談に殺到することが懸念される。失業者対策など、自治体独自での取り組みにも限界があり、失業後の住宅確保の対応策など、国として緊急な対策が必要だ。こうした深刻な状況を受け止めていただき、民主党として雇用にかかる対策の強化をお願いしたい」と強調した。さらに、友利政治政策局長から、地方財源の充実強化など、具体的な要請書の内容を説明した。
これに対し、直嶋政調会長は「雇用が深刻な状況であることは民主党としても十分認識している。早急な対策が必要な雇用対策は、時間的にも法改正での対応は難しいなかで、年末年始にむけてその中で何ができるのか民主党としても考えたい。地方交付税の確保の状況、要請書にあるように自治労と共通認識に立っている。増加する社会保障費の対応についても、社会保障の中身を充実させることを党としても考えている」などと述べた。
さらに自治労側より、「地方分権改革推進委員会が第2次勧告をまとめた。このうち、出先機関の見直しは、権限・財源の移譲を行った結果として見直しではなく、組織・人員のスリム化ありきで議論が進められていることは問題であり、国の権限・財源の一体的な移譲を優先させるべきと考える。さらに、国のセーフティーネットの水準低下にかかわるような法令の義務付け緩和が盛り込まれている。国と地方の役割分担や法令の義務付け・関与のあり方について、丁寧な議論が必要と考える。今後も緊密に連携して意見交換をお願いしたい」と述べ、要請を終えた。
(2)社民党要請
社民党に対する要請は、12月11日9時30分から実施した。自治労からは加藤副委員長、友利政治政策局長が参加し、社民党は又市副党首、阿部政審会長、照屋衆議院議員、菅野衆議院議員、辻元衆議院議員が対応した。
冒頭、加藤副委員長から、「景気後退の影響は、すでに雇用情勢に大きく現れており、地域経済に大きな打撃を与えるのではないかと危惧している。来年度予算は、大幅な税収減が予想されるなか、その財源不足の影響は、地域医療、福祉、環境などの住民に対するセーフティーネットの低下になりかねない。国民の生活安定にむけて、地方財源の拡充に取り組んでいただきたい」と強調した。さらに、友利政治政策局長から、具体的な要請書の内容を説明した。
これに対し、又市副党首は「地方財源確保についての考えは、自治労と同じ立場に立っている。道路特定財源問題は、新たに創設が検討されている1兆円の交付金の使途を道路関連にほぼ限定する動きがある。これは一般財源に反する内容であり国会で厳しく追及していく」と回答。阿部政審会長は「地域医療確保は、党としても重要な取り組みと位置づけている。それには、医療を必要とする住民と自治体側の距離を近づける努力が必要である。党としても、それを支える取り組みを強めていきたい」などと回答した。
さらに、自治労側より「地域医療確保は、自治体議会に対する意見書採択や地域医療確保のシンポジウムなど、多様な取り組みを展開している。市民と連携して、地域からこの問題を発信することが重要と考えている。党としてもこの取り組みを支援していただきたい」と述べ、要請を終えた。
要請書(政党共通)
「非常勤職員の処遇の不均衡是正」などを求める附帯決議も採択
政府は、人事院勧告を勧告通り実施するための関連法案を12月2日の閣議で決定し、同日国会に提出していたが、本日(11日)午前中の衆議院総務委員会で審議が行われ、全会一致で採択され、あわせて資料1、2の附帯決議も行われた。採択された法案は、午後1時から開かれた衆議院本会議に緊急上程され、全会一致で可決、参議院に送付された。参議院では来週中に総務委員会で審議され、本会議で可決・成立する見込みである。
衆議院総務委員会では、民主党の福田昭夫、森本哲生の両議員、社民党の重野安正議員らが、新たな人事評価や政府による人事院に対する見直し要請、非常勤職員、内閣人事局構想の問題などを追及した。
<福田議員>
新たな人事評価制度について、試行が行われているが、地方機関では必ずしもスムーズに行われていないと聞いている。本格実施には納得性のある評価制度が円滑に導入されることが重要であり、全体評価だけではなく個別評価の開示と苦情処理制度の構築が必要だ。
<鳩山総務大臣>
人事評価は大変難しい側面があると考えている。平成21年4月から始めるためにリハーサル試行を行っており、全体評語は見せることにしている。総務省としては、リハーサル試行の結果を踏まえて内閣官房に協力することにしている。
<福田議員>
民間では惨憺たる状況もあったので慎重に進めてほしい。
今回、勤務時間を短縮することになったが、超勤問題はこの30年間、なんら前進していない。国家公務員の数が足りないのではないか。この間、8万3千人の純減が行われた。ところで全省で常勤的非常勤職員はどのくらいいるのか。
<村木総務省人事・恩給局長>
平成19年7月1日現在で一般職非現業で143,798人。うち、日々雇用の非常勤職員は約2万人。
<福田議員>
昨年11月の付帯決議に基づいた調査を早急にやるべきだ。歳出の決算明細書を作っていないので非常勤職員の実態がよく分からない。今度の決算からやるべきだ。
<村木総務省人事・恩給局長>
多種多様なので考え方の整理が難しく、正確な数を把握するのは困難である。
<福田議員>
職務怠慢だ。人事院に聞くが、8月26日に非常勤職員の給与決定ガイドラインが出されたが、各府省の来年度予算編成に向けた対応は把握しているか。
<吉田人事院給与局長>
各府省が予算要求できるように早めに発出したものであるが、各府省の具体的予算要求は把握していない。
<福田議員>
政府は、人事院勧告取扱いの際、昨年の官民比較方法の見直し要請に引き続き、人事院に対し「来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表し、その状況も踏まえつつ、俸給表水準について必要な見直しを検討するよう要請」をしており、現在、俸給表水準を平均4.8%引き下げて地域手当として再配分する見直しを行っている最中に、この要請はさらに俸給表水準を引き下げろという圧力を、第三者機関である人事院へかけるものではないか。
<谷人事院総裁>
5年間で給与構造改革に取り組んでいる最中であり、その一環として地域の民間賃金をより適切に反映させるため地域間給与配分の見直しを進めているところである。まずはこの改革を着実に進めていくことが肝要と考えている。内閣は行財政の責任者という立場と公務員の人事管理、使用者としての立場もあるので、人事院がこういったことを検討していく場合には当事者は当然、その他あらゆる方のご意見を十分お聞きした上で最終的には人事院が独立、中立、専門の機関として自己の責任においてしっかりとした判断をしていくという姿勢で臨んで来たし、今後ともそのように対処していく。
<福田議員>
国家公務員制度改革推進本部顧問会議がめざす内閣人事局の役割について、報告では労働基本権制約の下でも、内閣人事局が国家公務員の勤務条件について法律に基づき政令で決めることができるとし、その際、人事院に意見の申出をさせる仕組みを作ることを検討するとしている。これは、第三者機関としての人事院の機能を弱める考えがあるようだがどうか。
<谷人事院総裁>
基本権制約に対しては相応の代償措置が講じられる必要があるというのが最高裁の判例であり、労働協約に代えて、労使の間に立った第三者機関である人事院の勧告に基づいて法律で給与を定め、法律の委任に基づいて人事院規則で基準を定めることは代償機能の重要な一部であり、使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題に関わる恐れがある。また、国家公務員法は、戦前の官吏制度の弊害の反省を踏まえて、公正平等に行政を執行し、忠実に時の内閣を支えることのできる職業公務員集団を確保・育成するために、内閣から独立した中央人事行政機関としての人事院を設けて公務員人事の中立公正性の確保に関する事務を行わせており、この中立公正性に関する企画立案機能も人事院の重要な機能である。現行国家公務員制度における基本的枠組みにおいては、それに相応しい慎重な検討が行われるべきである。とくに人事院が担う労働基本権制約の代償機能は現行の労働基本権制約が続く限り、維持される必要がある。
<福田議員>
仮に内閣人事局が勤務条件を決めたいということであれば、労働基本権問題の解決とセットで行うべきである。
<森本議員>
給与法等改正案の質疑が遅れているが、都道府県、市町村の現場では厳しい環境の中で事務を積み上げていることを認識してほしい。
<鳩山総務大臣>
よく分かる。国が決めたことでいろんな仕事を処理しなければならず、大変なご苦労をおかけしている。給与法等の審議が遅れたのは、三度の給与関係閣僚会議を開くことになったためであり、反省すべき点もある。
<森本議員>
地方の事務作業を考慮に入れてお願いしたい。医師の初任給調整手当の改善でどのような効果が期待できるのか。
<吉田人事院給与局長>
勤務医を確保することは国民の健康な生活安心を守るため大変重要な課題と考えている。国立の病院では研修、研究面で有利なところがあり、これまでは若手医師を確保できていたが、民間や国立病院機構との間で格差が生じ看過できないことから、改善を図ることにした。医師を確保するためには、勤務体制を含めた総合的な改善が必要だが、その底支えになるものと考えている。
<森本議員>
人事院勧告取扱い決定時の総務大臣談話では、地方公務員の給与について「地方における民間給与水準への準拠を徹底する」とあるが、地公法第24条第3項では5項目を挙げており、おかしいのではないか。地公法の条文を守るべきではないか。
<鳩山総務大臣>
従来は国に準拠してきたが、地公法では「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮」となっており、それが正しい姿。民間賃金は考慮要素として定められており、住民の理解を得るためには地域の民間給与を反映することが重要と考えたものであり、地公法の条文に基づくことはおっしゃるとおりである。
<森本議員>
民間準拠だけを強調すると地方での格差を深めていくことになり、教育を含めて人材確保が困難になる心配があるので、そうならないよう努めてほしい。
非常勤職員の問題については、「同一労働同一賃金」という考え方で解決を図るべきであり、政府は良き使用者の立場で対応することが民間の問題の解決に繋がる。非常勤職員の給与決定の指針は同一労働同一賃金の考え方か。
<吉田人事院給与局長>
職種や職務内容、地域などを考慮に入れて決めることにしており、各府省ではそういう点も配慮して決めることになるのではないか。
<森本議員>
昨年の総務委員会附帯決議(いわゆる常勤的非常勤職員について、勤務形態の調査に基づき、職務内容、勤務条件等を速やかに検討)への対応状況はどうか。
<村木総務省人事・恩給局長>
給与については、指針を踏まえて各府省が適切に対応するのが基本。本年の人事院報告では「給与に関する指針の策定に加え、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされており、総務省としては、人事院などの関係機関と連携して事務的な検討を始めたところであり、必要に応じて各府省の対応状況の把握や問題点の整理など鋭意検討を進めていきたい。
<重野議員>
本府省業務調整手当を新たに設けることにしているが、本府省業務の困難性や人材確保は手当では解決できないのではないか。根本的問題は人員不足だ。手当を増やしても業務の軽減はない。相応しい人員を配置しなければ改善されないのではないか。また、地方の原資を持ってくることになり、地方の職員のやる気を失わせるのではないか。
<村木総務省人事・恩給局長>
これだけで十分とは考えていないが、大きな支え、一助になると思っている。給与構造改革の一環であり、現給保障を行うなど、地方の職員の士気に配慮した方策を講じているところ。
<重野議員>
非常勤問題に取り組むことは社会的にも盛り上がっている。綿密な調査を行って現状を把握し、いまの雇用情勢に対応した政策を出すべきである。
<鳩山総務大臣>
もっともなこと。政府の中でも、具体的個別に精査していったらいいと思っている。
付帯決議:資料1・資料2
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第7回研究会は、12月11日(木)10:10〜12:00、総務省8階会議室で行われた。今回は「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」(素案)を全体を通じて議論された。なお、同報告書(素案)は議論途中のものであるから、非公開の扱いとされた。
自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。
1.総務省が調査した臨時・非常勤職員の報酬額の実態水準を、国の非常勤職員の「高卒初任給」の額(時給780円)と単純に比較して「均 衡を逸した低いものとは言えない」と結論するのは客観的な比較になっていないので適切でない。国の非常勤職員の場合は、「職務内容」の他に、「在勤する地域」、「職務経験等」の要素を考慮して支給することとなっており、職務経験「等」の等は「学歴・資格」を指している。また、6ヶ月以上勤務の非常勤職員には期末手当を支給できることになっている。この比較の例示は削除するか、誤解ないように修文すべきである。
2.人事院指針について、「直接、地方公共団体にあてはまるものとはいえない」としているが、このように結論づけるのは、拙速ではないか。指針は、「参考」にできるところがあると考える。本研究会でも、よく議論すべき課題と考えるので、このような断定的な言い回しはすべきでない。
3.非常勤職員の任期を「原則1年以内」とすることについては、①非常勤職員の任期について法律上の規定がないこと、②任期はその職の 性格や期間によって異なるため、任用期間のルールは自治体が判断すべき事項であること、③職が存続する期間と予算サイクルは一致しないことなどのため、これをここで確認すべきではない。
4.使用者側の裁判対策のための報告書であると受け止められるような文章は、改めるべきである。
5.任期付短時間勤務職員の給与について、2004年通知の繰り返しを述べているだけである。任期付短時間勤務制度の積極活用を提言しようとしている研究会の立場からすれば、給与についても新たな制度拡充を何か述べるべきである。
例えば、3年から5年の範囲で任期の弾力化を今後はかっていくとすれば、4年、5年の例も増加することが想定できる。そうしたとき、能力の伸長や経験の蓄積等の要素も考慮する必要性も高まることから、常勤職員と同様に「昇給」のような制度も「可」とすることも、今後の検討課題とすべきではないか。
また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。
1.現在、深刻な経済情勢、雇用情勢にあり、非正規社員の雇用の打ち切りが拡大している。この研究会報告書が、各自治体に雇い止めを進めているということのないよう、文章表現を見直し、補強すべきである。
2.非常勤職員の任期については、安易に延ばすより、「原則」を示すべき。
3.当方の自治体では、非常勤職員の任期は、「原則1年」としており、後に続く記載は、再度の任用を妨げない記載になっているので、支障はない。
4.長期に任用されている臨時・非常勤職員については、中途採用で常勤職員にしていくという考え方もあるのではないか。
5.勤務条件は国との権衡と述べているが、給与は国との均衡なのか、自治体の常勤職員との均衡なのか、この素案は明確でなく、自治体側もよく理解できていないのではないか。
6.民間では、短時間勤務者は、当該企業の正社員との比較で待遇を考える。
7.臨時・非常勤職員の再度の任用の手続きにおいては、更新基準について、民間の有期雇用の例を参考に、詳細に書いておくべきではないか。
8.特別職非常勤職員(地公法3条3項3号)、一般職非常勤職員(地公法17条)、臨時的任用職員(地公法22条)のそれぞれに適する職種や業務などの例示をすべきではないか。
9.専門性が高い業務を担う特別職非常勤職員(地公法3条3項3号)と、任期付短時間勤務職員の職種、業務による仕分けについても考え方を示すべきではないか。
10.任期付短時間勤務職員制度について、人事管理上の観点からの記載はあるが、雇用される側からのメリットなどを記載すべきではないか。
11.任期付短時間勤務職員制度の再度の任用の手続きの記載で、「改めて公募に応募し、競争試験又は選考による能力の実証を経た上で」 とあるが、「改めて公募に応募し」という記載は再検討できないか。
最後に、座長からは、「次回は12月22日に開催し、最終回である。事務局から「報告書(案)」を出してもらい、議論していただく」として、議事を終了した。
下記HPには第7回研究会配布資料は、現在のところ掲載されていません。
近日中に掲載される見込みです。
研究会・総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html
労働基準法の一部を改正する法律が12月5日に成立し、12月12日公布されました。その内容は、①〜③のとおりであり、2010年4月1日施行とされています。
① 36協定を適正なものにするための厚生労働大臣基準に、割増賃金率に関する事項を追加する(特別条項付き協定では割増率が25%を超えるように努めることとする内容が想定されている)。
② 時間外労働が1か月60時間を超えた場合、60時間を超えた時間の労働については、5割以上の割増賃金を支払わなければならない(地方公務員も適用、300人以下の中小事業は当分の間猶予措置)。
③ 労使協定により②の割増賃金に代えて有給の休暇(年次有給休暇を除く)を与えることを定め、この休暇を取得したときは、②の割増賃金を支払うことを要しない(非現業の地方公務員は適用除外、現業・公営企業・特定独法職員は適用)。
④ 労使協定で定めた場合、年次有給休暇のうち(年)5日までは、時間単位の年次有給休暇として与えることができる(非現業の地方公務員は読替え規定により5日に限らず時間単位の年次有給休暇を与えることができる、現業・公営企業・特定独法職員は適用)。
これにともない、⑤〜⑦のような課題があるので、具体的な対応方針については、厚生労働省令等や人事院規則の改正動向なども踏まえた上で、当面の闘争方針などとして提案・議論して行く考えです。
⑤ 300人以下の自治体・事業も含めて、1か月60時間を超えた場合の割増率を5割に引上げさせる。
⑥ 現業・公営企業・特定独法職員と民間労働者の割増賃金に代わる有給の休暇は、総実労働時間の短縮に確実につながることを労使交渉で確認したうえで、労使協定を締結する。
⑦ 現業・公営企業・特定独法職員の時間単位の年次有給休暇は、法施行日までに確実に労使協定を結ぶとともに、(年)5日を超える部分の半日単位の取得について、職場の実情に応じて労働協約で明確にする(現業・公営企業・特定独法職員には地公法第24条第5項は適用されないことに留意)。民間職場では、職場の実情に応じて、時間単位・半日単位の年次有給休暇について労使協定・労働協約を結ぶ。
2009年度の介護報酬改定に関する「審議報告」が取りまとめられる
連合政策ニュースレター第1081号により標記内容の通知がありましたので報告します。
厚生労働省は12月12日、都内において第62回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「平成21年度介護報酬改定に関する審議報告」を取りまとめた。
2009年度改定では、先の10月30日に政府・与党において「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」として、介護報酬改定率がプラス3.0%と決められたこともあり、次回(12月16日)の介護給付費分科会において各サービス毎の介護報酬改定率および単位が示され、即日「2009年度介護報酬改定」が諮問・答申される予定。
今回の給付費分科会では、前回の分科会で厚生労働省より示されたサービス提供責任者の配置基準見直しについて多くの意見が出たため、新たな案(案2)が示され、「審議報告(案)」とともに議論された。
新たに厚生労働省より提案された、サービス提供責任者の人員配置基準については、下記のとおり。
○現行のサービス提供時間(450時間)又は訪問介護員等の員数(10人)に応じた最低基準の考え方は維持
○常勤職員を基本としつつ、非常勤職員の登用を一定程度可能とする
○サービス提供責任者を複数配置する事業所において、原則として1人分のみの常勤換算を可能とする
○5人を超えるサービス提供責任者の配置が必要な事業所についても、その3分の2以上を常勤者とする
連合の小島委員は、サービス提供責任者の人員配置基準について、「原則は全てのサービス提供責任者が常勤専従であるべき」と述べた上で、新たに厚生労働省より示された案(案2)に対して、次のように発言した。
・頑張って常勤を確保してきた事業所の努力を評価するべき。
・一部を常勤換算化するのであれば、全てを常勤で確保している事業所には、例えば特定事業所加算の要件に含めるようなインセンティブを付けるべきではないか。
・常勤換算の部分についても、例えば1人が1時間勤務の8人で8時間というような細切れの配置は問題。常勤のサービス提供責任者の負担も増すことが考えられ、名義貸しの懸念もある。細切れの配置については歯止めをかけるべき。
厚生労働省は、常勤者を配置している事業所を特定事業所加算で評価すること、および細切れの配置について運用で歯止めをかけることについて、「前向きに検討する」と述べた。
サービス提供責任者については、稲葉委員(民間介護事業推進委員会代表委員)から「介護従事者の処遇を改善するためには、事業者の収支を改善する必要がある。そのためにサービス提供責任者の常勤換算の導入を行って欲しい。(案2では)収支改善の費用効果が薄れてしまう。サービス提供責任者はヘルパーとの兼務が認められており、実際ほとんどのサービス提供責任者は兼務しているのであるから、常勤換算化はそれほど大きな問題ではないと考える」との意見が出されたが、案2で見直しが行われることになった。
その他、各個別のサービス等の文言調整については大森分科会長に一任することが各委員によって了承された。
次回の社会保障審議会介護給付費分科会は12月26日(金)に開催され、各サービス毎の介護報酬改定率および単位が示された上で、「2009年度介護報酬改定」について諮問・答申が行われる見込み。
その他、各委員からの主な意見は次のとおり。
○委員からの意見・質問
●厚生労働省の答弁
<情報の公表について>
○「国が支援」という文言は、国による事業者団体への公表の義務付けになることを危惧する。
○処遇改善の検証については、厚生労働省が事後的に検証するもので十分。民間の他産業で、国が公表を支援している例はない。
○給与だけの情報公開になると、他の処遇改善状況が分からない。事業者団体が自主的に行うにしても、賃金情報ではなく、処遇改善情報にすべき。
○処遇等に関する情報」ではなく「処遇改善に向けた取り組みの情報」という文言にしてはどうか。
○介護従事者は賃金が改善されることを期待している。介護従事者に希望が持てる書き方をすべき。
<サービス提供責任者について>
○非常勤を当たり前とする制度設計でよいのか。
○前回案(案1)でやるにはまだ早いという気がする。案2で状況を見るのはどうか。
○情報の共有化が図られれば、常勤、非常勤どちらでもよいと思う。
○案2でやむを得ないと思うが、今後は案1のような方向で引き続き検討してもらいたい。
●常勤を基本としながら、ある程度弾力化する方向で見直しを行いたい。
<介護従事者のキャリアに着目した評価について>
○「勤続年数」を評価するというのは、同一の事業所での勤続年数のことか。
●同じ事業者の中で、A事業所からB事業所に異動した場合などは、「勤続年数」にカウントすることができる。
<夜間対応型訪問介護のオペレーターについて>
○オペレーターは管制官の役割をする重要な仕事であり、資格要件を安易に緩和するのはどうか。
●事業者に対して研修を行いたい。
<小規模多機能について>
○利用者を増やすために、国としてどのような方向に持っていこうと考えているのか。
●制度自体が理解されていない実態があるので、理解促進に努めたい。
<認知症について>
○前回改定で新たに導入されたサービスの検証について、認知症の拘束についての検証はどうなっているのか。
<福祉用具について>
○平成21年度中に早急に見直しを実施して欲しい。
<その他>
○介護保険料の徴収ついて選択制を導入する場合には、市町村と協議をすべき。
○介護報酬改定は安定した保険料の徴収があってこそ。振替にすれば徴収率は必ず下がる。
●福祉・保険行政は市町村行政抜きには考えられないことは承知している。
●市町村が反対するようなことは、厚生労働省として強行することはできない。来年4月から実施することは考えておらず、今後も引き続き市町村会と協議の場を設置して協議したい。
○介護報酬の改定率が上がるのであれば、その分の限度額も上げるべきではないか。
○利用限度額についても上げるべき。利用抑制が起こることを懸念する。
○改定率の上下は、報酬改定のたびに起こること。限度額のこともセットで考えるべきではないか。
●報酬を上げ下げする毎に限度額を上げ下げするのは、利用者にも不便になる。多くの利用者は利用限度額の6割程度。
○2006年度の改定時に導入された予防や、地域包括などの新しいサービスに要した費用がどの程度であったのかも明らかにすべき。
○介護保険制度が複雑になってきている。制度の簡素化も同時に行うべき。
以上
12月9日、地方財政審議会・第14回地方公務員共済組合分科会が総務省において開催された。
分科会では、北崎幹事(総務省福利課長)から、12月2日に閣議決定された「国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案」に関する報告が行われた。
報告に対して、江﨑特別委員(自治労労働局長)ら出席した委員から、
①審査会は国および地方で一つとなるのか、
②職域部分のうちどの期間を返納するのか、
③(共済年金の給付制限は)地方公務員も国家公務員も全く同じ仕組みとなるのか、
などの質問が出された。
これら質問に対し、北崎幹事は
①この法律は国家公務員の話であり、地方公務員は退職手当が条例に定められており、審査会の設置も条例で定めることになる、
②職域部分の半分を、懲戒免職だと5年間と同等の止め方をしようと考えている、
③地方公務員も国家公務員も同じ仕組みとなる、
などと回答した。
これら意見交換を受けて、地方財政審議会・第14回地方公務員共済組合分科会を終えた。
「平成20年労働組合基礎調査」が厚生労働省から12月16日に発表されました。概要を下記の通りお知らせします。
連合・事務局長談話が別紙の通り出されていることも、あわせてお知らせいたします。
記
平成20年度労働組合基礎調査によると、労働組合員総数は1,006万5千人(対前年比-1万5千人/-0.1%)となりました。推定組織率は、18.1%で前年と横ばいとなりました。
労働団体別では、連合が6,623千人(前年比+1千人)、全労連663千人(前年比-21千人)、全労協128千人(前年比-5千人)となっています。また、公務労協は1,351千人(-256千人)です。
民間企業の規模別では、千人以上の企業の組織率は59.1%なのに対して、30人〜99人以下は2.9%、29人以下は0.4であり、大企業と公務職場中心の労働組合という図式は変化していません。なお、千人以上規模の民間企業の労組の増大と公務労協の大幅減は2007年10月の郵政民営化に伴う要因が大きく作用しています。
パート労働者の組合員数は616千人(前年比+28千人)と増加し、組織率は5.0%(前年差+0.2%)となりました。
産業別労働組合員数の調査の中で、公務部門の労働組合員数は1,034千人(前年比-44千人)で前年に引き続き減少しています。
自治労は887千人(前年比-28千人)となっています。なお、全労連自治労連は185千人(前年比-10千人)です。
<厚生労働省調査による推定組織率の推移・厚生労働省調査による自治労組合員数の推移>
↓ ↓ ↓
ファイルをダウンロード
労働組合の組織率は2003年に19.6%と20%を割り込み、今年も18.1%と低下しています。しかし連合を中心とした組織拡大の取り組みにより、非正規労働者の組織化の進展などの成果も現れてきています。
自治労の組合員数は2万8千人減少しました。地域公共連合として三単産の調査結果の合計は941千人(-31千人)となり、昨年の調査でUIゼンセン同盟の986千人(+5千人)に連合の最大構成組織の位置を奪われて以降、リードを許しています。自治労組織基本調査や登録納入確定作業においても、厚労省調査と同様の傾向が現れており、今後、市町村合併後の合理化や団塊の世代の大量退職が続けば、さらなる組織人員の減少が懸念されます。自治労の組合員の減少対策は猶予を許さないものとなっており、あらためて、組織拡大の取り組みを集中的に取り組むことが求められています。
厚労省平成20年度労働組合基礎調査http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/08/index.html
(連合内の、主要団体別労働組合員数の状況は、附表2にあります。)
【添付ファイル】
連合事務局長談話
をダウンロード
公務労協は"基本権制約下での政府による企画立案・勧告要請は認められない"と抗議
※この交渉情報は、単組ホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務労協は、12月16日、公務員制度改革に関わる給与制度見直しについて、国家公務員制度改革推進本部事務局(以下「公務員事務局」という)との交渉・協議を実施した。
この交渉・協議は、12月2日の交渉・協議で、①内閣人事局の設置について来年3月の法案提出に向け作業していくこと②給与制度見直しの方向性やスケジュール、労働基本権見直しのスケジュールを盛り込んだ工程表を来年1月中を目途に政府として決定すること、が明らかにされ、「工程表、内閣人事局について、誠意を持って交渉・協議を行うこと」としたことを受けて行ったもの。
交渉・協議には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織の労働条件担当者が参加し、公務員事務局側は、淵上・古賀の両審議官が対応した。
