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2008年12月 アーカイブ

2008年12月01日

【本部情報】第2次勧告に向け分権改革委事務局交渉を実施

-行革のための出先機関見直しを厳しく批判し、大臣交渉を申入れ-

公務労協は、11月27日16時から、内閣府の地方分権改革推進委員会事務局次長交渉を実施し、国の出先機関見直しに関する第2次勧告に向けた検討状況を質した。

この交渉は、地方分権改革委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠取締役会長)が8月に取りまとめた「国の出先機関の見直しに関する中間報告」に基づいて検討作業を進め、12月上旬に第2次勧告を行う情勢となっていることを踏まえて実施したもので、公務労協側は吉澤事務局長と関係構成組織書記長等が参加し、地方分権改革推進委員会事務局側は小高事務局次長、高野参事官らが対応した。
 
冒頭、吉澤事務局長が①中間報告に基づく検討作業、2次勧告のスケジュール、②11月6〜7日の総理と丹羽委員長の協議と総理の指示内容、を明らかにするよう求めたのに対し、小高次長は次の通り答えた。

(1) 中間報告の仕分けに基づいて地方への移譲ができないか各府省担当者と議論・折衝を行っている。丹羽委員長が12月上旬に勧告したいということを表明しているが、何日かは決まっていない。次回の委員会は12月2日でその次は決まっていない。2次勧告では出先機関以外に、地方に対する法令による枠付け・義務付けの見直しも勧告することにしている。

(2) 11月6日には丹羽委員長が総理に呼ばれて懇談した。総理から①二重行政の廃止、②国会や国民の目の届かない出先機関を住民の目が届くものにする、③地方再生・地域振興、の三つの観点から、出先機関の抜本的な統廃合を行ってほしい、ということで、その例示として地方農政局と地方整備局の名前が挙げられた。7日の閣僚懇ではペーパーが配られたが、そこには「統廃合」「地方整備局、地方農政局」の記載はなかった。

これに対し、吉澤事務局長は、「6月18日の交渉では松田次長から『事務・事業、権限の仕分けをした上であるべき役所の組織をどうするか』の観点から検討していくと、また、8月4日には宮脇事務局長から『分権委員会は行財政改革を目的としているわけではないので、廃止、民営化、独法化を前提とはしていない。あくまで分権の観点で検討していく』、との考えが示されていたが、11月6日の話は総理と丹羽委員長の間で『統廃合、廃止ありき』でまとまったということであり、話が違うのではないか」と分権事務局の考えを厳しく追及した。

追及に対し、分権事務局側は「中間報告では残った組織についても二重行政が再び拡大することがないようにすることについても書いてあるので、抜本的統廃合も視野に入ってくるという文脈での話ではないか。一般の行革では、器、組織から入っていくが、分権改革委では事務事業の仕分けから入っており、入口が違う。総理の発言の意味を忖度する立場にはないが、事務権限を仕分けして抜本的改革をしてほしいというのが政府の方針である」と釈明するに止まった。

さらに公務労協側は、次の通り、事務局の考えを質した。
(1) 農水省では、事故米の問題を発端として、今日、「緊急提言」が公表されたが、分権事務局と相談してだしたというものではなく、分権改革とは別の話であることを確認させていただきたい。

(2) 現場の職員も分権改革委のホームページを見ているが、総理と丹羽委員長の会談後、委員会の議論は組織の廃止縮小がメインテーマとなって、そのために仕事を委譲すべきだという意見が多くなっている。ボリューム感が大事だ、どれだけ行革に貢献できるかが大事だという方向になっている。現場からは心配する声が上がっており、きょうの話を聞いても安心できない。分権ではなく、行革になっている。

(3) 分権の観点から、勧告が求められるかどうかについて懸念をしており、行革ではなく、分権改革という方針を堅持していただきたい。

これに対し分権事務局側は、次の通り、見解を示した。
(1) 事故米の問題については食糧部長から話を聞いたが、農水省の「緊急提言」について当事務局と相談しながら出したというものではないか、農水省の改革方針として出されれば委員の皆さんも当然関心を持つことになるのではないか。

(2) 60数回の審議を行ってきているので、その全体を見てほしい。特定の発言だけを見て言われると委員はつらい。

(3) 政府としては、来年に予定される第3次勧告を踏まえ、地方分権改革推進計画を閣議決定し、しかるべき時期に一括法を提出する。出先機関見直しは年度内に工程表を作ることになっている。これらの実施プロセスの中で、皆さんの懸念をどう受け止めていくのかは重要な問題だと考えている。総理もそのことには言及している。

最後に吉澤事務局長が「行財政改革のために国の出先機関を廃止するということではなく、あくまで事務事業を精査して、あるべき分権改革を進めていただきたい。雇用問題も極めて重要な問題である。本来は、総理からわれわれに対して発信がないといけない。2次勧告は政府が方針を決める際に大きな影響力を持つことになるので、担当大臣との交渉を申し入れる」と要請し、小高次長が「努力する」と答えたことからこれを確認し、交渉を終えた。

【本部情報】2009年度政府予算編成に関する要請報告(財務省)

2008年11月26日15時30分から、財務省要請を行った。自治労から、加藤副委員長、友利政治政策局長、松本労働局次長が参加した。財務省は、丹後主計局長、加藤主税局長が対応した。峰崎直樹参議院議員が同席した。

加藤副委員長が「自治体を取り巻く財政状況は厳しさを増している。とくに、「骨太方針2006」以降の歳出削減策の影響は、公共サービス水準の低下をもたらしている。国民の生活不安を解消するためには社会保障などの財源確保が必要であり、財政再建のために公共サービスを削減する政策を早期に転換する必要がある」と述べた。

続いて、友利政治政策局長から、要請書に沿って「景気の急速な後退を背景に、税収減が予想されている。国税とリンクする地方交付税の確保が例年になく厳しい状況と報じられているが、地方の疲弊からみれば地方財源の確保は不可欠だ。また、社会保障費の毎年2200億円カットは、自治体の社会保障の水準に多大な影響が生じており、一律の歳出削減を求める「骨太方針2006」を撤回し、必要な財源を確保する決断が必要だ」と指摘した。

これに対し、丹後主計局長は「社会保障費は少子高齢化等による自然増で8,500億円の増加が見込まれている。毎年の削減目標2,200億円を差し引いても、6,500億円の増加となり、来年以降の公的年金の国庫負担2分の1への増額も考えれば、歳出に占める社会保障費の増額は相当なものとなる。社会保障費の削減が国民生活にもたらす影響について国会で審議されているが、一方で財源をどう手当てするかという問題がある。当面、国民に負担をお願いできる状況でないなかで、ジェネリック薬品の使用などで工夫しつつ、社会保障関係費を抑制していく必要がある。また、将来世代につけを残さないためにも、社会保障財源に関する中長期的なあり方を考える必要がある」と回答した。

加藤主税局長は、「将来に財政負担を残さないためには、財源確保のあり方について真剣な議論が必要と考えている。税制改革の方向については、消費税の引き上げの議論が焦点化されているが、皆さんの要請書にあるように、所得税の累進度の引き上げ、資産課税も含めて、税体系のあり方について総合的な議論が必要との認識にたっている」と回答した。

最後に、自治労側から「歳出削減ありきでは、公共サービスに対する国民の信頼感を得ることはできない。国民の信頼が得られない状況では、財源確保の議論が難しいのではないか。政府として、歳出削減ではなく、公共サービスの重要性を強調することが不可欠であり、そのための財政のあり方の議論が必要だ.。また、景気の急速な減速により、地方経済は深刻な状態に追い込まれており、政府として早急な経済対策が必要である」と指摘し、引き続きの協議を求め、要請を終えた。

2009年度政府予算編成に関する要請書をダウンロード

民主党マニフェスト(行政改革、分権改革)に関する意見交換会

12月1日、民主党道連と公務労協北海道との間で、民主党マニフェスト(行政改革、分権改革)に関する意見交換会が行われた。

意見交換会には、横路・佐々木・逢坂・峰崎衆参国会議員及び荒井前衆議院議員、佐野民主党道連幹事長が、自治労から三浦委員長、杉谷副委員長、酒井総研事務局長の他、国公連合・政労連・連合北海道などから16人が参加した。

はじめに公務労協側から、総選挙準備に発行された「民主党政策インデックス」にある「行政改革」と「分権改革」の内容について、①民主党の考える政府論、②独立行政法人改革、③行政刷新会議の位置づけ、④国家公務員人件費の削減、⑤国の出先機関の廃止問題、⑥公務員の役割、⑦300自治体、⑧地方財政調整制度、の8点にわたる意見・質問が行われた。

これらの質問に対して、逢坂衆議院議員(民主党分権調査会事務局長)からは、以下の回答が寄せられた。
 
①国民がどこに住んでいても安心して暮らせる日本、がベースと考える。②天下りの構造は廃止だが、民間に全てを任すことが出来ないため独立行政法人を設置しており、一律は無理があると考える。③諮問政治では問題であり、国と地方が対等の立場で協議できる場が必要と考えている、④削減ありきではダメで、業務のチェック・見直しが不断に必要、⑤行革と分権は別々の課題として整理すべきで、単なる行革先行は問題、⑥公共セクターと市民セクターのベストミックスが必要。
 
また、⑦300自治体については、「数にこだわらない。むしろひも付き補助金の廃止や権限と財源の移譲を進めながら、自治を充実させるプロセスを重視したい。」⑧については、「財政調整機能と財源保障機能は密接不可分として充実させる」と回答された。

この他、政労連からの雇用能力開発機構、住宅金融支援機構など独立行政法人問題をはじめ、各参加産別と参加国会議員の意見交換がされた。
 
最後に、佐々木衆議院議員(道選出国会議員会事務局長)の、「現場からの貴重な意見をいただき感謝。マスコミの誘導を含めて民主党が安易に行革競争に乗らないように、しっかりしたマニフェストにしていきたい」というまとめで意見交換会を終えた。

【投稿のメール】情報の共有、思い伝わる教宣

自治労十勝地方本部青年部・部長 宮野下 睦さん(本別町職)から、投稿のメールをいただきました。

道本部のホームページを見て、幌延デーの写真に私がセンターで写っているのを確認し、とても嬉しく感じています。
でも、深地層研究センター見学なのに嬉しそうな私はどうかと思いますが…。

ともかく、これによって青年層もしっかりと反核・反原発に対して取り組んでいることも伝わると思いますので、我々青年部としてもありがたい限りです。

教育宣伝活動の基本は「タイムリーで現場の雰囲気が伝わり、なおかつ見やすいもの」だと常々感じています。私も教宣を作りますがなかなか自分の思いを伝え切れていない、字が多くなり見づらいなど、常に反省ばかりです。

そんなときには、道本の教宣紙を見てレイアウトや表現方法を見習いながら作成しています。
今後も私たちがいつでも情報を共有でき、なおかつ思いの伝わる教宣を作ってくださるようお願いします!
私も単組や地本で教宣活動の大切さを訴えていきます。

ともにがんばりましょう!!

宮野下さま
メールありがとうございました。

本当に教宣活動は大切ですね。
教育宣伝活動の基本は「タイムリーで現場の雰囲気が伝わり、なおかつ見やすいもの」と、宮野下さんのおっしゃる通りです。
道本部は、今後も迅速な教育宣伝活動を心がけ、組合員のみなさまにお伝えしたいと思っています。

職場の話題も、ご提供いただければうれしいです。
みなさまの投稿お待ちしております。

2008年12月02日

【本部情報】2009年度総務大臣交渉

自治労は、11月21日、総務大臣交渉を行った。例年、定期大会後に行っている総務大臣要請だが、今年は福田前首相の退陣と麻生内閣の発足を受け、この時期となったもの。自治労側からは、岡部委員長、植本副委員長、徳茂副委員長、加藤副委員長、金田書記長、岡本財政局長、徳永書記次長ほかが出席、総務省からは、鳩山総務大臣、松永公務員部長、髙尾公務員課長ほかが出席した。

冒頭、岡部委員長が別紙の要求書を鳩山総務大臣に手渡し、「第80回定期大会を開催し、向こう1年間の当面する諸課題に対する方針を決定した。この中から、地方自治・地方行政の発展と公務・公共サービスに従事をする労働者の処遇改善に資するため、総務省にかかわる要求事項をまとめた。その実現にむけ努力されたい」と述べた。

引き続き、要求書(別紙)の中から、とくに地方税財源の充実・強化と所定勤務時間の短縮について、以下のとおり要請した。

(1)現在の自治体財政の逼迫は、三位一体改革による5.1兆円の地方交付税の削減が最大の要因だと考えている。国の責任として、この地方交付税削減方針を見直して、公共サービスの充実と地域の財政力格差の是正のため、地方交付税の復元・増額を図るよう求める。同時に、道路特定財源の一般財源化と税源移譲を行い、必要な地方財源の総額を確保すること。さらに国と地方の税収割合5対5に向けて、消費税、所得税など、基幹税による税源移譲についても、総務省として最大の努力を行っていただきたい。

(2)所定勤務時間については、国において1日7時間45分、1週38時間45分に短縮し、2009年4月1日から実施するということが勧告された。各県の人事委員会では、これについて「国及び他県の動向を踏まえ、検討する必要がある」などの報告にとどまっている。
地方公務員についても、民間企業の実態に合わせるという観点、それから政府も推進をするワーク・ライフ・バランスの実現という観点からも、早急に1日7時間45分の勤務体制、勤務時間が実現されるよう、所管大臣として努力されたい。
 
これに対し、鳩山総務大臣は、以下のとおり回答した。
(1)地方税財源の充実・強化については、全く考え方は同じである。地方自治体の財政の今の厳しい状況は、やはり三位一体改革を急激にやったからだという認識を持っている。三位一体改革の当時は、税収が増える傾向にあったから、5兆円削っても、半分ぐらいは地方税、半分ぐらいは自助努力でと言えた。これは4兆7,000億の補助金をカットして3兆円しか税源移譲しなかったことも同じだ。地方自治体の一般歳出が決算ベースで10数兆円も削られている。国よりもはるかに地方自治体のほうがスリム化努力をしたと私は思っている。

しかし、現在の経済情勢は、地方交付税に響く法人税の減収等があり、地方税収入も法人2税をはじめ非常に厳しい局面になっており、やはりあのときの5.1兆円が大きかったと言える。
麻生総理は総務大臣を2年以上され、地方の疲弊している状態というのをよくわかっている。したがって、道路特定財源の一般財源化に伴って、1兆円は地方へと言っており、これは交付税がいいと基本的に考えているはずだ。税収割合を5対5というのは、我々にとっても悲願であり、自治労の皆様と意見は一致している。

(2)地方公務員の勤務時間等の勤務条件については、地方公務員法第24条第5項によって、国及び他の地方公共団体の職員との権衡を図ることとされている。国家公務員の給与及び勤務時間の改定について、人事院勧告どおり実施することなどを内容とする閣議決定がなされたことを踏まえ、地方公務員の勤務時間の改定について、国家公務員の勤務時間の改定を基本とすること、ただし、公務能率の一層の向上に努め、行政サービスを維持するとともに行政コストの増加を招かないことを基本とすることを地方公共団体に要請したところであり、今後も適切に助言してまいりたい。

最後に、岡部委員長より、「今、財源問題で大臣の考えを聞き、大変心強い。道路特定財源など、ぜひ麻生総理が当初申された1兆円を地方交付税という形での実現を、総務大臣としてしっかりフォローしていただきたい。先般、2007年度決算に基づいて、健全化判断比率の概要が総務省から示された。しかし必要なサービスが削られ、地域が存続できないような財政健全化計画では、意味がない。地域が存続可能な行財政の基盤の確立が大事であり、総務省として、そういった観点からの支援を一層強化していただきたい。

特に夕張市では、地域の存続のための計画となっていないため、計画変更を迫られているというのが実情だ。公共サービスの維持に向けた予算、安定的な行政機構を維持するための職員の待遇改善など、必要な経費の積算と実現可能な償還計画に基づく計画になるよう、抜本的な見直しを求めたい」と要望したのに対し、鳩山総務大臣は、「夕張市の財政再建計画は、見込みうる内容を前提として歳入・歳出を見込んでおり、この再建計画を着実に実施し、その解消を一日でも早く行っていくことが基本だと思っている。その後に発生した事情等により計画を変更する必要がある場合には、再建法に基づいて、総務大臣に協議し同意を得た上で計画を変更することは可能であり、いつでも協議に応じたいし、よく事情をお伺いしてまいりたい。」と応え、交渉を終えた。

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【本部情報】第60回社会保障審議会介護給付費分科会

介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価について議論される

連合政策ニュースレター第1075号で標記の内容で報告がありましたので通知します。

厚生労働省は11月28日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、前回に引き続き施設系サービスおよび認知症関連サービス、介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価について議論を行った。連合からは、小島総合政策局長が委員として出席した。

今回示されたのは、認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護、認知症短期集中リハビリテーション等、介護療養型老人保健施設(転換型老健)、介護従事者の処遇改善に関する論点。主な論点は下記のとおり。

【認知症対応型共同生活介護】
○認知症ケアの質の向上を図ることの評価の検討
○看取り対応の評価についての検討
○退去後のサービスの利用に関する相談支援を行う場合への評価の検討

【認知症短期集中リハビリテーション】
○中等度〜重度の認知症である者へのリハビリテーションの対象者拡大
○老健以外への実施施設の拡大の検討

【介護療養型老人保健施設】
○医薬品費・医療材料費等の実態をふまえた評価の見直し
○医師の提供するサービスについて実態をふまえた評価の見直し
○入所者の入所前の所在別の割合の差を用いた施設要件について特例を設けることの検討

【介護従事者の処遇改善】
○専門性を有する介護従事者を多く雇用する事業者に対する報酬上の評価
○一定以上の勤続年数を有した者の割合に着目した評価の検討
○常勤職員の割合に着目した評価の検討

【介護従事者の給与水準等の処遇に関する情報の公表】
○給与情報の公表については事業者による自主的な公表、情報公表の一定の義務化の選択肢が考えられる
○処遇改善の方法としては、給与以外に有給休暇等の労働条件、教育訓練等も想定されることについて、これらの情報も含める必要があるのではないか

会議の冒頭、厚生労働省より第4期計画期間における第1号被保険者の介護保険料基準額の推計値について、説明があった。現在の第3期(2006年〜2008年)では、加重平均で月額4,090円の介護保険料となっているが、第4期(2009年〜2011年)では暫定値で約4,270円となり、180円程度増加する見込み。
 
保険料の徴収方法について、石川委員(東京都稲城市長)は「徴収方法の変更について、現在の方法は市町村と合意の上で決められたもの。市町村の意見を無視して口座振替との選択制を導入することは許されない」と発言し、保険料の支払い方法に選択制を導入することに反対の意見を表明した。
 
厚生労働省は、「長寿医療制度では選択制が可能である一方、介護保険では利用できないのは被保険者から見てどうか」と述べた上で、混乱が起きないよう検討したいと回答した。
 
その後行われた報酬改定の議論において、連合の小島委員は介護従事者の処遇改善を図るための評価について、以下の発言を行った。
・ 介護事業所の介護サービスの「質の高さ」を図る指標としては、介護従事者の「資格」や「一定以上の勤続年数を有した者の割合」に着目して評価する方向でよいのではないか。
・ 介護従事者が離職する理由の1つに「人間関係」が挙げられる。雇用管理改善のためにも、従事者の定着に着目した「勤続年数」の評価はよいのではないか。
・ 処遇に関する情報の公表については、一定の義務づけが必要ではないか。今回の報酬改定は「介護従事者の処遇改善」のために3%の改定率が決められたのであるから、実際に処遇改善につながったのかどうか、事業所は公表するべき。

情報の公表については他にも、「介護従事者の給与は喫緊の課題。国民の目に見える形で検証できることが必要」(石川委員)とする意見がある一方、「公表を義務づけるのは非現実的であり実効的ではない。反対である」(堀田委員・東京大学社会科学研究所特任准教授)とする意見もあった。
次回の社会保障審議会介護給付費分科会は12月3日の予定。

その他委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【認知症対応型共同生活介護】
○夜間対応について2ユニットで1人は大変。1ユニットで1人にするべき。
○職員の給与が他と比べて低いのはなぜか。
○入所者の要介護度が2.6ということだが、軽度要介護者の住居になっているのではないか。
○入院時・外泊時の報酬算定が認められておらず、入院で不在にするとその間算定できないことが経営を圧迫しているのではないか。
○職員の配置について、専門職を配置することは考えていないのか。
○要介護度が軽度の報酬が高く設定されている。重度へのインセンティブが働かない。

【若年性認知症対策】
○市町村の介護保険事業計画では若年性認知症への視点が欠落している。
○加算の結果、利用者負担が上がっており、限度額の関係から利用抑制も起こっている。

【介護療養型老人保健施設】
○従来型老健にほんの少し足された程度の報酬ではやっていけない。
○転換前と転換後で入所者像が変化していないが、これは転換型老健でも医師が必要ということ。

【介護従事者の処遇改善を図るための報酬上の評価】
○勤続年数を評価するということだが、新設された事業所に不利になるのではないか。
○3%の報酬改定で2万円の給料アップというような期待がある。厚生労働省として早くスタンスを示し、対応すべき。
○処遇改善の中には給与以外の工夫も考えられる。改善の多様性をふまえた評価を行うべきではないか。
○介護の「質の高さ」をはかる指標については研究する必要がある。
○勤続年数は指標が開発されるまでの暫定的なものとすべき。
○常勤割合は介護の質とは関係ない。
○専門性を有する従事者を抱える事業所を評価することは、評価要件としてよいのではないか。
○「質の高さ」については、個人のレベルと事業者のレベルは分けて考えるべきではないか。
○質の高さ=資格ということになっているが、資格を設けることによって、この分野で働こうとする人への壁を高くしているのではないか。

【介護従事者の給与水準等の処遇に関する情報の公表】
○給与実態の調査が難しい。事業者でも分からない。
○検証は処遇全体として行われるべきで、給与だけを見て行われることのないようにすべき。
○今回の改定が単に事業者を潤すのみであってはならない。報酬の一定割合を人件費として位置付けるべきではないか。
○改定後に事業所、施設の給与が幾らなのか、検証は必ず行うべき。
○まずは自主的にでも公表を促すべき。ガイドラインを策定し、段階的に広げ、将来は一定規模以上の事業所には当然求めるなどしてはどうか。

【介護サービス事業者の事業運営の効率化】
○サービス提供責任者について、厚生労働省としてどう考えているのか、具体的に示すべき。
○常勤スタッフを軸にすべき。安易な緩和はすべきではない。
○事務負担はもっと軽減すべき。
○サービス提供責任者の評価が先にあってもよいのではないか。
 
                                       以上

第4期計画期間における65才以上の者の介護保険料基準額の推計値について
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【本部情報】2009年度政府予算厚労省第2次要請の実施

自治労は2009年度政府予算要求第2次中央行動の一環として、2008年11月28日、厚生労働省の森山寛総括審議官に対し、要請を行った。

要請報告
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要請書
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2008年12月03日

『2009年労安カレンダー』できました!=社保労

全国社会保険職員労働組合(社保労)で、昨年から組合員に配布している『労安カレンダー』の2009年版ができました。


【画像】社保労の2人!2008年のカレンダーを持っているのが村本さん(右)、2009年版を持っているのは堀川さん(左)です

今年は、政労評(全国社会保険職員労働組合・協会けんぽ職員労働組合・東京職業安定行政職員労働組合・大阪労働局職業安定行政職員労働組合)で作成。
この『労安カレンダー』は、組合員相互のコミュニケーションツール、自己の勤務時間管理を目的に作成されています。

下記ファイルを開くと『カレンダー』の使い方が分かります(^_^)v
組合員に配布されたチラシをダウンロード

下記の画像2つをそれぞれクリックすると、大きく表示されます
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【本部情報】労働基準法改正案 参議院・厚生労働委員会で可決

12月2日、参議院・厚生労働委員会が開催され、労働基準法改正案の審議が行われた。民主党の小林正夫議員、津田弥太郎議員をはじめ与野党からの質疑ののち、採決を行い、自民・民主・公明三党の賛成多数により可決した。

<主な質疑>
◆年次有給休暇の時間単位取得について◆
【小林議員】平成7年の年休の半日単位取得に関する監督課長名の通達において、年休は1労働日以下に分割することは予定されていない、とされている。年次有給休暇は本来一日単位であるとの理解でよいか。
【労働基準局長】原理原則はその通りである。平成7年通達は、労使双方に半日単位取得のニーズがあったことから、半日単位は認めたが時間単位までは崩さないとの主旨である。

【小林議員】年休1日は、時間単位休暇の何時間分か?
【労働基準局長】原則的には1日の所定労働時間数が1日となるが、労使協定で明確にする必要がある。基本的なルールは労働政策審議会で議論いただく。

【小林議員】この規定はあくまでも時間単位で与えることができるというものであり、1日単位の休暇を請求した労働者に対して使用者側が時間単位での取得を強制することはできないものと考えてよいか。
【労働基準局長】指摘のとおり、使用者側が時間単位での取得にせよということは認められるものではない。

【小林議員】時間単位の分割により年休の取得が促進されるのか。
【厚生労働大臣】この規定が、取得しやすくなる方向に働けばよいと考えるが、1日単位で取得するのが本来の主旨である。

◆時間外割増率の引き上げについて◆
【小林議員】時間外割増率については、衆議院において割増率を引き上げる対象を「80時間超」から「60時間超」との修正がなされたが、厚生労働大臣と修正案提案者に、この修正に対する所見を伺いたい。
【厚生労働大臣】政府原案においては月80時間超としていたが、与野党の合意により月60時間超となったことは大変好ましい。

