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【本部情報】第19回社会保障審議会・少子化対策特別部会報告

保育の質を量的拡大の犠牲にしてはならない(篠原委員)
〔政策ニュースレター1078号〕

日時:2008年12月3日(水)15:00〜17:00
場所:厚生労働省省議室
出席者: <委員> 大日向恵泉女学園大学教授(部会長)、篠原連合生活福祉局長、大堀参考人(清原三鷹市長代理)、駒村慶應大学教授、佐藤東京大学教授、庄司立教大学教授、杉山セレーノ代表取締役、福島日本経団連少子化対策委員会企画部会長、宮島日本テレビ報道局解説員、山縣大阪市立大学教授、吉田「遊育」代表取締役
<事務局>村木厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、北村審議官他

議題:1.経済的支援について
2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
3.これまでの議論の整理

1.経済的支援について
 「子どもと家族を応援する日本」重点戦略及び社会保障国民会議で既に確認されている「経済的支援よりも、保育等のサービスを充実すべき」ことを確認した。

2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
岩淵副部会長の「社会的責任の観点から、財源負担について事業主はもう少し前向きになるべき」との意見に対して、福島委員は「少子化は国の問題である。基本は税で賄うべき」と反論。岩淵部会長は、「事業主負担は、賃金体系にある扶養手当など一緒に議論する必要がある」と取りまとめた。

3.これまでの議論の整理
篠原委員から、最終報告のとりまとめにあたって、「両立支援という観点からは、保育の量的拡大と多様なニーズに対応する提供体制の整備が重要となるが、そのために保育の質を犠牲にすることがあってはならない。地方分権改革推進委員会が来週とりまとめる勧告には、保育所の最低基準の廃止が盛り込まれるとの報道があるが、その考え方については反対である」と表明した。
大日向部会長は、第10回(9月5日)から第18回(11月21日)までの議論を以下のようにとりまとめた。

○保育サービスの必要性の判断基準について
保育の必要性の判断が独自に行われ、それに基づいて受給権が発生し、サービス提供基盤の整備責任を明確化させる制度にすることを検討する。需給がアンバランスの現状においては、保育を必要とする子(とりわけ母・父家庭、被虐待児童等)が拒否されるケースを回避すること、施設の安定的運営に配慮する必要がある。

○利用方式のあり方について
利用者と施設が向き合い、公的関与が入り質を向上するしっかりした仕組みをつくる必要がある。
 
その他の主な意見は以下の通り。
<山縣委員>保育所利用料の徴収は、たとえ直接契約になっても、市町村がすべき。施設は、滞納世帯の子どもを避ける傾向にある。滞納世帯からの徴収は大変な業務であり、施設に任せるのは困難。
<佐藤委員>保育所を利用できる世帯とできない世帯、また認可外保育を利用する世帯の間に、公的支援の格差が生じている。児童を受け入れた施設に補助する形をとれば公平性は担保できる。
<駒村委員>滞納を防止するためには、直接施設に納める方式も一つの考えではないか。
<岩村委員>直接契約にした場合は、施設が徴収するのが自然。事業者が滞納世帯の子どもを敬遠するのは行政監督の問題である。
<宮島委員>面倒を見る祖父母がいる世帯が要保育からはずされると、3世代同居を妨げかねない。
 
次回(12月9日)には最終報告案が示され、16日の会議で取りまとめる予定。


                                         以 上

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2008年12月05日 12:26に投稿されたエントリーのページです。

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