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【本部情報】第2回労使関係制度検討委員会が開催される

12月3日、国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(座長:今野浩一郎・学習院大学教授)第2回会議が、本部のある中央合同庁舎4号館で開催された。委員会には、労働側委員として山本幸司連合副事務局長、福田精一国公連合委員長、金田文夫自治労書記長が参加した。

冒頭、出席した甘利公務員制度改革担当大臣は「公務員制度化改革は、政府としても重要な課題と位置づけている。能力・実績主義等を基にした改革を進めるためには、当検討委員会の議論を避けて通れない。すでに顧問会議から内閣人事局の機能に関する報告も出されており、当委員会でも改革の全体像、その措置の内容について、早急な検討を求めたい。当初描いていた平成21年度中という日程についても、”度”をとり、平成21年内のまとめとして、できるだけ早い時期をお願いしたい。全体の日程についても、渡辺前大臣の描いた1・3・5年の予定を1・2・4年として早めたい。そうした工程表に基づき改革をバインディングし、部分的に食い逃げされないようにしたい。当委員会における議論を前倒させ、工程表上の日程に間に合わせて欲しい」とあしさつした。

その後、事務局から「顧問会議の報告」に関する説明があり、その説明を受けて山本委員は「顧問会議の報告には、内閣人事局の機能などの報告がされている。この報告は代償機能を内閣人事局に移すことを前提としているが、これは公務員の非管理職層に労働基本権を付与し代償機能をなくす、としなければ平仄が合わない。政府としては、内閣人事局が発足するときに、人勧制度によらない給与決定システムも構築されるように、その改革の内容面とスケジュール、タイミングについても、平仄を合わせていくつもりか」と甘利大臣を質した。
 
これに対し、甘利大臣は「顧問会議でも同様の指摘はあった。昨日も国家公務員制度改革推進本部を開催し、私から工程表に基づき、前倒しで議論を進めることを報告し、総理からもその旨指示を受けている。今後の改革については、全体の見通しをもって、整合性をはかりつつ、進めていきたい」と応じた。

続いて、事務局から「便益及び費用について」の説明があり、各委員による審議が行われた。

審議のなかで、金田委員は「資料にある想定される便益及び費用の内容では、労使関係に手間をかけるとコストがかかる、デメリットになるというイメージになっていないか。専門調査会のヒアリングにもあるように、民間では労使のパートナーシップで事業を改革していく、組合にはその橋渡しの大きな役割があると指摘されている。公務でも同じだ。今置かれた状況にあっては、一層、意思疎通を密にする必要がある。それで業務をうまく進めること自体大きな便益になると思う。また、給与調査について、イギリスやドイツではあくまで労使交渉による決定で、特別な調査はしていない。アメリカでも労働省の調査データを活用しており、コストはかけていない。つまり、特別調査をやることは、そもそも前提ではないはず。
また、ドイツでは協約締結権のない官吏の給与については、交渉で決める職員の給与水準に準拠する形で決められている。これにもコストがかかっているわけではない」などの考えを表明した。
 
また、福田委員は「便益についてはフワっとした印象で書かれているのに、費用については具体的な書きぶりになっているので、コスト論だけが目立つ。最小の費用で最大の便益を得るには、労使関係の質の問題が大きい。その質を高めるための論議こそ必要」などと発言した。
 
その他の委員からは「国民を究極的な使用者とするのか、タックスペイヤーと捉えるのか。そこを考えないと、資料に便益として示されている記述のうち『国民への説明責任』や『国民に理解される』という表現に違和感が出てくる」、「資料に記載されているのは、想定される便益および費用の内容に関する『基本的視点』にすぎない。そのまま『内容』と決めると誤解を生じるので、ここでは基本的視点ぐらいのものとして合意する程度でいいのでないか」、「便益については、抽象的にならざるを得ないが、国民に示すにはより分かりやすく説明する必要がある」、「費用と便益は、高くていいもの、安くて今ひとつなもの、その兼ね合いで決めるべきもの」などの意見が出された。

これら意見を受けて、座長は「費用と便益を考える視点な何なのか、共有化していきたい。それを次回、事務局でまとめて提出して欲しい。資料の『想定される便益及び費用の内容』については『想定される便益及び費用の内容の視点』くらいの表記でいいのではないかと思う」としてまとめた。

最後に、事務局から「今後の検討スケジュール」「便益及び費用に関する調査の方針について(案)」の説明があり、各委員からはアンケートに対し、「しっかりした制度の中身を示して行わないと、アンケートをやっても意味がない」「アンケートは難しい。結果に我々自身も影響されてしまう」「アンケートは、聞き方の問題で、バイアスがかかる」などの意見が出された。また、ヒアリングについても幾つか意見が出され、座長は「事務局案をリスト化し、次回委員会までに事前配布したい」として締めくくった。

次回以降の日程は、日程調整の上、開催日を各委員に知らせることとなった。

引き続き、自治労は、労働側委員と連携しつつ、協約締結権の付与を通じた交渉に基づく労働条件決定制度の確立と自律的労使関係制度の実現に向けて、取組みを強めていく。

                                            以上

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2008年12月06日 18:00に投稿されたエントリーのページです。

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