【細川律夫・衆議院議員】民主党は長時間労働の抑制のため、時間外割増率はすべて50%にすべきと考えていた。政府案の月80時間の時間外労働は週休二日であれば一日4時間の時間外労働でありワーク・ライフ・バランスにはほど遠く、これではとても賛成できない。しかし、60時間であれば一日3時間である。不十分ではあるが、一歩前進と受け止め合意した。
【津田議員】改正案により、月45時間を超える時間外労働については法定を超える率にすることが労使の努力義務になるとの説明であるが、法律には直接的にはそのように記載されていない。わかりやすく説明を。

【労働基準局長】労基法36条2項には、厚生労働大臣が時間外労働の限度基準に関する告示を定められるとの規定がある。今回の改正で、告示で定める内容に「労働時間の延長に係る割増賃金の率」を追加した。改正法成立後、告示の改正を行うが月45時間を超える特別条項付き協定を締結する際には割増率が法定割増率を上回るようにとの趣旨を規定する。労基法36条3項は、限度基準告示に関する労使の努力義務を規定しており、これらの改正により割増率についても労使の努力義務となる。
【津田議員】35%や40%など、労使の努力義務の目安を示すべき。

【厚生労働大臣】個別労使で取り組んでいただくものである。
【津田議員】時間外割増率50%の部分は中小企業は「当分の間」適用猶予となっている。しかし、労働条件の最低基準を定める労働基準法において、ダブルスタンダードとするのは問題である。中小企業の労働者は命の価値でも大企業と格差があるのか。

【厚生労働大臣】労働基準法は本来はシングルスタンダードであるべきだが、企業の経営体力等を鑑み、当分の間適用猶予とした。

【津田議員】附則3条の3年後の見直しにおいて適用猶予をはずすとの決意を伺いたい。
【厚生労働大臣】猶予期間を長びかせればよいというものではない。労使団体ともよく協議をしてできる限りの努力を行ってまいりたい。

◆雇用問題について◆
【小林議員】採用内定取り消し問題については、民主党が昨年の通常国会に提出した労働契約法案のように、労働契約法に採用内定および取り消しの規定を整備すべき。
【厚生労働大臣】労働契約法に規定すべきか否かは検討が必要だが、当面は、まず企業に対して極力内定の取り消しは行わないでほしいとの観点で対応していきたい。

【小林議員】非正規労働者の労働契約の中途解除が問題となっているが、労働契約法第17条1項の解釈を伺いたい。
【労働基準局長】労働契約法第17条1項は、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」と規定しているが、この「やむを得ない事由」は、解雇権濫用法理で解雇が有効とされる場合よりも限定的であると理解している。

【津田議員】雇用保険について、雇用保険の加入要件としての「1年以上の雇用見込み」は見直すべき。また、基本手当の受給資格要件として被保険者期間は特定受給資格者か否かに拘わらず「離職の日以前1年間に6カ月」とすべき。さらに、保険料率は引き下げるよりも、非正規労働者の問題に財源を活用すべき。
【厚生労働大臣】雇用保険制度の在り方については、労使が参加した労働政策審議会において議論いただいているところである。保険料率については、料率引き下げと制度改革とどちらが効果があるのか政府内で検討しているところだが、個人的には津田議員と同じ認識である。

【津田議員】11月4日に労働者派遣法改正案を提出したが、厚生労働大臣の決意を伺いたい。
【厚生労働大臣】恒産なくして恒心なし、である。常用雇用を基本とすべきである

【本部情報】公務労協が公務員制度改革本部事務局と交渉・協議を実施

-工程表は1月中に、内閣人事局設置法案は3月予定-

公務労協は、12月2日、公務員制度改革をめぐって国家公務員制度改革推進本部事務局との交渉・協議を実施し、今後の進め方を質すとともに、労働基本権の制約の下において、使用者側が給与などの勤務条件の企画立案を行うことは問題であり、認められないと強く抗議した。

この交渉・協議は、11月28日に甘利公務員制度改革担当大臣が麻生首相と会い、本日朝には第2回推進本部会議が行われ当面の方針が決定されたことから、その内容を質すために実施したもので、公務労協側からは各構成組織書記長が参加し、推進本部事務局側は岡本事務局次長、古賀・淵上両審議官らが対応した。

冒頭、公務労協の吉澤事務局長が、甘利大臣と麻生総理の会談の内容及び第二回本部会議の内容を質したのに対し、岡本次長は次の通り答えた。

(1) 11月28日に甘利大臣と麻生首相が面談し、本日の本部会議で正式に政府の方針が決まった。

(2) 甘利大臣からは、本部会議で、①内閣人事局の設置については、「拙速」でも「先送り」でもなく、他の改革との整合性も踏まえて、しっかりとした結論を得るため、平成22年度4月の発足をめざし、来年3月の法案提出に向け鋭意作業していくこととし、内閣人事局への機能の移管については、顧問会議の報告を尊重して、人事院を含む関係府省等と折衝を進める。両論併記であった行政管理局については、内閣人事局に移管する方向で折衝を進める②国民に対し、公務員制度改革を大胆かつ着実に進めていくことを示すため、来年1月中を目途に、基本法に掲げる改革事項全体について、いつまでに実現するかを具体的に示した工程表を政府として決定し、その中で基本法の定める全体として5年の改革スケジュールを4年に短縮する方向で検討し、給与制度見直しの方向性やスケジュール、労働基本権見直しのスケジュールも盛り込む、との発言があった。

(3) これに対し、麻生首相からは、「その方針で進めていきたい。とくに重要なのは、しっかりとした工程表を作ることであり、改革の方向性やスケジュールについて、内閣としての公務員制度改革に取り組む決意を、国民にきちんとお示しすることだ。拙速だとか先送りだとか言われると思うが、毅然とした態度を示せば充分に説明できる。大きな制度改革であり、閣僚各位のご協力が不可欠であり、よろしくお願いしたい」との協力要請があった。

(4) 事務局としては、以上の方針に基づき、関係府省等との折衝を進めることとしたい。

説明に対し、公務労協側は次の通り、事務局の考えや対応を厳しく追及した。

(1) 工程表や内閣人事局の検討については、関係府省だけではなく、公務労協とも交渉・協議を行うことを約束していただきたい。また、できるだけ早く検討内容を示してほしい。

(2) 「給与制度見直しの方向性」を検討するとのことであるが、労働基本権が制約されている下で使用者としての政府が検討することは問題だ。政府として検討するということであれば、公務員に労働基本権を付与した上で、交渉で決定すべきである。制約の下では代償機関が主体性を持って検討しなければならず、政府の側が一方的に検討することは認められない。政府の考えを人事院に伝え勧告してもらうとのことだが、それは使用者側からの圧力であり問題だ。甘利大臣にも、こうしたわれわれの考えをしっかり伝えていただきたい。

(3) 基本法には給与関係の見直しについて、4項目の言及があるが、推進本部として給与制度のどこを見直したいのか、具体的に示してほしい。とくに能力・実績主義の給与については、来年度に施行される改正国公法に基づき、いま、リハーサル試行を行うなど、労使でいろいろと積み上げてきた経緯がある。別のことをやるということになると職場は混乱するし、また、最初からやり直さないといけない。

公務労協側の追及に対し、事務局側は次の通り答えた。

(1) 今、内部で詰めているところであり、責任を持ってお示しできるものはないが、今後の進め方を含めて、政府として決定する前に皆さんにお示しし、十分、意見交換、ご相談をさせていただく。

(2) 基本法が検討を求めている事項について企画立案を行う責任があるのは推進本部であり、給与制度についてもそうした立場で検討を進めていくが、労働基本権の制約の下で代償機能として人事院が勧告権を持っているので、政府としての方向性を示して人事院に勧告するようお願いをしたい。それをどうするかは人事院の判断であり、圧力とは思わない。また、基本法では人事院の機能のうち一元管理に必要な機能は移すということが書いてあり、どこまでが代償措置なのかを含めて検討しないといけないと考えている。皆さんの考えは大臣に伝える。また、労使関係の検討は加速していく。

(3) 新たな人事評価制度の実施に向けたこれまでの積み上げは承知しており、それを蔑ろにしたり、一切合切やめるということではない。基本法の趣旨を実現するために、全体の整合性を図る観点から検討したいということである。

さらに、公務労協側は「給与制度見直しの具体的内容をいつ提示するのか」などと追及したが、推進本部事務局側は、「公務労協の意見を聞く」との姿勢は示したものの、「現時点で示せるものはない」との見解に終始し、議論は平行線をたどった。

以上の議論を踏まえ、最後に、吉澤事務局長が①工程表、内閣人事局について、誠意を持って交渉・協議を行うこと②本日われわれが主張した内容を甘利大臣にきちんと伝えることを求めるとともに、「行政を取り巻く情勢が厳しいだけに、国、地方の公務員が元気を出してがんばれるような改革の方向性を出せるよう検討していただきたい」と強く求め、交渉・協議を締めくくった。

【本部情報】地公部会が地方財政確立等に関する要請を実施

-11/27各政党および知事会・市長会、12/2議長会3団体に要請-

公務員連絡会地公部会は、11月27日および12月2日の両日、地方財政確立等に関する各政党、地方団体への要請を実施した。各政党要請には地公部会委員長クラス、全国知事会・全国市長会に対しては書記長クラスが、各議長会要請には幹事クラスが参加した。各政党、地方団体へは、①地域公共サービスの実態に見合った財源保障、②地方税財源確保のための制度改革など地方自治の確立、③自治体の自主的・主体的な財政健全化の支援、④地方公務員の総人件費の十分な確保の実現に向けて、関係省庁・政党へ働きかけるよう申し入れた(別紙要望書参照)。
 
要請の概要については以下の通り。

<各政党要請の経過>
民主党・社民党・公明党への要請は27日午後に実施された。要請には、地公部会から議長の佐藤全水道委員長、同副議長の岡部自治労委員長、中村日教組委員長、武田都市交委員長、小池日高教委員長が出席した。

(1) 公明党への要請の概要
公明党からは、谷口和史労働局長、弘友和夫団体渉外委員長が対応した。冒頭、佐藤議長から「厳しい経済情勢の中で、地方財政はさらに厳しさを増している。鳩山総務大臣もこの間の地方財政の圧縮について、やりすぎとの認識を示している。公明党は与党として責任のある対応をしてほしい」と挨拶、続いて、藤川事務局長が要望書に基づき、4点にわたって要請を行った。
 
これに対し、谷口和史労働局長は「地方法人税の大幅減収が見込まれるなど、地方財政の厳しい現状については認識している。第二次補正のなかで対応するつもりであり、年明けには国会に提出するつもりだ。また、財政健全化について、地方の自主性を尊重すべきことは当然であり、同意見だ」と述べた。また、弘友和夫団体渉外委員長は、「地方財政については全く同じ認識」とした上で、定額給付金の問題について「地方の皆さんには大変お世話をおかけする」との発言があった。

岡部自治労委員長は「2011年にプライマリーバランスを黒字化するという目標を置いたままで、小手先の景気対策をしても、根本的な解決にはならない。このままでは、地域社会は崩壊しかねない状況だ。政策変更も含め対応すべきではないか」と指摘した。これを受け、谷口和史労働局長からは「公明党としても、プライマリーバランスの黒字化は金科玉条ではない。要請の4項目については基本的方向では一致している。しっかりと受け止めて頑張るつもりである」との見解表明があった。
 
最後に地公部会側が、要請内容への最大限の努力を再要請し、要請を終えた。

(2)民主党への要請の概要
民主党は、原口一博ネクスト総務大臣、黄川田徹・内藤正光同副大臣が対応した。
冒頭、佐藤議長が「地方交付税の大幅削減などにより、地方財政は危機に瀕している。自治体立病院の問題など、公共サービスの縮小や質の低下が危惧されている。さらに、半分以上の自治体で独自の給与カットが行われている現状もある。公共サービスのあり方の議論と、公共サービスを担う労働者の労働条件の確立をお願いしたい」とあいさつした。
 
要請に対して、原口一博ネクスト総務大臣からは、「いただいた要請の4点については、民主党としても同じように考えている」とした上で、「地方財政対策については、民主党としても通常国会に向けて法案を準備している。今の社会は、地方から富を簒奪するシステムが出来上がってしまっている。政権交代を成し遂げたら、地域から富が簒奪される仕組みを根本的に改めていきたい。公共サービス基本法の意義もまさにそこにある」との発言があった。これに対し岡部自治労委員長は「地方で財が回る仕組みをつくる、という発想は重要だ。たとえば、この間、自治体で独自の人件費カットが行われているが、各県の人事委員会勧告との差額を積算しただけでも、軽く兆は超える金額になるだろう。しかし、その財源はどこに消えたのか。社会保障に回ったわけでもなく、そこも削られている。まさに富が簒奪されている状況だ」と述べた。さらに原口ネクスト総務大臣は「中央政府の予算と決算は一致していない。分配すべき財源が確定できないシステムなので、社会保障や賃金など、本当に資源を分配すべきところに財源が回っていかない。システムを変えていく必要がある」と述べた。

最後に、内藤ネクスト総務副大臣から、当面の地方交付税の確保などの地方財政対策とあわせて、政権交代にむけた決意が述べられ、要請を終了した。

(3) 社民党への要請の概要
社民党からは福島みずほ党首、又市征治副党首、重野安正幹事長、日森文尋国会対策委員長、照屋寛徳企画委員長、菅野哲雄自治体委員長、辻元清美女性青年委員長が対応した。
 
冒頭、佐藤地公部会議長が、「地方交付税の大幅削減などにより、地方財政は危機に瀕している。さらに、半分以上の自治体で独自の給与カットが行われている現状もある。社民党としても地方財政の確立に向けて積極的に対応してもらいたい」と挨拶した。
 
要請に対して、福島みずほ党首は「基本的認識は全く同じだ。要請の趣旨を受け止めて努力したい」との発言があった。また、重野安正幹事長は「全国町村会の大会で、麻生首相に厳しい野次が飛んだ。今までの大会に見られない緊張した雰囲気だ。それだけ、地方は厳しい状況にあるということだ。このような状況の中、労働側としても、何らかの在野にアピールする行動をとるべきではないか」と述べた。また、又市征治副党首は、「お互いの認識は完全に一致している。問題は、どのようにこの状況を打開するかだ。麻生政権が揺らいでいる今こそ攻め時だ」と述べ、今の政府・与党の姿勢を厳しく追及していくべきとの認識で一致した。

その他幅広い意見交換の後、最後に、地公部会側から、地方財政の確立に向けて最大限の努力を行うことを再要請し、要請を終えた。

<首長会団体要請の経過>
全国知事会、全国市長会への要請は、27日午前に実施された。要請には、藤川地公部会事務局長および地公部会各構成組織書記長が出席した。要請の概要は以下の通り。 なお、全国町村会への要請については、後日あらためて実施する予定である。

(1)全国知事会への要請の概要
全国知事会に対する要請は9時30から行われ、重松調査第一部長らが対応した。全国知事会からの回答の概要は以下の通り。
○要請事項については、ほとんど同主旨の内容を政府・国会議員等に働きかけている。
○地方では財政縮減に一生懸命がんばっているのに、世間に認められないというのは残念である。職員の給与カットを行っているところでは、不本意なことであるという感を抱いている。
○地方分権というとお金や権利が欲しいという報道がなされるが、本来は、国と地方の金の取り合いではない。住民のニーズに応えるきめ細やかな政策と財政支出の実現である。権限が与えられれば責任も伴いしんどい話ではなるが、有効に活用できる財政の確立、地方分権を進めていく必要がある。
○住民の理解を得るべく、労使一体となって住民のために取り組んでいくことが重要だ。
 
最後に地公部会から、地方財政の確立についての尽力を求めると同時に、「職員の給与カット提案に関して、組合との交渉において少し乱暴な対応を行う知事もいる。職員のモチベーションにも大きく影響する。プロセスをもう少し丁寧にやってもらえるよう、全国の知事に伝えて欲しい」と強く要望した。

(2)全国市長会への要請の概要
全国市長会に対する要請は10時10分から行われ、杉田行政部長らが対応した。全国市長会からの回答の概要は以下の通り。
○毎年12月中下旬に集中して行っている地方財政計画の策定について、翌年の税収見通しが分からないと難しい面もあるが、中期的な視点に立って通年で国と協議させてほしいと求めている。
○補助金改革をはじめ一般財源化や税源移譲も求めており、まさにおっしゃる通りであるが、一般財源化については、さまざまな問題が絡んでくる。マクロでは3.4兆円の確保が前提でそれ以上を求めるが、ミクロの部分ではそれぞれの自治体での考え方がある。2006骨太方針があるなかそれをはずさないと増額はなかなか難しいが、一般財源の総額確保や地方交付税交付金の復元ということはこれまでも主張してきている。
○自治体財政健全化法の運用については、今後明確になると思うが、自治体に不利になるようなところは改善を求めていきたい。
○地方自治体ががんばっていることを、今後も広くアピールしていきたい。

<議長会3団体要請の経過>
議長会3団体への要請は、12月2日午前に実施した。要請には、藤川地公部会事務局長はじめ地公部会幹事が出席した。要請の概要については以下の通り。

(1)全国都道府県議会議長会への要請の概要
全国都道府県議会議長会に対する要請は10時から行われ、松岡調査一部長らが対応した。冒頭、藤川事務局長から地方財政計画に策定にあたっての財源保障や地方交付税の総額確保など地方財政の確立、地方公務員の定数・給与の確保など要請の趣旨を説明し、公共サービスの充実のための財源確保の必要性を訴えた。
それに対する全国都道府県議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。

① 要望書の4項目については基本的に同じ立場である。11月25日には、地方6団体全国大会を行い、地方財政の確立に向けた決議を行い、官邸・与党への要請を実施し、また、全国都道府県議会議長会としても要請行動を実施している。

② 議長会としては地方自治委員会で税財源対策を協議し、減収の補填や景気対策について政府に要請しているところ。しかし、現状の政治情勢において、今後の地方財政制度の改革の方向性が見えていない。

③ 道路特定財源については一般財源化が前提であるが、生活道路や高速道路など整備が必要なものもあり、その使途等については議長会内でもさまざまな意見があるところと思われる。

④ 職員の人件費について、直接の議論は行っていない。地方だけではなく国も行革が必要との要請にとどまっている。

これに対し、最後に地公部会から、自治体はぎりぎりの行政運営を行っている現状にあり、今後、綿密な協議や課題の共有化が必要として具体的な行動を進めていくことを要請した。

(2)全国市議会議長会への要請の概要
全国市議会議長会に対する要請は10時35分から行われ、上市政務第一部副部長らが対応した。冒頭、藤川事務局長から、景気悪化による地方財政状況のさらなる逼迫が迫っていることから、国の対応を要請するなどの行動を求めるとともに、「これ以上の職員定数削減は、果たすべき住民サービスに支障が出かねない」と実情を訴えるなど、要請の趣旨を説明した。
それに対する全国市議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。

① 市議会議長会としては、地方財政の確立を求めるというスタンスは同様。要望書の1.2については11月25日の地方六団体全国大会で決議した。その後、市議会議長会は、26日に地方財政委員会で要望書を作成し、自民党政調へ申し入れ、27日に国会対策委員会では地方財政の確立を重点項目として、閣僚と国会議員に要請したところ。予算編成は不透明であるが、年末に向けて再度要請していきたい。

② 道路特定財源については、交付金なのか交付税なのかの議論が政府としてもあるようだが、配分基準が変わることによって各自治体の現行水準から削減されるようなことがあってはならないと考える。制度設計はこれからであろうが、議長会としては、総額確保と、それ以上の充実を求めている。

③ 財政需要を地方財政計画に反映させることは大枠として求めているが、人件費を具体的に対象とした議論は行っていない。個別項目は各部会(ブロック)から全国の役員会に挙げられてくることが必要で、事務局としてはイニシアチブをとっていくことはできない。ただ、個人的な問題意識はある。

④ 地域医療・社会福祉の問題は、例年になく議論項目として挙げられてきており、全国的な問題になっているとの認識は強くなっているのではないか。
 
これらの回答に対し、地公部会から、就学援助水準や教材・図書の充足率の低下など教育の劣化や、解雇・失業率の増加などの雇用問題をはじめとして地方の閉塞感はさらに強まっているとして、それを打開するための地方税財政の確立の必要性を重ねて要請した。

(3)全国町村議会議長会への要請の概要
全国町村議会議長会への要請は、11時20分から行われ、美多企画調整部主幹が対応した。冒頭、藤川事務局長から「医療・介護・福祉など住民に不可欠なサービスを提供する上で、町村はとくに厳しい状況にある。住民サービス確保のためには交付税総額の確保が必要」と、要請の趣旨を説明した。
それに対する全国町村議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。

① 三位一体改革で大きく減収してきた地方交付税を復元することを強く求めており、11月25日の地方6団体全国大会では、6団体が同じスタンスに立って政府への要請を行ったところ。11月19日の全国議長会全国大会においても、地方交付税制度の堅持は不可欠との決議を行った。

② 財政健全化については、もともと町村のほとんどは財政基盤が脆弱であり、財政難から人員削減も実施してきたが、もはや当該町村だけでは対応できるものではない。

③ 職員給与については、各町村議会では問題になっているだろうが、町村議長会では全体の議論になっていない。むしろ、町村会のほうに挙がっているのではないか。

④ 地域医療の存続や小中学校校舎の耐震対策費用については要望してきている。

⑤ 市町村合併によって町村数が大きく減少するなかで、さらに「窓口自治体」といった行政機能の削減が議論されるなど、全国の町村はさらに厳しい状況におかれているが、町村存続への道を探りたい。
これに対し地公部会からは、課題を共有化し、日常的な意見・情報交換の実施などを進めていきたいと要請した。

(別紙)地公部会の要望書 (内容は各政党、地方6団体共通)

                                      2008年11月27日

             様

                                公務員連絡会地方公務員部会
                                      議 長  佐 藤 幸 雄
              

              地方財政確立等に関する要望書
 貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。
 一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間追及されている規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。
 地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成が求められます。
 貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。

                             記

1.地方財政計画の策定については自治体との協議のもとに、地方分権、少子・高 齢化、地域医療確保、環境保全など地域の行政需要を的確に反映させ、地域公共 サービスの実態に見合った財源保障を行うこと。
2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲 など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図 ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方財政の充実改善につ ながるような制度設計を行うこと。
3.自治体財政健全化法の運用については、国の関与は最小限に止め、自治体の自 主的・主体的な財政健全化を支援すること。
4.医療・福祉・介護、教育、環境などの公共サービス水準を維持・向上させるた め、地方公務員の総人件費(定数・給与)の十分な確保を行うこと

                                            以 上

12月8日道新朝刊=「プルサーマル計画反対」意見広告掲載!