冒頭、淵上審議官が「明日開催される顧問会議に給与制度見直しの内容を説明し議論をしていただくことになっているので、きょうはその内容を説明したい。今後、1月中の工程表策定に向けて皆さんと交渉・協議を行い、最終的には甘利大臣との間で決着することとしたい」として、別紙に基づいて説明を行い、①給与制度に関わる検討項目については、人事院に対して、こういう視点で見直してほしいという勧告要請を行う②幹部職員の任用の弾力化については、人事院と相談しながら進めれば勧告の必要はないと考えている③級別定数の内閣人事局への移管についても検討をしており、しかるべき時期に提示する、との考えであることを明らかにした。
これに対し、公務労協側は次の通り、公務員事務局の考えを追及した。
(1) 1月末までにあまり時間はないが、われわれが納得できるまで誠実に交渉・協議し、合意することを約束していただきたい。
(2) 顧問会議報告では「労働基本権の制約下で、勤務条件について内閣人事局がPlan機能を担う」としているが、人事院総裁は国会で「使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題に関わる恐れがある」と答弁しているように、憲法違反であり、到底認められない。
(3) 政府や政府組織には、行政府としての政府の立場と使用者としての政府の立場があるが、これまでの人事院への要請は後者の立場で行われている。公務員事務局は使用者としての政府ではないので、前者ということになり、労働基本権制約の下ではあってはならないことだ。行政府としての政府が勤務条件の企画立案を行い勧告要請を行うことは、第三者機関に政治的圧力を掛けるとともに、代償機能を空洞化するものであり、認められない。
(4) 級別定数をどうしたいのか分からないが、仮に使用者機関にそれを移すということであれば、勤務条件そのものであることから、到底認めることはできない。何のためにどうしたいのか、考えを明らかにしていただきたい。
(5) 労働基本権の付与を先送りにしたままで、使用者機能を強化することは認められない。一体のものとして進めるべきだ。
(6) 幹部職員の任用の弾力化は、勧告なしにできるとの見解であるが、公務の中立公正性を確保するために身分保障があり、能力実績主義の任用を基本とし、法律に定めがない限り、降任等の不利益処分はできないことにしている。成績不良でない場合でも降任等ができるようになれば、中立公正性が確保できない。公務員制度の根幹に関わる問題だ。納得できるよう、十分議論をさせていただきたい。
これらの追及に対し、両審議官は次の通り答えた。
(1) できる限り皆さんの理解が得られるよう誠心誠意交渉を積み上げていきたい。ただし、必要不可欠と判断すれば、皆さんの完全な合意が得られなくても、人事院に要請することはあり得る。
(2) 現行制度の下でも見直しの方向性を示して、人事院に勧告するよう要請することで、憲法違反の問題は生じないと考えている。人事院には独立性があり、その立場で「恐れがある」と言っているのだと思うが、われわれは憲法上の制約を超えない範囲で勧告要請を行うことにしたい。人事院の勧告は自主的判断に基づくものであり、われわれが求めているものとずれないようにしたいと考えている。これまでも専門スタッフ職、定年制について人事院に要請してきた経緯がある。
(3) 基本法の実施を責務とする推進本部とその事務局が基本法の理念を実現するための方向性を示した上で要請する必要があると考えており、仮に勧告要請の内容が適当でなければ、第三者機関として適当と考える勧告を行うことになるので、政治的圧力ではないと思う。なお、公務員事務局の性格については、整理して次回に考えをお示ししたい。
(4) 定数管理は内閣人事局が担うべき機能としていろいろ書かれていることの一つであり、級別定数についても人事院と調整を始めたところであり、内閣人事局が担う機能の全体像と併せ、次回以降、お示しすることとしたい。
(5) 労働基本権の問題については、第2回の労使関係制度検討委員会で検討を加速するよう要請したところであり、要請に基づく勧告が実現する段階では接近してくるのではないか。
(6) 幹部職員も労働基本権の対象であることは認識しているが、どういう手続きにするかを検討するに当たっては人事院の考えを十分に聞くことにしているので、勧告がなくても法改正を行うことは可能と考えている。
以上のように、給与制度見直しの内容以前の問題として、入り口・手続きの問題で議論が平行線となったことから、最後に岩岬副事務局長が、①労働基本権の制約の下で、勤務条件について公務員事務局や内閣人事局が企画立案し、第三者機関に対して勧告要請を行うことが憲法違反となるかどうかについての考え方の整理②公務員事務局の位置づけ・性格の整理③内閣人事局機能の全体像、を次回の交渉・協議で明らかにするよう求め、「これらを踏まえ、見直しの具体的内容についての議論に入るかどうかの判断を行う」との公務労協としての意思表明を行い、交渉・協議を締めくくった。
(別紙)
給与制度の主な見直しの視点
1 能力実績に応じた処遇の徹底等(基本法5条2項1号、2号及び5号、10条2号関係)
(1) 幹部職員等の任用・給与の弾力化
幹部職員等について成績不良でない場合においても、一定の場合に、降任、降格、降給を可能とする(国家公務員法78条の特例)。
(2) 管理職員の管理職手当(特別調整額)の傾斜配分の強化
(3) 幹部職員賞与の実績に応じた傾斜配分の強化
* 現行は、期末特別手当のみで、例外的に減額が可能
(4) 人事評価制度の円滑な実施と適切な活用
2 定年まで勤務できる環境の整備等(基本法10条3号関係)
(1) 定年まで勤務できる環境の整備
専門スタッフ職の拡充、組織・業務のあり方見直し等により、定年まで勤務できる環境を整備する。
(2) 再任用の原則化
平成24年度までに、やる気と能力のある希望者を、原則再任用する。
(3) 定年延長の検討
* わが国における経済や雇用の状況、民間における定年延長の導入状況、雇用延長状況及び給与水準等を踏まえて、今後、具体的に検討することとしてはどうか。
(4) 高齢職員に係る給与の抑制
* (1)〜(3)を進めるに当たり、総人件費の増嵩にも留意しつつ、高齢職員の給与の引下げ、役職定年制の導入、専門スタッフ職を含めたスタッフ職の活用、処遇のあり方を検討する。
3 優秀な人材の確保(基本法10条2号関係)
* 初任給の引上げ等による給与カーブのフラット化、能力と実績に応じた処遇の徹底を図るため、所要の措置を講ずる。
4 官民人材交流の推進(基本法7条3号、6条5項関係)
*官民人材交流促進のための給与等の処遇見直し(不利益となる制度の見直し等)
-参議院総務委員会で附帯決議とともに採択され、本会議へ送付-
人事院勧告を勧告通り実施するための関連法案は12月11日に衆議院で可決され、参議院に送付されていたが、12月18日午前中の総務委員会で審議、全会一致で採択され、本日(19日)午前10時からの本会議で可決・成立する見込みである。なお、参議院総務委員会でも資料1、2の通り附帯決議が全会一致で採択されている。
本日成立する法案は、近日中に公布閣議が行われ、いずれの法案も施行日は2009年4月1日となる予定。給与法、勤務時間法改正法案の人事院規則、退手法改正法案の政令は、われわれとの交渉・協議を経て、来年2月頃公布することが予定されている。
参議院総務委員会では、民主党の那谷屋正義、武内則男の両議員らが、人事行政の中立公正性、超過勤務、非常勤職員、退職手当の返納、内閣人事局構想の問題などを追及した。
<那谷屋議員>
国民主権のもとにおいて、公務員の人事行政について、中立公正性を確保することが重要と考えるが、人事院総裁の見解をうかがいたい。
<人事院総裁>
人事院は、現行国家公務員の中立公正性の確保と労働基本権制約下の代償機能として内閣から独立した存在として制度的保障となっていると考えている。
<那谷屋議員>
内閣人事局の担う機能や組織のあり方について拙速に結論を出すべきでないと考えるがどうか。
<鳩山総務大臣>
内閣人事局の機能については、国家公務員が中立公正性を持った全体の奉仕者としての服務規律等を果たせることなどを含めた議論がされるので、拙速ではなく与野党の垣根を越えて徹底的に議論していきたい。また、人事院や総務省から内閣人事局に移管される業務等があるが、様々な問題があるのでこれから努力していく。
<那谷屋議員>
地方分権の推進などによって業務量が増加しているので、地方公務員の純減は限界にきているのではないか。また、今後の公務員の人材確保に向けて具体的にどのように考えているか。
<鳩山総務大臣>
行革やスリム化はまだ進めなければならないが、常に削減ありきとは考えていない。この間地方公務員は5.7%を上回る削減に取り組んでおり、よくやっていることは認めなければならない。しかし、職員数の純減や地方分権改革などで地方公務員の仕事量が増えていることは把握しているが、削減が限界に近づいているかは改めて判断したい。また、全体の奉仕者として高い倫理観を持った有能な人材に公務員になって頂きたいので、モチベーションが高まる人事行政を行いたい。この一環として公務員制度改革などに現在取り組み努力している。
<那谷屋議員>
人員削減を非常勤職員で補っているシステムに問題があるので、必要な職員を確保し超過勤務も縮減すべきだ。
<鳩山総務大臣>
役所で職員の仕事ぶりを見ていると誰が常勤で非常勤か区別できないことがある。非常勤職員は制度として必要であると考えるが、常勤職員の削減に伴う代替要員とするのではなく、あくまでも非常勤職員としての勤務でなければならない。常勤職員の代替を行うのであれば常勤の職員として雇用すべきである。このようなことがないように適正配置に努めたい。
<那谷屋議員>
昨年の附帯決議に基づく非常勤職員の問題への対応はどうなっているのか。
<吉田人事院給与局長>
8月に非常勤職員の給与に関するガイドラインを発出しており、これに則して各府省で必要な処置がとられることになると考えており、ガイドラインを下回ることがないように指導していきたい。
<村木総務省人事・恩給局長>
今年の勧告の際の報告等も含めて、人事院と協力しながら進めていきたい。
<那谷屋議員>
勤務時間が短縮されても、超勤の縮減が進まなければ意味がないので、しっかり取り組むべきではないか。
<鳩山総務大臣>
勤務時間が短縮されても超過勤務が増えるのは良くないので、公務の効率が向上するように努力させたい。また、現在進められている人事評価制度の導入において部下の超過勤務を減らすことで評価が上がることも検討に値する。
<那谷屋議員>
今後設置される退職手当・恩給審査会の運営について、公正・公平性が確保されるよう具体的な措置を講じるべきではないか。
<村木総務省人事・恩給局長>
審査会において、処分対象者から意見を聞くなど公平・公正性を担保するようにする。また審査会は法律の専門家などで構成したい。
<武内議員>
非常勤職員給与ガイドラインを下回ることのないよう、人事院として各府省を指導して欲しい。また、地方では、退職手当もなく低い賃金水準で勤めている実態がある。総務省として実態調査を行い、責任を持って改善していただきたい。
<吉田人事院給与局長>
各府省の実施状況を把握し、点検して参りたい。
<鳩山総務大臣>
非常勤職員制度は必要であるが、常勤と同じように使うのであれば常勤にすべきである。公務の非常勤も、新ワーキングプアという実態がなきにしもあらずであり、人事院の指針を受けてしっかりやらなければならないと思っている。
<武内議員>
公務員制度改革について、労働者の権限をそのままに使用者の権限だけを拡大することは認められない。内閣人事局が勤務条件を決めるのであれば、労働基本権の問題とセットで解決をしなければならないと思うがどうか。
<谷人事院総裁>
一般職の国家公務員についてその地位の特殊性や職務の公共性から労働協約締結権などが制約されているが、この制約に対しては相応の代償措置が講じられる必要があるというのが最高裁の判例であり、労使対等の協議による労働協約に代えて、労使の間に立った第三者機関である人事院の勧告に基づいて法律で給与を定め、法律の委任に基づいて人事院規則で基準を定めることは代償機能の重要な一部である。使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準等を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題にも関わる恐れがある。現行の労働基本権制約の下にあっては、人事院が担う代償機能は維持される必要があると考える。
<谷本内閣府副大臣>
顧問会議の報告では、内閣人事局は国家公務員全体の人事制度及びその運用の全般について企画立案等のPLAN機能、そして制度や運用の改善・改革であるACT機能を担うとされている。勤務条件については、人事院が意見申出を行う仕組みや必要な検討・勧告・意見申出を求めるような仕組みを例として挙げている。人事院が具体的な検討・勧告・意見の申出を行えば、労働基本権制約の代償機能は確保できるのではないかという顧問会議の提案であると認識している。報告の内容の具体化については、しっかりと関係機関と折衝を行っており、労働基本権制約の代償機能が損なわれることのないよう適切に対応して参りたい。
<武内議員>
内閣人事局が人事行政の企画立案と実施機能を持ち、第三者機関が中立公正の観点から事後チェックをするという見直しを行うことが報告されているが、これは現行の中立公正性に関する考え方の大きな転換ではないか。猟官制の復活を危惧する。
<谷人事院総裁>
現行の国家公務員制度は、戦前の官吏制度の弊害の反省に基づいて、公正平等に行政を執行し、忠実に時の内閣を支えることのできる職業公務員集団を確保・育成するために、内閣から独立した人事院を設けて任用、分限、懲戒の基準設定、採用試験、研修の企画立案、実施を担わせることにより、公務員人事行政の中立公正性を確保するための制度的保障としており、事後チェックのような仕組みで中立公正性確保の機能は代替できるものではない。
<谷本内閣府副大臣>
顧問会議の提案は認識しているが、その具体化についてはしっかりと関係機関と折衝を行っているところであり、公正中立性が損なわれないようにしっかり適切に対応していきたい。
<武内議員>
昨日の顧問会議で、給与制度の見直しが議題になったが、現行労働基本権制約の下での手続きを踏まえるか、あるいは協約締結権の検討の結果に応じて措置されるものだ。また、幹部職員の任用について、成績不良でなくても降任、降格、降給を可能する仕組みの提案があったが、幹部職員にも成績主義の下で身分保障が適用されるものであり、到底認められない。仮にこのような特例を設定するためには、憲法改正が必要ではないか。
<谷人事院総裁>
国家公務員は憲法15条2項により全体の奉仕者とされており、行政の専門家集団として時々の内閣に忠実に仕えることを通じて全体の奉仕者としての使命を全うする。このような職業公務員については、その入口で情実等による縁故的採用を遮断し、政治的な理由等によって降任されたり免職されたりすることのないよう保障すること、さらに昇進等についても恣意的な基準によらずに能力実績に基づいて行われることが必要である。スポイルズシステムを廃し、メリットシステムによることは近代公務員制度の基本原則であり、それを通じて行政の持続性、安定性が維持される。こういったことは憲法15条2項の趣旨の実現に深い関わりがあると考えている。
<武内議員>
消防職員は休憩時間も自由に利用できず、24時間拘束されている。こうした実態についてどう考えているのか。また、勤務時間の短縮に伴い、無賃拘束が伸びることにならないよう、対策を講じるべきである。実態を調査し、どうしたら健康で働けるのか、しっかり対応できるよう、きちんと発信をしていただきたい。
<岡本消防庁長官>
船舶など同様の問題を抱えているところで、どのような工夫が行われるか情報を集めて、国家公務員との均衡が図られるよう、市町村の具体的な相談に応じていく。
<鳩山総務大臣>
できるだけ暖かく対応していくのが基本である。勤務時間の短縮が生きるよう考えていかないといけない。
資料1-参議院総務委員会の附帯決議(給与法等改正法案)
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
平成20年12月18日
参議院総務委員会
政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
一、国の医療施設における勤務医確保が喫緊の課題であることを踏まえ、引き続き医師等の適切な給与水準を確保するよう努めるとともに、深刻な社会問題となっている医師不足解消のための抜本的な対策を講ずること。
二、本府省業務調整手当の導入に当たっては、必要な人材確保など手当の導入趣旨と本府省における勤務の実態を十分踏まえ、適切に支給対象範囲を定めること。
三、長時間にわたる超過勤務が、職員の心身の健康、人材確保等に重大な影響を及ぼしていることにかんがみ、その縮減を図ること。また、職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁している勤務の実態について早急に調査し、その結果に基づき必要な措置を講ずること。
四、非常勤職員については、職務内容及び経験等を踏まえた適正な給与を支給するとともに、休暇その他の処遇の在り方に関して検討を行い、常勤職員との処遇の不均衡是正に取り組むこと。また、任用形態・勤務形態の在り方について検討すること。
五、公務員制度改革を推進するに当たっては、労働基本権の在り方を含め、職員団体等の意見を十分聴取し、国民の理解が得られる結論を得ること。
右決議する。
資料2-参議院総務委員会の附帯決議(退職手当法等改正法案)
国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
平成20年12月18日
参議院総務委員会
政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
一、昨今の一部幹部公務員の不祥事等に対し国民の厳しい批判が寄せられていることにかんがみ、綱紀の粛正をさらに徹底するとともに、行政及び公務員に対する国民の信頼を確保するための措置を引き続き検討すること。
二、退職手当・恩給審査会における公平・公正な審査が確保されるよう、委員の人選及び審査手続について配慮すること。また、退職手当の支給制限及び返納・納付に係る処分を行うに当たっては、特に遺族、相続人の取扱いを含め、十分慎重な対応を図ること。
三、退職手当制度の見直しの趣旨にかんがみ、退職手当の一部支給制限制度及び一部返納制度については、公務規律の弛緩を招くことがないよう、厳正かつ公正な運用に努めること。また、いわゆる諭旨免職についても、適切な対応を図ること。
四、今回法律上の措置が講じられていない非特定独立行政法人等については、各法人に対し、国家公務員の場合に準じた検討を行い、必要な措置を講ずるよう要請すること。
右決議する。
※この情報は機関紙、教宣紙には掲載しないでください。また、単組ホームページ等の外部宣伝媒体には公開せず、自治労内部の意思統一にとどめてください。厳守でお願いします。
総務省は、2007年度決算に基づく財政健全化判断比率により、財政健全化基準以上もしくは同程度の水準にある自治体に対し、県を通じて送付し、2009年1月初旬を締め切りとして、財政事情調査を実施しています。
調査票の内容は
①該当自治体の健全化方策や財政見通し、財政悪化要因の記述を求める「財政事情ヒアリング調査票」(別添1)
②該当自治体が「財政事情ヒアリング調査表」を作成する際の留意事項(別添2)。
③個別自治体の財政事情ヒアリング調査表」の個別自治体の財政健全化策等に対する県の評価(別添3)。なお別添3は、ある県の事例です。
これを受け、自治労は総務省に対し、以下のとおり申入れを行いました。なお、この情報は教宣物等に公開しないよう、取り扱い注意でお願いいたします。
(申入れ経過)
自治労から友利政治政策局長、下目政治政策局次長が参加し、総務省は関口財務調査官、佐藤理事官が対応した。
友利政治政策局長は申入れ書を提示し、以下の点について総務省の認識を質した。
①財政健全化計画等の策定義務が生ずるのは、2008年度決算からであり、時期を前倒しして報告を求めることは極めて問題である。しかも、健全化法の主旨は、自治体が自主的・主体的な財政運用のもとで健全化を進めることであり、国と県は関与を行うべきでない。
②調査表を作成する際の留意事項(別添2)の1ページ「2 健全化判断比率の発生要因等」の(2)で財政悪化の要因分析を求めている。この中に「税収や地方交付税の減少、寒冷地等の気候、地理的条件は要因に含まれない」と記述があるが、地方交付税の減少で多くの自治体が財政逼迫に追い込まれているのが実情であり、地方交付税等を削減してきた国の責任を棚上げにするものではないか。
③調査表を作成する際の留意事項(別添2)の2ページ「3 健全化判断比率を改善するための方策等」の(2)で今後の財政健全化の具体策の例示として一般職給与20%カットが示されている。この表現は、調査される自治体側からすれば、例示のとおり20%相当の削減を求めるように読み取れる内容であり、国の不当な関与である。
④(別添3)の該当自治体の健全化方策のあり方について、県が評価するというのは従来の助言の領域を超えており、行き過ぎた関与でないか。あくまで自治体の自主的な財政運営を尊重すべき。
これに対し、総務省側は以下のとおり回答した。
①この調査は、今回限りの調査と考えている。健全化法に基づき健全化計画の策定義務が生じるのは来年度の決算だが、来年度予算編成の取り組みによって、健全化基準等以上に該当しない可能性もある。可能な限り、健全化団体に該当しないよう、注意喚起の意味を含めて、助言の範囲で今回の調査を実施している。
②今回の調査の前に、9月に県に対して該当自治体の財政悪化要因のヒアリングを実施した。その際、共通して「税収、地方交付税の大幅な減額」を指摘する自治体が多かった。この財政悪化要因は、全国的な地方財政全体の話ではなく、自治体の個別的な事情を記入してほしいという主旨である。例えば、人口減や産業構造の変化を背景とする税収減の要因や交付税算定でいえば事業費補正の削減が影響しているなどと、自治体の個別事情を指摘してほしいとの考えである。また、これらの要因分析は、健全化計画を策定する際には、公認会計士等による外部監査で厳格に問われる項目である。
③一般職給与の20%削減の例示は、実際に進めている自治体の例として提示したもの。あくまでも例示であり、これを基準に人件費を見直してほしい、という意図では全くないし、皆さんの指摘は受け止めたい。
④該当自治体の財政状況や健全化方策について、県で温度差があるのが実情である。(別添3)の主旨は県が財政健全化にむけ、該当自治体と連携して、十分なフォローを進めてほしいとの意図である。
これを受け、自治労側は、「財政悪化の要因として、過去の景気対策として促進した地方単独事業や地方交付税の減額など、国の政策・財政責任が大きい部分もあり、個別自治体のみ財政責任を問うのでなく、国の責任による悪化要因も明確にするべき。また、例示した人件費20%削減の例示は、これを受ける自治体側には相当な圧力となる。数値目標の例示を示すべきでない。あくまで助言の範囲とはいうが、健全化方策は自治体の自主性に委ねるべきものであり、関与は慎むべきである」と再度強調し、申入れを終えた。
申入書
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参考 早期健全化基準以上の自治体
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別添1 該当自治体用「財政ヒアリング調査表」
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別添2 「留意事項」
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別添3 県の評価
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公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、12月19日、2009年度の基本要求に関する人事院職員団体審議官及び総務省人事・恩給局次長との交渉を実施した。人事院から11月20日に提出した本年度の基本要求に対する回答を引き出すとともに、総務省に対しては本日午前中に給与、勤務時間、退職手当法改正法案が参議院で可決され成立したことを受けて、基本要求を提出するとともに回答を引き出すこととなった。回答はいずれも具体性がなく不満な内容に止まったが、公務員連絡会は、秋季闘争で解決がつかなかった課題については、春季生活闘争に引き継いでいくこととし、基本要求に関わる交渉・協議に区切りを付けることとした。
<人事院職員団体審議官交渉の経過>
事院井上職員団体審議官との交渉は、19日午前11時から行われた。
冒頭公務員連絡会側が、11月20日の申入れに対する回答を求めたのに対し、審議官は「基本要求については、今後引き続き検討すべき事項が多いが、主な要求事項について、現時点での検討状況を申し上げる」として次の通り人事院の現段階の見解を示した。
一、給与に関する事項
1.給与水準及び官民比較方法について
(1) 公務員給与の改定については、情勢適応の原則に基づき、民間準拠により適正な給与水準を確保するという基本姿勢は変わらない。
(2) 内閣からの地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの要請に対しては、一つの要請としては受け止める。そのうち地域別官民給与の実態の公表については、国民に対する説明責任という観点も踏まえて今後検討していきたいと考えている。一方、俸給表水準の見直しについては、公務員給与全体を見直すこととなるため、広く各方面の意見を聞きながら、公務員の適正な給与の確保に向けて、中立第三者機関としての人事院の使命に鑑み、その責任を果たして参りたいと考えている。
(3) 本年の勧告時報告において、給与構造改革終了後、これまでの改革の効果を検証するとともに、今後取り組むべき諸課題に関して総合的検討を行う必要がある旨言及したところであり、この考え方に沿って検討を進めて参りたい。いずれにしても、給与構造改革の検証に当たっては、公務員連絡会のご意見を伺ってまいりたい。
(4) 高齢雇用施策の検討に伴う給与体系等の見直しについては、本年の勧告時報告において定年年齢を平成25年から段階的に65歳までに延長することを中心に検討を進める旨言及したところであり、これを行うに当たっては、研究会における検討を踏まえ60歳代前半のみならず、60歳前も含めた給与水準及び給与体系の在り方について、人事施策の検討と一体となった検討を行うことが必要となると考えている。いずれにしても、職員団体を含め関係者と意見交換しながら、中高齢層の職員の適正な給与水準及び給与体系の在り方について検討して参りたい。
2.諸手当の見直し・検討について
(1) 自宅に係る住居手当については、手当としての意義が薄れていることから、来年の勧告に向け、廃止の検討を進める。また、借家借間に係る住居手当については、高額家賃を負担している職員の実情を踏まえた手当の在り方について、民間の状況等を踏まえ、引き続き検討していくこととなる。
(2) 特地勤務手当の指定基準に関しては、特に陸地に所在する官署について交通事情の改善等が十分に反映されていない上、現行基準に基づく級地と実際の格付け級地との乖離が大きくなっている状況にあり、できるだけ早期にその見直しを図る必要があると考えている。なお、基準の見直しに当たっては、職員団体等関係者の意見も聞きながら、検討を進めていきたい。
二、労働時間、休暇及び休業に関する事項
超過勤務の縮減については、まずは各府省において不必要な在庁時間を減らすとともに、超過勤務を命ずべき業務についても、業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率向上の取組みを行う必要があると考える。現在、政府全体として、各府省において在庁時間削減目標やそのための具体的取組み事項を設定して取組みを進めており、人事院としても「超過勤務の縮減に関する指針」において他律的業務に係る上限目安時間を設定することとしているが、今後とも超勤縮減の方策について、各方面のご意見をうかがいつつ取り組んで参りたい。
なお、労働基準法改正を踏まえた超過勤務手当制度の取扱いについては、労働基準法の改正内容等を踏まえつつ、検討を進めていく所存である。
三、新たな人事評価制度の施行に関わる事項
人事評価の活用に関しては別途の場で議論しているところであるが、人事評価及びその活用に関する制度は、今後の人事管理の基礎となる重要なものであると認識しており、来年度に予定されている本格実施に向けて、各府省、職員団体等関係者のご意見を聞きながらよりよい仕組みが実現できるよう、適切に対処していきたいと考えている。
四、新たな高齢者雇用の施策の検討に関わる事項
昨年9月から開催されている「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」においては、その中間取りまとめが本年7月に出され、現在それを具体化する作業が進められているが、その作業結果を踏まえ、職員団体をはじめ関係者のご意見を伺いながら検討を進めて参りたい。
五、非常勤職員制度の改善に関する事項
非常勤職員の給与については、給与法の規定に基づき各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事項を示す指針を本年8月に発出したところであり、今後各府省における指針の実施状況等について把握し、フォローしていきたい。
非常勤職員の問題は、業務運営の方法、組織・定員管理、予算、人事管理方針などと密接不可分な関係にあることから、今後においては、政府全体として非常勤職員の在り方をどのようにしていくかについて幅広く検討を進めていくことが必要と考えている。人事院としても、政府全体の取組みに対して協力して参りたい。
これらの回答に対し、公務員連絡会側は次の通り人事院の考えを質した。
(1) 雇用情勢が極めて厳しくなり、公務員の労働条件にも影響してくることは必至だ。来年の見通しについて、見解があれば伺いたい。
