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【本部情報】新たな超勤上限目安時間で人事院から回答

”720時間上限目安"の問題を厳しく追及し、"フォローアップ実施"を約束させる


※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。


公務員連絡会は、12月9日、10時から人事院交渉を実施し、過日提出した「新たな超過勤務上限目安時間設定についての意見」に対する回答を求めた。交渉には、公務員連絡会から労働条件専門委員会交渉委員が参加し、人事院側は、松尾職員団体審議官付参事官、阿部職員福祉課調査職、役田同課補佐が対応した。

冒頭、松尾参事官は、「11月19日に提出された意見について検討した結果を申し上げたい」として、次の通り答えた。

(1) 超過勤務実態等の調査については、現行指針では360時間の超過勤務上限目安時間によらないことができる部署を定めており、これらの部署は、国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等の各府省の枠を超えて他律的に業務が決まる部署なので、どの部署が当てはまるかについては各府省が業務内容を見て判断している。そのため直ちに調査することは困難であるが、一定の期間を経過した後にはフォローアップが必要であり、ご要望の点も含めて調査を行うことを検討したい。

(2) 在庁時間縮減については、政府全体として縮減に努めることとし、本年4月から各府省において具体的な取組みを進めており、夏の勧告前に取組み状況をお知らせしたところである。来年4月には本年度の取組み状況のフォローアップを行うことにしているので、まとまった段階で職員団体の皆さんにお知らせすることとしたい。

(3) 超過勤務の規制のあり方については、他律的業務部門についても、まずは上限目安時間を定めて、その実施状況を見極めた上で、より実効性のある対策を講じることが必要と考えている。今後とも皆さんと必要に応じて協議を行わせていただきたい。なお、年間720時間の根拠は、深夜勤務が午後10時からなので、それに至らない範囲である3時間の超勤を1か月に20日行うとして設定したもである。これでも多いとの指摘もあると思うが、現実に720時間を超えている実態があることを踏まえたものである。

(4) 今月中旬には指針を発出し、原則として1月1日を起算日として適用することを考えている。

以上の回答に対し、公務員連絡会側は、次の通り、さらに人事院の見解を質した。
(1) 人事院としてしっかり構えて取り組むという姿勢が伺えない。民間企業では労使で36協定を結ばないと超過勤務をさせることができない仕組みであるのに対し、公務員の場合は労働基本権制約の代償機関としての人事院がその役割を果たすことになる。にもかかわらず、厚生労働省告示の上限は360時間であり、その2倍の720時間を目安にするというのは問題であり納得できない。

(2) 他律的業務については、国会を含めて人事院としての働きかけを行うべきではないか。

(3) いまの指針が定められたのは平成11年であり、各府省でどのように実施されてきたかフォローべきであった。今後は取組み状況を含めてしっかり調査していただきたい。また、指針には「健康への配慮」も定められており、各府省に任せるだけでなく、人事院として調べるべきである。

(4) 職員個人個人が、自分は360時間なのか、720時間なのか、分かるようにしていただきたい。また、各府省では、とくに今まで360時間を取り組んでこなかったところでは、720時間まで超勤をさせてもいいということになりかねないので、厳しく指導していただきたい。

これらの追及に対し、人事院側は次の通り答えた。
(1) 行政サービスとしていろいろあることや実態として720時間を超えている職員がいることを踏まえると、720時間ということ自体に問題がないとは思わないが、まずはこれを上限目安とすることが適当と考えたものである。実行不可能なものではなく、他律的業務に対しても、現場で努力できるものとして設定することにしたものだ。この取組みを踏まえて、将来どうするかは考えていきたい。

(2) 国会に対しては、本年の報告で「関係各方面の理解と協力を得て、改善が進むことを期待する」と書いたところであり、それ以上の働きかけは難しいと考えており、組合の皆さんのご協力も得ながら取り組んでいきたい。

(3) 各府省が1月から職場ごとにどのように取り組むかまで調べるのは難しいと考えているが、一定期間後には調査を行いたいと考えており、どのような調査を行うかについてはご要望の点を含めて検討したい。

(4) どの部署がそれぞれに当てはまるかは各府省が決めることであり、個々の職員に伝えることまでは求めないが、現場の管理職に指導してもらいたいと思っている。なお、どのような部署単位で指定するかは各府省の任意である。

最後に公務員連絡会側は「われわれは720時間という上限目安の設定について納得したわけではない。しかし、指針を出すからには、各府省をしっかりと指導していただきたい。より実効性のある縮減方策にしていくために、取組みをフォローアップし、成果が上がっていなければ、われわれが要求しているような新たな超勤規制策を検討することを約束していただきたい」と人事院の見解を求めたのに対し、人事院側は「まず720時間の上限目安を仕組みを作って、一定期間後に縮減状況をフォローアップを行い、それを見極めてどんなことが実行可能か、皆さんの意見を伺いながら検討していきたい」と答えたことから、これを確認し交渉を終えた。

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2008年12月10日 15:18に投稿されたエントリーのページです。

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