泊原発3号機でのプルサーマル計画の問題を広く道民に呼びかけるため、北海道平和運動フォーラムや「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会が提起した新聞の意見広告のとりくみについて、各単組・総支部・組合員のみなさまのご協力により、カンパ目標額を達成する見込みとなりました。

この間の取り組みに対し感謝いたします。ありがとうございました。

「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会として、12月8日(月)の北海道新聞朝刊全道版に7段の意見広告を掲載することになり、現在、最終校正作業などの準備を進めています。

現在、道は14日の第9回有識者検討会議において安全性の検討を終了させ、岩宇4町村及び道が最終判断を「いつ」「どのよう」「どのような内容」で行うのかが焦点となっています。

道フォーラムとしては、道議会対策、道・地元への要請を行うとともに、意見広告掲載、チラシなどによりプルサーマル反対の幅広い道民世論の喚起に向けとりくみを強化していくこととなっています。

自治労としても、これらの取り組みに積極的に参加していくこととします。
引き続きのご協力をお願いします。

                       

【本部情報】臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める総務省要請報告

臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会については、すでに道本部ホームページと、機関紙「自治労北海道」には記事として掲載済みですが、自治労本部から総務省への要請内容についての詳細が届きましたので掲載します。

臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会と前段の総務省要請報告

11月12日東京で「臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会」を開催しました。、当日の参加は、39県本部147人でした。それに先立つ11日に、臨時・非常勤等職員全国協議会として、総務省要請を実施しましたので、その内容について〈別記〉でお知らせいたします。要請書については〈別紙〉ご参照ください。

〈別記〉

11月12日の「臨時・非常勤等職員の均等待遇と安定雇用を求める決起集会」に先立ち、11月11日16時より、臨時・非常勤等職員全国協議会として自治体の臨時・非常勤等職員の安定雇用と労働条件に関する要請書を提出し、総務省交渉を実施した。

自治労からは、松本労働局次長、合田組織局次長をはじめ、臨時・非常勤等職員全国協議会の全国幹事が出席、また総務省からは植村公務員課理事官、島田給与能率推進室課長補佐、田村公務員課課長補佐らが対応した。

冒頭、金森議長が要請書を手渡し、要請の主旨について説明を行い、改善の方向について前向きな回答を求めた。

これに対して植村理事官が、重点項目とした要請書の1、3、4について次のとおり回答した。
① 短時間勤務職員については、1999(平成11年)年4月27日の地方公務員制度調査研究会報告で、各種検討の必要性が述べられた。その後、各般の状況を踏まえながら、検討が進められた結果、2003(平成15)年年12月25日の地方公務員制度調査研究会報告で、任期付短時間勤務職員制度について、制度の創設について盛り込まれ、それを受けて、任期付短時間勤務職員制度を制度化したところである。しかし、任期の定めのない短時間勤務制度については、国家公務員制度における検討の動向なども注視しつつ、慎重に検討すべきであるとされた研究会の報告と検討過程をふまえ、ハードルが高いというのが現状である。任期付短時間勤務職員制度も、地方公務員制度としては初めて国にない任用制度を導入したもので、その導入自体いろいろな困難と思われた点をクリアして制度化したことは理解していただきたい。なお、任期付短時間勤務職員制度については、制度導入から4年が経過したものの、その活用も限定的であることから、更なる活用を図るために、地方公務員の短時間勤務の在り方等について検討するため、自治労本部からも労働局長に委員として参画いただき、7月に研究会を立ち上げたところである。今年中には議論を整理していただき、地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現に資するよう制度・運用の在り方を検討していきたいと考えている。

② 人事院が各府省に通知した指針は、国における事務補助職員等の非常勤職員の給与について、府省や官署によって均衡がとれていない状況を改善するために、一般職の職員の給与に関する法律第22条に基づき各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事項を統一的に示そうとするものと承知している。地方における非常勤職員は、その勤務形態や職務内容が多様であるとともに、任用に係る法体系も国と異なるものである。これらのことからすれば、今回の指針は地方公共団体に直接あてはまるものではないと認識している。

③ 2007(平成19)年11月に東京高裁において言い渡された中野区非常勤保育士の地位確認等請求訴訟の判決においては、地位確認と賃金支払請求は棄却され、損害賠償の一部が認容されたものと承知している。しかし、同様の裁判における最高裁の判例においては、期限付きで任用されている非常勤職員は、任用期間終了をもって職員としての身分を失うことと解されており、期限付きの任用を反復して更新されても、期限の定めのない任用に転化することはないとされている。本判決においても、こうしたこれまでの最高裁の判例の考え方に沿って判断がなされたものと考えている。法の整備を求めた部分も主要な論点ではなく傍論部分であると理解している。いずれにしても、本判決においては、任期の終了後、再度任用されることを期待させるような特別の事情があったと判断され、損害賠償が認められたものであり、各地方公共団体においては、本来、臨時的・補助的な業務に従事することが想定されている臨時・非常勤職員の制度に沿った適切な運用を行っていただく必要があると考えている。

この回答を受けて、合田組織局次長、金森臨時・非常勤等職員全国協議会議長はじめ全国幹事が、大きな割合で自治体の業務を担っている臨時・非常勤等職員のおかれた実態と、その任用制度にずれがあると指摘して、以下のとおり総務省の見解を質した。

① 今ある任期付短時間勤務職員の制度に制約があって導入が進まない。特に任期の壁は大きい。任期付短時間勤務職員で再任に厳格な試験や選考が必要となると、ハードルが高い。仕事に対する安定感もなく、それでは生活の安定がない。

② 自治労の調査でも、働いて食べていけるといわれる年収200万円を超えない臨時・非常勤等職員が40万人いるのではないかと推計されている。人事院が示した指針については、自治体で働く臨時・非常勤等職員の唯一つ適正賃金の水準を示すものである。自治体に対して、十分な活用を働きかけていただきたい。
 
また、臨時・非常勤等職員の一時金や退職金支給をめぐり支出が適正かを問う住民訴訟の判決が相次いでいる。それらの判決の中では、給与条例主義にもとづき、明確な条例化を前提に、実態として常勤的に働いている臨時・非常勤等職員に一時金や退職金を支給することを認めている。また指針でも一時金の支給を求めており、自治体で働く臨時・非常勤等職員にとって一時金や退職金の実現に、地方自治法203条が壁になっている。地方自治法203条、204条を改正するか、自治体に条例準則を示すことが必要ではないか。

③ 雇用の安定は重要で、毎年3月に任用期間終了を前に不安を感じている。

これに対して植村理事官は、以下のとおり回答した。
① 臨時・非常勤職員の任期は1年単位であり、任期付短時間勤務職員の任期は制度上3年ないし5年とされている。任期付短時間勤務職員の再任用については、公務内でも公務外でも職を希望されている方が同じ能力であれば等しい条件の中で選考や試験を経て選ばれることが必要である。客観性を担保した上で、選考基準で実務経験をより重視するような工夫ができないことはないと考えるが、客観性の担保とのバランスが重要である。

② 地方自治法上、非常勤職員には、給料及び手当ではなく報酬を支給することとされている。これは、非常勤職員に対する給付が、役務の提供に対する対価であることに基づいているものであり、常時勤務を要する職員に対して給付される生活給や長期にわたる職務の従事における昇任等を前提とした給料及び手当の制度が適用される余地はないことから、特に制度改正は必要とは考えていない。
なお、任期付短時間勤務職員については、勤務の形態は非常勤的ではあるが、常勤職員並みの本格的な職務に従事するというその性質に鑑み、給料及び手当の支給が可能である。

合田組織局次長が、「自治体には責任をもつべき仕事があり、多くの臨時・非常勤等職員がその最前線で、質の高い公共サービスを維持するための人材として働いている。そのことを踏まえて、人材確保や生活の安定という観点から制度改善を求めたい」とまとめの発言。
さらに、松本労働局次長から、「格差の問題や非正規労働の問題に社会的関心が高まり連合も重点的なとりくみとしている。公共サービスの中にもそうした労働者がたくさんいることを受け止め、総務省には努力を要請したい」と発言した。

それに対して植村理事官は、「課題があることは認識している。臨時・非常勤職員の課題については様々なところからご意見を聞いている。自治労の立場から見て納得いただける結果が出せるかどうかはわからないが、課題の解決に向けて努力をしていきたい。」と答えて交渉は終了した。

                                          以 上

〈別紙〉
                                  2008年11月11日

総務大臣
 鳩山 邦夫 様

                         全日本自治団体労働組合(自治労)
                           中央執行委員長  岡部 謙治
                      自治労臨時・非常勤等職員全国協議会
                             議     長  金森 多恵
    
 自治体の臨時・非常勤等職員の安定雇用と労働条件に関する要請書

 貴職の地方自治確立と地方公務員の労働条件改善に向けた努力に敬意を表します。
 今日、自治体に働く臨時・非常勤等職員は50万人を超え、多くは自治体の最前線にあって地域における公共サービスを担っています。その業務は「基幹的・恒常的」であり、今や臨時・非常勤等職員の存在なくして公共サービスが提供できない実態にあります。
 しかし、臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件は、常勤職員との間に大きな格差が存在しています。さらに、雇い止めの不安は常につきまといます。
 現行の臨時・非常勤等職員については、法が想定していた状況とはあまりにも乖離があり、実態を踏まえた法的整備の必要性が強く望まれるところです。1999年の地方公務員制度調査研究会でも制度改善の検討が提言された経緯を受け止め、実態にあわせた法整備を求めるとともに、均等待遇の実現を図るよう、下記のとおり要請します。

                       記

1. 地方公務員制度調査研究会報告において中長期的課題とされた「任期の定めのない短時間公務員制度」について、自治体における実態を踏まえ、早急に検討すること。

2. 格差是正の観点から、常勤職員との均等待遇原則にもとづき、臨時・非常勤等職員の職務の種類、経験・習熟度合いによる賃金・労働条件となるよう必要な措置を講じ、年齢別最低賃金制度の確立を図ること。

3. 人事院が非常勤職員に係る給与の適正な支給を求める指針(給実甲第1064号「一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項の非常勤職員に対する給与について」)を本年8月26日各府省に通知したことをふまえ、自治体においても同指針の内容を最低として臨時・非常勤等職員の給与等の改善がはかられるよう、所要の措置を行うこと。

4. 中野区非常勤保育士再任用拒否事件の地位確認請求訴訟(東京高裁―平成18年(ネ)3454号)の高等裁判所判決が、反復任用された非常勤職員に対する実質面に即応した法の整備を求めたことを受け止め、雇い止めなど民間パート労働者に比して著しく労働者に不利益な現状を是正するため、自治体が任用する臨時・非常勤等職員に対し、労働者保護を目的とした法制度の整備を図ること。

5. 臨時・非常勤等職員を共済組合制度の適用とすること。また、臨時・非常勤等職員への社会保険制度の適用を徹底するよう、自治体への働きかけを行うこと。

6. 労働時間に比例した年次有給休暇の付与や不払い残業の一掃など臨時・非常勤等職員の労働条件の改善を自治体に働きかけるとともに、「偽装請負」など法令違反の動きに対し、適切な助言を行うこと。

7. 通勤費の性格は費用弁償であることから、上限なしに支給できる旨を再度各自治体に対し通知すること。

8. 仕事と家庭の両立支援策拡充の観点から、臨時・非常勤等職員についても育児休業と介護休暇を取得できるよう、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正を行うこと。

                                        以 上 

2008年12月04日

【逢坂議員の国会情報】繰り返される茶番劇

衆参で予算委員会等の
集中審議が決まっています。

5日:衆院予算委員会
10日:参院予算委員会
15日:参院決算委員会

麻生総理の基本姿勢について、
厳しく問いただされることになると思います。


1)誠実さ
誠実という言葉があります。

「〔他人に対する態度・言動に〕
 いつわりがなく、
 まごころがこもっていること。まじめ。」

こんな意味です。

最近の与党を見ていますと、
彼らの辞書にこの言葉はなさそうです。

====

自分たちが掲げた政策や方針が
間違っていたときや、
あるいは、その政策や方針によって、
良くない結果になった場合、
誠実な人なら、
なぜそうなったのかを真摯に説明し、
そのことを詫びたりします。

さらに、
それによって方針転換をする場合や、
失敗の修復に取りかかる前に、
自分がその与えられた役割に
とどまることが相応しいかどうかを、
他人に伺うのが通例です。

しかし最近の政界、与党の姿は
それとは程遠いものです。

====

後期高齢者医療制度、
障害者自立支援法、
郵政分割民営化、
三位一体改革、
骨太方針2006によるシーリング、
社会保障関連経費2,200億円の抑制、
これまでの医療政策など、

いずれの政策にも綻びが生じています。

しかし、これまで政権を担っていた
与党の皆さんからは、
その綻びに対するお詫びはおろか、
真摯な説明もありません。

====

さらに私が不誠実と感ずるのは、
この綻びを引き起こした当の本人たちが、
いけしゃしぁとその傷の修復に乗り出して、
国民の歓心を買おうとしているその姿です。

====

政策や方針の綻びが、
一つや二つなら、
私はまだ仏の顔もしています。

しかし、この綻びは、
今やあらゆる分野に及び、
この政権の枠組みのままでは、
制御不能なレベルに達しています。

それにも関わらず、
相変わらず従来通りの党内抗争を演じながら、
自己の正統性を強要する姿は、
誠実さとかけ離れた
欺瞞以外の何物でもありません。

====

何の説明もお詫びもないなかで、
後期高齢者医療制度も予算シーリングも
その方針をなし崩し的に変えようとし、
それが当然の政策議論であるかのように
報道されています。

この姿は、本当に正しいのでしょうか。

====

薄暮時に、人を殴って傷めつけ、
夜通し国民は苦しんでいます。

しかし、夜明けととも、
その同じ仲間が、お詫びはおろか、
病んでいる国民の前に、
逆に救世主のような顔をして
絆創膏を持って立っている、
これが今の与党なのです。

こんなやり口に、
国民はずっと欺かれてきたのです。

さらに今回の年金問題のように、
なし崩し的修復が不能だと見るや否や、
その責任を実務家、
つまり社会保険庁などに押しつけて
自分に否はないかのような顔をしています。

繰り返される茶番劇、
いや国民にとっての悲劇は、
もう終りにしなければなりません。

【本部情報】「公立病院に関する財政措置のあり方検討会報告書」=自治労見解

11月26日にお知らせしましたように、「公立病院の財政措置のあり方検討会報告書」が出されました。
これに対する自治労見解を別紙の通り添付します。

自治労見解をダウンロード

2008年12月05日

【総合研究室】『直近の世論調査から見る政局』⑧

『直近の世論調査から見る政局』⑧を『総合研究室』のコーナーに掲載しました。


『直近の世論調査から見る政局』については、担当していた役員が退任し、終了の予定でしたが。

投稿などで、「続けてほしい」というご要望があり、検討した結果引き続き『総合研究室』のコーナーに掲載していくことになりました。どうぞ、ご覧下さい。

【本部情報】第61回社会保障審議会介護給付費分科会報告

2009年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)が示される
〔連合政策ニュースレター第1077号〕

厚生労働省は12月3日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、『平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)』を示した。連合からは、小島総合政策局長が委員として出席した。

今回はたたき台の他、サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直しについて、厚生労働省より見直しの方向性が示された。見直しの主な方向性については下記のとおり。

【サービス提供責任者の報酬上の評価】
○手間のかかる初回及び緊急時における対応の評価する
○特定事業所加算の人材要件について見直し、加算を取得しやすくする

【サービス提供責任者の人員配置基準】
○現行のサービス提供時間(450時間)又は訪問介護員等の員数(10人)に応じたサービス提供責任者の規制は維持
○常勤は基本としつつ、サービス提供責任者を複数配置する事業所において、非常勤の者については常勤換算した数が常勤者数を超えない

連合の小島委員は、2009年度の介護報酬改定率が3%と決定されたことについて、「介護従事者の処遇を底上げするという意味で、3%の改定率で決定してしまうことに対しては疑問がある」と述べた上で、介護従事者の処遇改善、サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直し、たたき台について以下の発言を行った。

・処遇に関する情報の公表については、「国や事業者団体が一定のガイドラインを作成する」ことは必要。たたき台の文言から外すべきではない。
・介護従事者の勤続年数を評価の対象については、指標としては経験年数の方がよいと思うが、介護従事者の定着、雇用管理の改善という意味からも、勤続年数を評価の対象とするのは、適切な指標がない段階ではやむを得ない。
・サービス提供責任者の役割は重要であり、常勤が原則である。初回、緊急時に評価するということだが、非常勤のサービス提供責任者で緊急時に対応できるのか懸念がある。
・ サービス提供責任者を一部常勤換算することによって、経営の弾力化を図るということだが、常勤専従を配置することができず、サービスを提供できない事業所がどれ程あるのかを示すデータはあるのか。検証する必要があるのではないのか。

検証の必要性について、厚生労働省は「常勤専従のサービス提供責任者を確保できないために、どの程度サービスが抑制されているのかを示すデータはない。早急に調査を行いたい」と回答した。
 
最後に、今後の報酬改定の流れについて、大森分科会長は「改定率はプラス3%で決定しており、来年は要介護認定一次判定の見直しと変更もある。市町村の事務を考えると、年内に報酬改定について諮問・答申を済ませる方向で努力したい」と述べ、12月末までに報酬改定の議論を終えることを示唆した。
 
次回の社会保障審議会介護給付費分科会は、引き続き『平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)』について、12月12日に議論される予定。

その他、委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。

○介護報酬の改定率について唐突感があり、分科会として遺憾の意を表するべき。
○認知症については、軽度だからといって負担が軽くなることはない。
○「常勤者」の中には正社員ではない人もいる。「正規職員の割合」にすべきではないか。
○処遇に関する情報の公表について、ガイドラインの作成は自主的な取り組みを阻害するので、審議報告の文言から省いてほしい。
○常勤と勤続年数は質とは関係ない。適切な指標がないということであれば、今回は評価の要件としては有資格のみにすべき。
○大規模減算について、ケアマネージャーの40件を超える件数については逓減制とする方向で検討されていることとの整合性はどう取るのか。
○夜間対応型訪問介護事業所のオペレーター資格要件の緩和について、准看護師が入っていないのはなぜか。
○専門性やキャリアアップについては全体に共通することであり、サービスごとに異なるわけではない。
○介護職のキャリアアップや研修体制の構築については、国として行うべき
○人件費割合を見直すことには賛成だが、地域区分の見直しについても行うべきではないか
○介護療養型老人保健施設について、医療機関から入所した人が家庭から入所した人より全て重いというわけではない
○昨今の雇用環境を見れば、3%の改定率は評価してよいのではないか
○サービス提供責任者のように中核的スタッフとして位置付けられてきたものを安易に緩和するのはどうか
○サービス提供責任者の安易な非常勤化は許されない。「常勤換算した数が常勤者数を超えない」という基準では、常勤者が半分を超えればあとは常勤換算でよいということ。緩和するとしても、せいぜい4分の1、または2割であり、75%から80%は常勤とするべき。
○訪問介護の特定事業所加算の見直しにより、どれ程取得が見込まれるのか。
○介護従事者は希望する就業形態も多様化しており、ワーク・ライフ・バランスの点からも、質を担保しつつ能力の高い非常勤を活用することを考えるべき。
○地域包括支援センターの本体業務については、交付金の支給をしっかり行うべき。
○介護老人保健施設の支援相談員については、配置基準を緩和するより、多く配置しているところを評価すべき。
○人件費の見直しについては、3%のうちのどの程度が必要になるのか。
○認知症についてはエビデンスのない論理が横行している。認知症についての研究を早急に行うべき。
                                     以 上
介護人材の確保・介護従事者の処遇改善(案)
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サービス提供責任者の報酬上の評価及び人員配置基準の見直し
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平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)
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【本部情報】第19回社会保障審議会・少子化対策特別部会報告

保育の質を量的拡大の犠牲にしてはならない(篠原委員)
〔政策ニュースレター1078号〕

日時:2008年12月3日(水)15:00〜17:00
場所:厚生労働省省議室
出席者: <委員> 大日向恵泉女学園大学教授(部会長)、篠原連合生活福祉局長、大堀参考人(清原三鷹市長代理)、駒村慶應大学教授、佐藤東京大学教授、庄司立教大学教授、杉山セレーノ代表取締役、福島日本経団連少子化対策委員会企画部会長、宮島日本テレビ報道局解説員、山縣大阪市立大学教授、吉田「遊育」代表取締役
<事務局>村木厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、北村審議官他

議題:1.経済的支援について
2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
3.これまでの議論の整理

1.経済的支援について
 「子どもと家族を応援する日本」重点戦略及び社会保障国民会議で既に確認されている「経済的支援よりも、保育等のサービスを充実すべき」ことを確認した。

2.社会全体での重層的負担・「目的・受益」と連動した費用負担について
岩淵副部会長の「社会的責任の観点から、財源負担について事業主はもう少し前向きになるべき」との意見に対して、福島委員は「少子化は国の問題である。基本は税で賄うべき」と反論。岩淵部会長は、「事業主負担は、賃金体系にある扶養手当など一緒に議論する必要がある」と取りまとめた。

3.これまでの議論の整理
篠原委員から、最終報告のとりまとめにあたって、「両立支援という観点からは、保育の量的拡大と多様なニーズに対応する提供体制の整備が重要となるが、そのために保育の質を犠牲にすることがあってはならない。地方分権改革推進委員会が来週とりまとめる勧告には、保育所の最低基準の廃止が盛り込まれるとの報道があるが、その考え方については反対である」と表明した。
大日向部会長は、第10回(9月5日)から第18回(11月21日)までの議論を以下のようにとりまとめた。

○保育サービスの必要性の判断基準について
保育の必要性の判断が独自に行われ、それに基づいて受給権が発生し、サービス提供基盤の整備責任を明確化させる制度にすることを検討する。需給がアンバランスの現状においては、保育を必要とする子(とりわけ母・父家庭、被虐待児童等)が拒否されるケースを回避すること、施設の安定的運営に配慮する必要がある。

○利用方式のあり方について
利用者と施設が向き合い、公的関与が入り質を向上するしっかりした仕組みをつくる必要がある。
 
その他の主な意見は以下の通り。
<山縣委員>保育所利用料の徴収は、たとえ直接契約になっても、市町村がすべき。施設は、滞納世帯の子どもを避ける傾向にある。滞納世帯からの徴収は大変な業務であり、施設に任せるのは困難。
<佐藤委員>保育所を利用できる世帯とできない世帯、また認可外保育を利用する世帯の間に、公的支援の格差が生じている。児童を受け入れた施設に補助する形をとれば公平性は担保できる。
<駒村委員>滞納を防止するためには、直接施設に納める方式も一つの考えではないか。
<岩村委員>直接契約にした場合は、施設が徴収するのが自然。事業者が滞納世帯の子どもを敬遠するのは行政監督の問題である。
<宮島委員>面倒を見る祖父母がいる世帯が要保育からはずされると、3世代同居を妨げかねない。
 
次回(12月9日)には最終報告案が示され、16日の会議で取りまとめる予定。


                                         以 上

2008年12月06日

【本部情報】第2回労使関係制度検討委員会が開催される

12月3日、国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(座長:今野浩一郎・学習院大学教授)第2回会議が、本部のある中央合同庁舎4号館で開催された。委員会には、労働側委員として山本幸司連合副事務局長、福田精一国公連合委員長、金田文夫自治労書記長が参加した。

冒頭、出席した甘利公務員制度改革担当大臣は「公務員制度化改革は、政府としても重要な課題と位置づけている。能力・実績主義等を基にした改革を進めるためには、当検討委員会の議論を避けて通れない。すでに顧問会議から内閣人事局の機能に関する報告も出されており、当委員会でも改革の全体像、その措置の内容について、早急な検討を求めたい。当初描いていた平成21年度中という日程についても、”度”をとり、平成21年内のまとめとして、できるだけ早い時期をお願いしたい。全体の日程についても、渡辺前大臣の描いた1・3・5年の予定を1・2・4年として早めたい。そうした工程表に基づき改革をバインディングし、部分的に食い逃げされないようにしたい。当委員会における議論を前倒させ、工程表上の日程に間に合わせて欲しい」とあしさつした。

その後、事務局から「顧問会議の報告」に関する説明があり、その説明を受けて山本委員は「顧問会議の報告には、内閣人事局の機能などの報告がされている。この報告は代償機能を内閣人事局に移すことを前提としているが、これは公務員の非管理職層に労働基本権を付与し代償機能をなくす、としなければ平仄が合わない。政府としては、内閣人事局が発足するときに、人勧制度によらない給与決定システムも構築されるように、その改革の内容面とスケジュール、タイミングについても、平仄を合わせていくつもりか」と甘利大臣を質した。
 
これに対し、甘利大臣は「顧問会議でも同様の指摘はあった。昨日も国家公務員制度改革推進本部を開催し、私から工程表に基づき、前倒しで議論を進めることを報告し、総理からもその旨指示を受けている。今後の改革については、全体の見通しをもって、整合性をはかりつつ、進めていきたい」と応じた。

続いて、事務局から「便益及び費用について」の説明があり、各委員による審議が行われた。

審議のなかで、金田委員は「資料にある想定される便益及び費用の内容では、労使関係に手間をかけるとコストがかかる、デメリットになるというイメージになっていないか。専門調査会のヒアリングにもあるように、民間では労使のパートナーシップで事業を改革していく、組合にはその橋渡しの大きな役割があると指摘されている。公務でも同じだ。今置かれた状況にあっては、一層、意思疎通を密にする必要がある。それで業務をうまく進めること自体大きな便益になると思う。また、給与調査について、イギリスやドイツではあくまで労使交渉による決定で、特別な調査はしていない。アメリカでも労働省の調査データを活用しており、コストはかけていない。つまり、特別調査をやることは、そもそも前提ではないはず。
また、ドイツでは協約締結権のない官吏の給与については、交渉で決める職員の給与水準に準拠する形で決められている。これにもコストがかかっているわけではない」などの考えを表明した。
 
また、福田委員は「便益についてはフワっとした印象で書かれているのに、費用については具体的な書きぶりになっているので、コスト論だけが目立つ。最小の費用で最大の便益を得るには、労使関係の質の問題が大きい。その質を高めるための論議こそ必要」などと発言した。
 
その他の委員からは「国民を究極的な使用者とするのか、タックスペイヤーと捉えるのか。そこを考えないと、資料に便益として示されている記述のうち『国民への説明責任』や『国民に理解される』という表現に違和感が出てくる」、「資料に記載されているのは、想定される便益および費用の内容に関する『基本的視点』にすぎない。そのまま『内容』と決めると誤解を生じるので、ここでは基本的視点ぐらいのものとして合意する程度でいいのでないか」、「便益については、抽象的にならざるを得ないが、国民に示すにはより分かりやすく説明する必要がある」、「費用と便益は、高くていいもの、安くて今ひとつなもの、その兼ね合いで決めるべきもの」などの意見が出された。

これら意見を受けて、座長は「費用と便益を考える視点な何なのか、共有化していきたい。それを次回、事務局でまとめて提出して欲しい。資料の『想定される便益及び費用の内容』については『想定される便益及び費用の内容の視点』くらいの表記でいいのではないかと思う」としてまとめた。

最後に、事務局から「今後の検討スケジュール」「便益及び費用に関する調査の方針について(案)」の説明があり、各委員からはアンケートに対し、「しっかりした制度の中身を示して行わないと、アンケートをやっても意味がない」「アンケートは難しい。結果に我々自身も影響されてしまう」「アンケートは、聞き方の問題で、バイアスがかかる」などの意見が出された。また、ヒアリングについても幾つか意見が出され、座長は「事務局案をリスト化し、次回委員会までに事前配布したい」として締めくくった。

次回以降の日程は、日程調整の上、開催日を各委員に知らせることとなった。

引き続き、自治労は、労働側委員と連携しつつ、協約締結権の付与を通じた交渉に基づく労働条件決定制度の確立と自律的労使関係制度の実現に向けて、取組みを強めていく。

                                            以上

【本部情報】地公部会が地方財政確立等で総務省・財務省に要請

公務員連絡会地公部会は12月5日、地方財政確立等に関する総務省、財務省への要請を実施した。総務省要請には地公部会書記長クラス、財務省には幹事クラスが参加した。両省へは、①地域公共サービスの実態に見合った財源保障、②地方税財源確保のための制度改革など地方自治の確立、③自治体の自主的・主体的な財政健全化の支援、④地方公務員の総人件費の十分な確保の実現を申し入れた(別紙1,2参照)。
 
要請の概要については以下の通り。

<総務省要請の経過>
総務省への要請は13時30分から実施された。総務省からは久保自治財政局長が対応し、地公部会からは企画調整委員クラスの金田自治労書記長、岡本日教組書記長、岸川自治労連書記長、大出高教組書記長、藤川地公部会事務局長が出席した。
 
冒頭、金田企画調整委員代表から「三位一体改革以降の地方財政の大幅な圧縮に加えて、昨今の景気後退による地方税等の減収見込みなどにより、地方財政は一層危機的な状況にある。一方、医療・福祉・介護、教育、環境など地域公共サービスの質は確保されなければならない。危機的な地方財政の現状をふまえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成を要請したい」と述べた後、別紙の5つの項目について要請した。
 
