謹賀新年、本年も自治労北海道ホームページよろしくお願いいたします。
さて、なんとも煮え切らない妙な雰囲気のまま年を超したような気がしてならない。調査によっては国民の8割が解散、政権交代を望んでいるのに解散しない、できない麻生内閣。
しかも、アメリカを震源とする経済不況が津波のように日本を襲い、東京・日比谷公園には「派遣村」が出現するという異常事態に、麻生内閣はなんら対策を講じることなく国会は幕を閉じた。国会が多数の民意を反映しないまま時間だけは経過してゆく。
そんな折、興味深かったのは天皇陛下が誕生日と新年参賀で、正確ではないかもしれないが「厳しい経済状況で苦労多く新年を迎え(てい)る人が多いのではないかと案じている」というような趣旨のことを述べたことだ。
天皇は戦後憲法で象徴となり、政治的行為を禁じられている。これはおそらく宮内庁の作文ではなく自身の思いを言葉にしたのではないだろうかと思ってしまう。政治的な立場にありながら、完全に想像力を失いつつある政治的トップたる麻生総理と対照的な出来事だった。
もうひとつの妙な雰囲気は、というより憤慨したのは、元旦夜のNHKスペシャルに竹中平蔵氏が登場、これからの日本をどうするかについて相変わらずの能弁ぶりを発揮したことだった。
番組で、彼は「政策は現実から」とか「リアリティを重視」などと強弁し続けた。しかし、この津波のような現実を巻き起こしたのはいったい誰なのだ。これからを語る前にまず自己批判からはじめるべきだろう。
この種のNHKの番組はいつも両論併記の形で終わるのだが、今回はどうみても軸は竹中氏という印象。対抗して出演した金子勝教授や山口二郎教授も遠慮がちだった。斉藤貴男氏だけがかみついて、彼の現実論を論駁していた。
暮れから新年にかけてはイスラエル軍がパレスチナ自治区への戦闘を開始、多くの市民を巻き込んだ。戦闘は最大の消費と需要をもたらす景気対策といえる。過去の戦争は経済的な行き詰まりを打開する政治的政策選択だった。
戦争反対論は非現実的として排除され戦火は拡大、多くの尊い命が奪われた歴史はそんなに昔の話ではない。戦争を二度と起こさない非戦の思想と貧困と格差の現実に立脚した新自由主義に決別する理論的な政治経済政策論の探求が急がれる。
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