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【本部情報】第2次勧告に向け分権改革委事務局交渉を実施

-行革のための出先機関見直しを厳しく批判し、大臣交渉を申入れ-

公務労協は、11月27日16時から、内閣府の地方分権改革推進委員会事務局次長交渉を実施し、国の出先機関見直しに関する第2次勧告に向けた検討状況を質した。

この交渉は、地方分権改革委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠取締役会長)が8月に取りまとめた「国の出先機関の見直しに関する中間報告」に基づいて検討作業を進め、12月上旬に第2次勧告を行う情勢となっていることを踏まえて実施したもので、公務労協側は吉澤事務局長と関係構成組織書記長等が参加し、地方分権改革推進委員会事務局側は小高事務局次長、高野参事官らが対応した。
 
冒頭、吉澤事務局長が①中間報告に基づく検討作業、2次勧告のスケジュール、②11月6〜7日の総理と丹羽委員長の協議と総理の指示内容、を明らかにするよう求めたのに対し、小高次長は次の通り答えた。

(1) 中間報告の仕分けに基づいて地方への移譲ができないか各府省担当者と議論・折衝を行っている。丹羽委員長が12月上旬に勧告したいということを表明しているが、何日かは決まっていない。次回の委員会は12月2日でその次は決まっていない。2次勧告では出先機関以外に、地方に対する法令による枠付け・義務付けの見直しも勧告することにしている。

(2) 11月6日には丹羽委員長が総理に呼ばれて懇談した。総理から①二重行政の廃止、②国会や国民の目の届かない出先機関を住民の目が届くものにする、③地方再生・地域振興、の三つの観点から、出先機関の抜本的な統廃合を行ってほしい、ということで、その例示として地方農政局と地方整備局の名前が挙げられた。7日の閣僚懇ではペーパーが配られたが、そこには「統廃合」「地方整備局、地方農政局」の記載はなかった。

これに対し、吉澤事務局長は、「6月18日の交渉では松田次長から『事務・事業、権限の仕分けをした上であるべき役所の組織をどうするか』の観点から検討していくと、また、8月4日には宮脇事務局長から『分権委員会は行財政改革を目的としているわけではないので、廃止、民営化、独法化を前提とはしていない。あくまで分権の観点で検討していく』、との考えが示されていたが、11月6日の話は総理と丹羽委員長の間で『統廃合、廃止ありき』でまとまったということであり、話が違うのではないか」と分権事務局の考えを厳しく追及した。

追及に対し、分権事務局側は「中間報告では残った組織についても二重行政が再び拡大することがないようにすることについても書いてあるので、抜本的統廃合も視野に入ってくるという文脈での話ではないか。一般の行革では、器、組織から入っていくが、分権改革委では事務事業の仕分けから入っており、入口が違う。総理の発言の意味を忖度する立場にはないが、事務権限を仕分けして抜本的改革をしてほしいというのが政府の方針である」と釈明するに止まった。

さらに公務労協側は、次の通り、事務局の考えを質した。
(1) 農水省では、事故米の問題を発端として、今日、「緊急提言」が公表されたが、分権事務局と相談してだしたというものではなく、分権改革とは別の話であることを確認させていただきたい。

(2) 現場の職員も分権改革委のホームページを見ているが、総理と丹羽委員長の会談後、委員会の議論は組織の廃止縮小がメインテーマとなって、そのために仕事を委譲すべきだという意見が多くなっている。ボリューム感が大事だ、どれだけ行革に貢献できるかが大事だという方向になっている。現場からは心配する声が上がっており、きょうの話を聞いても安心できない。分権ではなく、行革になっている。

(3) 分権の観点から、勧告が求められるかどうかについて懸念をしており、行革ではなく、分権改革という方針を堅持していただきたい。

これに対し分権事務局側は、次の通り、見解を示した。
(1) 事故米の問題については食糧部長から話を聞いたが、農水省の「緊急提言」について当事務局と相談しながら出したというものではないか、農水省の改革方針として出されれば委員の皆さんも当然関心を持つことになるのではないか。

(2) 60数回の審議を行ってきているので、その全体を見てほしい。特定の発言だけを見て言われると委員はつらい。

(3) 政府としては、来年に予定される第3次勧告を踏まえ、地方分権改革推進計画を閣議決定し、しかるべき時期に一括法を提出する。出先機関見直しは年度内に工程表を作ることになっている。これらの実施プロセスの中で、皆さんの懸念をどう受け止めていくのかは重要な問題だと考えている。総理もそのことには言及している。

最後に吉澤事務局長が「行財政改革のために国の出先機関を廃止するということではなく、あくまで事務事業を精査して、あるべき分権改革を進めていただきたい。雇用問題も極めて重要な問題である。本来は、総理からわれわれに対して発信がないといけない。2次勧告は政府が方針を決める際に大きな影響力を持つことになるので、担当大臣との交渉を申し入れる」と要請し、小高次長が「努力する」と答えたことからこれを確認し、交渉を終えた。

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2008年12月01日 10:29に投稿されたエントリーのページです。

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