これに対して、久保自治財政局長は、次の通り回答した。
(1) 地方財源不足は、今年度は5.2兆円であったが、来年度は2桁に上る見込みである。この地方財源不足は、法律にもとづき国と地方の「折半ルール」で地方の財源対策債と国の一般会計加算で補填せざるを得ないのではないか。こうした状況下、現在、総務省としては、地方歳出を改めて適切に見積もり、必要な行政需要は基準財政需要総額にきちんと算入することによって、この間圧縮してきた地方財政計画額の増額をすべきではないか、と考えているところである。ただし、どこまで実現できるかどうかは分からない。皆さんの知恵と応援も是非いただきたい。

(2) 地方分権改革の要請は、その通りである。道路特定財源の一般財源化については、地方道路整備臨時交付金約7,000億円に、どこからか3,000億円をプラスして道路を中心に関連インフラ整備に使途する1兆円の交付金とする、他に地方交付税は予算編成過程で増やしていくとの内容で、週明けの政府・与党協議にかけられる予定となっている。一般財源化とは、税と地方交付税にすることである。自治体にとっては、使途が制限される特定財源や交付金よりも、一般財源の方が使い勝手がよいはずである。また、地方交付税は、地域間の格差是正をはかるためにも有効である。しかしながら、道路特定財源は、暫定税率を維持することにしているため、ユーザー・税負担者からすれば道路以外の需要に使途するのであれば、暫定税率を引き下げるべきとの主張があるため、一般財源化することに困難な面があることも事実である。

(3) 財政健全化比率以上の自治体に対して、財政措置の支援策を、とのことについては、健全化の努力をしない自治体に支援をし、健全化の努力をしている自治体に支援をしないということにもなり、なかなか難しい問題がある。ただし、健全な財政運営をしているにもかかわらず、特別会計との関係でどうしても支援しなくてはならないケースもあり、例えば病院を抱えているようなケースについては、支援策を講じようとしているところである。どういうケースがあるか、知恵をいただき、研究してまいりたい。
 
最後に、金田企画調整委員代表より、「自治体では賃金カットも横行している。人件費の適正な水準も確保されるよう、財源確保に努力していただきたい。本日は、地方財政について総務省とわれわれが、ほぼ同じ認識であることが了解できた。お互いに最大限の努力をしていきたい」と述べ、要請を終えた。

<財務省要請の経過>
財務省への要請は、江﨑地公部会事務局次長をはじめ幹事クラスが出席し、13時から実施された。財務省側は、主計局の藤井主計官(総務・地方財政担当)が対応した。
 
冒頭、江﨑事務局次長が申入書を手渡し、「地方にとって厳しい状況が続き、大変疲弊しているなか、来年はさらにその厳しさが増すことが確実となっている。地域医療の確保をはじめとして自治体では必要なサービスを提供するための財源の確保が最大の課題である」として、要請の趣旨を説明した。
 
財務省からは、以下の回答があった。
(1) 夏以降、アメリカ発の金融危機によって経済情勢は悪化し、大幅な税収減に直面している。必要な行政を行うために、国・地方ともにどうやって財源を確保するのかは確かに大きな課題である。麻生内閣は、当面の景気対策と、持続可能な経済政策のための中期プログラムの策定とを行うとしているが、当面の対策に向けた予算編成については、これから総務省との議論になる。

(2) 三位一体改革で削減された地方交付税の復元を、地方団体をはじめ各方面から求められるが、2003年以降、税源移譲とは別に地方税が5.3兆円増収してきた。メカニズムとして、地方税収が増えれば交付税は減る。確かに小泉内閣からの行財政改革によって地方財政計画は抑制されてきたが、マクロの地方財政としては地方税でカバーされているものである。一般財源水準および一般財源比率としては、2008年はここ10年間でもっとも良好な状態にある。個別自治体の財政状況は、総務省の管轄である。

(3) 道路特定財源については、本日与党内で、道路を中心に関連インフラ・ソフト事業に充てる新たな交付金とすることが合意されている。対象事業は広がった。また、地方の道路整備に充てられていた総額は減少しないようにする、というのが基本の考え方である。

(4) 税源移譲については財政制度等審議会の建議にもあるが、地方税のウエイトを高めると、財源の偏在性が大きくなる。地方税を充実させるのであれば、どう財政格差を埋めるのかの具体的な議論が必要になる。偏在をならすための水平的調整は、例えば法人2税の方式が有効と考えている。

(5) 自治体財政健全化については、財務省として答えるものはない。

これらの回答に対し、地公部会は以下のとおり財務省を質した。
(1) 99年以降、地方財政計画の人件費は減少を続け、その減少額は1兆4千億にのぼる。地方公務員にとっては、どこまで厳しくなるのかとの大きな不安と不満がある。
(2) 良質でいいサービスの提供とそのための人材の確保のための視点を持って人件費を考えてもらいたい。
 
これに対し、財務省は、以下のとおり回答した。
(1) 財政制度等審議会での議論については、ここ何年も公務員の人件費がメインテーマとなってきた。6年間の行革努力は評価できるものと考えるが、地方公務員と国家公務員との比較だけではなく、地域民間との比較が必要である。これは人事院への問題提起でもある。
(2) 地方の思いについては理解できる。これから総務省とよく協議していきたい。

最後に、「公共サービスの提供にはなによりもマンパワーが必要だ。地方財政担当として、地域の公共サービスを守る立場で奮闘してほしい」と重ねて要請し、終了した。

(別紙1) 総務省への申入書
                                  2008年12月5日
総務大臣
 鳩 山 邦 夫 様

                            公務員連絡会地方公務員部会
                                   議 長  佐 藤 幸 雄

               地方財政確立等に関する申入れ

貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。

一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間追及されている規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。

地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しと政府予算編成が求められます。
 
貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。

                         記

1.地方財政計画の策定については、自治体との協議のもとに、地域の行政需要を的確に反映させ、地域公共サービスの実態に見合った財源保障を行うこと。とくに、三位一体改革で削減された地方交付税の復元をただちに行うこと。

2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方へ財源の移譲を行うよう制度設計を行うこと。

3.自治体財政健全化法の運用については、国の関与は最小限に止め、自治体の自主的・主体的な財政健全化を基本とすること。また、財政健全化比率以上の自治体に対し、行政水準を維持・確保するための財政措置等の支援策を講じること。

4.地方分権、少子・高齢化、地域医療確保、環境保全などの公共サービス水準を維持・向上させるため、地方公務員の総人件費(定数・給与)の十分な確保を行うこと。


(別紙2) 財務省への申入書

                                  2008年12月5日
財務大臣
 中 川 昭 一 様

                           公務員連絡会地方公務員部会
                                 議 長  佐 藤 幸 雄


                地方財政確立等に関する申入れ

貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
地方財政は、国主導による景気対策に起因する地方債の増加や、三位一体改革以降の財政圧縮などによる5.1兆円の地方交付税削減により極めて厳しい状況となっています。さらに、金融危機に端を発した急速な景気後退は大幅な税収減につながり、地方法人税等の地方収入も大幅な減少となる見込みです。このままでは、来年度の予算編成ができない自治体も現出しかねないほどの地方財政危機となるのは明らかです。
 
一方、年金・医療制度の劣化や景気後退により国民生活の不安感は増すばかりです。特に、この間の規制緩和・構造改革路線は、医療・福祉・介護、教育、環境など安心・安全の国民生活と直結する地域の公共サービスの質の低下を招いています。
 
地域の公共サービスを削減する政策からの転換をはかるとともに、危機的な地方財政の現状を踏まえて、2009年度政府予算案編成においては、地方自治体の一般財源の確保、国と地方の税財源の見直しが必要です。
 
貴職におかれましては、地方自治と地方分権を推進する立場から、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。

                         記

1.各地方自治体において、少子・高齢化、地域医療確保、環境保全など地域公共サービスの維持・改善が可能となる財源が確保できるよう、地方税と地方交付税を合わせた一般財源の総額を確保すること。 
とくに、三位一体改革で削減された地方交付税の復元をただちに行うこと。

2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図ること。とくに道路特定財源の一般財源化については、地方へ財源の移譲を行うよう制度設計を行うこと。

3.自治体財政健全化法の運用については、行政水準を維持・確保するための財政措置等の支援策を講じること。

2008年12月07日

【逢坂議員の国会情報】麻生内閣支持率22.6%

今日のフジテレビ「報道2001」世論調査で麻生内閣支持率は22.6%とか…。

あまりこうしたことを取り上げるのも如何がと思いつつ、やはりもう限界のようです。

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また自民党の笹川尭総務会長が、小渕優子少子化担当相について「なぜ(担当相に)なれたかというと、子供を産んだから。結婚しても子供がいなければ『少子化(対策)の方法が分かっているのか』と言われる」と発言したようです。

子供を産まなければ少子化担当大臣になれないとも受け取られかねない発言です。

今後、問題視されそうです。

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この週末、さらに他の問題発言もあるようで、何やら本当に麻生内閣は瓦解一歩手前です。

2008年12月08日

【臨時・非常勤等連絡会】当事者として「声」出すことが重要

12月6〜7日自治労会館で、道本部臨時・非常勤等職員連絡会議第1回幹事会を開いた。

はじめに「臨時・非常勤職員制度の課題と今後の取り組み」と題して、櫛部道本部賃金労働部長を講師に学習会を行い、『臨時・非常勤の法的任用制度や裁判闘争例について』と、総務省で議論されている、『地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会』の動向について認識を深めた。
 
幹事会では、今年8月に人事院が発した「非常勤の給与に関する指針」を活用した「均等待遇」実現へ向けた運動展開と、道本部総体で取り組む未組織単組への働きかけを支援することを確認した。

議論の中で、それぞれの単組のたたかいが報告され、「結果として合理化提案を飲まざるを得なかったが“組織化”されていることによって一定の歯止めがかけられた」という成果が話された。

一方で、「単組の交渉に出られない」「施設の経営移譲の話が進んでいるが、正式提案もない」など、基本組織との連携不足による不安の声があげられている。

最後に、「自分たちが当事者として声を出していくことの重要性、職場・単組で頑張る」ことを全体で確認し終了した。

【プレゼント】日本ハムファイターズ2009カレンダー

2009年北海道日本ハムファイターズカレンダーを抽選で1名さまにプレゼントします。

ご希望の方は、道本部メールdouhonbu@jichiro-hokkaido.gr.jp で、下記の内容をご記入の上、お申し込み下さい。

締め切り=2008年12月12日金曜日16時までにお申し込み下さい。

①単組名(所属の組合名)
②お名前
③連絡先の電話番号

2008年12月09日

【労安・職業病対策委員会】災害の発生は深刻=快適な職場作るため

道本部は、2009年度第1回労働安全衛生・職業病対策委員会を12月8日、札幌・自治労会館で開いた。
 
冒頭に、杉谷福委員長が「職場では、業務の質量ともに変化し、過重労働の影響から災害の発生は深刻な状況にある。メンタルヘルスの取り組みも含めて、快適な職場つくりが、今ほど求められているときはない。道本部としても、道本部・地本・単組の労働安全衛生ネットワーク構築を継続して行うなど、積極的な活動を行っていきたい」とあいさつした。

対策委員会では、昨年の第2回委員会(08年6月11日)以降の経過報告に続いて、2009年度の活動について協議を行い、
① 昨年度に引き続き、労働安全衛生ネットワーク作りを継続して行うこととし、重点地本を上川・胆振地本とする。
また、昨年度の重点地本(渡島・十勝)についても、継続してネットワーク体制の強化を図っていく。

② 07年度安全衛生月間に実施をした、取り組み報告書(アンケート)の集約を引き続き行うことや、道の市町村課を通じ労働安全衛生委員会の未設置自治体との意見交換・状況把握を行うなど、情報収集と対策を強化する。などについて、確認した。
 
また、「道本部 労働安全衛生担当者・活動家養成講座」については、基本的に6月上旬に1日日程で開催(札幌市内)する。メーンテーマは「メンタルヘルス」についてとし、昨年度の内容を踏まえて道本部で内容を検討することとした。

またその他として、指曲り症などの認定対策として、自治労本部を通じて、認定基準の改善と緩和を求めていく必要があるとの意見が出された。

【総合研究室】直近の世論調査から見る政局⑧改訂版

12.8に一斉に世論調査が出ました。これを受けて、「直近の世論調査から見る政局⑧改訂版」を『総合研究室』のコーナーに掲載しました。

どうぞ、ご覧下さい。

2008年12月10日

【本部情報】地方分権改革推進委員会「第2次勧告」に対する自治労見解

12月8日、地方分権改革推進委員会は、国の法令による義務付け・枠付けの廃止・見直し、国の出先機関の廃止・縮小等を主な内容とする「第2次勧告」をまとめました。これ「第2次勧告」に対する、自治労の見解は別添のとおり。

地方分権改革推進委員会 第2次勧告は下記HPをご覧下さい
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html

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公務労協見解をダウンロード

【本部情報】給与法案など閣議決定を受け、地公部会が総務省交渉

※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。

公務員連絡会地公部会は12月5日、給与法案、勤務時間法案を受けた総務省への要請と公務員部長交渉を行った。総務省からは松永公務員部長ほかが出席し、地公部会からは構成組織書記長と藤川地公部会事務局長が臨んだ。
 
はじめに、地公部会の金田企画調整委員代表より別紙要請書(資料1)を手交し、(1)賃金確定における労使交渉の尊重、(2)公営企業職員・現業職員の非現業職員との決定方式の違いを踏まえた労使交渉と合意の遵守、(3)臨時・非常勤職員の処遇等の改善、(4)国家公務員の新たな人事評価制度本格実施を受けた総務省の対応についてその見解を求めた。
これらについて、松永公務員部長からは、次のとおり応えた。

<公務員部長回答>

1.地方公務員の給与決定について
○ 地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨に則って、地域の実情を踏まえつつ、条例で定めるべきものであると考えている。具体的には、当該団体の規模や給与の実態等を踏まえ、国家公務員の給与、民間給与の状況等を総合的に勘案した上で、適正な内容とすべきものと考えている。地方公務員に対する国民・住民の信頼を確保するためにも、地方公共団体の給与制度や運用について、住民の理解と納得を得られるよう、一層の給与の適正化にむけた取組を要請しているところ。引き続き必要な助言等は行っていきたいと考えている。

○ 技能労務職員の給与については、人事委員会勧告の対象とはならず、労使交渉を経て労働協約を締結することができるなど、法の適用関係が他の一般行政職員等とは異なるところであるが、職務の性格や内容を踏まえつつ、特に民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡に一層留意し、住民の納得と理解が得られる適正な給与制度、運用とすることが必要であると考えている。

2.臨時・非常勤職員の給与、その他勤務条件について
○ 地方自治法、地方公務員法やこれに基づく条例等に基づき、職務の内容や職責等に応じて、各地方公共団体が定めるべきものと考えている。今回出された人事院の指針だが、国における事務補助職員等の非常勤職員の給与について、府省や官署において均衡が取れていない状況を改善するために、一般職給与法第22条に基づき、府省等の長が非常勤職員の給与を決定する際に、考慮すべき事項を統一的に示そうとされたものであると承知している。地方における臨時・非常勤職員は、その勤務形態や職務の内容が多様であるとともに、任用に係る法体系が国と異なっており、このようなことから今回の指針は地方公共団体に直接当てはまるものではないと認識している。

○ 社会保険や労働保険の適用については、多種多様である個々の臨時・非常勤職員の勤務形態に応じて、各制度の適用要件に照らして判断されるものであり、まずは各地方公共団体において、法令に沿って適切に運用されるべきものと考えている。

3.人事評価の関係について
○ 人事評価システムの導入に当たっては、評価の透明性・客観性・納得性を確保するために、各地方公共団体においてその枠組みを適切に構築することが必要であると考えている。人事評価システムが効用を発揮するためには、職員の理解と納得が得られるよう努めることが必要であり、制度の趣旨や内容について、職員との意思疎通を図ることが重要であると認識している。人事評価システムの内容は、各地方公共団体において決められていくべきものである。総務省としても地方公共団体における円滑な導入・運用が行われるよう、必要な助言を引き続き行っていきたいと考えている。

○ このような考えのもとに、研究会においては、人事評価の実施や活用に係る考え方や方向性を検討していただいているところである。検討に当たっては、地方公共団体の実情を踏まえた公正かつ客観的な人事評価システムの構築・運用に資するものとなるように努めていきたいと考えている。

4.勤務時間の関係
○ 先日、「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、同法案が国会に提出されたところである。これに先立ち、総務省としては、人事院勧告の取扱いに係る閣議決定が行われたことを踏まえ、地方公務員の勤務時間の改定について、国家公務員の勤務時間の改定を基本とすること、公務能率の一層の向上に努め、行政サービスを維持するとともに行政コストの増加を招かないことを基本とすること等を事務次官通知により各地方公共団体に要請したところである。今後も適切に助言を行っていきたいと考えている。

これに対して、地公部会側は以下の点を質した。
(1) 多くの地方公共団体で給与カットが強行されている。人事委員会勧告を尊重する立場から問題があるのではないか。

(2) 労使交渉によって決定される技能労務職給与について、総務省は過剰な干渉はしないという考え方でよいか。民間労働者との比較について、民間と公務における同じ現業職員といっても職務・職責は実態としては全く同じではないということは、完全に水準をそろえるべきものだということではないということでよいか。また、今後とも十分な交渉・協議を求めたい。

(3) 臨時・非常勤職員の置かれている実態として、職務の内容と責任に応じた給与が支給されていない実態もあると認識している。たとえば、 資格性のあるような職について、常勤の職員と同様な仕事を行っているにもかかわらず、均等待遇が図られていない現状は、職務給の原則からしても問題ではないか。また、教育現場における臨時・非常勤職員がおかれている厳しい実態も踏まえるべきである。
(4) 人事評価制度に係わって、人事評価の研究会は、年度内に結論を出すとのことであるが、重大な関心を持っているので、地公部会への詳細な情報提供を行うこと、また、組合との十分な交渉・協議が重要であることを、研究会の場でも再確認されたい。
 
これに対して、松永公務員部長は、次のように回答をした。
(1) 人事委員会が置かれている地方公共団体における職員の給与の決定に当たっては、人事委員会勧告を尊重して給与改定を行うということが基本であると認識している。独自の給与抑制措置については、このような勧告尊重の基本姿勢に立った上で、それぞれの団体において 厳しい財政状況等を勘案して、人事当局と職員団体との交渉や議会における審議等を経て、条例改正を行い実施されているものであると承知している。地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨を踏まえて、それぞれの地方公共団体において十分に論議いただくべきものであると考えているところである。

(2) 技能労務職員の給与については、職務内容が公務として民間とは異なるところもあるが、法の原則どおり、同一又は類似の民間事業の従業員の給与を考慮し、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度・運用となるようにすることが必要であろうと考えている。
賃金センサスのデータを地方公務員の給与と比較する際には、公表されているデータのままでは、雇用形態や勤務形態の異なる民間事業所の従業者の給与が含まれていることについては、留意が必要であるということは承知している。研究会においても、こういったことを踏まえて、労使双方に題材を提供するという観点から、賃金センサスデータの分析を含めて民間給与の調査・比較手法等について研究してもらっている。研究会の議論については、今後とも、引き続き、情報提供をしていきたい。

(3) 地方公共団体における臨時・非常勤職員の報酬等の処遇については、それぞれの地方公共団体において、その職務の内容等に応じて適切に決定すべきものだと考えている。研究会においても、「臨時・非常勤職員の報酬等については、業務の内容や業務に伴う責任の程度等に応じて、各地方公共団体において適切に判断すべきではないか。」という観点から、議論が行われているところである。今年中には研究会における議論を整理していただくこととなっており、これを受けて地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現に資するよう制度・運用の在り方を検討していきたいと考えている。
   
文部科学省が教員の勤務実態に関する調査を行われたことは承知している。教職調整額のあり方等の問題については文部科学省が中心となって検討を進めているところである。こうしたことも含め、様々な議論があることは認識している。
(4) 研究会については、そろそろ報告書の取りまとめ時期にさしかかってきているが、研究会資料や議事概要については、これまでと同様、情報提供を行っていきたい。
    
また、職員との意思疎通が重要である点は、研究会でのこれまでの議論でも委員の方々の間では共通認識となっており、取りまとめに当たっても、その点に変わりはないものと考えている。

最後に、金田書記長から、地方自治体における行政サービス水準の向上と人的資源確保のため、地方公務員の新たな定員削減計画を地方自治体に求めないことを要請して、交渉を終わった。

資料1.総務省への申入書
                                    2008年12月5日

総務大臣 
 鳩 山 邦 夫 様


                             公務員連絡会地方公務員部会
                                    議 長  佐 藤 幸 雄

        地方公務員の賃金、労働条件に関する申入れ

 貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 今日、雇用・生活などの地域間格差は重大な政治・社会的な課題となっており、少子高齢社会における社会保障の水準確保や教育、医療、防災など地域における住民ニーズに適切に対応する自治体の役割強化が求められています。

 しかし、政府の国・地方の歳入歳出一体改革により、公共サービスのあり方についての十分な国民的議論と合意を抜きにした定員・賃金の削減や、地方財政計画の圧縮、地方交付税の大幅削減により、公共サービスの縮小や質の低下が懸念される事態になっています。それに対して、地方公務員の多くは、公共サービスの維持・改善をすすめるため、懸命の努力を続けています。その一方、財政逼迫を理由とした一方的な賃金引下げが深刻化し、労働基本権が制約されていることへの代償措置である人事委員会制度は空洞化していることから、労使が交渉を通じて自律的に勤務労働条件を決定する制度への転換が急がれます。

 貴職におかれましては、地方公務員の賃金水準の確保と、労使自治を尊重した賃金確定が強く求められており、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。


                         記

1.自治体サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金水準が確保されるよう取り組むこと。また、自治体賃金の確定に当たっては、地公法第24条3項の趣旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるよう対応すること。とくに、公営企業職員や現業職員の給与については、非現業職員との決定方式の違いを踏まえ、労使交渉と合意を尊重して対応すること。

2.地方公務員の標準的給与の確立に向けた取組みを行うこと。そのため、全国人事委員会連合会の体制・機能の強化をはじめ人事委員会の体制・機能強化や人事委員会相互の連携方策の強化について支援を行うこと。

3.臨時・非常勤職員の処遇等の改善のため、非常勤職員に係る給与の適正な支給を求める人事院の指針を参考にしつつ、常勤職員との均衡と雇用の安定に向けた取組みを行うよう各自治体に助言すること。また、社会保険・労働保険の適用に係って、法令に沿った運用が行われているかどうか実態把握をすすめ、問題点、課題の改善に取り組むこと。

4.公立学校教員給与について、人材確保法の趣旨を踏まえた水準確保を図るよう自治体に助言すること。

5.国家公務員の新たな人事評価制度の実施に伴う地方公務員の人事評価制度の見直しにあたっては、4原則2要件を具備した制度となるよう組合との十分な交渉・協議と合意と納得を得るよう「助言」をすること。また、「地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会」の検討にあたって、地方公務員部会の意見反映の場を設けること。

6.退職手当債の発行、公的資金補償金免除繰上償還の実施の許可に際して、一律的な人件費削減や、特定項目の人件費の削減などを条件としないこと。また、地域手当、寒冷地手当など人件費に係る特別交付税の減額措置を実施しないこと。

7.地方自治体における行政サービス水準の向上と人的資源の確保のため、地方公務員の新たな定員削減計画を地方自治体に求めないこと。

8.所定勤務時間の短縮について、人事院勧告において来年4月実施とされたことを踏まえ、各自治体においても速やかに実施されるよう、所要の措置を行うこと。

【本部情報】新たな超勤上限目安時間で人事院から回答

”720時間上限目安"の問題を厳しく追及し、"フォローアップ実施"を約束させる


※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。


公務員連絡会は、12月9日、10時から人事院交渉を実施し、過日提出した「新たな超過勤務上限目安時間設定についての意見」に対する回答を求めた。交渉には、公務員連絡会から労働条件専門委員会交渉委員が参加し、人事院側は、松尾職員団体審議官付参事官、阿部職員福祉課調査職、役田同課補佐が対応した。

冒頭、松尾参事官は、「11月19日に提出された意見について検討した結果を申し上げたい」として、次の通り答えた。

(1) 超過勤務実態等の調査については、現行指針では360時間の超過勤務上限目安時間によらないことができる部署を定めており、これらの部署は、国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等の各府省の枠を超えて他律的に業務が決まる部署なので、どの部署が当てはまるかについては各府省が業務内容を見て判断している。そのため直ちに調査することは困難であるが、一定の期間を経過した後にはフォローアップが必要であり、ご要望の点も含めて調査を行うことを検討したい。

(2) 在庁時間縮減については、政府全体として縮減に努めることとし、本年4月から各府省において具体的な取組みを進めており、夏の勧告前に取組み状況をお知らせしたところである。来年4月には本年度の取組み状況のフォローアップを行うことにしているので、まとまった段階で職員団体の皆さんにお知らせすることとしたい。

(3) 超過勤務の規制のあり方については、他律的業務部門についても、まずは上限目安時間を定めて、その実施状況を見極めた上で、より実効性のある対策を講じることが必要と考えている。今後とも皆さんと必要に応じて協議を行わせていただきたい。なお、年間720時間の根拠は、深夜勤務が午後10時からなので、それに至らない範囲である3時間の超勤を1か月に20日行うとして設定したもである。これでも多いとの指摘もあると思うが、現実に720時間を超えている実態があることを踏まえたものである。

(4) 今月中旬には指針を発出し、原則として1月1日を起算日として適用することを考えている。

以上の回答に対し、公務員連絡会側は、次の通り、さらに人事院の見解を質した。
(1) 人事院としてしっかり構えて取り組むという姿勢が伺えない。民間企業では労使で36協定を結ばないと超過勤務をさせることができない仕組みであるのに対し、公務員の場合は労働基本権制約の代償機関としての人事院がその役割を果たすことになる。にもかかわらず、厚生労働省告示の上限は360時間であり、その2倍の720時間を目安にするというのは問題であり納得できない。