(2) 人勧取扱いの閣議決定で、政府から「地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請」が行われたが、国会で人事院総裁は「まずは現在進めている給与構造改革を着実に進めることが肝要」と答弁している。審議官の回答では、「給与構造改革終了後、総合的検討を行う」とのことだが、給与構造改革が終わる平成22年度までは検証はなく、終了後検証した上で検討することであることを確認したい。また、現時点で、「実態公表」についてどう考えているのか。公表すると較差が埋まってないので前倒しして埋めろという話になるのではないか。
(3) 自宅にかかる住居手当の廃止については、十分交渉・協議を行って、納得できる結論を出して欲しい。自宅以外は高額家賃の話しか出なかったが、住居手当全体についての議論をさせていただきたい。
(4) 特地勤務手当の今回の見直しは、とくに「陸地」を対象にしているいうようことなのか、考えを明らかにして欲しい。
(5) 他律的業務の超勤上限目安時間について、われわれは「720時間」で納得していないが、これでやるということであれば、一定の段階でフォローアップを行い、成果が上がっていなければ、さらに実効性のある施策を検討していただきたい。
(6) 教員の場合には、体育の実技などもあり、定年前の早期退職者が多いので、定年延長の検討に当たっては、現場のいろいろな問題を把握して、制度設計をしていただきたい。
これに対し人事院側は次の通り答えた。
(1) 来年は厳しい状況にあることは間違いないし、覚悟しないといけない。この数年、民間賃金の動きが小さく、バラツキも大きくなってきて、全体の状況から官民較差を予想することが難しくなった。実際に調査してみないとわからなくなっている。
(2) 地域の官民較差については、まずは給与構造改革で解消することが基本である。終了後に検証することにしているが、必ずしも終了するまで検証しないということではない。地域間配分の適正化は重要な問題であり、今、どういう状況にあるかについて常に分析・検討しており、改革がどのように進んでいるかを把握する必要がある。いずれにしても、基本は給与構造改革を完成させるということであり、その先に、必要があればさらに改革を進めていくということになる。実態公表については来年勧告時の話であり、現時点で結論を出しているわけではないが、データを公表して欲しいという要請については誠実に対応する必要がある。公務員給与に対する関心が高まっている中で、説明責任もあり、応じないということになったとき、公務員給与に対する信頼性に問題が生じることが懸念される。実態がどうかという問題と、ではどうするのかという問題があり、後者についてはまずは給与構造改革を進めるということであり、責任を持って対処する。
(3) 自宅にかかる住居手当については、廃止の検討をすることにしているが、実際にどう対処するかについては皆さんと意見交換をしながら進めたい。高額家賃については、手当受給者のうち上限の27,000円を受けている者の割合が7割を超えており、55,000円以上の家賃を払っているということなので、とくに対応を検討していく必要があることから例示したものであり、その他の課題を含めて検討していきたい。
(4) 今の特地指定基準は、官署からいろいろな施設への距離や公共交通機関の状況を基本としているが、道路事情が改善され、かつては官署と住居が近接していることを前提としていたが、遠くから通勤するように変わってきて、それが指定基準と実態の乖離の原因ではないかという問題意識を述べた。離島はともかくとして陸地ではこうしたことが顕著であることから例示したものである。細分化した基準の見直しを行うことが基本であり、陸地だけ見直して離島はやらないということではない。
(5) 他律的業務の超勤上限目安時間については、一定期間後には何らかのフォローアップを行い、必要があれば、さらに縮減策を検討してまいりたい。
(6) 定年延長に係る問題については、意見を出していただいて、それを踏まえて検討してまいりたい。
以上の議論を踏まえ、岩岬副事務局長が「地域の官民較差の実態公表については明確な回答がなかったが、前倒しの俸給水準引下げや国だけではなく地方公務員への影響も懸念されるので、公務員連絡会と十分話し合って対応していただきたい。本日の回答は要求事項をきちんと受け止めて来年に向けた姿勢を示した回答とは言えず不満だ。来春闘では改めて要求書を出すので、誠実に対応していただきたい。国家公務員制度改革推進本部が給与制度の見直しを進めようとしているが、人事院勧告制度が代償機能を失うことになれば、重大な決意をせざるを得ない。労働基本権制約下で、人事院勧告制度は公務員にとって唯一の生活改善の手段であり、使命を果たしていただきたい」と強く要望し、本日の交渉を締めくくった。
<総務省人事・恩給局次長との交渉経過>
総務省人事・恩給局笹島次長との交渉は、19日午後1時30分から総務省内で行われ、公務員連絡会側が別紙基本要求の重点事項について以下の通り説明し、回答を求めた。
(1) 総人件費と給与等の課題のうち、雇用については、アメリカ発の金融危機の影響で民間では深刻な事態になっている。公務においても使用者の立場で責任を持って対応していただきたい。最終年度となる府省間配置転換はもとより、独法見直しや地方分権改革による国の出先機関見直しに伴って雇用問題が発生する恐れがある。国の責任で対応することを明確にしていただきたい。
(2) 人勧閣議決定の際の「地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請」は人勧制度の空洞化につながりかねず、政治的介入と受け止められるものであり、撤回すべきだ。
(3) 勤務時間の短縮については、超勤の縮減について実効性があがるよう本格的に取り組んでいただきたい。
(4) 福利厚生については、レクリエーション経費が削減され、来年度は要求しないこととなったが、重要な労働条件であり、軽視することは認められない。福利厚生について明確な方針を確立していただきたい。また、来年度の福利厚生経費の予算要求はどうなっているのか。
(5) 定年延長について、人事院は段階的に定年延長するとの考えであるのに対し、国家公務員制度改革推進本部の考え方は少し違っている。また、推進本部が勤務条件について検討すること自体に問題がある。いずれにしろ勤務条件は組合との合意が前提だ。
(6) 非常勤職員について、国会でも議論され、総務省としては検討を始めたということだが、まずは実態を把握し、われわれが参加する検討の場を早急につくって取り組みを進めていただきたい。また、現在、どんな取り組みを始めたのか。
(7) 公務員制度改革については、顧問会議報告等に基づき給与制度の見直しが進められようとしているが、労働基本権の制約下で政府が検討し、人事院に勧告要請を行うことは代償機能の空洞化につながるものであり、到底認められない。中央人事行政機関の補助部局たる総務省人事・恩給局は代償機能を機能させるという位置づけがあり、しっかり対応してほしい。
(8) 新たな人事評価については、最後の仕上げの段階だ。納得性のある人事評価制度が円滑に導入されるよう、行革事務局と連携し、公務員連絡会と十分交渉・協議を行っていただきたい。
(9) 退職手当法改正法案も成立したので、政令等の整備についてはわれわれと協議を行うことを求めておきたい。
これに対して、笹島次長は、現時点における総務省の主な考え方として、次の通り答えた。
1、公務員の総人件費と給与等について
(1) 配置転換等の取組みに関しては、内閣官房とも累次意見交換をされていると承知しているが、いよいよ最終年度を迎え、きちんと取り組んでいきたい。決して楽観できない状況であり、職員団体においても、個々の職員が、自ら進むべき道を真剣に考えるよう、雇用の確保を図るという観点から御協力をお願いしたい。
総務省としても予算、定員など実施体制を中心にサポートしており、今後ともこの取り組みがスムーズに行くよう支援してまいりたい。
なお、独立行政法人見直し等行政改革の推進や地方分権改革による国の出先機関の見直しについては、雇用問題が重要と認識しており、現時点でその詳細が必ずしも明らかではないが、その動向について今後注視してまいりたい。
(2) 国家公務員の給与については、これまで同様、社会一般の情勢に適応させるとの原則の下で行われる人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、適正な給与水準を確保してまいりたい。
(3) 本年度の給与改定の取扱方針の閣議決定において、来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表すること等について人事院に要請したところであるが、民間に合わせることは常にあるべき勧告の姿であり、今後、人事院において、今回の要請を踏まえ、主体的に検討が行われることを期待するものであり、人事院に対し政治的圧力をかけるものとは考えていない。
なお、人事院は、本年の人事院勧告時の報告において、給与構造改革期間終了後の取組みとして、地域における民間給与の状況等を踏まえ、引き続き地域間の配分の在り方を検討することとしており、今後、人事院において、地域における民間給与等の実態についての調査等が行われるものと思われる。
2、労働時間、休暇及び休業について
(1) 国家公務員の労働時間の短縮については、「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成4年人事管理運営協議会決定)を本年9月に改正するなど、超過勤務の縮減や年次休暇の計画的使用の促進を中心に進めているところである。
特に、超過勤務の縮減については、超過勤務を命ずべき業務について、政府全体として業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率の向上の取組みを行うことが重要であると思われる。
各府省において、労働時間短縮対策に基づいた様々な取組みが的確に行われるよう徹底してまいりたい。
(
2) 福利厚生施策については、考えるべきことがあると考えているところである。
また、平成21年度は、民間企業における福利厚生施策の調査等を行う予定であり、そのための予算要求を行っているところである。
職員厚生経費は、平成21年度予算から健康診断経費のみを各府省の統一単価として要求することとしており、平成21年度の要求額は5,601円と、前年度(20年度予算額(健康診断経費)5,262円)に比べ339円の増額要求を行っているところである。なお、表彰経費は各府省が必要な額を要求しており、レクリエーション経費は要求していない。
3、新たな高齢者雇用施策について
(1) 新たな高齢雇用施策について、今後、公的年金の受給開始年齢の段階的な引上げが行われることが予定され、大きな問題になると認識している。60歳定年退職者について、いわゆる無年金期間が発生することから、公務においても、雇用と年金の連携を図り、職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することが必要であると考えている。
こうした問題意識を持って、先般成立した国家公務員制度改革基本法では、再任用制度の活用の拡大をはじめ、定年の65歳への段階的引上げの検討など、幅広い観点から検討を行うこととされているところである。これに伴って、高齢職員の給与のあり方や役職定年制を検討することなど、総合的な検討が必要であり、組合の皆さんと相談しないといけないと思っている。
公務員制度を所管する総務省としても、内閣官房と連携・協力してこれらに取り組んでまいりたい。
4.非常勤職員について
給与に関しては、去る8月に人事院から指針が示されており、まずは、この指針を踏まえて、各府省において適切に対応することが必要と考える。
さらに、本年の人事院からの報告でも「給与に関する指針の策定に加え、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされているところである。
こうした状況も踏まえて、人事院などの関係機関と連携しつつ事務的な検討を始めたところであり、必要に応じて各府省の対応状況の把握や問題点の整理などを行いつつ、総務省としても鋭意検討してまいりたい。
5.公務員制度改革について
(1) 国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度改革の具体化については、内閣に置かれた国家公務員制度改革推進本部を中心に検討が行われており、公務員制度を所管する総務省としても、今後とも国家公務員制度改革の推進に連携・協力をしてまいりたい。
(2) また、国家公務員の労働基本権については、当該措置に関する事項について調査審議する労使関係制度検討委員会の第2回会合が先日開催され、法制上の措置にかかる提言について、21年中にとりまとめるとのスケジュールが示されたところである。国家公務員の労使関係制度の在り方については、同委員会において十分に検討が行われることが必要と考えている。
6.新たな人事評価制度について
新たな人事評価制度については、現在行われているリハーサル試行の結果を踏まえ、制度の公正性、透明性等の確保と、納得性の高いシステムとなるよう、総務省としても引き続き行革事務局と連携・協力をして検討を進めているところである。
政令等の策定についても、行革事務局において行われるものであるが、来年度からの人事評価制度の施行に当たって、職員団体とも十分に話し合うことは必要であると考えている。
これに対して、公務員連絡会側からは、次の通り質した。
(1) 府省間配置転換について、「個々の職員が、自ら進むべき道を真剣に考える」とはどういう意味か。配置転換に応じるかどうかは重要な選択だが、その原因を作ったのは政府であり、職員に説教するのはおかしい。さらに、地方分権改革の内容によって雇用に大きな影響を与えることになるので、政府が責任を持って対応することが大前提だ。
(2) 人事院への見直し要請について、政府としては政治的圧力とは考えておらず、人事院が主体的に検討するとの回答だが、人事院はわれわれに「まずは給与構造改革を完成させた上でそれを検証し、必要があれば検討する」と答えている。政府の考えも人事院と同じであると受け止めていいか。
(3) 福利厚生施策の民間実態調査はぜひ行ってほしい。また、調査に当たっては意見交換をさせていただきたい。
(4) 非常勤職員の問題については、人事・恩給局長も国会で答弁しているが、どういう検討を始めたのか明らかにしてほしい。また、われわれが参加する検討の場を設けて、前広に議論させていただきたい。
これに対して、笹島次長らから次の回答があった。
(1) 府省間配置転換については雇用の確保が重要であることから、雇用調整本部を設置して努力してきたが、マッチングの難度が高まってきたのは事実なので、職員におかれても自分の進むべき道、持ち味等を真剣に考えて対応してほしいという趣旨である。説教をしているわけではなく、当初配転に応じた者は行った先で高い評価を得ている者が多いが、後の方になってくると「残れる」という雰囲気が出てきて意欲的に出て行く者がいなくなってくる心配があり、そういうことにならないようにという趣旨である。政府としても、職員が意思を固めるにあたってのいろいろなサポートをしていることを受け止めていただきたい。地方分権についても情報を収集しながら対応して参りたい。
(2) 給与構造改革は平成22年度までであるが、情報のストックも必要であることから人事院にデータの公表をお願いしたものであり、前倒ししての検討を要請したものではない。
(3) 福利厚生は国と民間企業で異なっている面があり、調査をしても簡単に比較ができないことは承知している。能率向上の観点から取り組む必要があり、知恵を出していきたい。
(4) 非常勤職員の処遇等については、各府省が予算の範囲内で対応していることであるが、法律や人事院規則などで決められているのでそうしたことや人事院の調査結果を勉強しており、その中から課題を抽出していきたい。これまであまり光を当ててこなかったので、どの方向に向かうべきかを勉強している段階であり、皆さんと協議する段階には至っていない。いずれにしても、調査が必要という総務大臣の国会答弁を踏まえて、いろいろな制約の中で将来何ができるか検討していきたい。
最後に、岩岬副事務局長が「本日の回答内容は申入れを充足するものではなく不満である。改めて検討していただき、来年春闘要求を提出するので、その際、中身のある議論をさせていただきたい」として、基本要求をめぐる交渉には一区切りをつけ、明確とならなかった課題については、引き続き2009春季生活闘争段階で交渉・協議するとの見解を述べ、この日の交渉を終えた。
<別紙>
2008年12月19日
総務大臣
鳩 山 邦 夫 殿
公務員労働組合連絡会
議長 福 田 精 一
2009年度賃金・労働条件に関わる基本要求事項の申入れ
世界金融危機は日本の実体経済にも深刻な影響を与えており、物価高も含め国民生活は危機的な状況にあります。そうした中にあって、低下しつつある労働分配率の回復によって内需主導の景気回復が求められています。また、公務員バッシングが吹き荒れる厳しい環境にあって、公務員労働者は、行政や公務員に対する国民の信頼を回復すべく、日夜、自らの職務遂行に邁進しているところです。しかし、国・地方を通じた総人件費削減政策のもとで、事務・事業の廃止・縮小と、組織・定員の大幅な削減が推進され、予算不足、人員不足、将来不安の中で公務員の労働条件は悪化の一途をたどっています。
本年の勧告については、勧告通り実施するための関係法案が、ようやく本日の参議院本会議で可決・成立したところです。しかし、政府は勧告取扱いの閣議決定において、昨年に引き続き、人事院に対し「来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表し、俸給表水準について必要な見直しを検討するよう要請」し、地域給与の一層の引下げを図ろうとしています。これは、労働基本権制約の下における代償機関に対する「政治的介入」であり、到底認めることができません。
さて、2009年度の基本要求事項では、公務員労働者の雇用の確保や実質生活の維持・確保を含めた給与改善を行うことを最重点課題としつつ、新たな評価制度に基づく人事管理への対応や新たな高齢雇用施策の具体化などを重点課題としています。
以上のことから、貴職におかれては、本年の基本要求事項の実現に向けて最大限努力されることを強く申し入れます。
記
一、公務員の総人件費と給与等に関わる事項
(1) 公務員総人件費削減政策の具体化に当たっては、良質な公共サービスを確保する観点から、事務・事業のあり方を検証するとともに、公務員連絡会と十分協議すること。
(2) 定員削減にともなう配置転換等の実施に当たっては、真に本人の希望に基づくものとなるよう、引き続き雇用調整本部と公務労協・公務員連絡会との間で十分交渉・協議すること。また、独立行政法人見直し等行政改革の推進や地方分権改革による国の出先機関の見直しに伴って雇用問題が生じる場合には、政府として統一的な体制を確立するなど、国が雇用の承継に責任を持つこと。
(3) ゆとり・豊かな生活が確保でき、その職務の責任や仕事の内容に相応しい社会的に公正な給与水準を確保すること。当面、2009年度においては、民間の実勢を踏まえ、人事院勧告尊重の基本姿勢に基づき公務員労働者の実質生活の維持・確保を含めた給与改善を行うこと。また、使用者の責任において、実態に見合った超過勤務手当の支給、独立行政法人等を含めた公務員給与の改定に必要な財源の確保に努めること。
(4) 地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請など人事院勧告制度に対する政治的介入を直ちにやめ、公務員給与に対する社会的合意を得るよう、使用者責任を果たすこと。
二、労働時間、休暇及び休業に関わる事項
(1) 労働時間短縮、休暇制度改善、総合的休業制度の確立等について
ワーク・ライフ・バランスを確保するため、①年間総労働時間1800時間体制②ライフステージに応じ、社会的要請に応える休暇制度の拡充③総合的な休業制度、などを実現すること。
このため、2009年度においては、政府全体として、超過勤務の縮減に向けた体制を確立し、実効ある超過勤務縮減策を実施すること。
(2) 本格的短時間勤務制度の早期実現について
公務に雇用創出型・多様就業型のワークシェアリングを実現することとし、本格的な短時間勤務制度の具体的な検討に着手すること。
三、福利厚生施策等に関わる事項
(1) 公務員の福利厚生を勤務条件の重要事項と位置付け、職員のニーズ及び民間の福利厚生の正確な実態把握を行い、その抜本的な改善・充実を図ること。
(2) 「国家公務員福利厚生基本計画」の着実な実施を図るため、政府全体としての実施体制を確立し、使用者としての責任を明確にして積極的に対応すること。とくに、メンタルヘルスに問題を抱える職員が増加していることから、働き方と職場環境の変化に対応した心の健康づくり対策の着実な推進や復職支援施策の拡充をはかること。
(3) 総人件費削減政策に基づく、福利厚生経費の一方的削減は行わないこと。2009年度の予算編成に当たっては、健康診断の充実など、職員の福利厚生施策の改善に必要な予算を確保すること。なお、予算の取扱いについては、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、合意に基づいて進めること。
四、新たな高齢雇用施策に関わる事項
(1) 新たな高齢雇用施策については、雇用と年金の接続形態の基本を65歳までの段階的定年延長とし、早期に実施すること。また、雇用の確保は最も重要な勤務条件であることから、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、合意に基づいて進めること。
(2) 国家公務員制度改革推進本部において、給与体系のあり方等の検討を含む65歳までの定年延長を検討する場合には、これらが重要な勤務条件であることを踏まえ、公務員連絡会と十分な交渉・協議が行われるよう、総務省として努めること。
五、非常勤職員制度等の改善に関わる事項
(1) 国会附帯決議に基づき、非常勤職員等の職種、在職実態、処遇等に関わる実態調査を直ちに実施すること。
(2) 非常勤職員等については、人事院の本年報告を踏まえ、その位置付けや雇用確保について、公務員連絡会が参加する検討の場を設置し、政府全体として解決に向けた取組みを開始すること。
(3) 国が民間事業者等に業務委託や入札等により事務事業の実施を委ねる場合においては、公正労働基準の遵守を必要条件とすること。
六、男女平等の公務職場の実現に関わる事項
(1) 公務の男女平等参画の促進を人事行政の重要事項と位置づけ、女性公務員の採用、登用の拡大を図り、女性の労働権確立や環境整備などを積極的に推進すること。
(2) 「子ども・子育て応援プラン」及び育児のための短時間勤務制度の導入を踏まえ、取得率の数値目標等を明確にした男性の育児休業、短時間勤務等の取得を促進すること。
(3) 使用者の立場から、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の着実な実行を図るよう指導すること。
七、公務員制度改革に関わる事項
(1) ILO勧告に基づき、労働基本権制約の立法政策を根本から見直し、公務員の労働基本権、団体交渉に基づく賃金・労働条件決定制度を確立すること。
(2) 国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度の検討に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、抜本的な改革を実現すること。
国家公務員制度改革推進本部顧問会議報告に基づく、労働基本権制約下での勤務条件についての内閣人事局の機能のあり方の検討については、代償機能の空洞化につながり、憲法違反であることから、直ちにやめること。
また、国家公務員制度改革推進本部に設置されている労使関係制度検討委員会において、公務の労使関係の抜本改革を実現するための検討を促進すること。
八、「新たな人事評価制度」に関わる事項
(1) 新たな人事評価制度については、公正・公平性、透明性、客観性、納得性が具備され、苦情処理制度、労使協議制度などが整備されたものとすること。とりわけ、評価結果の本人への全面開示、労働組合が参加する苦情処理制度を実現すること。
(2) 改正国家公務員法の施行に向けた、政令等の制定に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意の上で実施すること。
(3) 新たな人事評価制度については、現場で混乱を生じることなく円滑に実施されるためには、制度の周知や評価者訓練の徹底など十分な準備期間が必要であることを踏まえ、慎重に実施時期を定めること。
九、その他の事項
(1) 障害者雇用促進法に基づき、障害の種別をこえた雇用促進を図ること。とくに、知的障害者及び精神障害者の雇用促進に関する具体的方策を明らかにすること。
(2) 公務における外国人の採用を拡大すること。
(3) 改正国家公務員退職手当法の施行に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意に基づいて進めること。
第8回研究会は、12月22日(月)14:30〜16:30、総務省8階会議室で行われた。今回は研究会としては最終回であり、「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」(案)の全体を通じた議論がされた。
今後の対応の方向性について、自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。
1. 非常勤職員の任期を「原則1年以内」とすることについては、法律上の規定がない中で、この研究会以外の場で「1年」と示したものはあるのか。その影響を懸念せざるをえない。任期はその職の性格や期間によって異なるため、任用期間のルールは自治体が判断すべき事項であることから、これをここで記述すべきではない。
2. 任期付短時間勤務職員の再度の任用について、「改めて公募等により、競争試験又は選考による能力の実証を経た上で」としているが、必ずしも公募による必然性はなく、3年間の職務実績と能力の実証をもとに、本人の希望で再度任用すべきではないか。
3. 任期付短時間勤務職員の給与について、2004年通知の繰り返しを述べているだけである。任期付短時間勤務制度の積極活用を提言しようとしている研究会の立場、および、3年から5年の範囲で任期の弾力化を今後はかっていくとすれば、能力の伸長や経験の蓄積等の要素も考慮する必要性も高まる。次のステップを見据えて、給与についても新たな制度拡充を述べるべきである。
また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。
1. 任期を1年と明記することによって、例え多くの自治体でこれまで1年としてきたとしても、雇い止めなど、想定している以上の影響が懸念されるのではないか。
2. 任期については、非常勤の職というのがどういうものであるのか、また、常勤職員との違いから考える必要もあるのではないか。ただ、労働基準法から見ても、1年と考えることに違和感はない。
3. 臨時・非常勤職員の再度の任用について、解雇権乱用法理が適用されないこととあわせ、「任期の定めのない常勤職員と実質的に異ならない状態と認められるような実態にならないよう」としているが、最近の裁判事例では、むしろ保護されるべき対象との考えも出されている。
4. 任期付短時間勤務職員の再度の任用について、それまでの実績が度外視されていいのか。
5. 再度の任用については、「新たに任用」されるのであるから、実績を考慮する必要性はない。むしろ、試験の内容など現場での運用面で対応できるのではないか。
6. 「一定水準の専門性を担保する資格や実務経験が必要とされる業務」についても任期付短時間勤務職員を任用できるようにするとの考え方が示されているのであるから、給与について、制度設計時の「能力の伸長や経験の蓄積等を考慮する必要性は低い」との考えを示すのはいかがなものか。従来どおりであることに違和感がある。
7. 職務によっては、専門性を考えた場合には能力の伸長を考慮する必要性は確かに低いように思う。
報告書全体について、自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。
1. 研究会報告は、私たちの考えとは大きく異なるものとなった。研究会の結論としては受け止めざるをえないが、なぜこれだけ臨時・非常勤等職員が増えてきたのか、公務の実態をまずは直視すべきだ。実態はすでに制度を超えている。
2. 任期付短時間勤務職員制度についても、現行制度の解説に留まってしまっている。これでは、導入のインセンティブは働かない。結果として、この研究会では解決しきれない大きな問題があることは明確である。
また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。
1. 現在の雇用情勢から、地方公共団体における臨時・非常勤職員の任用について住民・国民の関心の高まりが予想されることが記述されているが、公務においても、きちんと雇用は守られるべきであることの意図を明確にしてもらいたい。
2. 民間では、パート労働法はじめ、いくつか労働者保護法制ができてきている。しかし、「民間と公務は違う」というだけで、任用される側への目配りが足りないものとなってしまった。任期のない短時間公務員への記述もほしいところである。
3. 現行のルールを自治体は守るように、との報告で終わってしまっているのではないか。
4. 実態がさまざまあるのはわかるが、現行法体系のなかでの対応をどのように求めていくのか、というのが研究会の目的であり、また、それが限界でもある。この研究会ではなく、公務員制度全般のあり方として、もっと大きな視点からの検討は別途必要であろう。
最終的に、本日の議論も踏まえ、報告書の文言修正等について座長あずかりとし、研究会を終了した。なお、本報告書については、年明けに公表される見込みとなっている。
研究会・総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html
-この内容は単組ホームページなど公の媒体に公開することなく、組合内部の扱いに限ってください-
