2008年11月26日15時30分から、財務省要請を行った。自治労から、加藤副委員長、友利政治政策局長、松本労働局次長が参加した。財務省は、丹後主計局長、加藤主税局長が対応した。峰崎直樹参議院議員が同席した。
加藤副委員長が「自治体を取り巻く財政状況は厳しさを増している。とくに、「骨太方針2006」以降の歳出削減策の影響は、公共サービス水準の低下をもたらしている。国民の生活不安を解消するためには社会保障などの財源確保が必要であり、財政再建のために公共サービスを削減する政策を早期に転換する必要がある」と述べた。
続いて、友利政治政策局長から、要請書に沿って「景気の急速な後退を背景に、税収減が予想されている。国税とリンクする地方交付税の確保が例年になく厳しい状況と報じられているが、地方の疲弊からみれば地方財源の確保は不可欠だ。また、社会保障費の毎年2200億円カットは、自治体の社会保障の水準に多大な影響が生じており、一律の歳出削減を求める「骨太方針2006」を撤回し、必要な財源を確保する決断が必要だ」と指摘した。
これに対し、丹後主計局長は「社会保障費は少子高齢化等による自然増で8,500億円の増加が見込まれている。毎年の削減目標2,200億円を差し引いても、6,500億円の増加となり、来年以降の公的年金の国庫負担2分の1への増額も考えれば、歳出に占める社会保障費の増額は相当なものとなる。社会保障費の削減が国民生活にもたらす影響について国会で審議されているが、一方で財源をどう手当てするかという問題がある。当面、国民に負担をお願いできる状況でないなかで、ジェネリック薬品の使用などで工夫しつつ、社会保障関係費を抑制していく必要がある。また、将来世代につけを残さないためにも、社会保障財源に関する中長期的なあり方を考える必要がある」と回答した。
加藤主税局長は、「将来に財政負担を残さないためには、財源確保のあり方について真剣な議論が必要と考えている。税制改革の方向については、消費税の引き上げの議論が焦点化されているが、皆さんの要請書にあるように、所得税の累進度の引き上げ、資産課税も含めて、税体系のあり方について総合的な議論が必要との認識にたっている」と回答した。
最後に、自治労側から「歳出削減ありきでは、公共サービスに対する国民の信頼感を得ることはできない。国民の信頼が得られない状況では、財源確保の議論が難しいのではないか。政府として、歳出削減ではなく、公共サービスの重要性を強調することが不可欠であり、そのための財政のあり方の議論が必要だ.。また、景気の急速な減速により、地方経済は深刻な状態に追い込まれており、政府として早急な経済対策が必要である」と指摘し、引き続きの協議を求め、要請を終えた。