(2) 他律的業務については、国会を含めて人事院としての働きかけを行うべきではないか。

(3) いまの指針が定められたのは平成11年であり、各府省でどのように実施されてきたかフォローべきであった。今後は取組み状況を含めてしっかり調査していただきたい。また、指針には「健康への配慮」も定められており、各府省に任せるだけでなく、人事院として調べるべきである。

(4) 職員個人個人が、自分は360時間なのか、720時間なのか、分かるようにしていただきたい。また、各府省では、とくに今まで360時間を取り組んでこなかったところでは、720時間まで超勤をさせてもいいということになりかねないので、厳しく指導していただきたい。

これらの追及に対し、人事院側は次の通り答えた。
(1) 行政サービスとしていろいろあることや実態として720時間を超えている職員がいることを踏まえると、720時間ということ自体に問題がないとは思わないが、まずはこれを上限目安とすることが適当と考えたものである。実行不可能なものではなく、他律的業務に対しても、現場で努力できるものとして設定することにしたものだ。この取組みを踏まえて、将来どうするかは考えていきたい。

(2) 国会に対しては、本年の報告で「関係各方面の理解と協力を得て、改善が進むことを期待する」と書いたところであり、それ以上の働きかけは難しいと考えており、組合の皆さんのご協力も得ながら取り組んでいきたい。

(3) 各府省が1月から職場ごとにどのように取り組むかまで調べるのは難しいと考えているが、一定期間後には調査を行いたいと考えており、どのような調査を行うかについてはご要望の点を含めて検討したい。

(4) どの部署がそれぞれに当てはまるかは各府省が決めることであり、個々の職員に伝えることまでは求めないが、現場の管理職に指導してもらいたいと思っている。なお、どのような部署単位で指定するかは各府省の任意である。

最後に公務員連絡会側は「われわれは720時間という上限目安の設定について納得したわけではない。しかし、指針を出すからには、各府省をしっかりと指導していただきたい。より実効性のある縮減方策にしていくために、取組みをフォローアップし、成果が上がっていなければ、われわれが要求しているような新たな超勤規制策を検討することを約束していただきたい」と人事院の見解を求めたのに対し、人事院側は「まず720時間の上限目安を仕組みを作って、一定期間後に縮減状況をフォローアップを行い、それを見極めてどんなことが実行可能か、皆さんの意見を伺いながら検討していきたい」と答えたことから、これを確認し交渉を終えた。

2008年12月11日

【本部情報】第20回社会保障審議会・少子化対策特別部会報告

市町村の適切な関与で、利用者・保育所間の公的契約
〔連合政策ニュースレター第1080号〕

日時:2008年12月9日(水)15:00〜17:00
場所:厚生労働省省議室
出席者: <委員> 大日向恵泉女学園大学教授(部会長)、篠原連合生活福祉局長、岩村東京大学教授、清原三鷹市長、駒村慶應大学教授、佐藤東京大学教授、庄司立教大学教授、杉山セレーノ代表取締役、速水参考人(野呂徳島県知事の代理)、今井参考人(福島日本経団連少子化対策委員会企画部会長の代理)、宮島日本テレビ報道局解説員、山縣大阪市立大学教授、吉田「遊育」代表取締役
<事務局>村木厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、北村審議官他
議題:第1次報告(案)

次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けた方向性を示すための、報告案が提示された。報告案は、保護者の就業状態にかかわらず、保育を必要とするすべての子どもが保育サービスを受けられるようにサービスの供給量を拡大することを前提に、「現行制度維持」、「新たな保育の仕組み(サービス保障の強化+財源確保)」、「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」の3つの案を示している。「新たな保育の仕組み」案では、①市町村により保育の必要性を判断された者に受給権を付与し、②市町村に提供体制整備等の実施責任を課し、③市町村の適切な関与を維持した上で、保育所には応諾義務を課し、④利用者が保育所と公的契約(具体的契約方法については今後検討する)を結ぶことを提案している。

篠原・連合生活福祉局長は、「保育サービスを拡充すれば、女性の就業率が上がるという単純なものではない、男性も含めた働き方を見直す必要がある」と、男女がともに子育てをしながら働き続けられる職場環境を整備する必要性を強調した。
 
報告案は、16日に再度審議され、最終となる予定。その後は、来年いっぱい制度設計の詳細について議論する(議論の場については未定)。


                                           以上

第1次報告(案)、今後の保育制度の姿(案)は下記、社会保障審議会・少子化対策特別部会のホームページをご覧下さい。

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/vAdmPBigcategory10/F2138294A4C336AD4925751B000784CA?OpenDocument

【本部情報】2009年度政府予算編成に関する要請報告(政党)

(1)民主党要請
民主党に対する要請は、12月8日15時から実施した。自治労からは徳茂副委員長、友利政治政策局長が参加し、民主党からは直嶋政策調査会長が対応した。

冒頭、徳茂副委員長から、「急激な景気悪化により、一層雇用不安が増大している。失業者などが、緊急避難的に自治体の窓口に相談に殺到することが懸念される。失業者対策など、自治体独自での取り組みにも限界があり、失業後の住宅確保の対応策など、国として緊急な対策が必要だ。こうした深刻な状況を受け止めていただき、民主党として雇用にかかる対策の強化をお願いしたい」と強調した。さらに、友利政治政策局長から、地方財源の充実強化など、具体的な要請書の内容を説明した。

これに対し、直嶋政調会長は「雇用が深刻な状況であることは民主党としても十分認識している。早急な対策が必要な雇用対策は、時間的にも法改正での対応は難しいなかで、年末年始にむけてその中で何ができるのか民主党としても考えたい。地方交付税の確保の状況、要請書にあるように自治労と共通認識に立っている。増加する社会保障費の対応についても、社会保障の中身を充実させることを党としても考えている」などと述べた。

さらに自治労側より、「地方分権改革推進委員会が第2次勧告をまとめた。このうち、出先機関の見直しは、権限・財源の移譲を行った結果として見直しではなく、組織・人員のスリム化ありきで議論が進められていることは問題であり、国の権限・財源の一体的な移譲を優先させるべきと考える。さらに、国のセーフティーネットの水準低下にかかわるような法令の義務付け緩和が盛り込まれている。国と地方の役割分担や法令の義務付け・関与のあり方について、丁寧な議論が必要と考える。今後も緊密に連携して意見交換をお願いしたい」と述べ、要請を終えた。

(2)社民党要請
社民党に対する要請は、12月11日9時30分から実施した。自治労からは加藤副委員長、友利政治政策局長が参加し、社民党は又市副党首、阿部政審会長、照屋衆議院議員、菅野衆議院議員、辻元衆議院議員が対応した。
 
冒頭、加藤副委員長から、「景気後退の影響は、すでに雇用情勢に大きく現れており、地域経済に大きな打撃を与えるのではないかと危惧している。来年度予算は、大幅な税収減が予想されるなか、その財源不足の影響は、地域医療、福祉、環境などの住民に対するセーフティーネットの低下になりかねない。国民の生活安定にむけて、地方財源の拡充に取り組んでいただきたい」と強調した。さらに、友利政治政策局長から、具体的な要請書の内容を説明した。
 
これに対し、又市副党首は「地方財源確保についての考えは、自治労と同じ立場に立っている。道路特定財源問題は、新たに創設が検討されている1兆円の交付金の使途を道路関連にほぼ限定する動きがある。これは一般財源に反する内容であり国会で厳しく追及していく」と回答。阿部政審会長は「地域医療確保は、党としても重要な取り組みと位置づけている。それには、医療を必要とする住民と自治体側の距離を近づける努力が必要である。党としても、それを支える取り組みを強めていきたい」などと回答した。
 
さらに、自治労側より「地域医療確保は、自治体議会に対する意見書採択や地域医療確保のシンポジウムなど、多様な取り組みを展開している。市民と連携して、地域からこの問題を発信することが重要と考えている。党としてもこの取り組みを支援していただきたい」と述べ、要請を終えた。


要請書(政党共通)

民主党をダウンロード

社民党をダウンロード

非正規雇用の待遇改善・地場賃金の底上げをめざそう

12月5日、自治労青年女性中央・地連別春闘討論集会が開催され、全体で39県本部128人(うち女性55人)が参加した。
北海道からは道本部女性部薩田副部長、吉田副部長、青年部から國島書記長が参加した。

集会では、春闘期の特徴的な情勢と課題別方針等について青年部長、女性部長から提起があり、更に本部金田書記長から労働基本権問題などの情勢を踏まえて提起があった。

また、各県本部からは「公務員バッシングなどから賃金闘争を取り組みにくいという声もあるが、赤手帳付けを行い、あらためて賃金は労働力の再生産費であるということを実感した」など、22本の発言があった。

部長総括では、「今春闘では、派遣労働など雇用の問題が社会問題化している。自治体における臨時・非常勤等職員などの非正規雇用の待遇改善をはじめ、地場賃金の底上げをめざし、他産別の仲間と地域での連帯行動を展開しよう!」とし、青年部長の団結ガンバローで閉会した。

【本部情報】給与、勤務時間、退手法改正法案が衆議院で可決

「非常勤職員の処遇の不均衡是正」などを求める附帯決議も採択

政府は、人事院勧告を勧告通り実施するための関連法案を12月2日の閣議で決定し、同日国会に提出していたが、本日(11日)午前中の衆議院総務委員会で審議が行われ、全会一致で採択され、あわせて資料1、2の附帯決議も行われた。採択された法案は、午後1時から開かれた衆議院本会議に緊急上程され、全会一致で可決、参議院に送付された。参議院では来週中に総務委員会で審議され、本会議で可決・成立する見込みである。

衆議院総務委員会では、民主党の福田昭夫、森本哲生の両議員、社民党の重野安正議員らが、新たな人事評価や政府による人事院に対する見直し要請、非常勤職員、内閣人事局構想の問題などを追及した。

<福田議員>
新たな人事評価制度について、試行が行われているが、地方機関では必ずしもスムーズに行われていないと聞いている。本格実施には納得性のある評価制度が円滑に導入されることが重要であり、全体評価だけではなく個別評価の開示と苦情処理制度の構築が必要だ。

<鳩山総務大臣>
人事評価は大変難しい側面があると考えている。平成21年4月から始めるためにリハーサル試行を行っており、全体評語は見せることにしている。総務省としては、リハーサル試行の結果を踏まえて内閣官房に協力することにしている。

<福田議員>
民間では惨憺たる状況もあったので慎重に進めてほしい。
今回、勤務時間を短縮することになったが、超勤問題はこの30年間、なんら前進していない。国家公務員の数が足りないのではないか。この間、8万3千人の純減が行われた。ところで全省で常勤的非常勤職員はどのくらいいるのか。

<村木総務省人事・恩給局長>
平成19年7月1日現在で一般職非現業で143,798人。うち、日々雇用の非常勤職員は約2万人。

<福田議員>
昨年11月の付帯決議に基づいた調査を早急にやるべきだ。歳出の決算明細書を作っていないので非常勤職員の実態がよく分からない。今度の決算からやるべきだ。

<村木総務省人事・恩給局長>
多種多様なので考え方の整理が難しく、正確な数を把握するのは困難である。

<福田議員>
職務怠慢だ。人事院に聞くが、8月26日に非常勤職員の給与決定ガイドラインが出されたが、各府省の来年度予算編成に向けた対応は把握しているか。

<吉田人事院給与局長>
各府省が予算要求できるように早めに発出したものであるが、各府省の具体的予算要求は把握していない。

<福田議員>
政府は、人事院勧告取扱いの際、昨年の官民比較方法の見直し要請に引き続き、人事院に対し「来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表し、その状況も踏まえつつ、俸給表水準について必要な見直しを検討するよう要請」をしており、現在、俸給表水準を平均4.8%引き下げて地域手当として再配分する見直しを行っている最中に、この要請はさらに俸給表水準を引き下げろという圧力を、第三者機関である人事院へかけるものではないか。

<谷人事院総裁>
5年間で給与構造改革に取り組んでいる最中であり、その一環として地域の民間賃金をより適切に反映させるため地域間給与配分の見直しを進めているところである。まずはこの改革を着実に進めていくことが肝要と考えている。内閣は行財政の責任者という立場と公務員の人事管理、使用者としての立場もあるので、人事院がこういったことを検討していく場合には当事者は当然、その他あらゆる方のご意見を十分お聞きした上で最終的には人事院が独立、中立、専門の機関として自己の責任においてしっかりとした判断をしていくという姿勢で臨んで来たし、今後ともそのように対処していく。

<福田議員>
国家公務員制度改革推進本部顧問会議がめざす内閣人事局の役割について、報告では労働基本権制約の下でも、内閣人事局が国家公務員の勤務条件について法律に基づき政令で決めることができるとし、その際、人事院に意見の申出をさせる仕組みを作ることを検討するとしている。これは、第三者機関としての人事院の機能を弱める考えがあるようだがどうか。

<谷人事院総裁>
基本権制約に対しては相応の代償措置が講じられる必要があるというのが最高裁の判例であり、労働協約に代えて、労使の間に立った第三者機関である人事院の勧告に基づいて法律で給与を定め、法律の委任に基づいて人事院規則で基準を定めることは代償機能の重要な一部であり、使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題に関わる恐れがある。また、国家公務員法は、戦前の官吏制度の弊害の反省を踏まえて、公正平等に行政を執行し、忠実に時の内閣を支えることのできる職業公務員集団を確保・育成するために、内閣から独立した中央人事行政機関としての人事院を設けて公務員人事の中立公正性の確保に関する事務を行わせており、この中立公正性に関する企画立案機能も人事院の重要な機能である。現行国家公務員制度における基本的枠組みにおいては、それに相応しい慎重な検討が行われるべきである。とくに人事院が担う労働基本権制約の代償機能は現行の労働基本権制約が続く限り、維持される必要がある。

<福田議員>
仮に内閣人事局が勤務条件を決めたいということであれば、労働基本権問題の解決とセットで行うべきである。

<森本議員>
給与法等改正案の質疑が遅れているが、都道府県、市町村の現場では厳しい環境の中で事務を積み上げていることを認識してほしい。

<鳩山総務大臣>
よく分かる。国が決めたことでいろんな仕事を処理しなければならず、大変なご苦労をおかけしている。給与法等の審議が遅れたのは、三度の給与関係閣僚会議を開くことになったためであり、反省すべき点もある。

<森本議員>
地方の事務作業を考慮に入れてお願いしたい。医師の初任給調整手当の改善でどのような効果が期待できるのか。

<吉田人事院給与局長>
勤務医を確保することは国民の健康な生活安心を守るため大変重要な課題と考えている。国立の病院では研修、研究面で有利なところがあり、これまでは若手医師を確保できていたが、民間や国立病院機構との間で格差が生じ看過できないことから、改善を図ることにした。医師を確保するためには、勤務体制を含めた総合的な改善が必要だが、その底支えになるものと考えている。

<森本議員>
人事院勧告取扱い決定時の総務大臣談話では、地方公務員の給与について「地方における民間給与水準への準拠を徹底する」とあるが、地公法第24条第3項では5項目を挙げており、おかしいのではないか。地公法の条文を守るべきではないか。

<鳩山総務大臣>
従来は国に準拠してきたが、地公法では「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮」となっており、それが正しい姿。民間賃金は考慮要素として定められており、住民の理解を得るためには地域の民間給与を反映することが重要と考えたものであり、地公法の条文に基づくことはおっしゃるとおりである。

<森本議員>
民間準拠だけを強調すると地方での格差を深めていくことになり、教育を含めて人材確保が困難になる心配があるので、そうならないよう努めてほしい。
非常勤職員の問題については、「同一労働同一賃金」という考え方で解決を図るべきであり、政府は良き使用者の立場で対応することが民間の問題の解決に繋がる。非常勤職員の給与決定の指針は同一労働同一賃金の考え方か。

<吉田人事院給与局長>
職種や職務内容、地域などを考慮に入れて決めることにしており、各府省ではそういう点も配慮して決めることになるのではないか。

<森本議員>
昨年の総務委員会附帯決議(いわゆる常勤的非常勤職員について、勤務形態の調査に基づき、職務内容、勤務条件等を速やかに検討)への対応状況はどうか。

<村木総務省人事・恩給局長>
給与については、指針を踏まえて各府省が適切に対応するのが基本。本年の人事院報告では「給与に関する指針の策定に加え、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされており、総務省としては、人事院などの関係機関と連携して事務的な検討を始めたところであり、必要に応じて各府省の対応状況の把握や問題点の整理など鋭意検討を進めていきたい。

<重野議員>
本府省業務調整手当を新たに設けることにしているが、本府省業務の困難性や人材確保は手当では解決できないのではないか。根本的問題は人員不足だ。手当を増やしても業務の軽減はない。相応しい人員を配置しなければ改善されないのではないか。また、地方の原資を持ってくることになり、地方の職員のやる気を失わせるのではないか。

<村木総務省人事・恩給局長>
これだけで十分とは考えていないが、大きな支え、一助になると思っている。給与構造改革の一環であり、現給保障を行うなど、地方の職員の士気に配慮した方策を講じているところ。

<重野議員>
非常勤問題に取り組むことは社会的にも盛り上がっている。綿密な調査を行って現状を把握し、いまの雇用情勢に対応した政策を出すべきである。

<鳩山総務大臣>
もっともなこと。政府の中でも、具体的個別に精査していったらいいと思っている。


付帯決議:資料1・資料2
ファイルをダウンロード

質の高い公共サービスの供給基盤を確保=福祉ユニオン定期大会

北海道福祉ユニオンの第9回定期大会が12月6日札幌市・北海道自治労会館で開かれ、道本部木村副執行委員長、松岡特別執行委員、組合員36人が出席した。

北海道福祉ユニオン枝幸町分枝幸福祉会支部での雇止めに抗するたたかい、北海道福祉ユニオンSGU分会大友恵愛園支部での労働委員会闘争、浜頓別ふれあいの里職員労組における組合つぶしに抗するたたかい、建設国保ユニオンでの職場復帰実現のたたかい、旭川福祉事業会ユニオンにおける不利益変更に抗するたたかい、はくちょう労組での労働委員会闘争、共和町社協ユニオンでの均等待遇実現のたたかい、北海道福祉ユニオンSGU分会ルミエールユニオン支部での裁判闘争、豊和会・一徹労組での職場民主化のたたかいなど、全道各地で展開してきたさまざまなたたかいを総括した。

さらに、組織拡大の取り組みを積極的にすすめるとともに、質の高い公共サービスの供給基盤を確保し,
利用者の権利擁護を実現するための2009年度の活動方針を確認した。

2009年度役員体制
執行委員長  逢見谷百合子(新任)   執行委員   中村 健治
副執行委員長 原田 優子         執行委員   伊藤 リエ(新任)
副執行委員長 鈴木  一          特別執行委員 小原 和子
副執行委員長 木村美智留(新任)    特別執行委員 田部  徹(新任)
副執行委員長 千田しげ子         退任役員
副執行委員長 石田トモ子(新任)     前執行委員長  山寺 史子
副執行委員長 幡野 良子(新任)     前副執行委員長 山田  剛
書 記 長   松岡 敏裕         前書記次長   淀谷多恵子
書記次長    表  健一         前書記次長   千葉 充規
書記次長    大出 彰良(新任)     前執行委員   平川 則男
執行委員    小林 一司         前執行委員   永田さつき
執行委員    野城  執(新任) 


【画像】前方は新役員。一番左が新執行委員長の逢見谷百合子さん

2008年12月12日

【逢坂議員の国会情報】1月25日投票日説?

1)分権
昨日、党の分権調査会を
開催しています。

テーマは、
国の地方支分部局の廃止問題です。

千葉大の新藤先生から
話を聞いています。

====

最初に、先生から、
「二重行政とは何か?」との
投げかけがありました。

私はこの指摘、
極めて大切なものだと感じます。

====

分権と言えば、
国の出先を廃止すること、
国と自治体の役割を明確に分離すること、
これらが議論されることが多くあります。

しかし、実際の仕事は
それほどスッキリと
分離分割できるものではありません。

国と自治体の役割が、
複雑に絡み合っているのが現実です。

それにも関わらず、
明確に仕事を分離しようとすると
無理が生じます。

====

例えば、海岸のゴミ処理は、
自治体事務に分類されると思います。

しかし、最近、海流に乗って、
海外からのゴミが、ある特定の海岸だけに、
たくさん漂着するようなケースがあります。

この場合の海岸ゴミは、
全て自治体事務として処理するには、
無理があるかもしれません。

同じように海岸線の管理も、
景観、防災、国防、漁業など、
多様な観点があります。

だから海岸の管理は、
国、あるいは自治体と
どちらかだけに決めるわけにはいきません。

あらゆる仕事にこうした側面があります。

====

重要なのは、
単純に仕事の分離をするのではなく、
国と自治体が必要に応じて、
有機的に連携できる体制や仕組みを
どう構築するかなのです。

====

こうした意味で、
新藤先生の「二重行政とは何か?」との
投げかけは重要なのです。


2)信用保証協会
一昨日は、函館の信用保証協会での
ヒアリングを行いましたが、

昨日は、東京都信用保証協会などを
訪問しています。

====

その結果、
同じ信用保証協会でも、
随分と対応が違うことが分かりました。

つまり銀行に対し、
融資内容等を積極的に提案提言をするなど、
銀行の判断をリードするような
活動に随分と差があるようです。

====

全国の信用保証協会は、
ベスト・プラクティスに学んで、
少しでも多くの企業の思いに
応じられるようにすべきと強く感じました。

昨日は、
中小企業庁の部長も同行したため、
こうした点を強く要望しております。


3)威信低下
今朝の東京新聞に次に記事がありました。

== 以下、引用開始 ==

麻生首相が二〇〇九年度予算案の社会保障費抑制額二千二百億円を圧縮するため、たばこ税の増税を暗に促したにもかかわらず、自民、公明両党は十一日、これ を見送った。困った首相は自民党の保利政調会長を急きょ官邸に呼び、別の財源を確保するよう指示したが、党内の視線は冷ややか。首相の威信低下は目を覆う ばかりだ。

== 以上、引用終了 ==

この記事を引き合いに出すまでもなく、
麻生内閣は、完全な迷走状態に入っています。

100年に一度という
未曽有の経済危機にも
無策を続けています。

永田町では、
1月25日投票日説が、
語られています。


今日は、衆院本会議ですが、
長丁場になる見込みです。

オキナワ平和の旅参加者の声=戦争を許さない努力

12月7日から9日までの3日間、「自治労青年女性オキナワ平和の旅」には、北海道から6人が参加しました。参加者の、小野さん、藤原さんに感想をいただきました。

空知地方本部 砂川市職労 小野 麻衣子さん
フィールドワークで沖縄の各地を回り当時のことを学びましたが。「悲しい・つらい」などという感情はとうに越えて、真実を知るたび言葉がなく、ただただ愕然とするばかりでした。沖縄戦では、日本軍よりもそこにいた住民の方がはるかに多く犠牲になったこと、私たちより若いひめゆり学徒の女学生たちの多く犠牲になったことを改めて学び、戦争の悲惨さを思い知らされました。
今まで戦争というあまりに悲惨な過去にあまり目を向けずにいましたが、この3日間沖縄を回り、「戦争」について体中に染みこむように深く知ることができました。

十勝地方本部 陸別町職 藤原 将さん
今回の旅で多くのことを学ぶことができました。その中でも最も印象に残っていることは、2日目に訪れた平和祈念資料館で目にした次の言葉です。
「戦争をおこすのはたしかに人間です。しかし、それ以上に戦争を許さない努力のできるのも私たち人間ではないでしょうか。」
それまでに戦争の悲惨な現実を見聞きしていた私には、このあたりまえのように思える言葉がものすごく重い言葉に感じられました。

【本部情報】第7回地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会

第7回研究会は、12月11日(木)10:10〜12:00、総務省8階会議室で行われた。今回は「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」(素案)を全体を通じて議論された。なお、同報告書(素案)は議論途中のものであるから、非公開の扱いとされた。
自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。

1.総務省が調査した臨時・非常勤職員の報酬額の実態水準を、国の非常勤職員の「高卒初任給」の額(時給780円)と単純に比較して「均 衡を逸した低いものとは言えない」と結論するのは客観的な比較になっていないので適切でない。国の非常勤職員の場合は、「職務内容」の他に、「在勤する地域」、「職務経験等」の要素を考慮して支給することとなっており、職務経験「等」の等は「学歴・資格」を指している。また、6ヶ月以上勤務の非常勤職員には期末手当を支給できることになっている。この比較の例示は削除するか、誤解ないように修文すべきである。

2.人事院指針について、「直接、地方公共団体にあてはまるものとはいえない」としているが、このように結論づけるのは、拙速ではないか。指針は、「参考」にできるところがあると考える。本研究会でも、よく議論すべき課題と考えるので、このような断定的な言い回しはすべきでない。

3.非常勤職員の任期を「原則1年以内」とすることについては、①非常勤職員の任期について法律上の規定がないこと、②任期はその職の 性格や期間によって異なるため、任用期間のルールは自治体が判断すべき事項であること、③職が存続する期間と予算サイクルは一致しないことなどのため、これをここで確認すべきではない。

4.使用者側の裁判対策のための報告書であると受け止められるような文章は、改めるべきである。

5.任期付短時間勤務職員の給与について、2004年通知の繰り返しを述べているだけである。任期付短時間勤務制度の積極活用を提言しようとしている研究会の立場からすれば、給与についても新たな制度拡充を何か述べるべきである。
  
例えば、3年から5年の範囲で任期の弾力化を今後はかっていくとすれば、4年、5年の例も増加することが想定できる。そうしたとき、能力の伸長や経験の蓄積等の要素も考慮する必要性も高まることから、常勤職員と同様に「昇給」のような制度も「可」とすることも、今後の検討課題とすべきではないか。

また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。

1.現在、深刻な経済情勢、雇用情勢にあり、非正規社員の雇用の打ち切りが拡大している。この研究会報告書が、各自治体に雇い止めを進めているということのないよう、文章表現を見直し、補強すべきである。

2.非常勤職員の任期については、安易に延ばすより、「原則」を示すべき。

3.当方の自治体では、非常勤職員の任期は、「原則1年」としており、後に続く記載は、再度の任用を妨げない記載になっているので、支障はない。

4.長期に任用されている臨時・非常勤職員については、中途採用で常勤職員にしていくという考え方もあるのではないか。

5.勤務条件は国との権衡と述べているが、給与は国との均衡なのか、自治体の常勤職員との均衡なのか、この素案は明確でなく、自治体側もよく理解できていないのではないか。

6.民間では、短時間勤務者は、当該企業の正社員との比較で待遇を考える。

7.臨時・非常勤職員の再度の任用の手続きにおいては、更新基準について、民間の有期雇用の例を参考に、詳細に書いておくべきではないか。

8.特別職非常勤職員(地公法3条3項3号)、一般職非常勤職員(地公法17条)、臨時的任用職員(地公法22条)のそれぞれに適する職種や業務などの例示をすべきではないか。

9.専門性が高い業務を担う特別職非常勤職員(地公法3条3項3号)と、任期付短時間勤務職員の職種、業務による仕分けについても考え方を示すべきではないか。

10.任期付短時間勤務職員制度について、人事管理上の観点からの記載はあるが、雇用される側からのメリットなどを記載すべきではないか。

11.任期付短時間勤務職員制度の再度の任用の手続きの記載で、「改めて公募に応募し、競争試験又は選考による能力の実証を経た上で」 とあるが、「改めて公募に応募し」という記載は再検討できないか。


最後に、座長からは、「次回は12月22日に開催し、最終回である。事務局から「報告書(案)」を出してもらい、議論していただく」として、議事を終了した。
 
 
下記HPには第7回研究会配布資料は、現在のところ掲載されていません。
近日中に掲載される見込みです。
 
研究会・総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html

【ひとりごと】逢坂議員今年の漢字=抱負は『奪』だけど『変』だった?