勤務時間短縮に関わる検討事項につきましては、すでに5月時点での人事院の説明内容を情報でお知らせしてきましたが、12月24日、人事院は、別添のとおり現在の検討状況を公務員連絡会に示しました。
ファイルのうち「時短人規改正事項081224.pdf」は勤務時間・休暇にかかわる人事院規則の改正事項として、「時短関連制度改正081224.pdf」は勤務時間・休暇以外の人事院規則の改正事項として、「非常勤職員の時短081224.pdf」は人事院規則以外の通知等として、検討されているものです。
なお、このことについては、1月16日に予定されている労働条件担当者会議で一定の説明をする考えです。
-真の分権改革実現と政府の責任で雇用・労働条件を確保することを求める-
公務労協は、12月24日14時15分から、鳩山地方分権改革担当大臣交渉を実施し、別紙「国の出先機関の見直し等に関する申入れ」の実現を迫った。この交渉は、8日に地方分権改革推進委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)が麻生総理大臣に「第2次勧告」を行い、政府が本年度内に国の出先機関見直しの「工程表」を策定することになったことから実施したもので、公務労協から、福田副議長(国公連合委員長)、岡部副議長(自治労委員長)、河田副議長(林野労組委員長)、竹林国交職組委員長、中村全開発委員長らが参加した。
冒頭、福田副議長が申入書を手交し、鳩山大臣に次の通り要請を行った。
(1) 12月8日に地方分権改革推進委員会の第2次勧告が出されたが、国の出先機関見直しは、地方分権の流れではなく、行政改革や総人件費削減の流れが前面に出ている。10月31日の麻生総理の「増税の前に行革徹底」発言や、11月6日の総理と丹羽分権委員長の会談で「行政改革」が触れられたことが背景になっている。
(2) われわれは、地方分権改革については、国と地方自治体の役割分担を検証した上で、地方で行う方が国民や住民にとってベターというものであれば移譲することに反対しないが、出先機関の統廃合と人員削減を打ち出して、行政改革のためのパフォーマンスにしているのは問題だ。雇用不安や公共サービスの破壊だけが進行していくのではないかということを強く危惧する。
(3) 政府は、3月末までに国の出先機関見直しの「工程表」を作るとしているが、検討の中でもう一度、地方分権改革の理念に立ち返って、改革の全体像を明らかにし、そのうえで出先機関のあり方を検討していただきたい。その際、直接現場で事務・事業を担っている公務労協と十分協議することを強く求める。
(4) 勧告の中身をみるとまず1万人とか、将来は3万5千人とか、数字が踊っている。公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することやそれを実現するための制度設計をきちんとされるよう、強く求める。
この要請に対し、鳩山担当大臣は、次の通り答えた。
(1) 今の話の趣旨はよく分かる。12月8日に出された地方分権改革推進委員会の第2次勧告は、「国の出先機関の見直し」と1万に及ぶ地方に対する「枠付け・義務付けの見直し」であるが、二重行政がないかどうかや、地方は地域によく目が届くが国の出先であるがゆえに目が届かないとすれば、それは地方に移譲した方がいいという考えからまとめられたものと受け止めている。今後、その内容に沿って、出先機関改革の今後の「工程表」となる政府の「計画」を年度内に策定すべく、検討を進めていきたい。
(2) 勧告では、出先機関改革の円滑な実施をはかるため、「職員の雇用や国と地方を通じた公務能率の維持・向上について十分な配慮が必要」とし、これを踏まえた職員の移行等の仕組みなどについて提言している。また、11月6日には総理と丹羽委員長の話に私も同席したが、二人は「今働いている人の生活がめちゃくちゃになってはいけない」「どうしたら国家公務員が円滑に移行できるか、見合った職場を探すのは大変だ」という話をしていた。私も人を無視した政策はうまくいかないと思っている。総理からも「人材の移管等は丁寧に進めていく必要がある」との指示を受けている。
(3) これらを踏まえ、今まで全体の奉仕者という立場で勤務してこられた皆様方の意見を十分にお聞きして、検討していかなければならないと考えている。
続いて、竹林国交職組委員長が「2次勧告は、出先機関に働いている職員からは合理化、定員削減ありきにしか見えない。国土の均衡ある発展や国民の安心安全に努めてきたが、そういう議論がない。地方分権改革には反対ではないが、職員の雇用確保の問題、セーフティネットをどう整備するのか、という点を忘れないようにお願いしたい」と、中村全開発委員長は「北海道開発局は行革の度に話題になる。今年、第8次北海道開発計画が決定されたが、その評価もない。いま、道路の移管を巡って道庁と協議しているが、財政や道と市町村の分担がはっきりしないため、進展していない。国民の負託に応えて業務を進めることが大切であり、われわれや地域の意見を踏まえて検討してほしい」とそれぞれ訴えた。
これに対し鳩山大臣は「基本的には、お話はよく分かるので、ご要望はよく受け止める」との見解を述べた。
最後に、福田副議長が「今後とも話し合う場を設けるとの回答をいただいたので、それを期待したい」として、引き続き話し合っていくことを確認し、本日の申入れ交渉を締めくくった。
<別紙>
2008年12月24日
地方分権改革担当大臣
鳩 山 邦 夫 様
公務公共サービス労働組合協議会
議 長 中 村 讓
国の出先機関の見直し等に関する申入れ
常日頃から、地方分権改革に向けてご尽力されていることに心から敬意を表します。
さて、地方分権改革推進委員会は、8日、第2次勧告を行いましたが、その内容は公共サービスのあり方や当該機関に勤務している国家公務員労働者の雇用に重大な影響を与える内容となっています。
地方分権改革は、本来、社会経済情勢の変化に対応した形で国と地方自治体の行政の役割分担を見直した上で、より地域に密着した地方自治体が国民生活に不可欠な公共サービスを住民のニーズにそって遂行できるよう見直すものでなければなりません。しかし、第2次勧告では行政改革、総人件費改革のための出先機関統廃合が優先され、国と地方自治体の事務・事業の検証が十分でなく、受け皿となる地方自治体の事務・権限や財源のあり方も先送りされ、公共サービスの切り捨てとなることが危惧されます。
また、現在進められている国家公務員の府省間配置転換に加えて、出先機関の統廃合が行われることになれば、深刻な雇用問題の発生が想定されます。勧告は、政府に雇用責任を持たせる姿勢が極めて不十分であり、出先機関に勤務する職員は将来に対する雇用と生活の不安を一層募らせています。
つきましては、今後の国の出先機関の見直しの「工程表」や地方分権改革推進計画の検討・策定に当たって、下記のことを実現されるよう要請します。
記
1.地方分権改革に当たっては、国民生活の安心・安全を支える公共サービスの確保を大前提に、国と地方の役割分担の明確化、基礎自治体が担うべき事務や役割範囲の特定等を基本として進めること。
2.政府としての国の出先機関の見直しの「工程表」の検討や地方分権改革推進計画の策定に当たっては、公務労協及び関係組合と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて作業を進めること。
2.国の出先機関の見直しに当たっては、国家公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することを明確にし、それを実現するための具体的な仕組みを整備すること。
以 上
総務省は、①平成年地方公共団体定員管理調査結果の概要、②地方公共団体における福利厚生事業の状況について(概要)、③平成19年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果、④平成19年度における地方公務員の懲戒処分等の状況について、を12月25日、別添のとおり公表しました。また、同日、公務員部公務員課長通知「勤務時間、休暇等の適正化について」を発出しました。なお、平成20年地方公務員給与実態調査結果については、今年が詳細な調査を実施する指定統計の年(5年に1度)に当たるため、2009年3月下旬に公表できる見込みとしています。
地方公共団体定員管理調査結果の特徴としては、地方公務員の総数が289万9.378人で、対前年1.8%の減、1975年の調査開始以来最少になったこと、骨太2006の「5カ年で5.7%」という要請に対し、3カ年で4.7%の純減になっていることがあげられます。
平成19年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の特徴としては、勤務時間が国より短い自治体は212自治体(11.4%)であるが、成立した勤務時間法改正(7時間45分、週38時間45分)の結果国より短い自治体は1自治体になること、男性の育児休業取得率が0.8%と伸び悩んでいること、競争試験の競争率が7.2倍で過去10年間最低になったことがあげられます。
公務員部公務員課長通知「勤務時間、休暇等の適正化について」の特徴としては、国家公務員の勤務時間を踏まえこれとの権衡を図ることとしていること、運転免許の更新とメーデーの参加を不適切な特別休暇等の制度及び運用と指摘していることがあげられます。
誠実に交渉した上で、公務労協が合意できないことは実施しないよう強く求める
※この情報は単組ホームページやチラシ等には掲載せず、自治労組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務労協は、25日、国家公務員制度改革推進本部事務局(以下「公務員事務局」という)との2回目の交渉・協議を実施し、日の交渉で課題とした事項に対する回答を求めた。交渉・協議には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織の労働条件担当者が参加し、公務員事務局側は、淵上・古賀の両審議官らが対応した。
冒頭、淵上審議官から、前回交渉で課題とした2点について、次の通り見解が示された。
(1) 公務員事務局が人事院に勧告要請を行うことの根拠と立場
国家公務員制度改革基本法に基づき推進本部とその事務局が設置されており、本部は国家公務員制度の改革を総合的、かつ集中的に推進する任務がある。国家公務員制度改革の企画立案と総合調整、改革実施の推進が推進本部及び事務局の事務として書かれている。勧告要請は、基本法に基づくものであり、使用者を代表して行うものでも、中央人事行政機関たる人事・恩給局の権限に基づいて行うものでもない。しかしながら、職員の勤務条件に関わり、皆さんにとって重大な事項なので、このような場を通じて意見交換、交渉を行いたいと考えている。
(2) 公務員事務局として人事院に勧告要請すること自体は人事院の勧告機能を損なうものではなく、憲法上の問題は生じないと考えている。今、人事院とはいろいろ交渉しているが、その中で人事院も明確に憲法違反になるとは言っていない。人事院との協議の中で、憲法上の疑いがあるという指摘がなされないように気をつけて議論していきたい。
公務員事務局における勤務条件の検討と勧告要請については、公務労協側が「国公法の使用者の立場ではなく、基本法に基づいて行政府として勧告要請を行うというのであれば、労働基本権が付与された場合に労使が対等平等の立場で行う交渉に準じた対応が必要だ。誠実な交渉を行い、合意に向けて最大限努力するということだけではなく、合意が得られない事項は実施しないことを確認した上で交渉を行うべきだ。公務員事務局が勤務条件を企画立案し、合意を前提せずに一方的に勧告要請するのは憲法違反だ」と追及したが、淵上審議官は「理解を得られるよう最大限の努力を行うが、基本法で求められている事項については、合意が得られなくても、われわれの判断でやらせていただく。労働基本権制約のもとで代償措置としての人事院の勧告機能を重要視しており、締結権が認められた後の交渉のあり方に準じてと言うことにはならない」との考えを繰り返し、議論は平行線となった。このため、公務労協側はこの点については引き続き議論していくこととし、重ねて「労働基本権が付与された後と同様の条件の下での交渉を行うべきである。そうでなければ、事務局がやっていることは憲法違反に当たるというわれわれの認識は変わらない」との見解を示した。
また、憲法との関わりについて、公務労協側が「人事院総裁が国会で「憲法違反の疑いがある」と答弁していることについては、極めて重い発言と受け止めている。労働基本権の制約は労働者、使用者双方の権利を制約するものであり、その下で、政府が人事院に勧告要請を行い、勧告を踏まえた法律改正を行った後、政府が政令で勤務条件の細部を決めることは、使用者側の権利を一方的に強めることになる。また、使用者、労働者の枠を超えて、推進本部・公務員事務局という超然とした政府がそれを勤務条件の企画立案を行うこともおかしい」と指摘したのに対し、公務員事務局側は「人事院に勧告要請すること自体、われわれとしては憲法違反とは考えていないし、この問題に限らず人事院と議論しているが合意を得ている状況にない。見解の相違を無くすよう努力していきたい。なお、政府が憲法違反をするようなことはないと考えており、人事院が要請に応えないことを含めて人事院の自主的判断が担保されていれば問題はない」との見解を示すに止まった。さらに公務労協側が「人事院が「違憲の疑いあり」と言っている限り、公務員事務局として勧告要請をしないのか」と質したところ、淵上審議官は「勧告要請はするが、人事院が勧告しないだけではないか。人事院が勧告しなければ、法律の実施は止まる」と答えた。この点について、公務労協側は「政府部内に見解の相違がある状況の下で、労働組合としてどう受け止めて議論をしていったらいいのか。対立したままで強引に進めることはやめてほしい。労働基本権の制約下で、顧問会議報告にあるような政府による勤務条件等の企画立案と勧告要請、政令で細部を決めることは認められない。やるのであれば、労働基本権の付与とセットで行うべきだ」と強く主張した。
さらに、公務労協側が、「幹部職員の任用の弾力化」及び「定年まで勤務できる環境の整備」の内容を質したところ、淵上参事官は次の通り答えた。
(1) 幹部職員は、国家政策の企画立案という重責を担っており、より適材適所を徹底することにより、有能な人材をポストにつける必要がある。しかし、現状では上に行くか、横に行くかの人事しかできず、適材適所が不十分だ。そこで、弾力化する場合の要件や条件について慎重に検討している。これについては、人事院に意見の申し出を行うことは要請しない。幹部職員は一般の職員と職責が異なるし、民間の役員と類する給与になっており、労働基本権の制約の下でも違いはあり得ると考えている。
(2) 定年延長については、「再任用の原則化」ということで、体力がない場合等を除いて希望者全員を公務職場で受け入れることとしたいと考えている。定年延長については、客観的な状況がどうなっているかなど総合的に判断する必要があり、事務的にはハードルが高いと思っている。この問題については、人事院に勧告を要請するが、政府部内でも具体的検討を加速しないといけないと思っている。
これらに対し、公務労協側は①幹部職員とはいえ、公務員制度の根幹を変更する話である。大臣の意向で降任されることで本当によいのか。公務員人事の中立を基本とするのか、政治任用にするのか、根幹が定まっていないことが危惧される②雇用と年金の接続について、定年延長を先送りし、再任用の義務化で対応するというのでは不十分。段階的に定年延長を行うことを基本として、それに再任用を組み合わせるという方向で進めていただきたい、として、公務員事務局の見解を質したところ、事務局側は①幹部職員については適格性審査などの手続きを入れることにしており、そういう下支えの範囲で相対的に能力ある者を任用しようということで慎重に検討している②定年延長は、段階的に実施しなければならないし、採用抑制も必要なので、職場の受け入れ態勢を整えていく必要もある、との考えを示した。
以上のように、議論がかみ合わなかったことから、公務労協側は「検討の内容、手続きについて、われわれが納得できるよう、十分な交渉をさせていただきたい」と強く要請し、交渉を終えた。
以上
自治労は、12月26日、急速な雇用情勢の悪化を踏まえ、自治体が行う緊急雇用対策に関する財政措置の充実を求め、総務省要請を実施した。
要請書をダウンロード
密田政治政策局次長より、別添の要請書に基づき、特別交付税措置される緊急雇用対策について、幅広い業務に財政措置を認めること、緊急措置に加え中長期的な観点から、雇用や住宅などセーフティネット施策の充実にかかる財政措置を継続すること、などについて要請を行った。
これに対し、神門自治財政局財政課課長補佐は、「この1週間で地域の雇用情勢は一段と悪化している。総務省としては、自治体の緊急雇用対策にかかる事業について、幅広く特別交付税措置の対象としていく考えである。政府としては、第2次補正に、緊急雇用創出事業交付金などの雇用対策に関わる交付金を盛り込んでいるが、具体化するまで、自治体が安心して雇用対策に取り組めるような財政措置にと考えている。具体的には来年1月以降から、3月の特別交付税の交付の直前まで、各自治体の事業内容を調査し、可能な限り、対応していきたい」と回答した。
最後に、自治労側から「今回の緊急避難的な対策にとどまらず、森林保全などの本来必要な財政需要に対して、自治体の財政難で十分対応できなかった分野など、中長期の雇用につながる財政措置を考えていく必要があるのではないか。今後、自治体の工夫で多様な雇用対策が行われると思うが、総務省としても積極的な支援をお願いしたい」とし、引き続きの協議を約束し、要請を終えた。
自治労は、この間、公立病院の財政措置のあり方などについて、総務省に対して要請書を提出し、加えて、自治労協力議員を通じても、地域医療を守る観点から取り組みを進めてきました。
そのような中、2008年12月26日、総務省は「公立病院に関する財政措置の改正要綱」を公表しました。その内容は、過疎地に関する財政措置の充実、産科・小児科・救急医療に関する財政措置の充実を柱としています。
自治労としては、「公立病院の財政措置については、地方交付税の削減方針を見直し、公立病院に係る一般会計からの繰り入れ基準を改善する交付税措置の拡大が無ければ、問題の解決にならない」ことを基本に、取り組みを進めてきました。その面から見ると、今回の内容は一部ではありますが、これまでの地域の実態を踏まえたものとなっています。しかし、厳しい自治体財政や公立病院改革プランの策定という中においては、公立病院の経営は予断を許さない状況と言えます。
自治労としては、引き続き、総務省に対しての要請や来年の診療報酬見直しに向けた取り組みを進めていきます。
地方公務員の育児休業法一部改正と勤務時間法の4月1日施行に伴う総務省通知等について
一般職の職員の給与に関する法律等の一部改正が12月26日公布されました。このため、総務省は、同法と一括改正された地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正の4月1日施行にともなう運用と、勤務時間法等の4月1日施行にともなう人事院規則等の改定予定事項などについて、26日付で添付の通り、事務次官通知と事務連絡を各自治体に発信しました。
なお、添付資料のうち、勤務時間法等の施行にともなう人事院の関係資料は、12月25日にすでに情報提供している資料です。
〜第63回社会保障審議会介護給付費分科会〜
12月26日、厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会は、「2009年度介護報酬改定」を諮問・答申した。
介護人材の不足が危機的な状況にある中で、介護労働者の賃金と就業条件及び社会的地位の向上が急務であるとの認識で、介護保険導入後初めての介護報酬アップとなった。
介護報酬改定率は3%であるが、この財源は介護保険からではなく「介護従事者処遇改善法」に基づく公費で対応するという異例の措置となっている。今後の課題は、3%の改定分が具体的に介護労働者に配分されるようその仕組みづくりや検証作業となる。
自治労は、連合とともに、全国の介護労働者の切実な声と『介護人材確保署名』(64万5千筆)を背景に、介護報酬改定とこれに基づく賃金改善を強く求めてきた。引き続き、介護賃金の向上と検証に向け取り組みを強化していく。
全日本自治団体労働組合(自治労)と全国一般労働組合(全国一般)は2009年1月1日をもって、完全統合を果たしました。
自治労はこの間、「21世紀宣言」に基づき、地域公共サービス労働者の総結集を産別の中心課題として、公務・公共サービス分野の運動を強力に推進してきました。一方、全国一般はその50年近くになる歴史のなかで、中小労働者の組織化、地域の厳しい環境下にある労働者の支援に取り組んできました。自治労と全国一般が互いの経験を補完し合い、労働運動の社会的影響力の強化に向けて、組織の活性化をはかることが統合の目的なのです。
かつてないほどの社会的格差の広がりと、未曾有の金融危機を契機とする経済不況を背景として、地域の雇用は、派遣労働者の解雇問題に象徴されるように悪化の一途をたどっています。地域の中小企業労働者は、社会的には多数派であるにもかかわらず、労働組合への組織化の低さから労働条件の格差も大きくなっています。
ナショナルセンターである連合も、企業別労働組合だけではフォローできない地域の労働者の組織化のために、地域労働運動の再生をめざしています。全国一般と統合した自治労は連合の提起を踏まえ、公共サービス労働者をはじめとする地域の未組織労働者の組織化に積極的に取り組み、公正な労働基準を確立することを通して労働者の労働環境の底上げをはかるべく組織をあげて取り組む必要があります。
12月26日、社会保障審議会介護給付費分科会が答申した「2009年度介護報酬改定」内容については、道本部ホームページでは12月28日にお知らせしたところですが、同日連合事務局長談話が発出されました。
自治労はこの間、連合及び連合選出労働組合代表委員とともに、審議会対策に全力で取り組んできました。介護労働者の就業条件の底上げをはかり、深刻な介護人材不足を解消するには3%改定は十分とはいえませんが、介護報酬プラス改定が政策目的である介護労働者の処遇改善に確実に結びつくよう、引き続き連合や関係団体とともに国会対策等含め取り組みを進めていきます。
2008年10月31日、大阪地方裁判所は、枚方(ひらかた)市「非常勤職員」手当住民訴訟において、枚方市長に対し,元枚方市長個人へ損害賠償を,さらに期末手当・退職手当を受給した非常勤職員へ不当利得返還をそれぞれさせるよう命じる不当な判決を下した。
この裁判は、住民である原告が,枚方市が一般職「非常勤職員」に対し特別報酬として期末手当・退職手当を支給したことについて、第1に地方自治法上,非常勤職員には手当は支給できない。第2に手当支給は給与条例主義に違反するなどとして、枚方市長が元市長個人に損害賠償請求をすべきことを命じるとともに手当を受領した非常勤職員への不当利得返還請求をも命じるべきとして提起した住民訴訟である。
判決は,原告の第1の主張について,手当を受給した「非常勤職員」は地方自治法上の非常勤職員ではなく常勤職員にあたるとして否定した。
すなわち,判決は,当該勤務が当該職員及びその家族の生計を支えるいわゆる生活の糧を得るための主要な手段と評価し得るような職務に従事する職員は,地方自治法上は非常勤ではなく常勤だとし,「人事院規則の規定の趣旨に加えて,常勤職員の週勤務時間数の4分の3を超えるような態様の勤務に従事する職員は,社会通念に照らしても,当該勤務が当該職員及びその家族の生計を支えるいわゆる生活の糧を得るための主要な手段となっているのが通常であると考えられることを併せ考えると,地方公務員についても,1週間当たりの勤務時間数が常勤の職員の1週間当たりの勤務時間の4分の3を超えるような態様の勤務に従事する職員は,地自法204条1項にいう常勤の職員に該当するものと推定されるというべきである。」とした。この点は「非常勤職員」の処遇改善の取り組みにおいて大きな前進と評価できる。
しかし,判決は、原告の第2の主張についてはその主張を認めた。「条例において単に給与の支給根拠のみを定め,具体的な額,支給要件等の基本的事項をすべて普通地方公共団体の長又は規則に委任するようなことは,長の恣意的な給与の支給を許すことにつながりかねず,職員に法定の給与を保障するという観点からも,給与の額及びその支給方法に対する民主的統制を図るという観点からも,給与条例主義の趣旨に反し,許されないものというべきである。」とし,枚方市の条例は,期末手当・退職手当の額の算定の基礎とされた月額報酬に関する規定がその上限額のみを規定し,当該上限額の範囲内での具体的な金額の決定を任命権者にゆだねたものであるなどとし,給与条例主義に反するとしたのである。
そして「非常勤職員」が期末手当も退職手当も勤務の対価であるから枚方市には損害はないと主張したことに対して,判決は「当該非常勤職員の勤務に対する対価は、月額報酬等として支給される普通報酬(本給)によって評価し尽されているというべきであり、退職時等特別報酬も定期特別報酬も、職員の勤務に対する対価であるとみることはできない。」とした。更には枚方市が非常勤職員に対し、支給相当額の不当利得返還請求をすることは権利の濫用あるいは信義則に反するということはできないとして、枚方市長に対し「非常勤職員」への不当利得返還請求をするよう命じた。
この判決を受け、枚方市共闘労組は11月4日に報告集会を開き、本判決の内容を確認した。集会では、北本弁護士が「376人に対する全額返還は前代未聞であり、労働者の権利を否定し,自治体行政の矛盾を全て労働者に皺寄せし、犠牲にする法解釈は問題である」と指摘した。
枚方市長は、判決を不服として11月12日に控訴し、これを受けて市共闘労組は控訴審における補助参加を決めた。自治労本部は、引き続き大阪府本部および枚方市共闘労組と一体となって、控訴審での闘いを支援することとする。
<衆院本会議>雇用対策4法案が否決され、衆議院解散要求決議案で攻防
<参院本会議>参議院の審議権尊重決議案提出、全会一致で可決
第170臨時国会は93日間<衆院本会議>雇用対策4法案が否決され、衆議院解散要求決議案で攻防
<参院本会議>参議院の審議権尊重決議案提出、全会一致で可決
の会期を閉会
2008年12月24日、衆議院本会議が開かれ、本会議に先立ち行われた衆議院厚生労働委員会で否決され、上程された「内定取り消しの規制等のための労働契約法の一部を改正する法律案、派遣労働者等の解雇の防止に関する緊急措置法案、雇用保険法の一部を改正する法律案及び期間の定めのある労働契約の規制等のための労働契約法の一部を改正する法律案(参議院提出)」雇用対策4法案を議題に討論が行われ、民主党・無所属クラブを代表して山田正彦議員が賛成討論を行った。採決の結果、賛成少数で否決され、廃案となった。
続いて、民主党提出の「衆議院解散要求に関する決議案」の趣旨弁明を鳩山由紀夫議員が行い、川内博史議員が賛成の立場から討論に立った。討論終局後、採決が行われ、賛成少数で否決された。採決では、渡辺喜美元行革担当大臣も賛成に回った。
山田議員は、米国の金融危機に端を発した経済危機は我が国の輸出産業に深刻な打撃を与えと指摘して、民主党は、雇用対策に11月の初旬から取り組み、28日には非正規雇用対策プロジェクトチームを立ち上げ、同日には小沢一郎代表も党首討論で麻生総理に雇用対策の必要性を説き、第2次補正予算を早急に国会に提出するように迫った。
政府は、ようやく雇用対策の検討に入り、12月19日に具体的な対策を発表し、民主党提出の法案内容は、既に政令で実現可能として法案の必要性はないと述べているが、法案も出さず、予算も成立させずにできるのかと迫り、政府は省令もなしに家賃補助など貸付を始めたが明らかに法令違反にあたるとして、民主党提出の派遣労働者の解雇防止に関する緊急措置法案は画期的な法律で、解雇されずに雇用が続けられる。仕事と住まいの確保の雇用保険改正法案も年末の今でこそ必要なものであると訴え、法案の賛同を与党に呼びかけて討論を終えた。
鳩山議員は「衆議院解散要求に関する決議案」 政府は、速やかに衆議院を解散すべし。右決議する。以上であると案文を朗読した。
国民は今、総理も100年に一度と認める金融・経済危機の中で、明日をも知れない生活への深刻な不安に苛まれている。国民生活の安心、安定のために一刻も早く適切な雇用、景気対策を迅速に実行に移すこと、これこそがまさに政治の使命であり責任である」と述べ、麻生総理は最初の使命と明言していた解散を先送りし、先送りの口実に使った景気対策、雇用対策までも先送りし、緊急雇用対策4法案を党利党略、面子だけの理由で与党が衆議院において否決したことは、「政権の怠慢、責任放棄といわざるを得ない」として「一刻も早く解散すべきというのが大多数の国民の声だ」と主張し、与野党あげて決議案への賛同を求めた。
▼同午前、参議院本会議は、閉会中審査を行い、休憩を挟んで、午後から衆議院本会議で解散要求に関する決議案が否決された段階で、民主党は「参議院の審議権尊重に関する決議案」を提出し、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して大石正光議員が、趣旨弁明を行い、採決の結果、決議案は投票総数123票、賛成123票の全会一致で可決された。採決では、無所属の田中直紀議員、川田龍平議員、糸数慶子議員も賛成した。
▼第170臨時国会は、事実上閉会となった。政府が今国会に提出した法案は15本、このうち成立したのは10本で成立率66.7%と過去最低となった。連合が重点政策にあげた「労働基準法改正案」「障害者雇用促進法改正案」「児童福祉法改正案」「金融機能強化法改正案」「テロ対策補給支援特措法改正案」などが成立し、他に「保険業法改正案」「銃砲刀剣類所持等取締法改正案」「国籍法改正案」「国家公務員退職手当法改正案」なども成立した。
議員立法では、「国民健康保険法改正案」が成立。継続審議となった法案は、「消費者庁関連法案」「行政不服審査法案」「いわゆる共謀罪法案」など、議員立法では「後期高齢者医療制度廃止法案」「子ども手当法案(参院)」「租税特別措置法改正案(参院)」など、廃案となったのは、「政管健保国庫補助特例法案」「防衛省設置法案」議員立法では、「テロ根絶法案」「雇用対策4法案」など。
