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【本部情報】地方分権第2次勧告取扱いで担当大臣に申入れ

-真の分権改革実現と政府の責任で雇用・労働条件を確保することを求める-

公務労協は、12月24日14時15分から、鳩山地方分権改革担当大臣交渉を実施し、別紙「国の出先機関の見直し等に関する申入れ」の実現を迫った。この交渉は、8日に地方分権改革推進委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)が麻生総理大臣に「第2次勧告」を行い、政府が本年度内に国の出先機関見直しの「工程表」を策定することになったことから実施したもので、公務労協から、福田副議長(国公連合委員長)、岡部副議長(自治労委員長)、河田副議長(林野労組委員長)、竹林国交職組委員長、中村全開発委員長らが参加した。

冒頭、福田副議長が申入書を手交し、鳩山大臣に次の通り要請を行った。
(1) 12月8日に地方分権改革推進委員会の第2次勧告が出されたが、国の出先機関見直しは、地方分権の流れではなく、行政改革や総人件費削減の流れが前面に出ている。10月31日の麻生総理の「増税の前に行革徹底」発言や、11月6日の総理と丹羽分権委員長の会談で「行政改革」が触れられたことが背景になっている。

(2) われわれは、地方分権改革については、国と地方自治体の役割分担を検証した上で、地方で行う方が国民や住民にとってベターというものであれば移譲することに反対しないが、出先機関の統廃合と人員削減を打ち出して、行政改革のためのパフォーマンスにしているのは問題だ。雇用不安や公共サービスの破壊だけが進行していくのではないかということを強く危惧する。

(3) 政府は、3月末までに国の出先機関見直しの「工程表」を作るとしているが、検討の中でもう一度、地方分権改革の理念に立ち返って、改革の全体像を明らかにし、そのうえで出先機関のあり方を検討していただきたい。その際、直接現場で事務・事業を担っている公務労協と十分協議することを強く求める。

(4) 勧告の中身をみるとまず1万人とか、将来は3万5千人とか、数字が踊っている。公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することやそれを実現するための制度設計をきちんとされるよう、強く求める。

この要請に対し、鳩山担当大臣は、次の通り答えた。
(1) 今の話の趣旨はよく分かる。12月8日に出された地方分権改革推進委員会の第2次勧告は、「国の出先機関の見直し」と1万に及ぶ地方に対する「枠付け・義務付けの見直し」であるが、二重行政がないかどうかや、地方は地域によく目が届くが国の出先であるがゆえに目が届かないとすれば、それは地方に移譲した方がいいという考えからまとめられたものと受け止めている。今後、その内容に沿って、出先機関改革の今後の「工程表」となる政府の「計画」を年度内に策定すべく、検討を進めていきたい。

(2) 勧告では、出先機関改革の円滑な実施をはかるため、「職員の雇用や国と地方を通じた公務能率の維持・向上について十分な配慮が必要」とし、これを踏まえた職員の移行等の仕組みなどについて提言している。また、11月6日には総理と丹羽委員長の話に私も同席したが、二人は「今働いている人の生活がめちゃくちゃになってはいけない」「どうしたら国家公務員が円滑に移行できるか、見合った職場を探すのは大変だ」という話をしていた。私も人を無視した政策はうまくいかないと思っている。総理からも「人材の移管等は丁寧に進めていく必要がある」との指示を受けている。

(3) これらを踏まえ、今まで全体の奉仕者という立場で勤務してこられた皆様方の意見を十分にお聞きして、検討していかなければならないと考えている。

 続いて、竹林国交職組委員長が「2次勧告は、出先機関に働いている職員からは合理化、定員削減ありきにしか見えない。国土の均衡ある発展や国民の安心安全に努めてきたが、そういう議論がない。地方分権改革には反対ではないが、職員の雇用確保の問題、セーフティネットをどう整備するのか、という点を忘れないようにお願いしたい」と、中村全開発委員長は「北海道開発局は行革の度に話題になる。今年、第8次北海道開発計画が決定されたが、その評価もない。いま、道路の移管を巡って道庁と協議しているが、財政や道と市町村の分担がはっきりしないため、進展していない。国民の負託に応えて業務を進めることが大切であり、われわれや地域の意見を踏まえて検討してほしい」とそれぞれ訴えた。
 
これに対し鳩山大臣は「基本的には、お話はよく分かるので、ご要望はよく受け止める」との見解を述べた。
 
最後に、福田副議長が「今後とも話し合う場を設けるとの回答をいただいたので、それを期待したい」として、引き続き話し合っていくことを確認し、本日の申入れ交渉を締めくくった。

<別紙>
                                      2008年12月24日

         
地方分権改革担当大臣
   鳩 山 邦 夫 様

                             公務公共サービス労働組合協議会
                                      議 長  中 村  讓
 
              国の出先機関の見直し等に関する申入れ

 常日頃から、地方分権改革に向けてご尽力されていることに心から敬意を表します。
 さて、地方分権改革推進委員会は、8日、第2次勧告を行いましたが、その内容は公共サービスのあり方や当該機関に勤務している国家公務員労働者の雇用に重大な影響を与える内容となっています。
 地方分権改革は、本来、社会経済情勢の変化に対応した形で国と地方自治体の行政の役割分担を見直した上で、より地域に密着した地方自治体が国民生活に不可欠な公共サービスを住民のニーズにそって遂行できるよう見直すものでなければなりません。しかし、第2次勧告では行政改革、総人件費改革のための出先機関統廃合が優先され、国と地方自治体の事務・事業の検証が十分でなく、受け皿となる地方自治体の事務・権限や財源のあり方も先送りされ、公共サービスの切り捨てとなることが危惧されます。
 また、現在進められている国家公務員の府省間配置転換に加えて、出先機関の統廃合が行われることになれば、深刻な雇用問題の発生が想定されます。勧告は、政府に雇用責任を持たせる姿勢が極めて不十分であり、出先機関に勤務する職員は将来に対する雇用と生活の不安を一層募らせています。
 つきましては、今後の国の出先機関の見直しの「工程表」や地方分権改革推進計画の検討・策定に当たって、下記のことを実現されるよう要請します。

                            記

1.地方分権改革に当たっては、国民生活の安心・安全を支える公共サービスの確保を大前提に、国と地方の役割分担の明確化、基礎自治体が担うべき事務や役割範囲の特定等を基本として進めること。

2.政府としての国の出先機関の見直しの「工程表」の検討や地方分権改革推進計画の策定に当たっては、公務労協及び関係組合と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて作業を進めること。

2.国の出先機関の見直しに当たっては、国家公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することを明確にし、それを実現するための具体的な仕組みを整備すること。


                                           以 上

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2008年12月25日 13:38に投稿されたエントリーのページです。

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