今年の漢字は「変」!変化の多い年だったから…

そういえば、今年1月の機関紙「自治労北海道」には、逢坂衆議の新春インタビューで、2008年の抱負を漢字1字であらわすと何ですか?の言葉に「ぅ〜ん、変革といいたいけど1字では『変』って言うのも…、ズバリ政権交代です。漢字一字で表すと『奪』ですね」となりました。
振り返って、今年1月の新年号を見たい方は、左の機関紙「自治労北海道」をクリックして見て下さい。

と言うことで、逢坂衆議はいち早く、今年の漢字を予言していたのです(^_^)v

2008年12月13日

小谷市長誕生で=市民のための北見市政に!

明日12月14日に告示される北見市長選を前に、北見市職労は12月12日、北見市役所福祉センターで職場集会を開いた。17時45分、仕事を終えた組合員が次々と集まり小谷市長候補予定者の必勝に向けて意思統一した。

小谷つねひこ市長候補予定者は、「ただ、私が勝っただけではだけでは変わらない。風通しの良い職場の中で、市民のための市政にしなければならない」と述べ「そのためには勝たなければならない。問題は山積しているが、みなさんと一緒になって頑張れば解決していけると思っている」と強調し、市長としてともに市政を担っていく決意を表明した。


【画像】決意を述べる小谷つねひこ北見市長候補予定者 

この職場集会に、道本部から駆けつけた川本財政局長はあいさつで、「北見市長選は、解散総選挙の前哨戦と言われ全国から注目されている」と述べたうえで、「皆さんにとってはそんな生易しいものではない。神田市政のこれまでがどうだったのか、職場がどうなったのか、地域がどうなったのか、そこから新たな取り組みにつなげてほしい。一人でも多くの人に広めていくことが小谷市長誕生につながる」と激励した。


 
最後に、森谷執行委員長の団結がんばろうで「元気で明るい職場を取り戻すためにがんばろう」と力強く訴え集会を終えた。

北見市長選は12月21日(日)投開票。

2008年12月14日

北見市長選今日告示=投票日は12月21日

12月14日、北見市長選挙が告示された。投開票は12月21日、明日から期日前投票が始まる。

前市長の辞任にともない行われるこの選挙には、道本部推薦候補と前市長の2人が立候補した。

北見市長選の第一声に駆けつけた峰崎直樹参議員議員(民主党北海道副代表・写真左)は、「日本の政治の中で、自民党は首相の座を投げ出している。私たち国民は生活を投げ出せない。こともあろうに北見市長の座を投げ出したため選挙となった。責任のある政治とはなんなのか。責任のある市長を出してほしい。」と訴えた。

続いて、鈴木宗男衆議院議員(新党大地代表)は、「自己保身のためになら土下座するのに、なぜ、ガス漏れ事故や断水の時に謝らないのか。新しい北見の歴史を一緒につくろう」と呼びかけた。
 
次に、松木けんこう衆議院議員(民主党第12区総支部代表)は、「政治と行政に失敗は許されない。失敗したら責任を取るのが市長としての資質である。間違いだらけの北見市を変えよう」と訴えた。
 
本隊長を務める道本部の根本圭さん(写真右)は、「本隊要員一丸となって頑張る!」と決意を述べた。

2008年12月15日

新テロ特措法の成立に抗議する打電行動

新テロ特措法改正案の審議については、12月11日の参議院外交防衛委員会で採決が行われ否決されました。
これをうけて同法改正案は、12月12日午前・参議院本会議で否決、同日午後・衆議院本会議で3分の2の多数で再可決され成立することになりました。
 
私たちは、衆議院での新テロ特措法改正案の再可決・成立に反対します。海上自衛隊による米同盟軍支援はただちに中止するべきであり、海上自衛隊の補給艦はインド洋から撤退するべきです。
 
つきましては、日本国政府に対する打電行動について、緊急の要請で大変恐縮ですが、各地本・単組・総支部の取り組みをお願いします。


08年12月12日付け第107号通達文書をダウンロード

【本部情報】労働基準法の一部を改正する法律の施行

労働基準法の一部を改正する法律が12月5日に成立し、12月12日公布されました。その内容は、①〜③のとおりであり、2010年4月1日施行とされています。

① 36協定を適正なものにするための厚生労働大臣基準に、割増賃金率に関する事項を追加する(特別条項付き協定では割増率が25%を超えるように努めることとする内容が想定されている)。

② 時間外労働が1か月60時間を超えた場合、60時間を超えた時間の労働については、5割以上の割増賃金を支払わなければならない(地方公務員も適用、300人以下の中小事業は当分の間猶予措置)。

③ 労使協定により②の割増賃金に代えて有給の休暇(年次有給休暇を除く)を与えることを定め、この休暇を取得したときは、②の割増賃金を支払うことを要しない(非現業の地方公務員は適用除外、現業・公営企業・特定独法職員は適用)。

④ 労使協定で定めた場合、年次有給休暇のうち(年)5日までは、時間単位の年次有給休暇として与えることができる(非現業の地方公務員は読替え規定により5日に限らず時間単位の年次有給休暇を与えることができる、現業・公営企業・特定独法職員は適用)。

これにともない、⑤〜⑦のような課題があるので、具体的な対応方針については、厚生労働省令等や人事院規則の改正動向なども踏まえた上で、当面の闘争方針などとして提案・議論して行く考えです。
⑤ 300人以下の自治体・事業も含めて、1か月60時間を超えた場合の割増率を5割に引上げさせる。

⑥ 現業・公営企業・特定独法職員と民間労働者の割増賃金に代わる有給の休暇は、総実労働時間の短縮に確実につながることを労使交渉で確認したうえで、労使協定を締結する。

⑦ 現業・公営企業・特定独法職員の時間単位の年次有給休暇は、法施行日までに確実に労使協定を結ぶとともに、(年)5日を超える部分の半日単位の取得について、職場の実情に応じて労働協約で明確にする(現業・公営企業・特定独法職員には地公法第24条第5項は適用されないことに留意)。民間職場では、職場の実情に応じて、時間単位・半日単位の年次有給休暇について労使協定・労働協約を結ぶ。

1人じゃなくてみんなでやろう!組合活動の活性化

今日、単組専従者セミナーに参加していただいた、小樽市職労の田中さんから道本部に電話をいただきました。

田中さん「帰ってきました、楽しいセミナーでした。参加して良かったです!報告いつまでに出したら良いですか?」
谷川「早ければ早いほどうれしいです」
田中さん「じゃ、なるべく早く送りますね」
谷川「ありがとうございます」

と、話してまもなくメールが届きました。!(^^)!
早い!うれしい!田中さんありがとうございました(^_^)v
参加していない人にも「伝えたい!」という気持ちであふれている感想文です。
画像を、クリックすると大きく表示されます。

自治労第2回単組専従者セミナーに参加して
小樽市職労書記次長 田中洋之さん

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12月10日から13日の4日間、自治労本部の第2回単組専従者セミナーに参加してきました。35人の定員と聞いていたことと、費用を負担してくれるとのことで急いで申込みをしました。

いざ当日受講すると12人で、はじめはあまり盛り上がらないのかと不安に感じましたが、講義内容が「組合活動の活性化」についていろいろな角度から問題点を議論し、発表するという一体的な講習内容が良かったです。

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また、少数が逆に良く、変な仲間意識が生まれました。夜は地元の話題や組合活動における悩みなどを共感し、相互に情報交換するなど、実りあるセミナーになりました。

講義で最も印象深かったことは「自治労通信」でお馴染みの(株)レーベン企画の南雲聡樹さんが、ここでは書けないような事例をユーモア?交えて話してくれたことです。申し込みを考えていた単組の方はぜひ第3回目のセミナーに参加してほしいと思います。お勧めです。

本セミナーを通して、専従者は大変だけどもひとりで対応しないでみんなでやること、組合員が盛り上がるために専従期間中に何かひとつでもやり遂げたいと、今はハイテンションで感じています。


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2008年12月16日

プルサーマル計画の有識者検討会議「最終報告」に抗議する打電行動

泊原発3号機におけるプルサーマル計画の安全性を検討する「有識者検討会議」は、12月14日、安全性は確保されるとする「最終報告」を取りまとめ、道知事、地元4町村長に対して提言を行いました。

これは、プルサーマル計画ありきのアリバイ作りであり、断じて容認出来るものではありません。

今後、地元4町村の判断を受け、北海道知事がプルサーマル計画の是非を判断することになります。道知事が、有識者検討会議の不当な「最終報告」や核燃料サイクル推進の国策にとらわれることなく、道民の健康と安全を守るとの立場で、独自の検討をすすめるように求める打電行動を下記のように要請します。また、「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会が発表した「抗議声明(添付ファイル3枚目)」を添付します。緊急の要請ですが、積極的な取り組みをお願いいたします。

取組期間 2008年12月19日(金)までとしますが、可能な限り早急にお願いします

12月15日付け文書をダウンロード

道平和運動フォーラムは、昨日(12月15日)緊急抗議集会を行っています。

【本部情報】第62回社会保障審議会介護給付費分科会

2009年度の介護報酬改定に関する「審議報告」が取りまとめられる

連合政策ニュースレター第1081号により標記内容の通知がありましたので報告します。

厚生労働省は12月12日、都内において第62回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「平成21年度介護報酬改定に関する審議報告」を取りまとめた。
 
2009年度改定では、先の10月30日に政府・与党において「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」として、介護報酬改定率がプラス3.0%と決められたこともあり、次回(12月16日)の介護給付費分科会において各サービス毎の介護報酬改定率および単位が示され、即日「2009年度介護報酬改定」が諮問・答申される予定。

今回の給付費分科会では、前回の分科会で厚生労働省より示されたサービス提供責任者の配置基準見直しについて多くの意見が出たため、新たな案(案2)が示され、「審議報告(案)」とともに議論された。

新たに厚生労働省より提案された、サービス提供責任者の人員配置基準については、下記のとおり。
○現行のサービス提供時間(450時間)又は訪問介護員等の員数(10人)に応じた最低基準の考え方は維持

○常勤職員を基本としつつ、非常勤職員の登用を一定程度可能とする

○サービス提供責任者を複数配置する事業所において、原則として1人分のみの常勤換算を可能とする

○5人を超えるサービス提供責任者の配置が必要な事業所についても、その3分の2以上を常勤者とする


連合の小島委員は、サービス提供責任者の人員配置基準について、「原則は全てのサービス提供責任者が常勤専従であるべき」と述べた上で、新たに厚生労働省より示された案(案2)に対して、次のように発言した。
・頑張って常勤を確保してきた事業所の努力を評価するべき。
・一部を常勤換算化するのであれば、全てを常勤で確保している事業所には、例えば特定事業所加算の要件に含めるようなインセンティブを付けるべきではないか。
・常勤換算の部分についても、例えば1人が1時間勤務の8人で8時間というような細切れの配置は問題。常勤のサービス提供責任者の負担も増すことが考えられ、名義貸しの懸念もある。細切れの配置については歯止めをかけるべき。

厚生労働省は、常勤者を配置している事業所を特定事業所加算で評価すること、および細切れの配置について運用で歯止めをかけることについて、「前向きに検討する」と述べた。

サービス提供責任者については、稲葉委員(民間介護事業推進委員会代表委員)から「介護従事者の処遇を改善するためには、事業者の収支を改善する必要がある。そのためにサービス提供責任者の常勤換算の導入を行って欲しい。(案2では)収支改善の費用効果が薄れてしまう。サービス提供責任者はヘルパーとの兼務が認められており、実際ほとんどのサービス提供責任者は兼務しているのであるから、常勤換算化はそれほど大きな問題ではないと考える」との意見が出されたが、案2で見直しが行われることになった。

その他、各個別のサービス等の文言調整については大森分科会長に一任することが各委員によって了承された。

次回の社会保障審議会介護給付費分科会は12月26日(金)に開催され、各サービス毎の介護報酬改定率および単位が示された上で、「2009年度介護報酬改定」について諮問・答申が行われる見込み。

その他、各委員からの主な意見は次のとおり。
○委員からの意見・質問
●厚生労働省の答弁
<情報の公表について>
○「国が支援」という文言は、国による事業者団体への公表の義務付けになることを危惧する。
○処遇改善の検証については、厚生労働省が事後的に検証するもので十分。民間の他産業で、国が公表を支援している例はない。
○給与だけの情報公開になると、他の処遇改善状況が分からない。事業者団体が自主的に行うにしても、賃金情報ではなく、処遇改善情報にすべき。
○処遇等に関する情報」ではなく「処遇改善に向けた取り組みの情報」という文言にしてはどうか。
○介護従事者は賃金が改善されることを期待している。介護従事者に希望が持てる書き方をすべき。

<サービス提供責任者について>
○非常勤を当たり前とする制度設計でよいのか。
○前回案(案1)でやるにはまだ早いという気がする。案2で状況を見るのはどうか。
○情報の共有化が図られれば、常勤、非常勤どちらでもよいと思う。
○案2でやむを得ないと思うが、今後は案1のような方向で引き続き検討してもらいたい。
●常勤を基本としながら、ある程度弾力化する方向で見直しを行いたい。

<介護従事者のキャリアに着目した評価について>
○「勤続年数」を評価するというのは、同一の事業所での勤続年数のことか。
●同じ事業者の中で、A事業所からB事業所に異動した場合などは、「勤続年数」にカウントすることができる。

<夜間対応型訪問介護のオペレーターについて>
○オペレーターは管制官の役割をする重要な仕事であり、資格要件を安易に緩和するのはどうか。
●事業者に対して研修を行いたい。

<小規模多機能について>
○利用者を増やすために、国としてどのような方向に持っていこうと考えているのか。
●制度自体が理解されていない実態があるので、理解促進に努めたい。

<認知症について>
○前回改定で新たに導入されたサービスの検証について、認知症の拘束についての検証はどうなっているのか。

<福祉用具について>
○平成21年度中に早急に見直しを実施して欲しい。

<その他>
○介護保険料の徴収ついて選択制を導入する場合には、市町村と協議をすべき。
○介護報酬改定は安定した保険料の徴収があってこそ。振替にすれば徴収率は必ず下がる。
●福祉・保険行政は市町村行政抜きには考えられないことは承知している。
●市町村が反対するようなことは、厚生労働省として強行することはできない。来年4月から実施することは考えておらず、今後も引き続き市町村会と協議の場を設置して協議したい。

○介護報酬の改定率が上がるのであれば、その分の限度額も上げるべきではないか。
○利用限度額についても上げるべき。利用抑制が起こることを懸念する。
○改定率の上下は、報酬改定のたびに起こること。限度額のこともセットで考えるべきではないか。
●報酬を上げ下げする毎に限度額を上げ下げするのは、利用者にも不便になる。多くの利用者は利用限度額の6割程度。

○2006年度の改定時に導入された予防や、地域包括などの新しいサービスに要した費用がどの程度であったのかも明らかにすべき。
○介護保険制度が複雑になってきている。制度の簡素化も同時に行うべき。
                                           以上

北見市長選挙における道本部推薦候補について

北見市長選挙戦は、前市長神田候補と、民主党、社民党、新党大地の推薦に加えて、共産党の支持を受けた、小谷つねひこ候補との一騎打ちになっています。

当初、政党への推薦要請を行わないとしていた前市長の本部長に、選挙戦の直前で自民党の元幹事長の武部衆議が就任、10月に行われた釧路市長選挙と同様に、衆議院総選挙の前哨戦の様相を呈しています。

道本部は、前道議会議員・小谷つねひこさんを推薦しています。
告示に入ってからの北見市在住のご家族、知人・友人への電話掛けは自由です。

2008年12月17日

【本部情報】地方財政審議会・第14回地方公務員共済組合分科会

12月9日、地方財政審議会・第14回地方公務員共済組合分科会が総務省において開催された。

分科会では、北崎幹事(総務省福利課長)から、12月2日に閣議決定された「国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案」に関する報告が行われた。 

退職手当法の一部改正案をダウンロード

地共済年金の給付制限改正案をダウンロード

報告に対して、江﨑特別委員(自治労労働局長)ら出席した委員から、
①審査会は国および地方で一つとなるのか、
②職域部分のうちどの期間を返納するのか、
③(共済年金の給付制限は)地方公務員も国家公務員も全く同じ仕組みとなるのか、
などの質問が出された。

これら質問に対し、北崎幹事は
①この法律は国家公務員の話であり、地方公務員は退職手当が条例に定められており、審査会の設置も条例で定めることになる、
②職域部分の半分を、懲戒免職だと5年間と同等の止め方をしようと考えている、
③地方公務員も国家公務員も同じ仕組みとなる、
などと回答した。

これら意見交換を受けて、地方財政審議会・第14回地方公務員共済組合分科会を終えた。

【道本部情報】衛生学院及び高等看護学院のあり方」(素案)についての対応

北海道保健福祉部では、平成18年2月に策定した「民間開放推進計画」に沿って、各出先機関の見直しを進めています。 衛生学院及び道立の高等看護学院(旭川・江差・紋別・網走)についても、この計画による見直し対象機関となっていることから、今回、廃止を前提として「衛生学院及び高等看護学院のあり方」(素案)を、道議会に報告しました。

この素案に対して、広く道民の「衛生学院及び高等看護学院のあり方」(素案)対する意見募集(パブリックコメント)を12月26日まで、求めています。

意見書の作成にあったっては、意見例をご参考までに添付いたしますのでご活用ください。ただし、従来この種のパブリックコメント集中に当たって、
「参考記入例」どおりの内容や内容の抜粋で提出されている事例も散見されますので、あくまでも「記入例」を参考として、提出者の意見や思い、地域の実情などを加味して提出してください。
 
また、送信元のファックス番号が同一の場合、団体としてまとめて1件としてカウントされる場合がありますので、ご留意下さい。

さらに、意見書をEメールで送信される場合も、同じアドレスからの送信ですと、複数の意見を添付しても、一件としてカウントされますので、ご留意下さい。

詳しくは、下記文書をご覧下さい。
 
道本部総合政策局発大117号をダウンロード

2008年12月18日

【本部情報】平成20年度労働組合基礎調査(厚生労働省)の発表

「平成20年労働組合基礎調査」が厚生労働省から12月16日に発表されました。概要を下記の通りお知らせします。
 
連合・事務局長談話が別紙の通り出されていることも、あわせてお知らせいたします。

                       記

平成20年度労働組合基礎調査によると、労働組合員総数は1,006万5千人(対前年比-1万5千人/-0.1%)となりました。推定組織率は、18.1%で前年と横ばいとなりました。

労働団体別では、連合が6,623千人(前年比+1千人)、全労連663千人(前年比-21千人)、全労協128千人(前年比-5千人)となっています。また、公務労協は1,351千人(-256千人)です。
民間企業の規模別では、千人以上の企業の組織率は59.1%なのに対して、30人〜99人以下は2.9%、29人以下は0.4であり、大企業と公務職場中心の労働組合という図式は変化していません。なお、千人以上規模の民間企業の労組の増大と公務労協の大幅減は2007年10月の郵政民営化に伴う要因が大きく作用しています。

パート労働者の組合員数は616千人(前年比+28千人)と増加し、組織率は5.0%(前年差+0.2%)となりました。
産業別労働組合員数の調査の中で、公務部門の労働組合員数は1,034千人(前年比-44千人)で前年に引き続き減少しています。
 
自治労は887千人(前年比-28千人)となっています。なお、全労連自治労連は185千人(前年比-10千人)です。

<厚生労働省調査による推定組織率の推移・厚生労働省調査による自治労組合員数の推移>
   ↓ ↓ ↓
ファイルをダウンロード

労働組合の組織率は2003年に19.6%と20%を割り込み、今年も18.1%と低下しています。しかし連合を中心とした組織拡大の取り組みにより、非正規労働者の組織化の進展などの成果も現れてきています。

自治労の組合員数は2万8千人減少しました。地域公共連合として三単産の調査結果の合計は941千人(-31千人)となり、昨年の調査でUIゼンセン同盟の986千人(+5千人)に連合の最大構成組織の位置を奪われて以降、リードを許しています。自治労組織基本調査や登録納入確定作業においても、厚労省調査と同様の傾向が現れており、今後、市町村合併後の合理化や団塊の世代の大量退職が続けば、さらなる組織人員の減少が懸念されます。自治労の組合員の減少対策は猶予を許さないものとなっており、あらためて、組織拡大の取り組みを集中的に取り組むことが求められています。

厚労省平成20年度労働組合基礎調査http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/08/index.html
(連合内の、主要団体別労働組合員数の状況は、附表2にあります。)

【添付ファイル】
連合事務局長談話
をダウンロード

【地方情報】空知地本ニュース

空知地方本部・岸書記長から「空知地本ニュース」が届きました。
どうぞご覧下さい。

空知地本ニュース第1号をダウンロード

空知地本ニュース第2号のダウンロード
(道本部でPDF加工したため、一部線が消えている部分があります。)

全国自治研=4月16〜18日開催で実行委員会開く

道本部は12月16日、第32回地方自治研全国集会第4回(第1回)北海道実行委員会を開いた。


【画像】三浦委員長はあいさつで、あらためて開催にあたって理解と協力を求めた。

全国自治研集会は、今年10月16日から18日に開催予定で準備を進めていたが、総選挙が当初10月26日に行われると予想されていたことから、自治労は政権交代をかけた一大決戦と位置づけ延期を決定していた。

その後、4月16日から18日の日程で決定され、会場などの調整が終了し、全体集会を札幌市民会館で開催することになった。

また、仮に選挙日程と重なることになっても延期せずに実施する。これは、自治労中央執行委員会および第10回自治研中央推進委員会として確認されている。

実行委員会では、実行委員会体制や、全体集会および分科会の会場について全体で確認し、集会の成功に向けて意思統一した。

※全国自治研実行委員会のHPは、今月末に再開する予定。
北海道自治研開催募集要項をダウンロード

日程概要は次のとおり
【第1日目】4月16日(木)10:00〜17:00
全体集会(札幌市民ホール ※全体集会会場が再度変更になりました。)
【第2日目】4月17日(金)9:00〜17:00
統合分科会・テーマ別分科会(札幌市内各会場)
特別分科会(夕張市・ゆうばりホテルシューパロ)
【第3日目】4月18日(土)9:00〜12:00
テーマ別分科会(札幌市内各会場)
特別分科会(夕張市・ゆうばりホテルシューパロ)

2008年12月19日

【地本情報】石狩地本ニュース

石狩地方本部・宮下副委員長から「教宣紙『いしかりちほん』ができた!」と言って持ってきてくれました。毎月発行をめざす宮下副委員長。いつも一生懸命です。


みなさんご存じでしょうか?以前道本部機関紙でもご紹介しましたが、石狩地本書記局は、道本部と同じ場所にあります。(写真左が宮下副委員長、右が書記の藤沢さん)

ですから、できあがった教宣紙は、道本部内共有フォルダにある「教育情宣部」のフォルダに入れ、教育情宣部でPDFに加工した後ホームページにアップすることができます。

「いしかりちほん」09-1号のダウンロード

「「いしかりちほん」09-2号のダウンロード

各地方本部の教宣紙は、これから次々アップしていく予定ですのでよろしくお願いしますm(_ _)m
また、各単組の教宣紙も、上記『道本部へのメール』で送っていただければ掲載できますので、よろしくお願いします。

めざそう組合員に迅速な情報提供(^_^)

12月16日、道本部は第1回合同専従者会議を開きました。
会議では、「公職選挙法」「世界金融危機と日本経済をどうみるか」について学習会を行いました。

そのほか、教育情宣部の課題として「めざそう組合員に迅速な情報提供」を基本に、09年度の運動方針にもとづいて、各地方本部管内の情報(地本・単組・組合員の話題、ニュース)を、機関紙「自治労北海道」に掲載することを確認しました。