規制改革会議(議長:草刈隆郎日本郵船会長)は12月22日、「規制改革推進のための第3次答申〜規制の集中改革プログラム〜」を決定し、公表した。
「答申」は「問題意識」と「具体的施策」で構成され、「『問題意識』は、これまでの議論を集約したものであり、広く国民の意見を聞くため問題提起するもの。『具体的施策』は、政策提言として、政府に誠実に対応を求める事項である」としている。
しかし、その考え方は小泉内閣以降、政府が財界と結託して推し進めてきた「規制緩和」路線そのものであり、投機マネーが飛び交う金融資本主義の虚構が明らかとなり、世界的な金融危機となっている今日においてなおその固執していることに驚きを禁じえない。
「医療、保育、農林水産業、教育等」は硬直的規制の下にある分野と決め付けるとともに、「官自らが事業を行っている分野については、様々な規制や制度の壁が存在し、生産性の向上、提供サービスの質の向上が妨げられている。」と断定する表現からは、まさに「誰のための改革であるかという視点を抜きにしては語れない。」とした方向性は明らかである。
保育の分野では経済財政諮問会議が従来から主張してきた、保育ママ制度の導入、株式会社等の参入、保育所入所基準の見直し等々の抜本的改正を求めている。
保育サービスの利用ニーズに対して提供側不足を解消するために職員配置基準の緩和を求めているが、私たちが求めている「安心・安全・質の高い保育サービスの確保」に程遠く、現場で予想される労働荷重と混乱を労働者に全て転化しようとするものである。
また民間企業等の参入についても、昨年秋に保育所運営を請け負った民間企業が資金不足で突然放棄し、住民に大混乱を与えた例が起きたばかりであるが、こうした実態を無視した答申となっている。
また、別添の連合談話でも指摘しているとおり、社会問題となっている「労働者派遣法」の日雇い派遣については、「労働者をかえって不安定な雇用環境に置く、雇用機会の萎縮を生む」との認識であり、「解雇規制や最低賃金等が労働市場に与える影響を考慮する」とした記載からも、まさに財界・企業経営者の立場のたった姿勢が明確となっている。
いずれにせよ、」今回の答申は、財界と自公政権が推し進めてきた規制緩和路線を今日なお引き続き推し進めようとする決意であるとみなし、自治労は規制緩和の推進や、地方分権の名を借りた公共サービスの劣化を許さず、公務労協・連合に結集して取り組みを強化するものである。
(参照)
① 規制改革推進のための第3次答申-規制の集中改革プログラム-(平成20年12月22日)
ホームページに接続してご覧ください
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html#thirdreport
② 連合談話
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地公部会が「技能労務職給与研究会」最終報告(案)検討に関する要望書を提出
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務員連絡会地公部会は、「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」が3月最終報告のとりまとめ段階に入ることから、1月9日14時30分より、同研究会の佐藤博樹座長宛の『研究会「最終報告」検討に関する要望』(別紙)を事務局である総務省公務員部給与能率推進室へ提出した。総務省からは島田給与能率推進室課長補佐が出席し、地公部会からは藤川事務局長ほか幹事クラスが臨んだ。
はじめに、地公部会の藤川事務局長から要望書を手交し、特に、賃金センサスの使用は、比較データとして適切でないので基本は反対であるが、報告書で触れざる得ない場合は、職務内容、職責の異同を考慮すること、またこれを賃金制度や水準においてどう決定するかは労使交渉の課題とすべきであることを強く求めた。
それに対して、島田課長補佐からは、以下の回答があった。
(1) 次回研究会は1月23日に開催し、報告書(素案)を検討する予定。次々回、3月6日の研究会を最終回と予定している。現在、次回の研究会にむけて事務局素案を作成中である。
(2) 報告書は、地方公共団体の人事当局及び公務労協からのヒアリングを含め、これまでの研究会での議論を踏まえたものとなる。本日の要望は、何らかの形で研究会委員にもその趣旨を伝えることとしたい。
これらに対して、各幹事より次のことを重ねて要望した。
(1) 交渉方式を見直すようなメッセージを送るとするならば、労使現場は必ず混乱する。市労連方式での交渉などは、労使の長年の歴史的経緯があるもので、外部から良い悪いとの指摘することは非常に問題である。「中間とりまとめ」公表以降に開催の研究会の議論では、交渉方式は労使自治の世界であることが確認されている。市労連方式での交渉でも、給与水準は、現業組合と職員組合は別々で決めているというのが実態である。
(2) 研究会は、民間委託を進めるべき立場ではないということを、明記していただきたい。
(3) 現業の職務は、民間の職務と異なるので、民間給与との単純な比較は困難である。
(4) 現業賃金への批判は、「単純な労務」をしているのに高過ぎるのではないか、とのことであった。研究会座長も、法律上の文言と今の技能労務職員の業務の内容との違いは書いた方が良いと指摘している。したがって、自治体の現業労働者の仕事は単純労務とは違うということを是非、明記すべき。
(5) 学校では、調理員、用務員それぞれがより良い仕事をしようとの姿勢で、現場の問題に対処し、校長の判断などにより働いている。こうした職員のモチベーションに影響しないような記述にしていただきたい。
(6) 任用替えは、職種転換なのか一般行政職への転換なのか各自治体でイメージが異なっている。センセーショナルな問題となるので、これに触れることには慎重にお願いしたい。
(7) 情報公開について、「中間取りまとめ」では、交渉過程についても公開すべきと述べている。労使の自由な発言を規制することにつながらないようお願いしたい。
最後に、藤川事務局長から「現業労働者の賃金は、あくまで労使交渉で決定するのが基本であり、交渉方式は、労使自治の世界である」ことを重ねて訴えるとともに、「本日の要望の趣旨が最終報告に反映されるよう、事務局としての努力をお願いしたい」と述べ、申入れを終了した。
【別紙】
2009年1月9日
技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会
座 長 佐 藤 博 樹 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
研究会「最終報告」検討に関する要望
貴職におかれましては、技能労務職員の給与に係る基本的な考え方の取りまとめにあたって、この間、私どもからのヒアリングの場を設けていただくなど真摯な検討を続けておられることに心から敬意を表します。
私どもは、本研究会を設けることに対しては、労使交渉、労働協約による賃金決定への国の関与が強まるという懸念があることを表明してきました。このたび、最終報告(案)の検討が始まるにあたって、同報告が、各現場に対して大きな影響を与えることから、少なくとも以下の事項を踏まえた検討を行われるよう強く要望します。
記
現状と課題
○ 地方公営企業法(第38条第4項)も地方公営企業等の労働関係に関する法律(第7条ほか)も、労働協約締結権をもつ公営企業・特定地方独立行政法人労働者や現業労働者(地公企労法附則第5項)の賃金は、いくつかの原則(地方公営企業法第38条第2、3項)を踏まえつつ労使交渉を基本に決定することを想定している。本研究会も労使交渉の手続きをテーマにしているが、あくまで労使交渉を基本に決定することを明確にすべき。
○ 現業労働者の賃金交渉を、一般行政職等の賃金交渉と一体的に行っていることが問題であるかのような記述は、削除すべき。
論点1:給料表作成に当たっての考え方
級の構成にあたっては、民間において主流である能力等級制の考えも紹介して、あたかも4級制を推奨するかのような記述は、削除すべき。
論点2:民間給与水準の調査・比較方法
○ 各自治体(任命権者)労使が現業労働者の賃金を民間労働者の賃金と比較するにあたっては、次の点に留意すべきことを、明確にすべき。
・ 職務内容の異同に十分配慮して比較することとすべき。既存の統計資料は職種の呼称は類似していても、その定義に立ち入ると職務内容には公務と大きな差異がある場合がある。この差異をじゅうぶん吟味することが必要であるが、この差異を賃金決定にあたってどのように扱うかは、労使交渉の課題である。
・ 賃金センサスの年ごとの都道府県別・職種別(または中産業分類別)データは変動が大きく、これをもとにした賃金決定は困難である。
○ 「単純労務」と呼ばれた現業労働者の職務は高度化している、との委員の指摘を報告書に表現すべき。また、自治労現業評価委員会による『中間報告』(2008年12月)も参考にしていただきたい。
-自治労現業評価委員会『中間報告』抜粋-
○ 職務内容が公務として民間とは異なる点についての評価
・現場を持つ現業
現業の重要な特徴は、現場を持っていることであり、現場を熟知した人たちの集団であること。また、日常的に地域社会や人々の生活の場に入って仕事をしている現業職員の情報や感覚は、住民の立場に立った政策を展開しようとする自治体にとっては、何にも代え難い政策情報である(「中間報告」P8(2))。
・専任による継続的業務遂行
現業の職場は、本来は正規職員による継続的な業務遂行を特徴としている。この継続性がきわめて重要な意味を持つことを再認識する必要がある。また、専任の職員が業務を担っていることは、災害時などの非日常的な状況においても大きなメリットとなる(「中間報告」P9(3))。
・現業現場が持っている総合性
人々の暮らしは、行政のいわゆる「縦割り」とは全く無関係に展開している。一見すると限定的な業務を行っているように思える現業の仕事は、行政の部局編成を超えた対応や調整を求められるといえる(「中間報告」P10(4))。
○ 「単純技能労務職」という呼び方が想定する仕事の中身と実態との乖離についての評価
・単にマニュアルに沿って作業をしているのではなく、地域の公的な問題に責任を持つ自治体の最前線で、総合的な観点から問題に対処することを考えなければならないのが現業の職場である。多数の部局に跨る問題を総合的に捉え対応することができるのが現業である(「中間報告」P10(4))。
・現業活性化の可能性
現業職員は定められた業務を行うだけの人ではなく、地域の公的な諸問題の解決に大きな責任を持っている自治体の職員である。また、自分の業務(権限)範囲からだけ捉えるのではなく、自治体として何をするべきかという視点で捉えることが必要である(「中間報告」P10(5)〜P11 )。
・現業職場の位置づけを再評価
地方分権改革は、住民に身近な自治体が、住民に見近なサービスを供給することを基本として、そのための政策を自治体現場の実情に見合った形で立案し、実施していこうとするものである。したがって、究極的には、自治体の中でも、現場にもっとも近いところにあり、現場をもっともよく知る現業職員の位置づけや役割について、より重要視され、議論されることが求められるはずである。
しかし、現実には、現業職員の仕事は「単純労務」と位置づけられ、現場で政策を立案することは想定されていない。そして、そのような法的位置づけが形式的に理解され、「単純」で「誰でもできる仕事」なのだから、民間委託し、もっと低い賃金で行うことができるはずだという議論になるのである。しかし、本中間報告でも明らかにされているように、評価委員会が行ったヒアリング調査や意識調査では、現場職場の創意工夫によって、住民の安心や安全、そして快適な生活を保障していくことができると考えることができる。それは、今後の質の高い公共サービス供給の基本的な考え方につながるものである(「中間報告」P33(1))。
論点3:交渉手続
職員団体の交渉と一体となって行っていたり同時並行的に行っていることが、給与水準に決定的な影響を及ぼしているとは認められないこと、労使自治の範囲内であることを、明確にすべき。
論点4:説明責任
既に各自治体は給与の公表を行っており、その内容で十分である。
その他
任用替えによる職種転換をすすめるような記述はすべきではない。
教科用図書検定調査審議会の報告に対する「パブリックコメント」への取り組みについて(緊急)
「教科用図書検定調査審議会」は、12月25日、教科書検定の透明化や教科書充実を求める報告書を、塩谷文部科学大臣に提出しました。教科書検定制度の改善については、沖縄戦の「集団死」への日本軍関与を否定した07年3月の教科書検定意見の不透明な審議過程に対する全国的な批判の中で、文科省が透明化に向けて検討することを示唆していたものです。
しかしながら、今回の報告は、①審議過程の公開は事後とする、②審議会の意見の公表は概略とするなど、国民に開かれた議論とは余りにもかけ離れたものです。文科省は、この報告の内容に関して、1月24日まで意見公募手続き(パブリックコメント)を募集しています。平和フォーラムおよび自治労としては、このような不十分な改善で今回の教科書検定制度の問題を終わらせるべきではないと考え、今後も取り組みを進めるとともに、緊急ではありますが、積極的な意見反映を行うべくパブリックコメントへの取り組みを要請します。
【文科省パブリックコメントURL】
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000359&OBJCD=100185&GROUP=
道本部でも、1月13日、道フォーラムの要請により、すでにFAXで下記文書を送信しています。
道本部09年1月13日付け文書をダウンロード
連合は1月13日、第二次補正予算及び関連法案が衆議院可決されたことを受け、談話を発出しましたので、別添のとおり、送付いたします。
自治労としても1月14日に自治労協力国会議員団会議を実施し、自治体に混乱をきたす恐れのある定額給付金を撤回させるとともに、継続的な雇用対策の具体化と財政措置等の拡充を求め、国会対策を進めることを確認し、引き続き対策を強めていくこととしています。
2月2日に、自治労組織内議員の高嶋良充参議院議員が参議院本会議で代表質問を行いました。
質問内容と総理大臣答弁を添付しましたご活用ください。
-公務労協対策本部は「極めて遺憾であり、撤回を求める」との見解を公表-
政府の国家公務員制度改革推進本部は、3日朝、第3回会議を開催し、人事院谷総裁の反対意見を押し切って「公務員制度改革に係る「工程表」について」を本部決定した。
この間、公務労協は政府の「誠心誠意話し合う」との約束に基づき、交渉・協議を重ねてきたが、われわれの意見を一切受け入れず、一方的に決定したものであり、極めて遺憾である。公務労協は、工程表の決定に対し、【別紙】の対策本部見解を公表するとともに、対策本部会議の確認に基づき、今後、取組みを強化することにしている。
【別紙】
公務員制度改革に係る「工程表」の決定についての見解
1.政府は、2月3日朝、第3回国家公務員制度改革推進本部(以下、「推進本部」という。)会議を開催し、連合、公務労協や人事院の反対を押し切って、「公務員制度改革に係る「工程表」について」(以下、「工程表」という。)を本部決定した。
その内容は、幹部職員の任用弾力化を行うとともに、内閣人事・行政管理局(仮称。以下、「人事・行政管理局」という。)を設置し、級別定数管理や任用、研修、試験の企画立案などの人事院の権限を大幅に移管するというものである。そのため、国家公務員法等の改正法案を今次通常国会に提出することを明記する一方、労働協約締結権の付与については明確な方向性を示していない。
2.工程表は、国家公務員制度改革基本法(以下、「基本法」という。)及び推進本部顧問会議の報告を踏まえたものとされているが、報告が顧問である連合高木会長の意見書を無視し一方的に確認されたものであることに加え、総人件費管理に言及するなど明らかに基本法の求める措置を逸脱している。また、工程表の検討にあたり、政府は勤務条件に関わる事項については「公務労協と誠心誠意話し合う」と約束したにもかかわらず、連合古賀事務局長、公務労協対策本部正副本部長による甘利公務員制度改革担当大臣に対する「最低限要求」に一切応えなかったものであり、極めて遺憾であり、撤回を求める。
3.工程表に基づいて人事・行政管理局の設置などの制度改正作業が進められることとなれば、公務員人事行政の中立公正性を損ねるとともに、労働基本権を制約したままで使用者権限を一方的に強化することは憲法問題になるものである。
さらに、使用者である推進本部が勤務条件等についての企画立案を行い、当事者であるわれわれの意見を反映せず、人事院に勧告要請を行うこととなれば、労働基本権制約の代償機能は形骸化することになる。
したがって、われわれは工程表に基づく人事・行政管理局設置法案提出には反対であり、法案提出が行われた場合には、連合、民主党とも連携し、廃案に向け、全力で取り組むものである。
また、推進本部による今後の作業に対しては、改めて交渉・協議、合意に基づく対応を求めるとともに、人事院には推進本部の勧告要請に対して第三者機関として毅然と対応することを強く要請するものである。
労働協約締結権の付与など「自律的労使関係制度」の確立は、労使関係制度検討委員会の場で本年中に結論を得ることとされており、連合と連携しながら、労働者側委員と一体となって取組みを強化していくこととする。
4.経済が低迷し、格差の拡大・固定化が進みつつある社会経済情勢のもと、行政に求められる役割は高まっており、いま、その基盤となる公務員制度を抜本的に改革していくことは喫緊の課題である。にもかかわらず、工程表に示された公務員制度改革がこうした課題に応える改革となっていないことは遺憾である。
公務労協は連合とともに、行政や公務員に対する信頼を回復し、国民の期待に応えられるよう、改革に全力で取り組む。ILO勧告を満たした労働基本権の確立と民主的公務員制度改革実現に向けて引き続き奮闘するものである。
2009年2月3日
公務公共サービス労働組合協議会
労働基本権確立・公務員制度改革対策本部
以上
政策ニュースレター第40号「平成22年度診療報酬改定について(案)」に対する考え方の一致は見い出せず
中央社会保険医療協議会(中医協)の第155回総会と第153回診療報酬基本問題小委員会(小委)が、12月4日、都内で開催された。総会では、「平成22年度診療報酬改定について(案)」が提示されたが、「両論併記」に対する考え方の一致は見い出せず、引き続き審議していくこととなった。また、小委では、後期高齢者に係る診療報酬について等の議論が行われた。連合からは中島圭子・総合政策局長が委員として両会議に参加した。
会議の内容については下記をご覧ください。
以上
鹿児島県阿久根市長が、張り紙をはがしたとして阿久根市職員Aさんに対し懲戒免職処分を行ったことを不当として、Aさんが処分の取消しを求め8月26日鹿児島地裁に提訴しました(以下「本訴」)。
さらに、同日「懲戒免職処分が社会通念上著しく妥当性を欠き裁量権を逸脱乱用したもので違法」、また「重大な損失を避けるたまに緊急の必要がある」と主張し、懲戒免職処分の効力を停止するよう求めていましたが、このことに対して2009年10月21日、鹿児島地裁がAさんの主張を認め判決が確定するまで効力を停止すると決定しました。
竹原阿久根市長はこれを不服として即時抗告していましたが、2009年12月4日福岡高裁宮崎支部が「理由がない」として棄却決定しました。
本訴については12月25日第2回裁判が鹿児島地裁で予定されています。
詳細は下記をご覧下さい。
判決内容をダウンロード
判決文
即時抗告棄却決定をダウンロード
11月30日に東京などの大都市圏において、ハローワークで職業相談だけでなく、住居・生活支援の相談・手続を行う「ワンストップ・サービス・デイ」が試行されました。
これについての自治労の考え方です。
【自治労の考え方】
貧困困窮者支援実施状況と自治労の考え方をダウンロード
ワンストップサービスデイ実施を踏まえた報告をダウンロード
【参考】
困・困窮者支援チーム第3回議事次第掲載HP
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/suisin/Hdai3/3gijisidai.html
政策ニュースレター第44号
社会保障審議会少子化対策特別部会・保育第1専門委員会(第7回)報告
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1204-9.html
詳細は下記をご覧下さい。
政策ニューースレターをダウンロード
政策ニュースレター第45号
社会保障審議会・少子化対策特別部会(第30回)報告
厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1209-11.html
詳細は下記をご覧下さい。
政策ニュースレターをダウンロード
公務労協の書記長クラス交渉委員は、12月14日10時から、財務省の大串政務官と会い、別紙「2010年度予算編成等に関する要請について」を提出し、要請事項の実現を求めた。
要請の経過、要請書については、下記をご覧下さい。
12月9日、国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(座長:今野浩一郎・学習院大学教授)の第16回会議が、内閣府本府庁舎で開催された。
委員会には、労働側委員として山本連合副事務局長、森永国公連合書記長、金田自治労前書記長が参加した。
委員会では、報告書の取りまとめに向けた議論が行われ、「資料1 選択肢の組合せのモデルケース(修正案)」「資料2 自律的労使関係制度の措置に向けて(素案)」について今野座長および事務局より報告を受けた。
経過については下記を参照してください。
*この間の議事録と文中にある資料1と2などについては、下記のHPをご参照ください。http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/kentou/kaisai.html
※この交渉情報は、単組ホームページ等外部向けの宣伝媒体には使用せず、内部意思統一やオルグ用に止めてください。
12月11日、農林水産省・佐々木政務官に、農業共済と土地改良事業の事業仕分けと予算確保に関する要請を行なった。自治労からは、岡本書記長、石上総合政治政策局長、森総合公共民間局長、本間組織拡大オルグ、山梨県農業共済連労組。宮崎委員長が参加した。
要請では、岡本書記長から「事業仕分けでは国庫負担金の減額などが指摘されている。一部では、直接に解雇あるいは賃金カットにつながるため、慎重にご検討願いたい」と要請した。
詳細は下記をご覧下さい。
要請内容をダウンロード
厚生労働省は、12月18日に地域医療再生臨時特例交付金の内示を明らかにしました。その内容は、各県2カ所の二次医療圏を対象に、25億円づつ交付することとなっています。
一部地域においては、公立病院の再編を前提としているものも含まれていることから、関係県本部においては、都道府県や関係自治体の動向を注視するようお願いいたします。
なお、個別の地域医療再生計画の概要は、厚生労働省のホームページの参照をお願いいたします。
ホームページアドレス→http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000398g.html
公務労協は、12月22日15時から、総務省内で地方主権改革担当の逢坂首相補佐官と会い、別紙の「「地域主権」改革に対する要請について」の申入れを行った。
この申入れは、新政権の下で地域主権戦略会議が設置され、今後、地域主権に資する施策が検討されることになることから、国・地方の役割分担の明確化、国の出先機関見直しに関わる人材移管の仕組みの整備などを求めて実施した。
公務労協側は吉澤事務局長のほか、自治労、国公連合、国公総連、国交職組、林野職組の関係構成組織の書記長等が参加し、政府側は逢坂補佐官、地域主権戦略室の高野・吉田両参事官が対応した。
詳細は下記をご覧ください。
要請概要をダウンロード
12月21日、総務省は、各自治体に対して、国の非常勤職員の健康診断の対象者の拡大に関わる人事院規則の改正の内容について別添の通知を発出しました。
人事院規則の内容等は、単組・組合員専用ページ11月30日【本部情報】非常勤職員の健康診断に関する人事院規則の改正についてをご覧下さい。
総務省通知を活用し、自治体の臨時・非常勤等職員の健康診断の実施が適用されるよう取り組みをお願いします。
平和フォーラムが鹿児島県阿久根市・竹原信一市長のブログにおける差別記述問題について、添付のとおり抗議声明を発出いたしましたので、お知らせします。
日豪両政府のイニシャティブによる「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の報告書が12月15日発表されました。
この報告書は日本の核をめぐる外交への提言書となっています。その中では、「消極的安全保証」を評価するなど歓迎すべき点もありますが、一方で、「行動計画に緊急性の意識と危機感が欠けている」、「東北アジア非核地帯化構想には何一つ触れられていない」などさまざまな問題点も含まれています。
ICNND報告に対する原水禁事務局長見解が別紙の通り発表になりましたので、お知らせします。
「削減ありき」ではなく、国民ニーズと政府責任の観点から見直すこと等を求める
公務労協は、24日13時から、国会内で行政刷新担当の泉内閣府政務官と会い、別紙の「独立行政法人及び政府関連公益法人の見直しに関する要請について」の申入れを行った。この申入れは、独立行政法人及び公益法人見直しの閣議決定が迫ってきたことから行ったもので、公務労協側は吉澤事務局長のほか、構成組織の書記長等が参加した。
冒頭、吉澤事務局長が「公務労協と政府との関係は労使関係でもあるので緊張感と信頼感を持って対応していきたい」と述べた上で、要請の趣旨を説明し、政務官の見解を求めたのに対し、泉政務官は次の通り答えた。
詳細は別紙をご覧下さい。
別紙をダウンロード
12月25日に閣議決定された2010年度政府予算案のポイントおよび地方財政対策関係資料を以下に添付します。
景気の急激な悪化を背景とする国税・地方税の大幅の減収のなかで、地方交付税は今年度を1.1兆円上回る16兆9千億円となっています。
2010年度の国家予算案および地方財政計画の解説等は、2009年2月9日〜10日に開催する「地方財政セミナー」でお知らせします。
なお、政府予算案、地方財政対策についての自治労見解は、1月上旬に掲載します。
「平成21年労働組合基礎調査」が厚生労働省から12月10日に発表されました。概要をお知らせします。
連合・事務局長談話が別紙の通り出されていることも、あわせてお知らせいたします。
【添付ファイル】
厚労省基礎調査附表「主要団体別労働組合員数の状況」をダウンロード
2009年1月4日に開催された総務省・政務三役会議において、原口大臣から昨年12月28日に総務省から公表された「わたり」の状況について再調査の指示が出されました。今回から三役会議が公開となったことから、マスコミにも取り上げられている状況です。
これを受け、自治労本部は1月5日、総務省給与能率推進室に対し再調査について確認を行ったところ、再調査は未定としながらも、年度内の早い時期での実施が避けられないものと思われます。
自治労は、近日中に総務大臣政務官に申し入れを実施し、今回の経緯および再調査の考え方について確認を行います。引き続き、労使交渉に基づく自治体の自主的な賃金決定という原則の堅持と総務省による地方への強圧的助言がなされることの無いよう、公務員連絡会地公部会と連携した取り組みを継続します。
12月23日、新政権は2010年度診療報酬改定について、ネットでプラス0.19%とすることを決定した。具体的には、診療報酬本体は、プラス1.55%(医科1.74%(入院3.03%、外来0.31%)、歯科2.09%、調剤0.52%)、薬価材料改定はマイナス1.36%となっている(添付資料参照)。改定率の影響額は、医療費ベース700億円、国費ベースで160億円と見込まれている。
これまで自治労は、2010年度診療報酬改定に向け、衛生医療評議会診療報酬PTを結成し、検討を重ね、連合とも連携しながら対策を進めてきた。自治労としては、①経常収支のマイナス部分の補填としての0.59%、②過去2度にわたるマイナス改定の回復と診療格差の是正としての1.87%を基本とし、医科本体で最低2.46%以上の改定率を求めてきた。これからすると、今回の改定は、政権交代の結果により10年ぶりの増額とはなっているものの、民主党や社民党のマニフェスト実現に向けては不十分な改定率に止まった。
今後、自治労は、①入院基本料算定用件に係る72時間要件緩和の阻止、②入院基本料全体の増額などを重点に、連合と連携し、医療従事者確保と処遇改善につながる改定をめざしていくこととする。
連合が「改正育児・介護休業法に関するQ&A」を作成しましたのでお知らせいたします。
2009年12月28日(月)、第143回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会、及び第65回労働政策審議会職業安定分科会が開催され、労働者派遣制度の改正が答申された。
第143回労働力需給制度部会では、前回労使が主張した意見をそれぞれ記載した報告(案)が提示され、部会として了承した。
引き続いて行われた第65回職業安定分科会は、部会報告を受け、労働者派遣制度の改正として了承した。
これについて、連合は別紙のとおり見解を出している。
今後、厚生労働省としては、法案要綱の諮問・答申を経て、できるだけ早期に国会への法案提出をめざしたいとしている。
この「部会報告」に基づき、今後、通常国会には労働者派遣法の改正法案が提出されることになる。
自治労は、引き続き連合に結集し、労働者保護のさらなる強化と雇用の安定化に取り組んでいく。
連合談話は下記をクリックして下さい。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2009/20091228_1261980663.html
最近の「パワー・ハラスメント」問題の増加を受けて、人事院は添付の通知を発出しましたのでお知らせします。
12月25日に閣議決定された2010年度政府予算案および地方財政対策についての自治労見解です。
自治労見解をダウンロード
