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【本部情報】公務労協が公務員制度改革事務局と2回目の交渉・協議を実施

誠実に交渉した上で、公務労協が合意できないことは実施しないよう強く求める


※この情報は単組ホームページやチラシ等には掲載せず、自治労組織内の意思統一用として取り扱ってください。

公務労協は、25日、国家公務員制度改革推進本部事務局(以下「公務員事務局」という)との2回目の交渉・協議を実施し、日の交渉で課題とした事項に対する回答を求めた。交渉・協議には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織の労働条件担当者が参加し、公務員事務局側は、淵上・古賀の両審議官らが対応した。

冒頭、淵上審議官から、前回交渉で課題とした2点について、次の通り見解が示された。

(1) 公務員事務局が人事院に勧告要請を行うことの根拠と立場
国家公務員制度改革基本法に基づき推進本部とその事務局が設置されており、本部は国家公務員制度の改革を総合的、かつ集中的に推進する任務がある。国家公務員制度改革の企画立案と総合調整、改革実施の推進が推進本部及び事務局の事務として書かれている。勧告要請は、基本法に基づくものであり、使用者を代表して行うものでも、中央人事行政機関たる人事・恩給局の権限に基づいて行うものでもない。しかしながら、職員の勤務条件に関わり、皆さんにとって重大な事項なので、このような場を通じて意見交換、交渉を行いたいと考えている。

(2) 公務員事務局として人事院に勧告要請すること自体は人事院の勧告機能を損なうものではなく、憲法上の問題は生じないと考えている。今、人事院とはいろいろ交渉しているが、その中で人事院も明確に憲法違反になるとは言っていない。人事院との協議の中で、憲法上の疑いがあるという指摘がなされないように気をつけて議論していきたい。

公務員事務局における勤務条件の検討と勧告要請については、公務労協側が「国公法の使用者の立場ではなく、基本法に基づいて行政府として勧告要請を行うというのであれば、労働基本権が付与された場合に労使が対等平等の立場で行う交渉に準じた対応が必要だ。誠実な交渉を行い、合意に向けて最大限努力するということだけではなく、合意が得られない事項は実施しないことを確認した上で交渉を行うべきだ。公務員事務局が勤務条件を企画立案し、合意を前提せずに一方的に勧告要請するのは憲法違反だ」と追及したが、淵上審議官は「理解を得られるよう最大限の努力を行うが、基本法で求められている事項については、合意が得られなくても、われわれの判断でやらせていただく。労働基本権制約のもとで代償措置としての人事院の勧告機能を重要視しており、締結権が認められた後の交渉のあり方に準じてと言うことにはならない」との考えを繰り返し、議論は平行線となった。このため、公務労協側はこの点については引き続き議論していくこととし、重ねて「労働基本権が付与された後と同様の条件の下での交渉を行うべきである。そうでなければ、事務局がやっていることは憲法違反に当たるというわれわれの認識は変わらない」との見解を示した。

また、憲法との関わりについて、公務労協側が「人事院総裁が国会で「憲法違反の疑いがある」と答弁していることについては、極めて重い発言と受け止めている。労働基本権の制約は労働者、使用者双方の権利を制約するものであり、その下で、政府が人事院に勧告要請を行い、勧告を踏まえた法律改正を行った後、政府が政令で勤務条件の細部を決めることは、使用者側の権利を一方的に強めることになる。また、使用者、労働者の枠を超えて、推進本部・公務員事務局という超然とした政府がそれを勤務条件の企画立案を行うこともおかしい」と指摘したのに対し、公務員事務局側は「人事院に勧告要請すること自体、われわれとしては憲法違反とは考えていないし、この問題に限らず人事院と議論しているが合意を得ている状況にない。見解の相違を無くすよう努力していきたい。なお、政府が憲法違反をするようなことはないと考えており、人事院が要請に応えないことを含めて人事院の自主的判断が担保されていれば問題はない」との見解を示すに止まった。さらに公務労協側が「人事院が「違憲の疑いあり」と言っている限り、公務員事務局として勧告要請をしないのか」と質したところ、淵上審議官は「勧告要請はするが、人事院が勧告しないだけではないか。人事院が勧告しなければ、法律の実施は止まる」と答えた。この点について、公務労協側は「政府部内に見解の相違がある状況の下で、労働組合としてどう受け止めて議論をしていったらいいのか。対立したままで強引に進めることはやめてほしい。労働基本権の制約下で、顧問会議報告にあるような政府による勤務条件等の企画立案と勧告要請、政令で細部を決めることは認められない。やるのであれば、労働基本権の付与とセットで行うべきだ」と強く主張した。

さらに、公務労協側が、「幹部職員の任用の弾力化」及び「定年まで勤務できる環境の整備」の内容を質したところ、淵上参事官は次の通り答えた。

(1) 幹部職員は、国家政策の企画立案という重責を担っており、より適材適所を徹底することにより、有能な人材をポストにつける必要がある。しかし、現状では上に行くか、横に行くかの人事しかできず、適材適所が不十分だ。そこで、弾力化する場合の要件や条件について慎重に検討している。これについては、人事院に意見の申し出を行うことは要請しない。幹部職員は一般の職員と職責が異なるし、民間の役員と類する給与になっており、労働基本権の制約の下でも違いはあり得ると考えている。

(2) 定年延長については、「再任用の原則化」ということで、体力がない場合等を除いて希望者全員を公務職場で受け入れることとしたいと考えている。定年延長については、客観的な状況がどうなっているかなど総合的に判断する必要があり、事務的にはハードルが高いと思っている。この問題については、人事院に勧告を要請するが、政府部内でも具体的検討を加速しないといけないと思っている。

これらに対し、公務労協側は①幹部職員とはいえ、公務員制度の根幹を変更する話である。大臣の意向で降任されることで本当によいのか。公務員人事の中立を基本とするのか、政治任用にするのか、根幹が定まっていないことが危惧される②雇用と年金の接続について、定年延長を先送りし、再任用の義務化で対応するというのでは不十分。段階的に定年延長を行うことを基本として、それに再任用を組み合わせるという方向で進めていただきたい、として、公務員事務局の見解を質したところ、事務局側は①幹部職員については適格性審査などの手続きを入れることにしており、そういう下支えの範囲で相対的に能力ある者を任用しようということで慎重に検討している②定年延長は、段階的に実施しなければならないし、採用抑制も必要なので、職場の受け入れ態勢を整えていく必要もある、との考えを示した。

以上のように、議論がかみ合わなかったことから、公務労協側は「検討の内容、手続きについて、われわれが納得できるよう、十分な交渉をさせていただきたい」と強く要請し、交渉を終えた。

                                        以上

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2008年12月26日 16:20に投稿されたエントリーのページです。

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