また、各地方本部で作成している教宣紙をホームページに掲載することも意思統一しています。

上記の「道本部へのメール」に、各単組または、組合員の話題、ニュース、投稿などさまざまな情報をお寄せ下さい。

また、単組・組合員専用ページの記事に対しての意見、率直な感想など何でも結構です。お気軽にコメントしていただき、道本部-地方本部-単組-組合員-政治フォーラム会員などの意見交流の場としてご活用いただきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

コメント内容については、組合員・単組専用トップページ左下の「最近のコメント一覧」で見ることが可能です。
名前は、ハンドルネームで結構です。アドレスは必須入力項目ですが、画面には反映されませんのでご安心下さい。

【本部情報】公務員制度改革事務局が給与制度見直し案を提示

公務労協は"基本権制約下での政府による企画立案・勧告要請は認められない"と抗議

※この交渉情報は、単組ホームページやチラシ等には掲載せず、組織内の意思統一用として取り扱ってください。

公務労協は、12月16日、公務員制度改革に関わる給与制度見直しについて、国家公務員制度改革推進本部事務局(以下「公務員事務局」という)との交渉・協議を実施した。

この交渉・協議は、12月2日の交渉・協議で、①内閣人事局の設置について来年3月の法案提出に向け作業していくこと②給与制度見直しの方向性やスケジュール、労働基本権見直しのスケジュールを盛り込んだ工程表を来年1月中を目途に政府として決定すること、が明らかにされ、「工程表、内閣人事局について、誠意を持って交渉・協議を行うこと」としたことを受けて行ったもの。

交渉・協議には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織の労働条件担当者が参加し、公務員事務局側は、淵上・古賀の両審議官が対応した。

冒頭、淵上審議官が「明日開催される顧問会議に給与制度見直しの内容を説明し議論をしていただくことになっているので、きょうはその内容を説明したい。今後、1月中の工程表策定に向けて皆さんと交渉・協議を行い、最終的には甘利大臣との間で決着することとしたい」として、別紙に基づいて説明を行い、①給与制度に関わる検討項目については、人事院に対して、こういう視点で見直してほしいという勧告要請を行う②幹部職員の任用の弾力化については、人事院と相談しながら進めれば勧告の必要はないと考えている③級別定数の内閣人事局への移管についても検討をしており、しかるべき時期に提示する、との考えであることを明らかにした。

これに対し、公務労協側は次の通り、公務員事務局の考えを追及した。
(1) 1月末までにあまり時間はないが、われわれが納得できるまで誠実に交渉・協議し、合意することを約束していただきたい。

(2) 顧問会議報告では「労働基本権の制約下で、勤務条件について内閣人事局がPlan機能を担う」としているが、人事院総裁は国会で「使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題に関わる恐れがある」と答弁しているように、憲法違反であり、到底認められない。

(3) 政府や政府組織には、行政府としての政府の立場と使用者としての政府の立場があるが、これまでの人事院への要請は後者の立場で行われている。公務員事務局は使用者としての政府ではないので、前者ということになり、労働基本権制約の下ではあってはならないことだ。行政府としての政府が勤務条件の企画立案を行い勧告要請を行うことは、第三者機関に政治的圧力を掛けるとともに、代償機能を空洞化するものであり、認められない。

(4) 級別定数をどうしたいのか分からないが、仮に使用者機関にそれを移すということであれば、勤務条件そのものであることから、到底認めることはできない。何のためにどうしたいのか、考えを明らかにしていただきたい。

(5) 労働基本権の付与を先送りにしたままで、使用者機能を強化することは認められない。一体のものとして進めるべきだ。

(6) 幹部職員の任用の弾力化は、勧告なしにできるとの見解であるが、公務の中立公正性を確保するために身分保障があり、能力実績主義の任用を基本とし、法律に定めがない限り、降任等の不利益処分はできないことにしている。成績不良でない場合でも降任等ができるようになれば、中立公正性が確保できない。公務員制度の根幹に関わる問題だ。納得できるよう、十分議論をさせていただきたい。

これらの追及に対し、両審議官は次の通り答えた。
(1) できる限り皆さんの理解が得られるよう誠心誠意交渉を積み上げていきたい。ただし、必要不可欠と判断すれば、皆さんの完全な合意が得られなくても、人事院に要請することはあり得る。
(2) 現行制度の下でも見直しの方向性を示して、人事院に勧告するよう要請することで、憲法違反の問題は生じないと考えている。人事院には独立性があり、その立場で「恐れがある」と言っているのだと思うが、われわれは憲法上の制約を超えない範囲で勧告要請を行うことにしたい。人事院の勧告は自主的判断に基づくものであり、われわれが求めているものとずれないようにしたいと考えている。これまでも専門スタッフ職、定年制について人事院に要請してきた経緯がある。
(3) 基本法の実施を責務とする推進本部とその事務局が基本法の理念を実現するための方向性を示した上で要請する必要があると考えており、仮に勧告要請の内容が適当でなければ、第三者機関として適当と考える勧告を行うことになるので、政治的圧力ではないと思う。なお、公務員事務局の性格については、整理して次回に考えをお示ししたい。
(4) 定数管理は内閣人事局が担うべき機能としていろいろ書かれていることの一つであり、級別定数についても人事院と調整を始めたところであり、内閣人事局が担う機能の全体像と併せ、次回以降、お示しすることとしたい。
(5) 労働基本権の問題については、第2回の労使関係制度検討委員会で検討を加速するよう要請したところであり、要請に基づく勧告が実現する段階では接近してくるのではないか。
(6) 幹部職員も労働基本権の対象であることは認識しているが、どういう手続きにするかを検討するに当たっては人事院の考えを十分に聞くことにしているので、勧告がなくても法改正を行うことは可能と考えている。

以上のように、給与制度見直しの内容以前の問題として、入り口・手続きの問題で議論が平行線となったことから、最後に岩岬副事務局長が、①労働基本権の制約の下で、勤務条件について公務員事務局や内閣人事局が企画立案し、第三者機関に対して勧告要請を行うことが憲法違反となるかどうかについての考え方の整理②公務員事務局の位置づけ・性格の整理③内閣人事局機能の全体像、を次回の交渉・協議で明らかにするよう求め、「これらを踏まえ、見直しの具体的内容についての議論に入るかどうかの判断を行う」との公務労協としての意思表明を行い、交渉・協議を締めくくった。


(別紙)
給与制度の主な見直しの視点

1 能力実績に応じた処遇の徹底等(基本法5条2項1号、2号及び5号、10条2号関係)
(1) 幹部職員等の任用・給与の弾力化
幹部職員等について成績不良でない場合においても、一定の場合に、降任、降格、降給を可能とする(国家公務員法78条の特例)。

(2) 管理職員の管理職手当(特別調整額)の傾斜配分の強化

(3) 幹部職員賞与の実績に応じた傾斜配分の強化
* 現行は、期末特別手当のみで、例外的に減額が可能

(4) 人事評価制度の円滑な実施と適切な活用

2 定年まで勤務できる環境の整備等(基本法10条3号関係)
(1) 定年まで勤務できる環境の整備
専門スタッフ職の拡充、組織・業務のあり方見直し等により、定年まで勤務できる環境を整備する。

(2) 再任用の原則化
平成24年度までに、やる気と能力のある希望者を、原則再任用する。

(3) 定年延長の検討
* わが国における経済や雇用の状況、民間における定年延長の導入状況、雇用延長状況及び給与水準等を踏まえて、今後、具体的に検討することとしてはどうか。

(4) 高齢職員に係る給与の抑制
* (1)〜(3)を進めるに当たり、総人件費の増嵩にも留意しつつ、高齢職員の給与の引下げ、役職定年制の導入、専門スタッフ職を含めたスタッフ職の活用、処遇のあり方を検討する。

3 優秀な人材の確保(基本法10条2号関係)
* 初任給の引上げ等による給与カーブのフラット化、能力と実績に応じた処遇の徹底を図るため、所要の措置を講ずる。

4 官民人材交流の推進(基本法7条3号、6条5項関係)
*官民人材交流促進のための給与等の処遇見直し(不利益となる制度の見直し等)

【本部情報】給与、勤務時間、退手法改正法案が本日参院可決へ

-参議院総務委員会で附帯決議とともに採択され、本会議へ送付-


人事院勧告を勧告通り実施するための関連法案は12月11日に衆議院で可決され、参議院に送付されていたが、12月18日午前中の総務委員会で審議、全会一致で採択され、本日(19日)午前10時からの本会議で可決・成立する見込みである。なお、参議院総務委員会でも資料1、2の通り附帯決議が全会一致で採択されている。
 
本日成立する法案は、近日中に公布閣議が行われ、いずれの法案も施行日は2009年4月1日となる予定。給与法、勤務時間法改正法案の人事院規則、退手法改正法案の政令は、われわれとの交渉・協議を経て、来年2月頃公布することが予定されている。
 
参議院総務委員会では、民主党の那谷屋正義、武内則男の両議員らが、人事行政の中立公正性、超過勤務、非常勤職員、退職手当の返納、内閣人事局構想の問題などを追及した。

<那谷屋議員>
国民主権のもとにおいて、公務員の人事行政について、中立公正性を確保することが重要と考えるが、人事院総裁の見解をうかがいたい。

<人事院総裁>
人事院は、現行国家公務員の中立公正性の確保と労働基本権制約下の代償機能として内閣から独立した存在として制度的保障となっていると考えている。

<那谷屋議員>
内閣人事局の担う機能や組織のあり方について拙速に結論を出すべきでないと考えるがどうか。

<鳩山総務大臣>
内閣人事局の機能については、国家公務員が中立公正性を持った全体の奉仕者としての服務規律等を果たせることなどを含めた議論がされるので、拙速ではなく与野党の垣根を越えて徹底的に議論していきたい。また、人事院や総務省から内閣人事局に移管される業務等があるが、様々な問題があるのでこれから努力していく。

<那谷屋議員>
地方分権の推進などによって業務量が増加しているので、地方公務員の純減は限界にきているのではないか。また、今後の公務員の人材確保に向けて具体的にどのように考えているか。

<鳩山総務大臣>
行革やスリム化はまだ進めなければならないが、常に削減ありきとは考えていない。この間地方公務員は5.7%を上回る削減に取り組んでおり、よくやっていることは認めなければならない。しかし、職員数の純減や地方分権改革などで地方公務員の仕事量が増えていることは把握しているが、削減が限界に近づいているかは改めて判断したい。また、全体の奉仕者として高い倫理観を持った有能な人材に公務員になって頂きたいので、モチベーションが高まる人事行政を行いたい。この一環として公務員制度改革などに現在取り組み努力している。

<那谷屋議員>
人員削減を非常勤職員で補っているシステムに問題があるので、必要な職員を確保し超過勤務も縮減すべきだ。

<鳩山総務大臣>
役所で職員の仕事ぶりを見ていると誰が常勤で非常勤か区別できないことがある。非常勤職員は制度として必要であると考えるが、常勤職員の削減に伴う代替要員とするのではなく、あくまでも非常勤職員としての勤務でなければならない。常勤職員の代替を行うのであれば常勤の職員として雇用すべきである。このようなことがないように適正配置に努めたい。

<那谷屋議員>
昨年の附帯決議に基づく非常勤職員の問題への対応はどうなっているのか。

<吉田人事院給与局長>
8月に非常勤職員の給与に関するガイドラインを発出しており、これに則して各府省で必要な処置がとられることになると考えており、ガイドラインを下回ることがないように指導していきたい。

<村木総務省人事・恩給局長>
今年の勧告の際の報告等も含めて、人事院と協力しながら進めていきたい。

<那谷屋議員>
勤務時間が短縮されても、超勤の縮減が進まなければ意味がないので、しっかり取り組むべきではないか。

<鳩山総務大臣>
勤務時間が短縮されても超過勤務が増えるのは良くないので、公務の効率が向上するように努力させたい。また、現在進められている人事評価制度の導入において部下の超過勤務を減らすことで評価が上がることも検討に値する。

<那谷屋議員>
今後設置される退職手当・恩給審査会の運営について、公正・公平性が確保されるよう具体的な措置を講じるべきではないか。

<村木総務省人事・恩給局長>
審査会において、処分対象者から意見を聞くなど公平・公正性を担保するようにする。また審査会は法律の専門家などで構成したい。


<武内議員>
非常勤職員給与ガイドラインを下回ることのないよう、人事院として各府省を指導して欲しい。また、地方では、退職手当もなく低い賃金水準で勤めている実態がある。総務省として実態調査を行い、責任を持って改善していただきたい。

<吉田人事院給与局長>
各府省の実施状況を把握し、点検して参りたい。

<鳩山総務大臣>
非常勤職員制度は必要であるが、常勤と同じように使うのであれば常勤にすべきである。公務の非常勤も、新ワーキングプアという実態がなきにしもあらずであり、人事院の指針を受けてしっかりやらなければならないと思っている。

<武内議員>
公務員制度改革について、労働者の権限をそのままに使用者の権限だけを拡大することは認められない。内閣人事局が勤務条件を決めるのであれば、労働基本権の問題とセットで解決をしなければならないと思うがどうか。

<谷人事院総裁>
一般職の国家公務員についてその地位の特殊性や職務の公共性から労働協約締結権などが制約されているが、この制約に対しては相応の代償措置が講じられる必要があるというのが最高裁の判例であり、労使対等の協議による労働協約に代えて、労使の間に立った第三者機関である人事院の勧告に基づいて法律で給与を定め、法律の委任に基づいて人事院規則で基準を定めることは代償機能の重要な一部である。使用者機関の性格を持つ内閣人事局が政令で給与の基準等を定めることや勤務条件の企画立案を行うことは憲法上の問題にも関わる恐れがある。現行の労働基本権制約の下にあっては、人事院が担う代償機能は維持される必要があると考える。

<谷本内閣府副大臣>
顧問会議の報告では、内閣人事局は国家公務員全体の人事制度及びその運用の全般について企画立案等のPLAN機能、そして制度や運用の改善・改革であるACT機能を担うとされている。勤務条件については、人事院が意見申出を行う仕組みや必要な検討・勧告・意見申出を求めるような仕組みを例として挙げている。人事院が具体的な検討・勧告・意見の申出を行えば、労働基本権制約の代償機能は確保できるのではないかという顧問会議の提案であると認識している。報告の内容の具体化については、しっかりと関係機関と折衝を行っており、労働基本権制約の代償機能が損なわれることのないよう適切に対応して参りたい。

<武内議員>
内閣人事局が人事行政の企画立案と実施機能を持ち、第三者機関が中立公正の観点から事後チェックをするという見直しを行うことが報告されているが、これは現行の中立公正性に関する考え方の大きな転換ではないか。猟官制の復活を危惧する。

<谷人事院総裁>
現行の国家公務員制度は、戦前の官吏制度の弊害の反省に基づいて、公正平等に行政を執行し、忠実に時の内閣を支えることのできる職業公務員集団を確保・育成するために、内閣から独立した人事院を設けて任用、分限、懲戒の基準設定、採用試験、研修の企画立案、実施を担わせることにより、公務員人事行政の中立公正性を確保するための制度的保障としており、事後チェックのような仕組みで中立公正性確保の機能は代替できるものではない。

<谷本内閣府副大臣>
顧問会議の提案は認識しているが、その具体化についてはしっかりと関係機関と折衝を行っているところであり、公正中立性が損なわれないようにしっかり適切に対応していきたい。
<武内議員>
 昨日の顧問会議で、給与制度の見直しが議題になったが、現行労働基本権制約の下での手続きを踏まえるか、あるいは協約締結権の検討の結果に応じて措置されるものだ。また、幹部職員の任用について、成績不良でなくても降任、降格、降給を可能する仕組みの提案があったが、幹部職員にも成績主義の下で身分保障が適用されるものであり、到底認められない。仮にこのような特例を設定するためには、憲法改正が必要ではないか。

<谷人事院総裁>
国家公務員は憲法15条2項により全体の奉仕者とされており、行政の専門家集団として時々の内閣に忠実に仕えることを通じて全体の奉仕者としての使命を全うする。このような職業公務員については、その入口で情実等による縁故的採用を遮断し、政治的な理由等によって降任されたり免職されたりすることのないよう保障すること、さらに昇進等についても恣意的な基準によらずに能力実績に基づいて行われることが必要である。スポイルズシステムを廃し、メリットシステムによることは近代公務員制度の基本原則であり、それを通じて行政の持続性、安定性が維持される。こういったことは憲法15条2項の趣旨の実現に深い関わりがあると考えている。

<武内議員>
消防職員は休憩時間も自由に利用できず、24時間拘束されている。こうした実態についてどう考えているのか。また、勤務時間の短縮に伴い、無賃拘束が伸びることにならないよう、対策を講じるべきである。実態を調査し、どうしたら健康で働けるのか、しっかり対応できるよう、きちんと発信をしていただきたい。

<岡本消防庁長官>
船舶など同様の問題を抱えているところで、どのような工夫が行われるか情報を集めて、国家公務員との均衡が図られるよう、市町村の具体的な相談に応じていく。

<鳩山総務大臣>
できるだけ暖かく対応していくのが基本である。勤務時間の短縮が生きるよう考えていかないといけない。


資料1-参議院総務委員会の附帯決議(給与法等改正法案)

一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議


                                      平成20年12月18日
                                        参議院総務委員会

 政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。

一、国の医療施設における勤務医確保が喫緊の課題であることを踏まえ、引き続き医師等の適切な給与水準を確保するよう努めるとともに、深刻な社会問題となっている医師不足解消のための抜本的な対策を講ずること。

二、本府省業務調整手当の導入に当たっては、必要な人材確保など手当の導入趣旨と本府省における勤務の実態を十分踏まえ、適切に支給対象範囲を定めること。

三、長時間にわたる超過勤務が、職員の心身の健康、人材確保等に重大な影響を及ぼしていることにかんがみ、その縮減を図ること。また、職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁している勤務の実態について早急に調査し、その結果に基づき必要な措置を講ずること。

四、非常勤職員については、職務内容及び経験等を踏まえた適正な給与を支給するとともに、休暇その他の処遇の在り方に関して検討を行い、常勤職員との処遇の不均衡是正に取り組むこと。また、任用形態・勤務形態の在り方について検討すること。

五、公務員制度改革を推進するに当たっては、労働基本権の在り方を含め、職員団体等の意見を十分聴取し、国民の理解が得られる結論を得ること。

 右決議する。

 
資料2-参議院総務委員会の附帯決議(退職手当法等改正法案)

国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

                                   平成20年12月18日
                                     参議院総務委員会

 政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。

一、昨今の一部幹部公務員の不祥事等に対し国民の厳しい批判が寄せられていることにかんがみ、綱紀の粛正をさらに徹底するとともに、行政及び公務員に対する国民の信頼を確保するための措置を引き続き検討すること。

二、退職手当・恩給審査会における公平・公正な審査が確保されるよう、委員の人選及び審査手続について配慮すること。また、退職手当の支給制限及び返納・納付に係る処分を行うに当たっては、特に遺族、相続人の取扱いを含め、十分慎重な対応を図ること。

三、退職手当制度の見直しの趣旨にかんがみ、退職手当の一部支給制限制度及び一部返納制度については、公務規律の弛緩を招くことがないよう、厳正かつ公正な運用に努めること。また、いわゆる諭旨免職についても、適切な対応を図ること。

四、今回法律上の措置が講じられていない非特定独立行政法人等については、各法人に対し、国家公務員の場合に準じた検討を行い、必要な措置を講ずるよう要請すること。

 右決議する。

2008年12月21日

北見市長=道本部推薦の小谷つねひこさんが当選!

本日21日投票が行われた北見市長選挙で、自治労道本部が推薦する、小谷つねひこ前道議会議員が神田前市長を破り初当選した。

北見市長選挙で小谷つねひこさんは、ガス・水道問題について、「前市長は、一向に責任をとろうとしない中で、部下である職員が責任をとってどんどん辞めていく。市の職員が疲弊している姿を見ているのがたまらない」と2期目の道議の職を投げ打って、11月18日立起を表明していた。

北見市職労は、連合の主力単産として投票箱の閉まるギリギリまで運動を展開し、組織内候補である小谷さんを応援、それに応え小谷さんも奮闘し、みごとに市長の座を射止めた。

全道のみなさまの応援に感謝申し上げます。

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【画像】12月20日選挙戦最終日、最後の訴え(クリックすると大きく表示されます)

2008年12月22日

【本部情報】財政健全化基準等以上の自治体に対する財政事情調査

※この情報は機関紙、教宣紙には掲載しないでください。また、単組ホームページ等の外部宣伝媒体には公開せず、自治労内部の意思統一にとどめてください。厳守でお願いします。

総務省は、2007年度決算に基づく財政健全化判断比率により、財政健全化基準以上もしくは同程度の水準にある自治体に対し、県を通じて送付し、2009年1月初旬を締め切りとして、財政事情調査を実施しています。

調査票の内容は
①該当自治体の健全化方策や財政見通し、財政悪化要因の記述を求める「財政事情ヒアリング調査票」(別添1)
②該当自治体が「財政事情ヒアリング調査表」を作成する際の留意事項(別添2)。
③個別自治体の財政事情ヒアリング調査表」の個別自治体の財政健全化策等に対する県の評価(別添3)。なお別添3は、ある県の事例です。
これを受け、自治労は総務省に対し、以下のとおり申入れを行いました。なお、この情報は教宣物等に公開しないよう、取り扱い注意でお願いいたします。

(申入れ経過)
自治労から友利政治政策局長、下目政治政策局次長が参加し、総務省は関口財務調査官、佐藤理事官が対応した。
友利政治政策局長は申入れ書を提示し、以下の点について総務省の認識を質した。

①財政健全化計画等の策定義務が生ずるのは、2008年度決算からであり、時期を前倒しして報告を求めることは極めて問題である。しかも、健全化法の主旨は、自治体が自主的・主体的な財政運用のもとで健全化を進めることであり、国と県は関与を行うべきでない。

②調査表を作成する際の留意事項(別添2)の1ページ「2 健全化判断比率の発生要因等」の(2)で財政悪化の要因分析を求めている。この中に「税収や地方交付税の減少、寒冷地等の気候、地理的条件は要因に含まれない」と記述があるが、地方交付税の減少で多くの自治体が財政逼迫に追い込まれているのが実情であり、地方交付税等を削減してきた国の責任を棚上げにするものではないか。

③調査表を作成する際の留意事項(別添2)の2ページ「3 健全化判断比率を改善するための方策等」の(2)で今後の財政健全化の具体策の例示として一般職給与20%カットが示されている。この表現は、調査される自治体側からすれば、例示のとおり20%相当の削減を求めるように読み取れる内容であり、国の不当な関与である。

④(別添3)の該当自治体の健全化方策のあり方について、県が評価するというのは従来の助言の領域を超えており、行き過ぎた関与でないか。あくまで自治体の自主的な財政運営を尊重すべき。
 
これに対し、総務省側は以下のとおり回答した。

①この調査は、今回限りの調査と考えている。健全化法に基づき健全化計画の策定義務が生じるのは来年度の決算だが、来年度予算編成の取り組みによって、健全化基準等以上に該当しない可能性もある。可能な限り、健全化団体に該当しないよう、注意喚起の意味を含めて、助言の範囲で今回の調査を実施している。

②今回の調査の前に、9月に県に対して該当自治体の財政悪化要因のヒアリングを実施した。その際、共通して「税収、地方交付税の大幅な減額」を指摘する自治体が多かった。この財政悪化要因は、全国的な地方財政全体の話ではなく、自治体の個別的な事情を記入してほしいという主旨である。例えば、人口減や産業構造の変化を背景とする税収減の要因や交付税算定でいえば事業費補正の削減が影響しているなどと、自治体の個別事情を指摘してほしいとの考えである。また、これらの要因分析は、健全化計画を策定する際には、公認会計士等による外部監査で厳格に問われる項目である。

③一般職給与の20%削減の例示は、実際に進めている自治体の例として提示したもの。あくまでも例示であり、これを基準に人件費を見直してほしい、という意図では全くないし、皆さんの指摘は受け止めたい。

④該当自治体の財政状況や健全化方策について、県で温度差があるのが実情である。(別添3)の主旨は県が財政健全化にむけ、該当自治体と連携して、十分なフォローを進めてほしいとの意図である。
 
これを受け、自治労側は、「財政悪化の要因として、過去の景気対策として促進した地方単独事業や地方交付税の減額など、国の政策・財政責任が大きい部分もあり、個別自治体のみ財政責任を問うのでなく、国の責任による悪化要因も明確にするべき。また、例示した人件費20%削減の例示は、これを受ける自治体側には相当な圧力となる。数値目標の例示を示すべきでない。あくまで助言の範囲とはいうが、健全化方策は自治体の自主性に委ねるべきものであり、関与は慎むべきである」と再度強調し、申入れを終えた。

申入書 
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参考 早期健全化基準以上の自治体
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別添1 該当自治体用「財政ヒアリング調査表」
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別添2 「留意事項」
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別添3 県の評価
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【女性部】12月から4月は女性の働く権利確立運動強化月間

道本部女性部の『ネットワーク』ができました。
本号は、女性の働く権利確立運動強化月間の特集です。

下記の画像をクリックすると大きく表示されます。さらに拡大表示すると見やすくなります。
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道本部女性部では、12月から4月までを「女性の働く権利確立運動強化月間」と定め、職場改善実態調査を実施しています。健康で安心して働き続けられる職場づくりを進めるため、自分たちの働き方を点検し、中央本部女性部と一体となった取り組みで職場改善につなげましょう。
職場改善実態調査をダウンロード