1月19日、原口総務大臣は会見のなかで、「わたり」再調査の実施を発表し、総務省大臣政務官名で各都道府県知事、政令指定都市市長あてに調査依頼の文書を発出しました。
調査依頼文書は、下記総務省ホームページからご覧ください
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02gyosei12_000008.html
自治労・公務員連絡会は、この「わたり」再調査に対し、地方公務員給与に対する国の不当な関与とし抗議してきましたが、再調査に踏み切った点は極めて問題です。あらためて、労使交渉に基づく自治体の自主的な賃金決定という原則の堅持、総務省による地方への強圧的助言がなされることの無いよう、引き続き対策を進めます。
道本部としては、全道庁労連、札幌市職連と連携し、さまざまな対策を進めます。
-労働三権付与と実施時期を明確化することなどを要求-
公務労協は、1月20日、公務員事務局交渉を実施し、今次国会に提出すべく作業中の国公法等改正法案の内容を質すとともに、別紙の「今後の公務員制度改革に関する申入れ」を提出し、その実現を迫った。
交渉は、15時から行われ、公務労協側から岩岬・藤川・花村の副事務局長と構成組織担当者が参加し、公務員事務局側は笹島審議官、境・駒崎両参事官らが対応した。この交渉は、公務員に労働基本権を付与することをマニフェストに掲げた民主党を中心とする新政権が発足し、公務員事務局幹部人事が行われたことや、今次通常国会に内閣人事局を設置するための国公法等改正法案が提出される情勢となったことなどを踏まえて行ったもの。
冒頭、岩岬副事務局長が「国公法等改正法案をこの通常国会に提出すると聞いており、公務労協と十分交渉・協議を行い、納得の上で作業を進めていただきたい。今日はその法案の検討状況を教えてほしい」と説明を求めたのに対し、笹島審議官は次のとおり答えた。
詳細は下記をご覧下さい。
公務員制度改革の進め方で公務員事務局へ申入れをダウンロード
連合政策ニュースレター第61号、62号により標記内容の報告。
政策ニュースレター第61号-これまでの議論の整理が提案される
中医協第159回総会の開催報告
詳細は下記をご覧下さい。
政策ニュースレター第61号をダウンロード
政策ニュースレター第62号-現時点での骨子(案)が示される
骨子案のダウンロード
中医協第160回総会の開催報告
政策ニュースレター第62号をダウンロード
現在、中医協においては、診療報酬改定率決定後、具体的な診療報酬改定に向けた議論が進められています。自治労としては、これまで、基本的な考え方について、提言を行ってきています。
その中で議論整理案が示されたことから、【重点課題1】救急、産科、小児、外科等の医療の再建、【重点課題2】病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)に対して考え方を整理し、連合と連携しつつ国会対策などを行っています。
つきましては、「基本的な考え方」を送付いたしますので、関係単組に周知をお願いいたします。
1月25日、総務省は「職員団体・労働組合に係る職務専念義務の免除等に関する調査結果」を公表しました。
本部は、引き続きこの課題に関する対策、対応をはかります。
2010年1月25日、総務省において、「全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議」が開催されました。当会議で配付された資料のうち、総務省自治財政局財政課による「平成22年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について(事務連絡)」添付します。
本資料は、昨年度まで、「財政課長内かん」として発出されていましたが、政権交代により、事務連絡となっています。
1月22日、総務省に設置された「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」の第1回目が開催された。
これは、昨年10月の原口大臣と自治労委員長との定期協議において、大臣より「消防職員の団結権については、公務員の労働基本権の回復を政権として推進する立場。
ILOからの勧告を受け続けている状況をいつまで放置するのかということで、検討の指示をした」との発言があったこと等から、発足したものである。
座長は小川淳也総務大臣政務官。労働側からは、連合の木村総合企画局長、全消協の迫会長、自治労本部の岡本書記長が委員となった。
詳しい内容は下記を参照してください。
*議事録・資料などについては、後日、総務省HPに掲載されます。なお、議事概要は概ね1週間以内に公表される見込みです。
公務労協は、1月26日15時30分から、都内で第11回代表者会議を開き、2010春季生活闘争方針を決定した。
両立支援策が十分に活用されるようリーフレット作成など周知徹底を要請
※この交渉情報は、組合員外が閲覧可能な教宣、ホームページなどで公開せず、単組・総支部内に止めてください。
公務員連絡会は、1月27日11時から、育児・介護のための両立支援策の改善について、人事院交渉を実施した。
両立支援策については、昨年、人事院が民間の育児・介護休業法改正を踏まえた意見の申出を行い、公務員の育児休業法等が改正され、人事院規則で措置すべき事項の具体化が残されていたが、年末に人事院から改正事項案が示された。
これに対し、公務員連絡会は賃金・労働条件専門委員会として別紙の「育児・介護のための両立支援策に関する改正事項について(案)」に対する意見」を提出し、このほど人事院から回答を求めたもの。
交渉には、公務員連絡会側は賃金・労働条件専門委員会交渉委員が臨み、人事院側は上山職員団体審議官付参事官、職員福祉課補佐らが対応した。
交渉の内容については下記をダウンロードしてください。
人事院は2月1日、給与法改正にともない、①月60時間を超える超過勤務に係る超過勤務手当の支給割合の引き上げ、②超勤代休制度の新設、③2010年6月期以降の勤勉手当の支給割合にかかる人事院規則の改正を交付しました。今回の人事院規則改正の施行日は2010年4月1日です。
月60時間を超える超過勤務手当の引き上げにともなう超過勤務手当の支給割合の一覧は「説明資料1」3ページをご覧ください。また、超過勤務60時間の算定、手当の引き上げ対象から除かれる日は、日曜日(官執勤務職員の場合)となります(「説明資料1」4ページ参照。人事院規則9-97第3条)。
超勤代休時間の指定は4時間又は7時間45分単位(年次有給休暇と合わせ4時間又は7時間45分とすることも可能)としています(「説明資料1」27ページ参照。人事院規則15-14第16条の3の3)。また、各省各庁の長は、職員があらかじめ超勤代休時間の指定を希望しない旨を申し出た場合には、超勤代休時間を指定しないものとしています(「説明資料1」の29ページ参照。人事院規則15-14第16条の3の5)。
今回の人事院規則の改正にかかる全体概要は資料1、超過勤務手当引き上げ、超勤代休時間に関する解説は「説明資料1」及び「説明資料2」をご覧ください。
関係人事院規則及び通達の内容は以下をダウンロードしてください。
資料1改正概要をダウンロード
新たに公布された人事院規則の概要についての通達は人事院ホームページをご覧下さい。
(下記をクリックすると見れます)
http://www.jinji.go.jp/kisoku/kaisei/kaisei_kisoku/kaisei_kisokutop.htm
-法案の問題点を指摘し、基本権等を含む全体像提示を要求-
※この交渉情報は、単組ホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務労協は、2月1日11時から、公務員制度改革に関わり1月20日に引き続き公務員事務局交渉を実施した。この交渉は、1月29日の閣僚懇談会における鳩山首相の指示に基づき、内閣人事局の設置等により、幹部人事を一元化するなど政治主導に改めるための法改正作業が進められようとしていることを踏まえ、その内容説明と前回交渉で提出した申入れに対する回答を求め、行ったもの。交渉には、公務労協側から岩岬・藤川・花村各副事務局長と構成組織担当者が出席し、公務員事務局側は笹島審議官、境・駒崎両参事官らが対応した。
詳細は下記をご覧ください。
法案説明と申入れへの回答をダウンロード
連合政策ニュースレター第69号-中医協総会DPCにおける新たな機能評価係数について方向性を確認
中央社会保険医療協議会(中医協)の第63回薬価専門部会、第44回医材専門部会、第164回総会が1月29日、厚生労働省内会議室で開かれ、連合からは中島圭子総合政策局長が参加した。
総会では、平成22年度診療報酬改定における個別改定項目の審議を行った。
審議の内容については下記をご覧ください。
中医協の開催報告-月平均夜勤時間72時間以内の要件について審議
附則で"自律的労使関係の措置と権限ある使用者機関の整備"を明記
※この交渉情報は、単組ホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務労協は、2月10日13時30分から、今国会提出予定の国公法等改正法案に係る3回目の公務員事務局交渉を実施し、法案の検討状況を質すとともに、法案の決定に合わせ、新政権として労働基本権付与及び定年延長方針を明確化するよう迫った。
交渉には、公務労協側から岩岬・藤川・花村各副事務局長と構成組織担当者が出席し、公務員事務局側は笹島審議官、境・駒崎両参事官らが対応した。
冒頭、岩岬副事務局長が「法案の閣議決定の日程も迫っていることから、今日は条文を含めて法案の検討状況を示してもらいたい」と求めたのに対し、笹島審議官は、次の通り説明した。
詳細は下記をご覧下さい。
国公法等改正法案をめぐって3回目の交渉実施をダウンロード
法案等は下記に掲載されています。
http://www5.cao.go.jp/seisakukaigi/shiryou/0014-100209/top.html
本日(2月12日)、10時より、第169回中医協総会が開催され、「平成21年度診療報酬改定」が答申されましたのでお知らせします。
なお、答申内容の分析及び自治労としての考え方については、後日、情報提供します。
中医協のデーターは大量にありますので、主要改定項目と答申書のみ送付します。
連合が、「2010年度診療報酬改定に関する中医協答申についての談話」を公表しました。
下記をご覧下さい。
診療報酬連合談話をダウンロード
2010春闘情報No.2)
3/23を回答指定日に交渉・行動を積み上げ、誠意ある回答めざす
公務員連絡会は2月18日、委員長クラス交渉委員が原口総務大臣、江利川人事院総裁にそれぞれ会い、春季要求書を提出し2010春季生活闘争の火蓋を切った。
要求書では、公務員労働者の賃金の維持・改善、非常勤職員等の雇用と処遇の改善、65歳までの定年延長の実現、労働基本権の確立などを強く求めている。
今後、3月3日の幹事クラス交渉、3.12中央行動時の書記長クラス交渉などを節々で配置し、3月23日の回答指定日に向け、政府、人事院を追い上げることとしている。
交渉の経過はそれぞれ下記をご覧下さい。
公務員連絡会が総務大臣、人事院総裁に2010春季要求書を提出をダウンロード
副大臣は「自律的労使関係について、できるだけ早い時期に法案を提出する」と回答
※この交渉情報は、単組ホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務労協は、2月19日9時から、公務員制度改革担当の大島副大臣交渉を実施し、閣議決定した法案の内容説明を求めるとともに、労働基本権確立に向けた明確な見解を示すよう要求した。
交渉には吉澤事務局長をはじめ構成組織書記長が参加し、政府側は大島副大臣のほか、藤巻公務員制度改革事務局次長、笹島審議官らが対応した。
詳細は下記をご覧下さい。
国家公務員法等一部法案の閣議決定で大島副大臣と交渉をダウンロード
公務労協が「2010年公共サービスキャンペーン開始中央集会」開く(2/22)
公務労協は、2月22日、東京・品川のザ・グランド・ホールにおいて、「2010年良い社会をつくる公共サービスキャンペーン開始中央集会」を開催した。
この集会は、昨年公共サービス基本法が制定されたことや民主党を中心とする政権が発足したことを踏まえ、次の段階の取組みとして基本法の活用と公共サービス基本条例制定運動の開始に向けて、決意を固めるために実施したもの。
集会には全国から400人が参加、冒頭、主催者を代表してあいさつに立った中村公務労協議長(日教組委員長)は、「「基本法」成立は、公共サービスキャンペーンの第1段階の到達点だ。今、基本法の理念などについて、地方における条例化へ向けて、そして具体的に事務・事業を通じて公共サービスを再構築する活動の第2段階としてのスタート地点にある。取組みは「さあ、これから」だ。では、「さあ、これから」何をすればいいのか。そのための情勢認識と意思確認をし合う場が、本日の中央集会である。元気をつけて第2段階の運動をスタートさせよう」と述べ、第2段階の運動への決起を訴えた。
集会の中で、山口二郎北海道大学大学院教授と、マーチン・マクアイバー英国公務員組合政策担当役員による講演が行われた。
詳細は別紙をご覧ください。
2月24日公平委員会「処分取消」の判定
2009年4月1日の異動辞令で、竹原市長が理由を示さないまま課長級から課長補佐級など「降任」の不当人事を発令し、これを不服とした阿久根市職労組合員3人が、処分の取消しを求めて、市公平委員会に不服申し立てをした事案について、2010年2月23日、阿久根市公平委員会は、「人事異動は法令、条例に違反した降任である」と判断し、「処分を取消す」との判定をしました。判定理由については、3人の人事異動の際、市長が「組織のスリム化を図る過程での適材適所の人事」として、地方公務員法で定められた降格理由の説明文書を交付しなかったことが手続き的に不適切な上、3人が降格される理由もないと判断しています。
詳細は下記をご覧下さい。
鹿児島県阿久根市「降任処分取消」申立事案をダウンロード
総務省は各自治体あてに2月25日、給与法及び地方公務員法の一部改正を受け、総務省通知及び時間外勤務代時間の新設などを盛り込んだ「職員の勤務時間、休暇等に関する条例(案)」、関連の条例(案)です。
1.総務省通知
条例参考(例)通知をダウンロード
2.勤務時間、休暇条例(案)
勤務時間条例(新旧)をダウンロード
3.職員のための職員の行為の制限の等kれいに関する条例(案)
職員団体条例(新旧)をダウンロード
4.一般職の任意付研究員の採用等に関する条例(案)
任期付研究員(新旧)をダウンロード
2月26日、総務省に設置された「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」の第2回目が開催された。労働側からは、連合の木村総合企画局長、全消協の迫会長、自治労本部の岡本書記長が出席した。
冒頭、資料事務局より資料の説明が行われ、続いて、前回の座長からの要請に基づき、日本の消防職員に関するILOの近年の指摘および議論経過について木村委員から、職場の安全衛生等の問題と労働組合の存在について迫委員から、消防の部隊活動の仕組みについて三浦委員から、提出した資料に沿って説明した。特に三浦委員は、「上司と部下というこれまでのオフィシャルな関係とは別な力関係が導入されることにより、指揮者が有形・無形のプレッシャーを受けることも考えられる。命令への反応が半歩、一歩後れるようなことがあっては、地域住民の安全にも影響を及ぼす」として、慎重な検討を求める発言をした。その後、フリートーキングに入った。
詳細は別紙をご覧ください。
*議事録・資料などについては、下記のとおり、総務省HPに掲載されます。なお、議事概要は概ね1週間以内に公表される見込みです。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/shoubou/index.html
2月26日、総務省「定員管理研究会」(主査:西村美香成蹊大学法学部教授)が報告書をまとめましたので別添のとおり送付します。
(2010春闘情報No.3)
自治労・全国町村評議会は、2月25日10時から、総務省交渉を行った。
自治労からは本部より荒金総合組織局長、横山労働条件局長、全国町村評より飯塚議長、米山副議長ら全国幹事を含め13人が出席し、総務省からは、原給与能率推進室長、下瀬給与能率推進室定員給与調査官、植村公務員課理事官らが出席した。
はじめに、飯塚議長が要求書を手渡し、今回の重点要求項目としていた「1」「2」「3」「4」について、総務省の回答を求めた。
詳細は下記をご覧下さい。
第31回全国町村職総決起集会にともなう総務省要請報告(賃金関連)についてをダウンロード
〈別 紙〉
町村要請書(賃金労働)をダウンロード
3月2日、総務省は、「地方公務員の給料表等に関する専門家会合」(座長:稲継裕明早稲田大学大学院公共経営研究科教授)のとりまとめについて、報告書を公表しました。
詳細は下記をご覧下さい。
総務省「地方公務員の給料表等に関する専門家会合」とりまとめについてをダウンロード
をダウンロード
概要
概要をダウンロード
報告書
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-中間的回答に不満の意を表明し、さらに誠意ある回答を求める-(2010春闘情報No.4)
公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、3月3日午後、人事院職員団体審議官、総務省人事・恩給局次長と交渉を行い、2月18日に提出した2010春季要求に対する中間的な回答を引き出した。しかし、この日の回答は総務省、人事院ともに抽象的で不満な内容にとどまった。
このため、公務員連絡会は、12日の各局長との交渉ではさらに誠意ある回答を行うよう要求し、回答指定日に向けて交渉を積み上げて行くこととした。
人事院、総務省交渉の経過は下記の通り。
2010春季要求事項で幹事クラスが総務省・人事院と交渉をダウンロード
“国の出先機関見直しは事務・事業の十分な精査が前提”と要請
公務労協は、4日13時から、内閣府地域主権戦略室より5日閣議決定予定の地域主権改革関連法案などについて説明を受けた。交渉には花村・藤川副事務局長をはじめ構成組織担当者が参加し、地域主権戦略室側は吉田参事官らが対応した。
詳細は下記をご覧下さい。
地域主権改革関連法案などについて地域主権戦略室の説明ダウンロード
第2回地域主権戦略会議配付資料は、地域主権戦略会議ホームページは下記をご覧下さい。
http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/kaigi/kaigi-index.html
2010春闘の勝利にむけた連日の取り組みに、心より敬意を表します。
3月12日は、2010春闘対自治体全国統一行動日です。統一闘争にむけた自治労本部委員長メッセージを添付します。
(2010春闘情報No.5)
※この交渉情報は、組合員外が閲覧可能な教宣、単組ホームページなどで公開せず、組合員内部に止めてください
自治労・全国町村評議会は、2月25日10時30分から、総務省交渉を行った。
自治労からは本部より長沢組織対策局長(町村評事務局長)、全国町村評より飯塚議長、米山副議長ら全国幹事を含め13人が出席し、総務省からは、自治税務局・清水係長、自治財政局財政課・田中主査、交付税課・脇本係長、地方債課・小鍋係長、伊良部係長、財務調査課藤村係長が出席した。
はじめに、飯塚議長が要求書を手渡し、総務省の回答を求めた。
詳細は下記をご覧下さい。
第31回全国町村職総決起集会にともなう総務省要請報告(財政政策関連)についてをダウンロード
〈別 紙〉
町村要請書(財政)をダウンロード
民主党は昨年、国が発注する公共事業に従事する労働者の適正な報酬を確保するため、「公共工事報酬確保法案」を作成しました。その後、総選挙を経て、政府と与党では現在、「公共工事報酬確保法案」について、政府法案とすると、議員立法として国会に提案するかを調整しております。
詳細は下記をご覧下さい。
公共工事報酬確保法案の送付と民主党議員との意見交換の概要報告についてをダウンロード
公共工事報酬確保法案の概要
公共工事報酬確保法案の概要ダウンロード
(2010春闘情報No.6)
3月4日、自治労は2010春闘の推進のため、総務省公務員部長交渉を実施した。
総務省からは、佐々木公務員部長、原給与能率推進室長ほかが、自治労からは、加藤副委員長、松本総合労働局長、横山労働条件局長、西田法対労安局長ほかが交渉に出席した。
はじめに、加藤副委員長から次の5点について、総務省側の見解を求めた。
詳細は下記をご覧ください。
自治労が公務員部長交渉を実施をダウンロード
3月3日、未払給与請求訴訟で原告勝訴判決が言い渡されたことを受けて、5日、被告(債務者)竹原信一阿久根市長に催告書を内容証明郵便で送付していましたが、10日正午現在まで原告(債権者)口座に振り込みがなされませんでした。判決文が4日に竹原市長に送達されたことが本日確認されたため、懲戒免職処分を受けたAさんの代理人弁護士は10日、鹿児島地裁川内支部に昨年11月から今年2月までの未払月例給と一時金について、債権差押命令(強制執行)を申立てました。
強制執行については、市長が供託金を積んで異議申し立てができますが、現在、阿久根市議会は開会中であり供託金については補正を議会に提案しなければならないため、現実的には不可能と見られています。
自治体財産が強制執行される前代未聞の事態となりますが、竹原市長の暴政に闘う阿久根市職労、鹿児島県本部を本部は支援し、問題解決に向けて取り組みを強化します。
すでに、道本部参加者からの情報をアップ済みですが、本部から詳しい情報が届きましたのでお知らせします。
-書記長クラスが総務省、人事院の各局長と交渉し明確な見解を迫る-
(2010春闘情報№7)
公務員連絡会は、3月12日、2010春季要求の実現をめざして中央行動を実施した。
午後1時30分から社会文化会館ホールで開かれた3.12中央集会には、全国の仲間800人が結集した。日本経済が低迷し続ける中、2010春季生活闘争を取り巻く厳しい現状に対する認識を統一するとともに、非常勤職員等を含めた公務部門労働者全体の賃金・労働条件の維持・改善やワークライフバランスの確保をめざし、23日の回答指定日に向け闘う決意を固めた。
この日行われた書記長クラスと総務省人事・恩給局、人事院の各局長との交渉では、労働基本権制約の下で人勧制度を守り、民間賃金を反映した給与改善を行うことや臨時・非常勤職員の処遇改善と雇用安定に向けた任用・勤務形態の見直し、65歳まで段階的に定年延長することを明確にするよう求めたが、取り巻く情勢の厳しさを反映して総務省、人事院の姿勢はきわめて堅く、要求を満たす明確な見解は示されなかった。
公務員連絡会では、この日の昼に開いた企画・幹事合同会議で総務大臣、人事院総裁回答の獲得目標を設定し、書記長クラスの交渉経過を踏まえつつ、23日に向けて詰めの交渉・折衝に入ることを確認した。
詳細は下記をご覧下さい。
公務員連絡会が2010春闘中央行動を実施をダウンロード
2010年3月15日11時から、原口総務大臣に対し「夕張市財政再生計画」と「地域主権改革」に関しての要請を行った。自治労からは、徳永委員長、加藤副委員長、石上総合政治政策局長、南部政策局長、太田政治局長そして夕張市職労の厚谷委員長が対応した。
詳細は下記をご覧下さい。
「夕張市財政再生計画」と「地域主権改革」に関する原口総務大臣への要請報告をダウンロード
自治労臨時・非常勤等職員全国協議会は、3月6日開催の第8回総会・2010全国交流集会に先立つ3月5日16時から16時30分、別紙の要請書を提出し、厚生労働省要請行動を実施した。厚生労働省は細川律夫副大臣が対応し、自治労からは軍司副委員長、密田組織拡大局長(全国協議会事務局長)、金森全国協議会議長、ほか全国協議会の各幹事が臨んだ。
詳細は別紙をご覧下さい。
別紙をダウンロード
要請書
厚生労働省要請書をダウンロード
総務省は3月16日、特別交付税に関する省令の一部を改正する省令を公布し、2009年度の3月分の特別交付税の交付額を決定し、以下の内容で省令改正を行いました。
公務員連絡会・自治労は、1月14日の総務省小川政務官申入れを行った事項(自治労情報2010第10号)について、総務省自治財政局に説明を求めました。省令改正の主な内容は以下のとおりです。
詳細は下記をご覧下さい。
特別交付税に関する省令の一部を改正する省令の公布についてをダウンロード
特別交付税省令
改正特別交付税省令をダウンロード
2009年度特別交付税3月交付額
特別交付税3月交付額をダウンロード
育児休業法改正等に伴う人事院規則の改正について
人事院は、3月15日、育児休業法改正に伴う人事院規則の改正について発出した。発出の内容は添付の通りです。なお、総務省の通知については、発出されしだいお知らせします。
1.説明資料「育児休業法の改正及び両立支援策の推進に関する人事院規則等の改正について」(全46ページ)
ファイルのダウンロード
2.参考資料「育児休業法の改正等に伴う人事院規則等の改正の概要について」(全8ページ)
ファイルのダウンロード
改正人事院規則等は下記HPの項目をご覧ください。
http://www.jinji.go.jp/kisoku/houreitop.htm
-住居手当については特別交付税の減額対象とせず-
公務員連絡会地公部会は、3月16日、総務省から「特別交付税に関する省令」が公表されることから総務省交渉を行い、1月14日に小川政務官に申入れを行った事項(自治労情報2010第10号参照)についての説明を求めた。
交渉には、公務員連絡会から藤川地公部会事務局長をはじめ地公部会幹事が、総務省からは財政課の中野理事官が対応した。
中野理事官は、「本日、『特別交付税に関する省令』の改正を別紙の通り公表した。手当に関わる事項はすべて省令事項として改正すべき点については改正した」としつつ、以下の通り説明した。
詳細は下記をご覧下さい。
特別交付税減額措置等に関わって地公部会が総務省と交渉をダウンロード
政府は閣議で派遣法改正法案を決定しました。
今回の改正は、登録型派遣の原則禁止、製造業務派遣の原則禁止、及び派遣先が違法であることを知っている場合などの違法派遣に対して直接雇用みなし制度の導入などが盛り込まれています。
連合談話
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2010/20100319_1268978287.html
公務員連絡会の棚村議長他委員長クラス交渉委員は、3月23日11時から江利川人事院総裁と2010春季段階の最終交渉を行った。この交渉で人事院総裁は、別紙の通り、最終的な回答を示した。人事院総裁との交渉経過と回答内容は次の通り。
なお、総務大臣との交渉は19時30分からの予定であり、終了後、再度この情報を含め、公務員連絡会声明、自治労声明等を掲載した情報を発信する予定。
人事院総裁回答の補足について
*この交渉情報については、単組のホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
上記、人事院総裁交渉および回答を掲載したところであるが、総裁は、あわせて、本年は、一時金について特別調査は実施しないとの考えを示した。
<人事院総裁回答・補足>
昨年は民間企業の夏季一時金に関して非常に厳しい結果が出ていることがうかがえたことから緊急に特別調査を実施したところであるが、本年は、現在までの妥結状況をみると、昨年のような特別調査を実施する状況にはないと考える。
-公務員連絡会、自治労は人勧期闘争への決意固める「声明」を発出
公務員連絡会の棚村議長他委員長クラス交渉委員は、3月23日11時から江利川人事院総裁と、19時30分からは原口総務大臣と2010春季段階の最終交渉を行った。この交渉で人事院総裁、総務大臣は、それぞれ資料1、2の通り、この間の交渉の到達段階にもとづいて、春の段階における最終的な回答を示した。
総務大臣からの回答は政権交代後初めての春季要求に対する回答であり、労働基本権の回復などについて政権交代を実感させる一歩前進した回答が示されたことが特徴である。公務員給与に対する基本姿勢について、人事院総裁が「労働基本権制約の代償措置としての給与勧告制度の意義及び役割を踏まえ、適正な公務員給与水準を確保する」と、総務大臣が「人事院勧告制度を維持尊重する」ことをそれぞれ確認したことは、公務員給与を巡る厳しい情勢の下で夏の勧告に向け重い意味があるものである。
公務員連絡会は、同日夜に開いた企画・幹事合同会議で、「政府、人事院の回答は要求を完全に満たしたものとは言えない。しかし、超勤縮減、非常勤職員制度見直しや労働基本権の確立についての総務大臣回答が前政権のもとでの回答から確実に前進したことを含め、われわれは、公務をめぐる情勢がさらに厳しさを増している中での春の段階の交渉の到達点として受け止め、諸課題の解決に向けて人勧期・確定期の闘いを全力で進めていく」との声明(資料3)を確認。24日の第3次全国統一行動では、人勧期の取組みの決意を固める時間外職場集会等の行動を実施し、春季生活闘争中・後半期の闘いを進めていくことを決定した。
また、自治労も中央闘争委員会を開催し、自治労声明(資料4)を確認した。
この日行われた総務大臣、人事院総裁との交渉経過と回答内容は次の通り。
交渉経過と回答をダウンロード
2010道本部組織労働局発第260号(3月12日)で要請をいたしました「環境テクノサービス株式会社に対する抗議FAX行動」について、千葉県本部から結果の報告とお礼の文書が届きましたので、別紙のとおりお知らせいたします。
北海道本部としては、全道の地本・単組・総支部から71通の取り組みがありました。ご協力ありがとうございました。
詳細は別紙をご覧下さい。
道本部FAX情報のNo115号をダウンロード
公務員連絡会地公部会「地方公務員の精神疾患等の公務上災害の認定に関わる指針」に関わって地公災基金と交渉(2010年3月24日)
公務員連絡会地公部会は3月24日、昨年7月10日に地方公務員災害補償基金に対して提出した「地方公務員の精神疾患等の公務上災害の認定に関わる指針」に関わる申入れに対する最終交渉を行った。地公部会からは、藤川事務局長ほか各構成組織の担当者などが交渉にのぞんだ。基金側からは和田補償課長ほかが対応した。
交渉内容は別紙をご覧んください。
人事院は、4月1日から適用する、国家公務員の特地勤務手当等に関わる人事院規則の改正について公表した。
この改正については、昨年、公務員連絡会が交渉を行い、すでに決着しています。
また、総務省公務員部は、3月29日、 各都道府県人事担当課、市区町村担当課、各指定都市給与担当課、各人事委員会事務局にむけて「給与情報」として発出しています。
1.人事院規則9-55(特地勤務手当等)の改正概要
http://www.jinji.go.jp/kisoku/kaisei/kaisei_kisoku/kaisei_kisokutop.htm
【参考資料】
1.規則9-55-103附則条文早見表をダウンロード
PSIワールドニュース2010年3月号
自治労は、2010年1月12日に発生したハイチ地震における被害に対して、現地PSI加盟組合等を通じて復興の支援とするため、2009国際連帯カンパからPSI本部へ100万円を拠出しました。
PSI本部から配信されるワールドニュースで、ハイチ地震およびチリ地震・津波の被害に対するPSIの復興活動情報等が報告されていますので、お知らせいたします。
下記ニュースをご覧下さい。
2010年3月PSIワールドニュースをダウンロード
世界では、国際人権規約のほか、人種差別撤廃や女性、子ども、移住者、障がい者、死刑廃止など各分野に及ぶ30の国際人権条約が積み上げられてきました。しかし、自・公政権下において日本の人権状況は低いレベルに押さえられ、12の条約に加入したにすぎず、批准した条約も、留保や未批准部分があるなど人権侵害の被害者に対する救済制度は世界水準から遅れています。
新政権が発足し、「国内人権機関」の設立及び民法改正について、千葉景子法務大臣が就任記者会見で実現すべき課題の一番目に上げ、2月3日の参議院本会議で鳩山由紀夫首相が、政府からの独立性を持った「国内人権機関」の設立をできる限り早期に図りたいと答弁し、国民の期待は高まりつつあります。そうした中にあって、第174回国会において、労働者派遣法改正案が修正の上成立し、子ども手当法案や高校無償化法案が成立しました。
しかし、優先すべき人権関連法案として、永住外国人地方参政権付与法案、取調べ可視化法案、夫婦別姓法案などの提出の動きなどもありますが、与党内部からも強い異論が出るなど、ここにきて人権政策を先送りする状況が出てきています。
自治労は、「高校無償化法案」をめぐり、平和フォーラムと連携をはかりながら、この間、要請打電行動などに取り組んできました。同法案は3月30日、委員会可決、31日参議院本会議で可決・成立しました。このことを受けた自治労見解(別途添付)をご参照ください。
自治労見解をダウンロード
県職労・政令市職労を除く単組の専従役職員と専従予定者を対象にした研修会が、自治労本部主催で下記のとおり開かれます。積極的な参加の取り組みをお願いします。
※カリキュラム、申込書は別添をご参照ください。
◇目的
単組専従役員を対象に、モチベーションのアップやスキルアップ、連帯感の高揚などをはかり、単組の活性化を図るための研修を行ないます。
◇対象
全道庁・政令市職労を除く単組の専従役職員と専従予定者を対象とします。
※特に女性専従役職員・予定者の参加にご尽力を要請します。
◇日程
2010年5月18日(火)13時00分~21日(金)12時20分
◇会場
研修:自治労第一会館(自治労本部)6階中執会議室
〒102-0085 千代田区六番町1
◇申し込み・問い合わせ
2010年4月27日(火)までに道本部教育情宣部宛に、別紙申込書をFAX送信してお申し込みください。
お問い合わせ=自治労道本部教育情宣部 谷川・杉谷
自治労本部2010年度各種コンクール募集内容および日程が別紙のとおり決まりました。
2010募集要項をご覧下さい。募集は「文芸・写真・まんが」の3種類です。
『募集用のポスター』、『応募票(コピー用)』を本日送付しました。
応募資格は、組合員、家族、退職者となっています。
なお、自治労本部機関紙「じちろう」3月11日号(1974号)4面に「コンクール応募要項」が掲載されていますのでご覧下さい。
問い合わせは、企画総務局:谷川・杉谷までお願いいたします。
(TEL011-747-3211)
詳細は下記をご覧下さい。
道本部発文288号をダウンロード
中国電力は、3月30日に島根原発1号機及び2号機で123箇所の「点検漏れ」があったと発表しました。同日、四国電力は、伊方原発3号機でプルサーマルの営業運転を開始しました。どちらも原発の安全に係る問題です。また、原水禁国民会議から声明が発せられていますので、送付いたします。
今後も、安全・安心の立場から原発をめぐる諸課題に対して関心を持って取り組んでいきます。
島根原発「点検漏れ」及び伊方原発プルサーマル営業運転に対する声明は下記をクリックしてご覧ください。
http://www.peace-forum.com/seimei/100402.html
地方公務員災害補償基金「精神疾患等に係る公務災害の認定に関する想定事例集」
~事例集を活用した労働安全衛生体制の確立の取り組み強化が必要~
地方公務員災害補償基金は、3月31日「精神疾患等に係る公務災害の認定に関する想定事例集」(電子データ版)を、各基金支部宛てに発出しました。
本事例集は、地方公務員部会が昨年7月10日に地方公務員災害補償基金に対して提出した「地方公務員の精神疾患等の公務上災害の認定に関わる指針」に関わる申入れに対して、同基金が精神疾患等の認定については、より分かり易くするために認定事例集を作成し、情報提供する、と回答したのを受けて発刊されたものです。
下記に添付しています。
また、基金は、本「想定事例集」を通して、各支部の職員はもちろんのこと、各所場の災害補償の担当職員、安全衛生の担当職員、管理的立場にある職員等が、精神疾患等に係る公務災害への認識を高め、ひいてはこのような災害の抑止にも資することができれば幸いとしています。
今後は、①この「想定事例集」を各任命権者、所属長、職員にまで、発刊の趣旨を含めて周知すること、②これを活用して労働安全衛生体制の確立を任命権者、所属長に求めていくこと、を目的とした交渉・協議の取組みを強化していく必要があります。各単組でも趣旨をご理解のうえ、本事例集発刊の周知をはじめ、取組みの強化をお願いします。
自治労は、地公部会に結集し精神疾患等に係る公務災害の認定に関する指針の見直しに向けて、引き続き、基金との交渉・協議を進めていくこととしています。
障害者の「害」をどうして「がい」にしないの?という問い合わせがあります。自治労は「障害」を「障がい」と表記していません。
今回の障労連「れんらくかいNEWS」はその疑問にしっかりと答えています。
自治労障害労働者全国連絡会 代表幹事 西村正樹さん(道本部障労連事務局長・全道庁労連)が「『障害』の表記の在り方についてどう考えるか」のテーマで代表メッセージを書いています。
「障害」の表記についての見解をもとめられる機会に恵まれる(?)ことが多くなってきたので、改めて私の明確な見解を示します。それは、「障害」の標記を使用することが適当であり、「障がい」に表記を変更することは、私にとっては、私たち障害当事者運動の根本を否定するものに等しいことです。以下、その理由を示します。
このあとは、ぜひ「れんらくかいNEWS」をお読みください。
4月9日、総務省は「チェック・オフに関する緊急自己点検について」とする文書を発しました。
すべての都道府県及び市区町村を対象に、法律に基づくもの以外にチェック・オフを行っている実態があるか、当該実態がある場合には、地方公務員法第25条第2項の規定に基づく条例に根拠規定があるかを点検し、点検結果を4月23日までに報告することを求めるものです。さらに、点検の結果、条例の根拠なくチェック・オフを行っている実態がある場合には、是正のための措置及び是正の時期(予定)の報告も求めています。
詳しくは、別紙FAX情報をご覧ください。
別紙をダウンロード
点検依頼文書をダウンロード
様式1をダウンロード
5月のNPT(核拡散防止条約)再検討会議、4月12日からの核セキュリティーサミットをひかえ、米国とロシアの新START(戦略核兵器削減条約)の調印がチェコのプラハで行われました。
この新条約調印に際しての見解が原水禁より発せられていますので、ご紹介します。
鹿児島地方裁判所(牧賢二裁判長)は4月9日、阿久根市職労組合員Aさんの懲戒免職処分について「09年7月31日付けで阿久根市長がした処分を取り消す」とのAさん勝訴の判決を言渡しました。
裁判所では県本部組合員ら40人、自治労本部岡本書記長、西田法対労安局長が傍聴支援するとともに、「勝訴」と書かれた垂れ幕を掲げて裁判所から出てきた支援者を拍手で迎えました。
詳細は下記をご覧下さい。
鹿児島県阿久根市4/9「懲戒免職取消訴訟」処分取消の勝訴判決をダウンロード
3月31日に地方公務員災害補償基金が発行した「精神疾患等に係る公務災害の認定に関する想定事例集」については、4月6日【本部情報】として掲載済みです。事例集を活用した労働安全衛生体制確立の取り組み強化をお願いします。
今回の事例集発行の背景と目的、また活用方法について、問い合わせ等がありましたので、改めて下記の通り補足します。
詳細は下記をご覧下さい。
「精神疾患等に係る公務災害の認定に関する想定事例集」の活用についてをダウンロード
官房長官は「労働基本権回復の必要性は十分認識している」と回答
公務労協は、14日17時40分から、官邸内で平野官房長官に会い、別紙「要請書」を手交し、公務・公共サービス労働者の賃金・労働条件の改善等を要請した。
要請には、公務労協から中村議長、徳永・森永・河田各副議長、吉澤事務局長が参加した。
冒頭、中村議長が次の通り述べ、官房長官に要求事項の実現に向けて最大限努力するよう求めた。
要請内容の詳細と要請内容は、下記をご覧ください
要請の詳細をダウンロード
内閣府は、男女共同参画社会基本法に基づき、2010年中には、新たな第3次男女共同参画基本計画の策定を行う予定しており策定に当たっての基本的考え方について、現在、男女共同参画会議の下の基本問題・計画専門調査会において検討が進められており、専門調査会で取りまとめた中間整理について、意見の募集をしています。
連合『「第3次男女共同参画基本計画」策定に向けた連合の対応について』にもとづいて、公聴会への参加、内閣府に今回の「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に対する意見を積極的に提出する取り組みを行っていただきますようお願いします。
1.意見募集対象
「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」
2.意見募集期間(意見募集開始日および終了日)
2010年4月16日(金)~2010年5月12日(水)
3.意見の提出方法および提出先
(1)インターネット上の意見募集フォーム(締切日までに必着)
内閣府ホームページ http://www.cao.go.jp/
(2)郵送(別紙[様式]に記入してください。締切日消印有効)
〒100-8914
東京都千代田区永田町1-6-1
内閣府男女共同参画局推進課 意見募集担当宛
(3)FAX(別紙[様式]に記入して送信してください。締切日までに必着)
FAX番号03-3592-0408(内閣府男女共同参画局)
第3次男女共同参画基本計画策定に係わる「公聴会」の日程 公聴会日時 場 所
4月20日(火)13:30~15:30 兵庫県公館(神戸市)
4月23日(金)14:00~16:00 仙台市青年文化センター(仙台市)
4月28日(水)14:00~16:00 広島県女性総合センター(広島市)
5月 7日(金)14:00~16:00 愛知県女性総合センター(名古屋市)
5月 8日(土)10:30~12:30 女性と仕事の未来館(東京都港区)
5月 8日(土)14:00~16:00 女性と仕事の未来館(東京都港区)
5月11日(火)14:00~16:00 アクロス福岡(福岡市)
-公務員連絡会の要求を踏まえ時間外勤務手当の割増率を新たに調査-
人事院は、本年の民間給与実態調査に関する方針が固まったとして、公務員連絡会・労働条件専門委員会にその骨格を提示した。
この民間給与実態調査は、夏の人事院勧告に向けた基礎作業として例年5月から実施されており、公務員連絡会は4月にその内容を確認する交渉を行ってきたことから、本年もその提示がなされたものである。
冒頭、人事院の上山参事官は、次のとおり基本的な骨格を明らかにした。
詳細は下記をご覧下さい。
人事院と民調作業方針をめぐって交渉をダウンロード
人事院は、4月20日、本年の職種別民間給与実態調査について記者レクを実施しました。配布された資料については、人事院HPと添付のファイルをご覧ください。
なお、公務労協が、人事院と民調作業方針をめぐり行った交渉については4月19日の【本部情報】をご参照ください。
公務労協は、4月19日14時から、2010年度政策制度中央集会を自治労会館で開催した。現在公務労協では、公共サービスキャンペーンの一環として、昨年5月に制定された公共サービス基本法を受け、全国での基本条例制定運動を展開している。
今回の集会は、公共サービス基本条例とは何か、なぜ条例制定が必要なのかをともに考え、理解を深めるとともに、運動の更なる活性化を目的として、「公共サービス基本条例を考える」をテーマにシンポジウムとして開催した。集会には、全国から180人の仲間が結集し、公共サービス基本条例制定の意義と重要性などについて理解を深め合った。
詳細は下記をご覧下さい。
公務労協が「2010年度政策制度中央集会」を開催をダウンロード
4月26日、自治労は参議院選挙に対する民主党内のマニフェスト修正等に対して、自治労協力国会議員団長 高嶋良充参議院議員への要請を実施した。
今回の修正は、衆議院選挙時に作成したマニフェスト等を大きく修正されるものではないことに対応して、自治労として次の3点について要請を行った。
(1)事業仕分けの見直しに伴う雇用・労働条件の確保にむけた十分な検討・対応を求める。
(2)地域主権の確立、地方分権推進によって国の事務事業を地方へ移譲するためには、地方との十分な協議検討を行うとともに、権限委譲・財源保障が必要である。
(3)国が行う契約の適正化について、国においては、公契約法の制定を求める。
これに対し、高嶋議員は次のように述べた。
(1)について
● 事業仕分け等に伴う雇用・労働条件の確保について、直接マニフェストに記載することはできないが、配慮するなどの措置を考慮することはできる範囲で実施する。「雇用対策本部」(仮称)を設置するなどの検討がされている。事業仕分けに関わって、事業の廃止等に対する雇用については、対応が必要な部分も出てくる。
(2)について
● 出先機関の廃止等に伴う地方との協議は十分行うことになると思う。
公務員制度改革に関係して、労働協約締結の付与については来年に行われる。労使交渉を実施するためには、使用者側としての「公務員庁」(仮称)を設けることは検討されている。
公務員に対する批判はまだ存在している。衆議院選挙時のマニフェストに記載されている内容を上回る人件費削減が記載されることはない。
(3)について
●公契約法については、マニフェストに記載される方向で議論されていくと思われる。
上記コメントを受けて、自治労の要望にさらなる配慮を要望し終了した。
以 上
4月22日~23日、東京都・主婦プラザで、自治労安全衛生講座が開かれ61人(内北海道3人)が参加した。
岡本中央本部書記長は、「自分も単身赴任で体調管理が、ままならない。メンタルヘルス対策など、労働安全への取り組みは年々必要度を増している。地方の公務災害で、教師が旅行先で生徒に暴行を受け、それが元で自殺した。そのことを、上告しょうとしていたが、原口大臣が決断し行わないこととなった。今までは、あり得ないこと、地方分権を推奨している」とあいさつした。
西田中央本部法対労案局長は、「毎年500人以上の公務員が自殺している。まずは、職場に笑顔を増やす取り組みとして、あいさつからはじめる職場のコミュニケーションづくりが必要」と述べ、5~6月に10万人に対して実施するパワーハラスメントアンケートの協力を要請した。
上野満雄さん(自治労顧問医)の講演では、自治体職場の安全衛生から、「1972年労働安全衛生法が制定されているが、うつ病は100万人以上いる。このままでは、共済事業の悪化をまねく」と問題点を指摘した。
野中幹男さん(自治体安全衛生研究会アドバイザー)の講演では、安全衛生委員会の活性化から、
「過重労働者(月の残業時間100時間又は、2~6カ月平均で80時間を超える)現状がある」とし、事業者への指導のありかた、労働者への事業者が実施する臨時の健康診断の受診について話した。また、「グループワークを行うことでメンタル疾患は減少する」と強調した。
また、グループワークとして、労働安全衛生員会の活動を報告だけで終わらせないために、何を行うかを発表した。
赤堀正成さん(労働科学研究所)の講演では、安全衛生法例として、「労安法は、事業者(会社)が持つべき責任についての法であり、健康に配慮することがかかれている。しかし、経団連から反発があり、守らなくてもの考えが出ている」とし、「人の命はお金には換えられない、イギリスのように安全衛生委員会に決定権を持たすことも必要」だと述べた。
金子雅臣さん(労働ジャーナリスト)の講演では、職場のパワーハラスメントについて、「パワハラの定義として、①人格・人間性を否定すること、②業務指導の範囲を超えていることがあげられる」と述べた。
最後に岡本書記長が、1人ずつ修了書を渡し、「大阪の集会に出席した時、みんな、あいさつの最後に『ご安全に』と付けていた、災害の多い職場だからかもしれないが、本日講座を終えた方々も『ご安全に』」と締めくくった。
-公務員連絡会は問題点を指摘し、慎重な検討などを申し入れ-
*この交渉情報については、単組ホームページやチラシなどには掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。
公務員連絡会は、5月12日、総務省から国家公務員の新規採用抑制方針について説明を受けるとともに、別紙「国家公務員の新規採用抑制方針策定に関する申入れ」を総務省に提出し、申入れ内容の実現を要請した。
これは、4月27日の閣僚懇談会で原口総務大臣が、来年度の国家公務員の新規採用数について、地方出先機関等の新規採用者数を昨年度と比べて原則2割以内に抑制すること等により、全体として昨年度に比べおおむね半減させることを目標とした新規採用抑制方針を閣議決定するため、各大臣に協力を要請し、調整作業に入ったことを受けて行ったもの。
詳細は下記をご覧下さい。
「国家公務員の新規採用抑制方針」策定に向け総務相が説明をダウンロード
自治労本部は5月17日、原口総務大臣に対して、「『地域主権改革』推進および『地域主権戦略大綱』に対する要請書」および「指定管理者制度の改革に向けた要請書」を提出しました。主なやり取りは次の通りです。
1.自治労側の出席者
徳永委員長、加藤副委員長、岡本書記長、石上総合政治政策局長、松本総合労働局長、南部政策局長、太田政治局長、平川臨時中央執行委員(社会保障担当)
2.主なやり取り
(1)「地方主権」に関する要請
徳永委員長から「地域主権改革に向けて原口プランをもとにがんばっていただきたい」と述べた上で、義務付け・枠付けの見直しについて、「自治体の意見を聞きながら、税財源の移譲と自治体の組織体制の両面をあわせて議論をしていただきたい」と要請した。また、ナショナルミニマムを確保し、低水準の基準は見直すように要請した。
これに対して、原口大臣からは、「ナショナルミニマムには、低い水準のものがあり、ミニマムとはいえない。自治労とぜひ議論をしたい。例えば、保育所の設置基準があるが、実際には無認可の保育所が存在している。現行の最低基準は、擬制のミニマムとなっている」との見解が示された。
最後に、一括交付金については社会保障分野を除外し、制度設計に当たっては事務方と議論させていただくことを要請し、大臣からは「了解した」との回答があった。
(2)指定管理者制度の見直し
徳永委員長から、「現行の指定管理者制度は経費の削減に偏重しており、ワーキングプアを生み出し、施設の機能低下を招いている。見直しが必要である」と要請した。
原口大臣からは「政府内で、国と地方自治体の財政全体を含めたプライマリーバランス論が出ている。各自治体財政は黒字だが、国が赤字の状態になる。国・地方一体のプライマリーバランス論は、自治体にとって厳しいものとなる。自治労からも声をだしてほしい」との危機感を表明した。その上で、大臣は、「指定管理者制度の見直しについては、政務三役で議論をさせる」と述べた。また、徳永委員長が「具体的な見直しについて、事務方と議論をさせていただきたい」と要請したことに対して、大臣は「事務方に指示を出す」と回答した。
3.要請書
自治労本部が公募していた「2010年度男女平等産別統一闘争キャッチコピー」は、応募件数64作品の中から、以下の特賞4作品を男女平等産別統一闘争の啓発用ステッカーに採用になりました。
今月中に、ステッカーを各単組・総支部に発送します。各単組・総支部での積極的なご活用をお願いします。
「2010年度男女平等産別統一闘争キャッチコピー」入選作品
【特賞(4作品)】ステッカーに採用
◇働くのも 休むのも チームワークです
神奈川県本部 わくわく労組 藤本寿恵さん
◇先へ 未来へ 進む 男女共同参画
群馬県本部 桐生市労連 関谷由美子さん
※なお、自治労の運動では「男女平等」という言葉を使っているため、受賞者の承諾のもと、ステッカーには
「先へ 未来へ 進む 男女平等」
としています。
◇開けるのはあなた ワークライフバランス一の扉
神奈川県本部 海老名市職労 佐藤敏枝さん
◇認め合う 心がつくる 明るい未来
神奈川県本部 川崎市職労 斉藤晴生さん
【佳作(10作品)】
◇1日の1/3は仕事 1/3は家族と過ごし
1/3は体を休め身も心もバランスの取れた生活を
三重 鈴鹿市職労 成川達さん
◇思い合う心がつくる 男女平等
広島 放影研労組 金岡里充さん
◇ふたりして仕事と子育て 君と僕
大阪 枚方市共闘労組 古澤利信さん
◇ワークライフバランス できる大人のたしなみです
神奈川 川崎市職労 青山康介さん
◇できるやつ 家事も仕事もグッドバランス
神奈川 自治労横浜 水澤靖子さん
◇差別はダメ 男も女も人間だもの
大阪 豊中水道労組 矢野洋一さん
◇参画は行動してこそ 丸になる
広島 広島県職連合 牧本秀敏さん
◇まだまだと気合を入れて 男女平等
広島 放影研労組 北村淳さん
◇仕事も平等 家庭も平等
石川 金沢市職 上田華奈子さん
◇生きがいや喜びをもたらす ワークライフバランス
神奈川 市町村共済労組 萩原一文さん
5月12日、総務省に設置された「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」の第4回目が開催された。労働側からは、連合の木村総合企画局長、全消協の迫会長、自治労本部の岡本書記長が出席した。
冒頭、座長より、町村会推薦の委員について、埼玉県毛呂山町の小川町長に交代になる旨の報告があった。続いて事務局より、「資料1 第1~3回検討会の議論を踏まえた今後の検討課題(案)」および「資料2 諸外国の消防行政の概要及び職業的消防職員の労働基本権の状況等について(調査概要及び在外公館からの回答結果)」について説明があり、資料についてのフリートーキングを行った。
詳細は別紙をご覧下さい。
第4回消防職員の団結権のあり方に関する検討会をダウンロード
*議事録・資料などについては、下記の総務省HPに掲載されます。なお、議事概要は概ね1週間以内に公表される見込みです。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/shoubou/index.html
5月13日、新潟地方裁判所は、2002年11月の新潟県職員の給与削減をめぐるストライキ実施に対し、不当にも当時の役員27人に行った懲戒処分の取消を求めた行政訴訟において、原告の請求を棄却する不当判決を下しました。
この裁判は、独自削減と2002年賃金確定闘争にかかる全国統一行動を理由に、不当な処分を受けた新潟県職労組合員27人を原告として、(ア)処分の根拠とされた地公法37条の一律争議権否定は、憲法28条、ILO87号条約に違反すること(法令違反)、(イ)地公法37条を適用した本件処分が憲法28条、ILO87号条約に違反すること(適用違憲)、(ウ)本件処分は懲戒権の濫用であること、などを理由に懲戒処分の取消を求めた事件です。
公務員の勤務条件は勤務条件条例主義あるいは財政民主主義を根拠とされているため、人勧が労働基本権制約の「代償措置」として保障されていると解されてきました。しかし、人勧が争議権禁止の代償措置の機能を果たしていない以上、公務員の争議権を否定する裁判所の判決は、不当といえるものです。
新潟県職労は、引き続き控訴審においても、懲戒処分の取消を求める闘いを継続することとしています。
本部も、公務員制度改革の動きも視野に入れながら、引き続き県本部および県職労を支援します。
新潟県職労声明
20100513声明をダウンロード
総務省は、5月20日、標記の「チェック・オフに関する緊急自己点検の結果」を発表しました。
この調査は、必ずしも組合費のチェック・オフに限定して調査をしているわけではありません。ですから、該当団体数が698とありますが、組合費以外をチェックオフしているケースも含まれています。
また、「是正のための措置」として、「チェック・オフをすべて取りやめる」、「チェック・オフ項目を見直し、条例の規定を整備するとともに、一部を取りやめる」との回答も見られます。今回の調査では、これらの自治体について、具体的にどのような費用をチェック・オフしているのかが書かれておりませんが、「取りやめる」としている費用によっては、組合員の生活に支障をきたしたり、不都合を生じさせるものも含まれている可能性があります。
このため、自治労としては、これまでと同じく、組合費も含めてチェックオフの条例化(現業・公営企業職員は労使協定化)を進める方向で対応します。
-現段階の検討状況や出先機関改革「公開討議」の具体的内容を質す-
公務労協は、17日17時30分から、地域主権改革を担当する逢坂総理補佐官に対し、「地域主権戦略大綱」の策定に向けた要請を行った。
この要請は、今年の夏に予定されている「地域主権戦略大綱」の策定を前に、今日段階の検討状況や、21日と24日に実施される「出先機関改革の公開討議」の具体的内容を明らかにするとともに、再度、国と地方の役割分担の明確化や国の出先機関の見直しに伴う人員移管のしくみの整備を求めて行ったもの。公務労協側は、吉澤事務局長をはじめ、花村副事務局長、藤川副事務局長、国公連合、全農林、国交職組、全開発、林野労組の書記長等が出席し、政府側は、逢坂補佐官、渡会地域主権戦略室次長らが対応した。
詳細は下記をご覧下さい。
「地域主権戦略大綱」策定に向け逢坂総理補佐官に要請をダウンロード
5月26日、総務省は昨年に引き続き、「公立病院改革ガイドライン」にもとづき、2009年度末現在の各地方公共団体の「公立病院改革プラン」の策定状況調査を公表しました。
自治労としては、総務省の不当な指導に対してチェックを行う一方、各県本部・単組においては、公立病院改革プランの進捗状況を監視するとともに、引き続き地域に信頼される病院づくりに向けた取り組みを進めることが求められます。
詳細は下記をご覧下さい。
公立病院改革プラン策定状況等(2009年度末現在)の調査結果を公表をダウンロード
公務労協は5月27日、東京・全日通会館で「組織拡大に向けた自律的労使関係学習会」を開催した。この学習会は、自律的労使関係制度の下での労使交渉や、交渉体制の確立や交渉力の強化に向けた組織拡大の意義などについて学習を深め、具体的取り組みに結びつけることを目的に行ったもの。学習会には、国公連合の構成組織を中心に、全国から120人が参加した。
学習会の冒頭、森永公務労協組織拡大センター長(国公連合委員長)が主催者挨拶に立ち、公務員制度改革、とりわけ労働基本権をめぐる情勢を報告するとともに、自律的労使関係の確立に向け、公務・公共部門における団体交渉制度の具体的な制度設計が今後重要になると述べた。それと同時に「それぞれの構成組織における組織拡大・強化はもちろんのこと、国公連合の組織強化が大変重要である。本日の学習会を通して、認識を深めるとともに決意を固め、更なる運動を展開しよう」と訴えた。
学習会では、連合中央アドバイザーの田島恵一さんと早稲田大学教授の島田陽一さんを講師に迎え、2つの講座を開催した。
詳細は下記をご覧下さい。
「組織拡大に向けた自律的労使関係学習会」を開催をダウンロード
5月30日、地方財政審議会第21回地方公務員共済組合分科会が総務省で開催された。
分科会では、藤原幹事(福利課長)が①被用者年金一元化法による追加費用削減に係る地方公務員等共済組合法施行令等の改正案について、②特例水準の解消について、③年金払い退職給付について、を報告し、意見交換を行った。
このなかで、森特別委員(自治労総合労働局長)は、以下のとおり発言した。
(1) 2015年10月からの被用者年金一元化にむけてスムーズにシステム変更等が行われ、マイナンバー制度との整合性もとったものとなるようお願いしたい。さらに、各共済組合の人的体制にも配慮いただきたい。
(2) 共済年金積立金の取扱いについて、一元化後の厚生年金の共通財源としての積立金の仕分けについては十分ではないのではないか等、引き続き疑問の声もあるところだが、丁寧な説明をお願いしたい。また、厚生年金積立金の運用の在り方に関する有識者や関係省による検討会が開かれると聞いている。地方公務員共済組合連合会の資金運用においては、2010年から社会的責任投資を導入し、継続してきているところである。一元化後においても継続することができるよう対応をお願いしたい。また、共済組合には福祉事業において住宅貸付等の制度を設けている組合も少なくない。この点についても、継続することができるよう対応をお願いしたい。
これに対し、藤原幹事は次のとおり答えた。
(1) 2015年10月の被用者年金一元化に向け、システム開発はしっかりとやっていく。タイトな日程だが、関係機関と連絡をとって進めていきたい。マイナンバー制については、自治体とも連携して進めていきたいと考えている。
(2) 一元化後の積立金の運用については、基本的な運用方針を作成していく予定である。今後、関係機関との協議に参画し、相談しながら進めていきたい。
渡邊特別委員(日教組中執)は、「61歳までの再任用義務化の実施や臨時・非常勤等職員の増加など様々な働き方が増えているなかで、共済加入資格を常勤のみとしていることは実態に合わないとして、共済制度の資格付与の緩和をしていただきたい」と発言した。
これに対して藤原幹事は「再任用短時間勤務や非常勤職員など、働き方のバリエーションが増えていることは確か。いろいろな方の意見を聞きながら研究していきたい」と答えた。
また、松本特別委員(地方公務員共済組合協議会会長)は、社会保障制度改革国民会議における議論における後期高齢者支援金の総報酬割の導入について、「総報酬割が導入されると、共済組合や健保組合の負担は重くなるが、高齢者医療の観点からは理解できるものだ。しかし、総報酬割によって浮いた国庫負担金の使徒については慎重に検討すべきであり、総報酬制導入後も国庫負担金を入れ全体として高齢者医療拠出金を減らすことが必要。国庫負担金を単に共済組合、健保組合の負担に振り替え、その負担増とすることは問題である」、また、年金資金の資金運用について、「年金資金を産業力の活性化に使うことは良いが、運用リスクに対して補填する仕組みをつくらないといけない。運用とセットでリスク管理についても検討しなければならない」と指摘した。
これに対し、藤原幹事は「社会保障国民会議や日本経済再生本部においてもいろいろな議論が出てきているので、情報を集めて、まだ相談したい」と答えた。
その他の委員からの質疑応答も行われ、終了した。
※この審議会の資料、議事要旨等は、後日、総務省HPに掲載されます。
過去のものはこちらから。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chizai/bunkakai.html
全国市長会は、6月5日に全国市長会議を開き、「国による地方公務員給与削減要請に対する決議」を採択しました。
決議では、国による給与引き下げ要請を「誠に遺憾」とし、地方交付税を給与削減の手段として用いたことを「到底容認できるものではない」と批判しています。
さらに、国に対しては、地方交付税法の国会審議において、給与は地方公共団体が自ら決定するものとの決議がされていることを「重く受け止めるべき」としています。
給与削減を実施しようとする交渉に際し、首長の対応を質す(全国市長会として給与削減要請を強く批判していることを踏まえるべき)ためのひとつの材料としてご活用ください。
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
6月3日18時40分より、公務労協は、稲田公務員制度改革担当大臣の下で開催されている「今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会」(第7回)で意見表明した。
意見交換会は、第4回(4月25日開催)の自律的労使関係制度をテーマとした議論を踏まえ、今回は府省(農水省、国交省)、労働組合(公務労協)、地方公共団体(山口県萩市)からヒアリングを行い、それぞれ稲田大臣や3人のアドバイザーと意見交換を行った。公務労協からは、吉澤事務局長と大塚副事務局長が出席した。
冒頭、吉澤事務局長は、この間、国家公務員の給与については、東日本大震災の復興財源として、労使合意に基づく特例減額が行われている経緯を説明し、地方公務員の給与については、人事委員会勧告とは異なる給与の独自カットが行われている実情に言及した上で、労使交渉により給与・勤務条件を決定することが必要と主張した。
主張に対し、稲田大臣やアドバイザーから以下の通り質問が出された。
(1) 「労使双方の責任が明確化されることにより、交渉コストも低下する」ということを具体的に説明いただきたい。
(2) 「民間準拠は、給与の決定基準であり、労使・労働関係とは異なる問題」ということを説明いただきたい。
(3) 仮に協約締結権を付与して労使交渉で合意した場合に、それが最終的に国会で可決される保障がない。当事者能力が民間と行政では違うことをどのように考えているか。
(4) 現在の労使協議の状況と、協約締結権が与えられた上での労使関係が、どのように変わってくるか。
(5) 最終的に国民にどう理解してもらうかが悩ましいが、透明性の確保や説明責任を果たすことで努力されてきたと思うが、現在の世論の動向が非常に厳しい中で、どうやって労使交渉に対して理解を得ようと思っているか。
質問に対し、吉澤事務局長は以下の通り回答した。
(1) 国家公務員には、使用者機関が複数あり、責任も明確でない。例えば、使用者を1つにまとめればコストが削減できる。
(2) 民間準拠で決定するのは、関連四法案でいえば給与の根本基準、地方でいえば均衡原則だから、協約で決めていく中でも「民間に準じる」というのは残されている。
(3) 法定主義もある程度大綱的に国会のコントロールの下に置いても、後は労使に任せるべき。
(4) 厳しい財政状況の下で、労使交渉が必然になってきている。労使交渉は、実践を積み重ねて努力していくのが一番だと思っている。
※今回の意見交換会のヒアリングは団体ごとの入れ替え制でしたので、公務労協以外の議論の概要等については、公務員事務局のHPに掲載される予定です。
http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/arikata-ikenkoukan/kaisai.html
「地域の自主性および自律性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第3次一括法)」の附帯決議について
6月7日に「地域の自主性及び自律性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第3次一括法)」が成立しました。別添のとおり、地方独立行政法人に関わる附帯決議が衆参で決議されておりますのでご覧ください。
自治労本部障害労働者全国連絡会は、5月28日、厚生労働省へ障害者雇用の拡大に関する要請行動を行った。
<要請書>
13(厚労省)障害者雇用対政府要求書.をダウンロード
<参考資料>
2008年・障害者の職場状況に関する調査結果報告書(自治労障労連)をダウンロード
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自治労からは、相星勝利・障労連代表幹事(大阪府本部)、松田 晃・障労連副代表幹事(宮崎県本部)、新井常美・障労連事務局長(東京都本部)、西村正樹・社福評事務局長(本部)が参加した。
厚労省 職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課からは、安達佳弘・課長補佐、松永 久・調査官が対応した。
最初に厚労省側より松永調査官から「本日は国会が開催されているので障害者雇用対策課長が国会対応で不在、障害者雇用対策課課長補佐の安達と同課調査官の松永が対応する」との発言を受けた。
続いて西村社福評事務局長からは、時間を確保頂いたことへのお礼に続き「障害者雇用の促進に関する要請書」と内閣府の差別部会に提出した「障害者雇用の実態調査資料」および「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(障害者雇用促進法改正案)に対する自治労の考え方」を手交した。そして、「自治労としては、障害者雇用の促進と雇用された障害者が安心して働き続けることができる職場環境と労働条件の改善に努めてきたこと。また、今回の障害者雇用促進法改正内容の実効性を確保することと公務部門への確実な波及のための取り組みの必要性を考えている」と本要請の趣旨を説明した。
これを受けて、松永調査官からは、「障害者雇用促進法の改正がされれば、2016年4月1日施行までの3年間に指針として具体的なガイドラインを、使用者、障害者等の利害関係者の意見をまとめるとともに、事業主にも理解を深めてもらうために周知の期間をとる必要がある。また、現在、開催されている国会で総務副大臣が、公務員についても法の適用となるようにするとの答弁があった」と述べられた。
続いて、相星代表幹事からは、「障害者の採用試験の受験に関して一部の自治体が障害者採用試験の応募要項に手話通訳等を配置しないといった具体的な事例があるが、このように最初から障害者の受験機会を閉ざすようなことがないことが必要である」と発言した。これに対して、厚労省は個別自治体の問題については直接言及しなかったものの、「合理的配慮や個別の多様性については、指針として丁寧に3年の中でスケジュール感もって作成・周知したい」と述べた。
松田副代表幹事からは、「障害者雇用について認識は、地域間格差があるので周知は重要課題と考える」と発言した。厚労省側からは、「周知をすることや国の機関でもあるハローワークでの情報提供も重要と考える」と述べられた。
西村事務局長からは、「障害者を雇用する企業への支援メニューである助成金は、障害者雇用率を達成することにより納付金が減ることから、新たな財源措置の検討が必要ではないか」と発言した。厚労省からは「国の財政事情は厳しい。納付金だけでなく一般会計、雇用勘定といった財源も活用しながら対応しているところ」と述べられた。
相星障労連代表幹事から、「雇用率が上昇しているが、長く働き続けられるようにしていくのかが重要」と発言した。厚労省からは、「職場定着の重要性は国も考えている。精神障害者の定着については対応が難しい、支援が重要なことは理解している」と述べられた。
最後に、西村社福評事務局長から、障害者雇用の促進と継続雇用の確保のために引き続きの協議を求めて要請を締めくくった。
6月は自治労男女平等産別統一闘争月です。
男女平等産別統一闘争の一環として、本部は6月7日に市長会への申入れを実施いたしました。概要は以下の通りです。
①要請書
2013市長会要請書をダウンロード
②報告書
20130607市長会要請報告 【確定】※今年の要請行動の日程も掲載しています。
上記ポテッカーは、すでに各単組にお送りしていますが、自治労本部が公募していた「2013年度男女平等産別統一闘争キャッチコピー」は、23県本部、56単組、89人(男性46人、女性43人)、141件の応募がありました。しかし北海道からの応募は残念ながらありませんでした。
厳正なる選考の結果、特賞4作品を男女平等産別統一闘争の啓発用ポテッカーに採用されています。
来年は、ぜひ北海道から応募しましょう(^_^)/~
2014年度予算編成にかかり、財務省、総務省に対する第1次要請行動を以下のとおり実施しました。
【財務省要請】
2013年6月5日、自治労本部は2014年度政府予算編成に関する財務省要請を行った。自治労からは荒金副委員長、南部総合政治政策局長、松本公務員制度改革対策室長が出席した。財務省からは木下康司主計局長が対応した。また、要請にあたっては元財務副大臣の大久保勉参議院議員が同席した。
冒頭、荒金副委員長から要求書が手渡されたのち、南部総合局長から本要請の重点項目についての説明が行われた。その中で、南部局長は「地方財政計画、地方交付税総額の決定にあたっては、事前に国と地方の協議の場において十分な協議を行っていただきたい。本年度については地方公務員の人件費削減が行われたが、三位一体の改革後、地方においては限界を超えて切り詰めてきた経過がある。ここにきてようやく復調の兆しが見えてきた矢先であり、地方財政の確保のためにも財源の復元をはかっていただきたい」と要請した。
かさねて、松本室長より地方公務員の総人件費抑制について「今年度については、地方公務員の給与削減を前提にした地方財政計画、地方交付税が算定されたことは地方自治を支えている立場としては到底納得できるものではない。来年度についてはしっかり復元をしていただくように強く要請する」と述べた。
これに対して、木下主計局長は、「立場は違うものの、国と地方の協議の場を活用し、引き続き協議をしてまいりたい」と答えた。
次に、東日本大震災からの復旧・復興にかかわっては、荒金副委員長より「被災県においては、圧倒的に公務員が少ない現状がある。人員を増やせるよう人件費の上乗せが必要だ。また、復興財源がいつまで続くのかといった不安の声は大きい。期限付きでは、正規職員を雇用するのも難しく、自治体の努力だけでは足りない部分がある」と被災県の現状を指摘した。
これに対し、木下主計局長は「復興にかかわる財源については、5年間で25兆円ほどかかると見込んでいる。国が保有する郵政株を売却するなどして工面するので、財源面では心配いらないと考えている。使途については地元と協議し決めていきたい」と回答し、この日の要請を終えた。
財務省あてをダウンロード
【総務省要請】
2013年6月7日10時から総務省要請を行った。自治労からは荒金副委員長、南部総合政治政策局長、平川社会保障局長、中平政策局長、が出席した。総務省は佐藤自治財政局長が対応した。
冒頭、荒金副委員長から要求書が手渡されたのち、南部総合局長から本要請の重点項目についての説明が行われた。その中で、南部総合局長は「今回の一方的におこなわれた地方公務員給与引き下げによって削減された地方交付税総額については、来年度必ず復元するとともに、決定にあたっては、地方側としっかり協議していただきたい。また、東日本大震災からの復興予算もしっかりと確保していただきたい」と述べた。
それに対し佐藤局長は「地方公務員給与引き下げについては、国会などでも厳しい意見をいただいている。地方財政の充実、地方交付税総額の決定にあたっては、今回の決定までの過程でも総務大臣と地方三団体との協議してきた。総務省としても、しっかりと地方の意見を聞いていくべき事項だと認識しており、2015年度の概算要求時から予算確定まで、今後も国と地方の協議の場において意見交換していきたいと考えている。また地方財源の確保についても自治労と同じ考えである。昨日公表された骨太方針の素案では、歳入を増やし歳出を抑制することにより、財政を健全化することをめざすとしている。この10年ほどの間は、投資的経費や人件費削減により社会保障費の増加を補ってきたが、現状では既に対応しきれていない状況にある。今後財政健全化目標の達成に向け見直しがはかられていくが、地方の安定的な財政運営に必要な財源はしっかりと確保していきたい。東日本大震災からの復興予算については、総額25兆円を確保している。しかし地方からは使い勝手が悪いとのご意見もいただいており、対応していきたいと考えている」と回答した。
最後に荒金副委員長から「この間地方は厳しい財政状況の中、独自の賃金カット等をおこなっており、2015年度予算では今回削減された給与関係経費の復元を強く要請する」と述べ、この日の交渉を終えた。
総務省あてをダウンロード
民主党などが「国公改革関連3法案」「地公改革関連2法案」を参議院に提出
民主党など野党は、6月11日午後、参議院に「公務員制度改革関連3法案(国家公務員法等の一部を改正する法律案、国家公務員の労働関係に関する法律案、公務員庁設置法案)」「地方公務員制度改革関連2法案(地方公務員法の一部を改正する法律案、地方公務員の労働関係に関する法律案)」を提出した。
国家公務員制度改革関連3法案は、第177通常国会に、民主党政権が提出した法案のうち、すでに提出済みの「幹部国家公務員法案」で規定した「幹部人事の一元管理」を切り離したうえで、「退職管理の適正化」と「自律的労使関係制度の措置」を規定する内容。議員立法として民主党と社民党が共同提出した。
一方、地方公務員制度改革関連2法案は、第181臨時国会に、民主党政権が提出した法案であり、議員立法として民主党・社民党・生活の党が共同提出した。国公と同様に、地方公務員に関する「自律的労使関係制度の措置」等を規定している。
今国会の会期末と参院選が近づいているなか、国会では、法案の扱いや党首討論の開催等をめぐって対立が続いており、今後の法案の扱いは不透明であるが、自治労は、連合・公務労協とともに、引き続き、自律的労使関係制度の実現をめざして、政府・政党に対応していく。
法律(案)、要綱については下記をクリックしてご覧ください。
http://www.dpj.or.jp/article/102668/
※この交渉情報は、単組ホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務労協は6月14日、「独立行政法人改革に関する中間とりまとめ」について、行革推進本部事務局から説明を受けた。「中間とりまとめ」は、6月5日の第3回行革推進会議に提出、公表されたものである。
公務労協から花村副事務局長をはじめ、該当組織書記長・担当者らが参加、行革推進本部事務局からは横山参事官、蔵持企画官らが対応した。
冒頭、行革推進本部事務局から「中間とりまとめ」(別紙)に基づいて説明を受けた後、花村副事務局長をはじめ公務労協側より、以下の点を問い質した。
(1) 年内に「最終とりまとめ」とそれに基づいた法案を提出し、来年の通常国会で成立をめざすスケジュールか。
(2) 評価体制の構築に関し、法人として「自律的な制度をめざす」とのことだが、「主務大臣は、法人に対して業務運営の改善を命令することができるようにする」との記述があり、逆に大臣からのチェックが強くなってしまうのではないか。
(3) 「総務省の行政評価・監視を活用すること」や「中期目標期間に係る業績評価結果を第三者機関が点検する仕組み」があり、法人側からみると調査が多くて、その対応に追われてしまうのではないか。
(4) 法人の役職員の報酬・給与の支給基準の設定に当たり、「国家公務員の給与を勘案もしくは参酌」と記述があるが、法人職員は労働三権もしくは二権があり、自律的労使関係の下で給与を決めることが基本と考えている。
(5) 平成19年の政府の独法整理合理化計画では、雇用問題への対処についての記述があったが、今回の「中間とりまとめ」にはないのはどうしてか。
(6) 今回101の独法が対象であるが、この「中間とりまとめ」は、地方独法と国立大学法人にも影響を及ぼすのか。
これを受け、行革推進本部事務局側は以下の通り回答した。
(1) なるべく早くと大臣からの指示があり検討しているが、スケジュールは現段階で未定である。ただし、本日閣議決定した「骨太の方針」(23頁)にあるとおり、平成27年4月からの改革実施をめざして、必要な法制上の措置を早期に講じる。
(2) 指摘の部分には「業績評価の結果、成果が不十分な場合や事務・事業が非効率と認められる場合など」と書いている。普通にやっていれば業務改善命令は出ない。PDCAサイクルの中で法人は業務を遂行してもらうということだ。
(3) 独法で問題が起こったり、重要政策だから追加調査しなければいけないというふうになったら、毎年調査することがあるかもしれないが、普通にやっていればそれほど調査は行われない。行政評価・監視の調査結果の資料は、できるだけ共有してご指摘のようなことがないようにしたい。
(4) あくまでも最終的には団体交渉で決めていくもの。それを前提として、具体的な水準の考え方として記述したものだ。
(5) 今回の「中間とりまとめ」は、組織の在り方の検討はしていない。平成19年の整理合理化計画は、組織の統合・廃止も含めてさまざまなことを決めた閣議決定であった。今回は「制度はこういうふうにし、組織はこういう考え方でやろう」という方向性を記述してあるだけであるので、「最終とりまとめ」でどう扱うかの判断。指摘があったことは上部に伝える。
(6) 今回対象としているのは、101の独法である。なお、独法通則法の改正によって、地方独法と国立大学の関係条文が影響を受けることはある。
最後に、花村副事務局長が、後日要求項目をまとめ、要求書を提出すること、今後も節目ごとの交渉・協議を行うことを確認し、協議を締めくくった。
【その他参考資料HPリンク】
自民党行革推進本部HP
(自民党行政改革推進本部中間とりまとめ 5月28日)
http://gyoukaku.jimin.jp/
独立行政法人改革に関する有識者懇談会(第3回 4月2日)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doppou_kaikaku/dai3/3sidai.html
経済財政運営と改革の基本方針について(6月14日閣議決定)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2013/decision0614.html
-附帯決議を足がかりに、諸課題解決に向けて取り組む-
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
参議院本会議は17日、「一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」の採決を行い、賛成多数で可決をした。
これまで、給与法改正法案については、衆議院総務委員会、衆議院本会議、参議院総務委員会で審議が行われてきた。各委員会においては、民主党の奧野総一郎衆議院議員、水岡俊一・江崎孝両参議院議員が質疑に立ち、高齢層の昇給抑制、雇用と年金の接続、臨時・非常勤職員の賃金・労働条件などの課題について、問題点を指摘し、今後の課題を浮き彫りにしてきた。各委員会の採決にあたり、その施行にあたって実現に努めるべき点として、高齢期の雇用問題、臨時・非常勤職員の任用・勤務条件について配慮を行う等の附帯決議が付された。
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法案の可決・成立にあたり、公務労協・公務員連絡会は「今後、民主党の奮闘により採択された附帯決議を足がかりに、諸課題の解決に全力を尽くすとともに、本年夏の人事院勧告に向け、組織の力を結集し、要求実現をめざしていく」旨の別紙事務局長談話を発した。
さて、4月26日の閣議決定により今国会に上程されておりました「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案」は、5月31日衆議院本会議において全会一致で可決され、同日参議院に送付された後、本日、午前中に開催された参議院本会議にて原案のとおり全会一致をもって可決されました。
法案成立にあたって、以下のとおり、自治労見解をお知らせいたします。
公務員連絡会が6月20日10時から、人事院事務総長と交渉を行い、「2013年人事院勧告に関わる要求書」を提出しました。
これにより2013人勧期の取り組みが正式にスタートしました。
交渉の詳細、要求書は下記2013自治労北海道情報№103号をクリック
2013自治労北海道情報№103号をダウンロード
各単組においては、この情報と先日各地方本部を通じて配信済みの「2013年人事院勧告期の取り組みについて(1)」をご活用いただき、2013人勧期闘争の情勢の全体化と今後の取り組みにむけた意思統一を行うため、時間外職場集会などの開催をお願いいたします。
江崎孝参議院議員が参議院総務委員会で地方公務員の臨時・非常勤職員の手当支給を可能とする「地方自治法の一部を改正する法律案」について趣旨説明-6/20
6月20日午前10時から開会された参議院総務委員会において、江崎孝参議院議員(自治労組織内議員)が、5月28日に民主・みんな・生活・共産・みどり・社民6党で共同提出した地方公務員の臨時・非常勤職員の手当支給を可能とする「地方自治法の一部を改正する法案」の趣旨説明(別記参照)を行った。
江崎議員は、「地方自治体で働く臨時・非常勤職員は60万人と3人に1人となっている。正規職員と同様に勤務していても年収は200万円以下と、いわゆる官製ワーキングプア状態である。こうした状況は行政サービスの低下を招きかねない。非常勤職員には手当の支給を認めていないが、改正により臨時・非常勤職員に手当を支給できるよう改正するもの」と説明した。
なお、今後の法案の審議日程等は各党間で協議・調整されることになっている。
(別記)
地方自治法の一部を改正する法律案 趣旨説明
ただいま議題となりました「地方自治法の一部を改正する法律案」につきまして、発議者を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
近年、全国の自治体では、厳しい財政状況等を背景に進められた集中改革プランと行政需要の拡大・多様化への対応を両立するため、正規職員の削減が進む一方で臨時・非常勤職員への置き換えが進み、現在、臨時・非常勤職員は60万人を超えております。
自治体職員の3人に1人が非正規職員という状況にあり、学童指導員、消費生活相談員、図書館職員、学校給食調理員、保育士など、多岐にわたる職種において、臨時・非常勤職員が恒常的な業務に就き、基幹的に行政サービスを担っています。また、教員も、正規から非正規への置き換えが進み、教員総数に占める割合は近年増加傾向であります。しかし、多くの臨時・非常勤職員が、正規職員に準じた勤務時間で働いているものの、年間賃金200万円以下で、雇用不安を抱えた厳しい環境に置かれており、いわゆる「官製ワーキングプア」と指摘されております。こうした状況を放置すれば、行政サービスの質の低下を招きかねず、臨時・非常勤職員の待遇改善、安定雇用の実現に向けた抜本的な対策が求められております。
そのうち賃金については、職務の内容と責任、そして職務経験などの要素を考慮して、正規職員と待遇の「均等・均衡」を図る必要があります。現行の地方自治法は、常勤職員に対して支給されている一時金や退職金等の諸手当について、非常勤職員に支給することを認めておりません。このため、非常勤職員の処遇の向上を図るべく、手当と同等の支給を実施している多くの自治体では、住民訴訟を惹起する事態が生じており、実態に即した法改正が急務となっております。また、国で働く非常勤職員や、自治体の現業・公営企業の非常勤職員への手当の支給は適法とされており、公平性を欠いております。
本法律案は、こうした地方公共団体における非常勤の職員の現状等に鑑み、普通地方公共団体が、条例を定めることにより、非常勤の職員のうちその勤務形態が常勤の職員に準ずる者に対し、常勤の職員と権衡を考慮した手当を支給することができることを新たに規定することとしております。
以上が本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
政府は6月14日に「経済財政運営と改革の基本方針(通称、骨太の方針)」を閣議決定しました。別紙のとおり自治労見解を取りまとめました。
2.自治労見解
骨太方針自治労見解.をダウンロード
公務労協は書記長クラス交渉を実施し唐突な提示に強く抗議-
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務労協は6月27日、今後の公務員制度改革に関わって、公務員事務局との交渉を実施した。交渉には、公務労協から吉澤事務局長をはじめ書記長クラスが出席し、公務員事務局からは、川淵審議官らが対応した。
冒頭、吉澤事務局長が「5月24日に、稲田大臣の下に設置されている『今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会』の中間整理と、おおむね1か月後に改革の全体像(仮称)の決定をめざすことを表明した大臣所感が公表される一方で、6月3日にわれわれも意見交換会でヒアリングを受けた。この間、ILOの指摘も含め、政府は関係者としっかり向き合いながら議論を進めてきたが、ここに来て、急に明日方針決定というのは唐突だ。内容を含めて説明願いたい」と強く抗議した。
それに対し、川淵審議官が「今回の方針決定にあたり、皆さんと意見交換ができなかったことは、唐突で申し訳なかった。今後は十分話し合っていきたい。5月24日の意見交換会の中間整理が、改革全体の進め方の一定の方向性を示している。国家公務員制度改革推進本部の設置期限が7月10日という中で、何も決めない訳にはいかない。現時点の最低限の意思表明をすべきと考えている。今後の公務員制度改革について、明日の国家公務員制度改革推進本部決定として、政府内で了解いただく予定だ」と表明した上で以下の通り、内容を説明した。
(1) 秋に国会が開かれる場合には、国家公務員制度改革関連法案を提出するとともに、来年春に内閣人事局を設置することをめざす。
(2) 公務員制度改革推進本部設置期限以降は、行政改革推進本部が業務を推進する。
(3) 平成21年の「国家公務員法等の一部を改正する法律案」を基本とし、「国家公務員制度改革基本法」の条文に即し、①幹部人事の一元管理②幹部候補育成課程③内閣人事 局の設置等④国家戦略スタッフ、政務スタッフ⑤その他の法制上の取扱い、に関して運用可能な制度設計を行う。
(4) 能力・実績の給与への一層の反映及び給与カーブの見直しに取り組む。
これに対し、吉澤事務局長は次の通り、公務員事務局の考えを追及した。
(1) 国家公務員制度改革基本法に基づき、平成21年法案(甘利法案)を基本に検討していくという考え方でよいか。
(2) 基本法はお互い大事にしていると思うが、当時も甘利法案について相当議論を積み上げている。それも大事にした上で、今回の議論をしていくべきではないか。
(3) 新組織となったときに、われわれとの議論の運び方は、どうなるのか。自律的労使関係を含めて、議論させてもらいたい。
(4) 能力・実績の給与への一層の反映及び給与カーブの見直しに取り組むのは、公務員事務局なのか、総務省人事・恩給局なのか、人事院なのか。
これらの追及に対し、川淵審議官は次の通り答えた。
(1) その通りだ。甘利法案から一歩も出ないということはないが、この間のいろんな経緯や要素を勘案した上で検討していく。早急にという一方で、できる限りていねいに議論していきたい。
(2) 当時は、今と政治状況も異なっていたが受け止めながら、できる限り手順を踏んで進めていきたい。
(3) 法律に基づいて設置されている推進本部はなくなり、新しい形になるが、検討グループは事実上引き続いている。形式にこだわらず議論のテーブルを設けてきたのでいろんなレベルでやっていく。現段階で具体的に明示できないが、しっかり議論していきたい。
(4) 書いてあることのすべてを事務局がやるということではない。政府全体で確認するということであり、事項に応じて所管する組織が担うことになる。
最後に、吉澤事務局長が、今後の公務員制度改革について、「基本法が定める期限を控え、臨時国会に向けて進めていくとの決意が示されたと受け止める。議論のスタートラインに立った。公務員制度改革については長年議論してきており、しっかり決着を付けたい。その前提で議論を積み上げて合意形成を図り、いいものを作っていきたい」との公務労協としての意思表明を行い、本日の交渉・協議を締めくくった。