権利実態調査をダウンロード

2008年12月24日

【本部情報】人事院、総務省から基本要求に対する回答引き出す

公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、12月19日、2009年度の基本要求に関する人事院職員団体審議官及び総務省人事・恩給局次長との交渉を実施した。人事院から11月20日に提出した本年度の基本要求に対する回答を引き出すとともに、総務省に対しては本日午前中に給与、勤務時間、退職手当法改正法案が参議院で可決され成立したことを受けて、基本要求を提出するとともに回答を引き出すこととなった。回答はいずれも具体性がなく不満な内容に止まったが、公務員連絡会は、秋季闘争で解決がつかなかった課題については、春季生活闘争に引き継いでいくこととし、基本要求に関わる交渉・協議に区切りを付けることとした。

<人事院職員団体審議官交渉の経過>
事院井上職員団体審議官との交渉は、19日午前11時から行われた。

冒頭公務員連絡会側が、11月20日の申入れに対する回答を求めたのに対し、審議官は「基本要求については、今後引き続き検討すべき事項が多いが、主な要求事項について、現時点での検討状況を申し上げる」として次の通り人事院の現段階の見解を示した。

一、給与に関する事項
1.給与水準及び官民比較方法について
(1) 公務員給与の改定については、情勢適応の原則に基づき、民間準拠により適正な給与水準を確保するという基本姿勢は変わらない。

(2) 内閣からの地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの要請に対しては、一つの要請としては受け止める。そのうち地域別官民給与の実態の公表については、国民に対する説明責任という観点も踏まえて今後検討していきたいと考えている。一方、俸給表水準の見直しについては、公務員給与全体を見直すこととなるため、広く各方面の意見を聞きながら、公務員の適正な給与の確保に向けて、中立第三者機関としての人事院の使命に鑑み、その責任を果たして参りたいと考えている。

(3) 本年の勧告時報告において、給与構造改革終了後、これまでの改革の効果を検証するとともに、今後取り組むべき諸課題に関して総合的検討を行う必要がある旨言及したところであり、この考え方に沿って検討を進めて参りたい。いずれにしても、給与構造改革の検証に当たっては、公務員連絡会のご意見を伺ってまいりたい。

(4) 高齢雇用施策の検討に伴う給与体系等の見直しについては、本年の勧告時報告において定年年齢を平成25年から段階的に65歳までに延長することを中心に検討を進める旨言及したところであり、これを行うに当たっては、研究会における検討を踏まえ60歳代前半のみならず、60歳前も含めた給与水準及び給与体系の在り方について、人事施策の検討と一体となった検討を行うことが必要となると考えている。いずれにしても、職員団体を含め関係者と意見交換しながら、中高齢層の職員の適正な給与水準及び給与体系の在り方について検討して参りたい。

2.諸手当の見直し・検討について
(1) 自宅に係る住居手当については、手当としての意義が薄れていることから、来年の勧告に向け、廃止の検討を進める。また、借家借間に係る住居手当については、高額家賃を負担している職員の実情を踏まえた手当の在り方について、民間の状況等を踏まえ、引き続き検討していくこととなる。

(2) 特地勤務手当の指定基準に関しては、特に陸地に所在する官署について交通事情の改善等が十分に反映されていない上、現行基準に基づく級地と実際の格付け級地との乖離が大きくなっている状況にあり、できるだけ早期にその見直しを図る必要があると考えている。なお、基準の見直しに当たっては、職員団体等関係者の意見も聞きながら、検討を進めていきたい。

二、労働時間、休暇及び休業に関する事項
超過勤務の縮減については、まずは各府省において不必要な在庁時間を減らすとともに、超過勤務を命ずべき業務についても、業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率向上の取組みを行う必要があると考える。現在、政府全体として、各府省において在庁時間削減目標やそのための具体的取組み事項を設定して取組みを進めており、人事院としても「超過勤務の縮減に関する指針」において他律的業務に係る上限目安時間を設定することとしているが、今後とも超勤縮減の方策について、各方面のご意見をうかがいつつ取り組んで参りたい。
なお、労働基準法改正を踏まえた超過勤務手当制度の取扱いについては、労働基準法の改正内容等を踏まえつつ、検討を進めていく所存である。

三、新たな人事評価制度の施行に関わる事項
人事評価の活用に関しては別途の場で議論しているところであるが、人事評価及びその活用に関する制度は、今後の人事管理の基礎となる重要なものであると認識しており、来年度に予定されている本格実施に向けて、各府省、職員団体等関係者のご意見を聞きながらよりよい仕組みが実現できるよう、適切に対処していきたいと考えている。

四、新たな高齢者雇用の施策の検討に関わる事項
昨年9月から開催されている「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」においては、その中間取りまとめが本年7月に出され、現在それを具体化する作業が進められているが、その作業結果を踏まえ、職員団体をはじめ関係者のご意見を伺いながら検討を進めて参りたい。

五、非常勤職員制度の改善に関する事項
非常勤職員の給与については、給与法の規定に基づき各庁の長が非常勤職員の給与を決定する際に考慮すべき事項を示す指針を本年8月に発出したところであり、今後各府省における指針の実施状況等について把握し、フォローしていきたい。

非常勤職員の問題は、業務運営の方法、組織・定員管理、予算、人事管理方針などと密接不可分な関係にあることから、今後においては、政府全体として非常勤職員の在り方をどのようにしていくかについて幅広く検討を進めていくことが必要と考えている。人事院としても、政府全体の取組みに対して協力して参りたい。

これらの回答に対し、公務員連絡会側は次の通り人事院の考えを質した。
(1) 雇用情勢が極めて厳しくなり、公務員の労働条件にも影響してくることは必至だ。来年の見通しについて、見解があれば伺いたい。

(2) 人勧取扱いの閣議決定で、政府から「地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請」が行われたが、国会で人事院総裁は「まずは現在進めている給与構造改革を着実に進めることが肝要」と答弁している。審議官の回答では、「給与構造改革終了後、総合的検討を行う」とのことだが、給与構造改革が終わる平成22年度までは検証はなく、終了後検証した上で検討することであることを確認したい。また、現時点で、「実態公表」についてどう考えているのか。公表すると較差が埋まってないので前倒しして埋めろという話になるのではないか。

(3) 自宅にかかる住居手当の廃止については、十分交渉・協議を行って、納得できる結論を出して欲しい。自宅以外は高額家賃の話しか出なかったが、住居手当全体についての議論をさせていただきたい。

(4) 特地勤務手当の今回の見直しは、とくに「陸地」を対象にしているいうようことなのか、考えを明らかにして欲しい。

(5) 他律的業務の超勤上限目安時間について、われわれは「720時間」で納得していないが、これでやるということであれば、一定の段階でフォローアップを行い、成果が上がっていなければ、さらに実効性のある施策を検討していただきたい。

(6) 教員の場合には、体育の実技などもあり、定年前の早期退職者が多いので、定年延長の検討に当たっては、現場のいろいろな問題を把握して、制度設計をしていただきたい。

これに対し人事院側は次の通り答えた。
(1) 来年は厳しい状況にあることは間違いないし、覚悟しないといけない。この数年、民間賃金の動きが小さく、バラツキも大きくなってきて、全体の状況から官民較差を予想することが難しくなった。実際に調査してみないとわからなくなっている。

(2) 地域の官民較差については、まずは給与構造改革で解消することが基本である。終了後に検証することにしているが、必ずしも終了するまで検証しないということではない。地域間配分の適正化は重要な問題であり、今、どういう状況にあるかについて常に分析・検討しており、改革がどのように進んでいるかを把握する必要がある。いずれにしても、基本は給与構造改革を完成させるということであり、その先に、必要があればさらに改革を進めていくということになる。実態公表については来年勧告時の話であり、現時点で結論を出しているわけではないが、データを公表して欲しいという要請については誠実に対応する必要がある。公務員給与に対する関心が高まっている中で、説明責任もあり、応じないということになったとき、公務員給与に対する信頼性に問題が生じることが懸念される。実態がどうかという問題と、ではどうするのかという問題があり、後者についてはまずは給与構造改革を進めるということであり、責任を持って対処する。

(3) 自宅にかかる住居手当については、廃止の検討をすることにしているが、実際にどう対処するかについては皆さんと意見交換をしながら進めたい。高額家賃については、手当受給者のうち上限の27,000円を受けている者の割合が7割を超えており、55,000円以上の家賃を払っているということなので、とくに対応を検討していく必要があることから例示したものであり、その他の課題を含めて検討していきたい。

(4) 今の特地指定基準は、官署からいろいろな施設への距離や公共交通機関の状況を基本としているが、道路事情が改善され、かつては官署と住居が近接していることを前提としていたが、遠くから通勤するように変わってきて、それが指定基準と実態の乖離の原因ではないかという問題意識を述べた。離島はともかくとして陸地ではこうしたことが顕著であることから例示したものである。細分化した基準の見直しを行うことが基本であり、陸地だけ見直して離島はやらないということではない。

(5) 他律的業務の超勤上限目安時間については、一定期間後には何らかのフォローアップを行い、必要があれば、さらに縮減策を検討してまいりたい。

(6) 定年延長に係る問題については、意見を出していただいて、それを踏まえて検討してまいりたい。

以上の議論を踏まえ、岩岬副事務局長が「地域の官民較差の実態公表については明確な回答がなかったが、前倒しの俸給水準引下げや国だけではなく地方公務員への影響も懸念されるので、公務員連絡会と十分話し合って対応していただきたい。本日の回答は要求事項をきちんと受け止めて来年に向けた姿勢を示した回答とは言えず不満だ。来春闘では改めて要求書を出すので、誠実に対応していただきたい。国家公務員制度改革推進本部が給与制度の見直しを進めようとしているが、人事院勧告制度が代償機能を失うことになれば、重大な決意をせざるを得ない。労働基本権制約下で、人事院勧告制度は公務員にとって唯一の生活改善の手段であり、使命を果たしていただきたい」と強く要望し、本日の交渉を締めくくった。

<総務省人事・恩給局次長との交渉経過>
総務省人事・恩給局笹島次長との交渉は、19日午後1時30分から総務省内で行われ、公務員連絡会側が別紙基本要求の重点事項について以下の通り説明し、回答を求めた。

(1) 総人件費と給与等の課題のうち、雇用については、アメリカ発の金融危機の影響で民間では深刻な事態になっている。公務においても使用者の立場で責任を持って対応していただきたい。最終年度となる府省間配置転換はもとより、独法見直しや地方分権改革による国の出先機関見直しに伴って雇用問題が発生する恐れがある。国の責任で対応することを明確にしていただきたい。

(2) 人勧閣議決定の際の「地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請」は人勧制度の空洞化につながりかねず、政治的介入と受け止められるものであり、撤回すべきだ。

(3) 勤務時間の短縮については、超勤の縮減について実効性があがるよう本格的に取り組んでいただきたい。

(4) 福利厚生については、レクリエーション経費が削減され、来年度は要求しないこととなったが、重要な労働条件であり、軽視することは認められない。福利厚生について明確な方針を確立していただきたい。また、来年度の福利厚生経費の予算要求はどうなっているのか。

(5) 定年延長について、人事院は段階的に定年延長するとの考えであるのに対し、国家公務員制度改革推進本部の考え方は少し違っている。また、推進本部が勤務条件について検討すること自体に問題がある。いずれにしろ勤務条件は組合との合意が前提だ。

(6) 非常勤職員について、国会でも議論され、総務省としては検討を始めたということだが、まずは実態を把握し、われわれが参加する検討の場を早急につくって取り組みを進めていただきたい。また、現在、どんな取り組みを始めたのか。

(7) 公務員制度改革については、顧問会議報告等に基づき給与制度の見直しが進められようとしているが、労働基本権の制約下で政府が検討し、人事院に勧告要請を行うことは代償機能の空洞化につながるものであり、到底認められない。中央人事行政機関の補助部局たる総務省人事・恩給局は代償機能を機能させるという位置づけがあり、しっかり対応してほしい。

(8) 新たな人事評価については、最後の仕上げの段階だ。納得性のある人事評価制度が円滑に導入されるよう、行革事務局と連携し、公務員連絡会と十分交渉・協議を行っていただきたい。

(9) 退職手当法改正法案も成立したので、政令等の整備についてはわれわれと協議を行うことを求めておきたい。

これに対して、笹島次長は、現時点における総務省の主な考え方として、次の通り答えた。

1、公務員の総人件費と給与等について
(1) 配置転換等の取組みに関しては、内閣官房とも累次意見交換をされていると承知しているが、いよいよ最終年度を迎え、きちんと取り組んでいきたい。決して楽観できない状況であり、職員団体においても、個々の職員が、自ら進むべき道を真剣に考えるよう、雇用の確保を図るという観点から御協力をお願いしたい。
総務省としても予算、定員など実施体制を中心にサポートしており、今後ともこの取り組みがスムーズに行くよう支援してまいりたい。
 
なお、独立行政法人見直し等行政改革の推進や地方分権改革による国の出先機関の見直しについては、雇用問題が重要と認識しており、現時点でその詳細が必ずしも明らかではないが、その動向について今後注視してまいりたい。

(2) 国家公務員の給与については、これまで同様、社会一般の情勢に適応させるとの原則の下で行われる人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、適正な給与水準を確保してまいりたい。

(3) 本年度の給与改定の取扱方針の閣議決定において、来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表すること等について人事院に要請したところであるが、民間に合わせることは常にあるべき勧告の姿であり、今後、人事院において、今回の要請を踏まえ、主体的に検討が行われることを期待するものであり、人事院に対し政治的圧力をかけるものとは考えていない。

なお、人事院は、本年の人事院勧告時の報告において、給与構造改革期間終了後の取組みとして、地域における民間給与の状況等を踏まえ、引き続き地域間の配分の在り方を検討することとしており、今後、人事院において、地域における民間給与等の実態についての調査等が行われるものと思われる。

2、労働時間、休暇及び休業について
(1) 国家公務員の労働時間の短縮については、「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成4年人事管理運営協議会決定)を本年9月に改正するなど、超過勤務の縮減や年次休暇の計画的使用の促進を中心に進めているところである。
特に、超過勤務の縮減については、超過勤務を命ずべき業務について、政府全体として業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率の向上の取組みを行うことが重要であると思われる。
各府省において、労働時間短縮対策に基づいた様々な取組みが的確に行われるよう徹底してまいりたい。
(
2) 福利厚生施策については、考えるべきことがあると考えているところである。
また、平成21年度は、民間企業における福利厚生施策の調査等を行う予定であり、そのための予算要求を行っているところである。
 
職員厚生経費は、平成21年度予算から健康診断経費のみを各府省の統一単価として要求することとしており、平成21年度の要求額は5,601円と、前年度(20年度予算額(健康診断経費)5,262円)に比べ339円の増額要求を行っているところである。なお、表彰経費は各府省が必要な額を要求しており、レクリエーション経費は要求していない。

3、新たな高齢者雇用施策について
(1) 新たな高齢雇用施策について、今後、公的年金の受給開始年齢の段階的な引上げが行われることが予定され、大きな問題になると認識している。60歳定年退職者について、いわゆる無年金期間が発生することから、公務においても、雇用と年金の連携を図り、職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することが必要であると考えている。
こうした問題意識を持って、先般成立した国家公務員制度改革基本法では、再任用制度の活用の拡大をはじめ、定年の65歳への段階的引上げの検討など、幅広い観点から検討を行うこととされているところである。これに伴って、高齢職員の給与のあり方や役職定年制を検討することなど、総合的な検討が必要であり、組合の皆さんと相談しないといけないと思っている。
公務員制度を所管する総務省としても、内閣官房と連携・協力してこれらに取り組んでまいりたい。

4.非常勤職員について
給与に関しては、去る8月に人事院から指針が示されており、まずは、この指針を踏まえて、各府省において適切に対応することが必要と考える。
さらに、本年の人事院からの報告でも「給与に関する指針の策定に加え、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされているところである。
こうした状況も踏まえて、人事院などの関係機関と連携しつつ事務的な検討を始めたところであり、必要に応じて各府省の対応状況の把握や問題点の整理などを行いつつ、総務省としても鋭意検討してまいりたい。

5.公務員制度改革について
(1) 国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度改革の具体化については、内閣に置かれた国家公務員制度改革推進本部を中心に検討が行われており、公務員制度を所管する総務省としても、今後とも国家公務員制度改革の推進に連携・協力をしてまいりたい。

(2) また、国家公務員の労働基本権については、当該措置に関する事項について調査審議する労使関係制度検討委員会の第2回会合が先日開催され、法制上の措置にかかる提言について、21年中にとりまとめるとのスケジュールが示されたところである。国家公務員の労使関係制度の在り方については、同委員会において十分に検討が行われることが必要と考えている。

6.新たな人事評価制度について
新たな人事評価制度については、現在行われているリハーサル試行の結果を踏まえ、制度の公正性、透明性等の確保と、納得性の高いシステムとなるよう、総務省としても引き続き行革事務局と連携・協力をして検討を進めているところである。
政令等の策定についても、行革事務局において行われるものであるが、来年度からの人事評価制度の施行に当たって、職員団体とも十分に話し合うことは必要であると考えている。

これに対して、公務員連絡会側からは、次の通り質した。
(1) 府省間配置転換について、「個々の職員が、自ら進むべき道を真剣に考える」とはどういう意味か。配置転換に応じるかどうかは重要な選択だが、その原因を作ったのは政府であり、職員に説教するのはおかしい。さらに、地方分権改革の内容によって雇用に大きな影響を与えることになるので、政府が責任を持って対応することが大前提だ。

(2) 人事院への見直し要請について、政府としては政治的圧力とは考えておらず、人事院が主体的に検討するとの回答だが、人事院はわれわれに「まずは給与構造改革を完成させた上でそれを検証し、必要があれば検討する」と答えている。政府の考えも人事院と同じであると受け止めていいか。

(3) 福利厚生施策の民間実態調査はぜひ行ってほしい。また、調査に当たっては意見交換をさせていただきたい。

(4) 非常勤職員の問題については、人事・恩給局長も国会で答弁しているが、どういう検討を始めたのか明らかにしてほしい。また、われわれが参加する検討の場を設けて、前広に議論させていただきたい。

これに対して、笹島次長らから次の回答があった。
(1) 府省間配置転換については雇用の確保が重要であることから、雇用調整本部を設置して努力してきたが、マッチングの難度が高まってきたのは事実なので、職員におかれても自分の進むべき道、持ち味等を真剣に考えて対応してほしいという趣旨である。説教をしているわけではなく、当初配転に応じた者は行った先で高い評価を得ている者が多いが、後の方になってくると「残れる」という雰囲気が出てきて意欲的に出て行く者がいなくなってくる心配があり、そういうことにならないようにという趣旨である。政府としても、職員が意思を固めるにあたってのいろいろなサポートをしていることを受け止めていただきたい。地方分権についても情報を収集しながら対応して参りたい。

(2) 給与構造改革は平成22年度までであるが、情報のストックも必要であることから人事院にデータの公表をお願いしたものであり、前倒ししての検討を要請したものではない。

(3) 福利厚生は国と民間企業で異なっている面があり、調査をしても簡単に比較ができないことは承知している。能率向上の観点から取り組む必要があり、知恵を出していきたい。

(4) 非常勤職員の処遇等については、各府省が予算の範囲内で対応していることであるが、法律や人事院規則などで決められているのでそうしたことや人事院の調査結果を勉強しており、その中から課題を抽出していきたい。これまであまり光を当ててこなかったので、どの方向に向かうべきかを勉強している段階であり、皆さんと協議する段階には至っていない。いずれにしても、調査が必要という総務大臣の国会答弁を踏まえて、いろいろな制約の中で将来何ができるか検討していきたい。

最後に、岩岬副事務局長が「本日の回答内容は申入れを充足するものではなく不満である。改めて検討していただき、来年春闘要求を提出するので、その際、中身のある議論をさせていただきたい」として、基本要求をめぐる交渉には一区切りをつけ、明確とならなかった課題については、引き続き2009春季生活闘争段階で交渉・協議するとの見解を述べ、この日の交渉を終えた。


<別紙>
                                      2008年12月19日


総務大臣
 鳩 山 邦 夫 殿


                                    公務員労働組合連絡会
                                      議長 福 田 精 一


        2009年度賃金・労働条件に関わる基本要求事項の申入れ

世界金融危機は日本の実体経済にも深刻な影響を与えており、物価高も含め国民生活は危機的な状況にあります。そうした中にあって、低下しつつある労働分配率の回復によって内需主導の景気回復が求められています。また、公務員バッシングが吹き荒れる厳しい環境にあって、公務員労働者は、行政や公務員に対する国民の信頼を回復すべく、日夜、自らの職務遂行に邁進しているところです。しかし、国・地方を通じた総人件費削減政策のもとで、事務・事業の廃止・縮小と、組織・定員の大幅な削減が推進され、予算不足、人員不足、将来不安の中で公務員の労働条件は悪化の一途をたどっています。
 
本年の勧告については、勧告通り実施するための関係法案が、ようやく本日の参議院本会議で可決・成立したところです。しかし、政府は勧告取扱いの閣議決定において、昨年に引き続き、人事院に対し「来年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表し、俸給表水準について必要な見直しを検討するよう要請」し、地域給与の一層の引下げを図ろうとしています。これは、労働基本権制約の下における代償機関に対する「政治的介入」であり、到底認めることができません。
 
さて、2009年度の基本要求事項では、公務員労働者の雇用の確保や実質生活の維持・確保を含めた給与改善を行うことを最重点課題としつつ、新たな評価制度に基づく人事管理への対応や新たな高齢雇用施策の具体化などを重点課題としています。
 
以上のことから、貴職におかれては、本年の基本要求事項の実現に向けて最大限努力されることを強く申し入れます。


                             記

一、公務員の総人件費と給与等に関わる事項
(1) 公務員総人件費削減政策の具体化に当たっては、良質な公共サービスを確保する観点から、事務・事業のあり方を検証するとともに、公務員連絡会と十分協議すること。

(2) 定員削減にともなう配置転換等の実施に当たっては、真に本人の希望に基づくものとなるよう、引き続き雇用調整本部と公務労協・公務員連絡会との間で十分交渉・協議すること。また、独立行政法人見直し等行政改革の推進や地方分権改革による国の出先機関の見直しに伴って雇用問題が生じる場合には、政府として統一的な体制を確立するなど、国が雇用の承継に責任を持つこと。

(3) ゆとり・豊かな生活が確保でき、その職務の責任や仕事の内容に相応しい社会的に公正な給与水準を確保すること。当面、2009年度においては、民間の実勢を踏まえ、人事院勧告尊重の基本姿勢に基づき公務員労働者の実質生活の維持・確保を含めた給与改善を行うこと。また、使用者の責任において、実態に見合った超過勤務手当の支給、独立行政法人等を含めた公務員給与の改定に必要な財源の確保に努めること。

(4) 地域別官民給与の実態公表とそれに基づく俸給表水準見直しの検討要請など人事院勧告制度に対する政治的介入を直ちにやめ、公務員給与に対する社会的合意を得るよう、使用者責任を果たすこと。

二、労働時間、休暇及び休業に関わる事項
(1) 労働時間短縮、休暇制度改善、総合的休業制度の確立等について
ワーク・ライフ・バランスを確保するため、①年間総労働時間1800時間体制②ライフステージに応じ、社会的要請に応える休暇制度の拡充③総合的な休業制度、などを実現すること。
このため、2009年度においては、政府全体として、超過勤務の縮減に向けた体制を確立し、実効ある超過勤務縮減策を実施すること。

(2) 本格的短時間勤務制度の早期実現について
公務に雇用創出型・多様就業型のワークシェアリングを実現することとし、本格的な短時間勤務制度の具体的な検討に着手すること。

三、福利厚生施策等に関わる事項
(1) 公務員の福利厚生を勤務条件の重要事項と位置付け、職員のニーズ及び民間の福利厚生の正確な実態把握を行い、その抜本的な改善・充実を図ること。

(2) 「国家公務員福利厚生基本計画」の着実な実施を図るため、政府全体としての実施体制を確立し、使用者としての責任を明確にして積極的に対応すること。とくに、メンタルヘルスに問題を抱える職員が増加していることから、働き方と職場環境の変化に対応した心の健康づくり対策の着実な推進や復職支援施策の拡充をはかること。

(3) 総人件費削減政策に基づく、福利厚生経費の一方的削減は行わないこと。2009年度の予算編成に当たっては、健康診断の充実など、職員の福利厚生施策の改善に必要な予算を確保すること。なお、予算の取扱いについては、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、合意に基づいて進めること。

四、新たな高齢雇用施策に関わる事項
(1) 新たな高齢雇用施策については、雇用と年金の接続形態の基本を65歳までの段階的定年延長とし、早期に実施すること。また、雇用の確保は最も重要な勤務条件であることから、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、合意に基づいて進めること。

(2) 国家公務員制度改革推進本部において、給与体系のあり方等の検討を含む65歳までの定年延長を検討する場合には、これらが重要な勤務条件であることを踏まえ、公務員連絡会と十分な交渉・協議が行われるよう、総務省として努めること。

五、非常勤職員制度等の改善に関わる事項
(1) 国会附帯決議に基づき、非常勤職員等の職種、在職実態、処遇等に関わる実態調査を直ちに実施すること。

(2) 非常勤職員等については、人事院の本年報告を踏まえ、その位置付けや雇用確保について、公務員連絡会が参加する検討の場を設置し、政府全体として解決に向けた取組みを開始すること。

(3) 国が民間事業者等に業務委託や入札等により事務事業の実施を委ねる場合においては、公正労働基準の遵守を必要条件とすること。

六、男女平等の公務職場の実現に関わる事項
(1) 公務の男女平等参画の促進を人事行政の重要事項と位置づけ、女性公務員の採用、登用の拡大を図り、女性の労働権確立や環境整備などを積極的に推進すること。

(2) 「子ども・子育て応援プラン」及び育児のための短時間勤務制度の導入を踏まえ、取得率の数値目標等を明確にした男性の育児休業、短時間勤務等の取得を促進すること。

(3) 使用者の立場から、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の着実な実行を図るよう指導すること。

七、公務員制度改革に関わる事項
(1) ILO勧告に基づき、労働基本権制約の立法政策を根本から見直し、公務員の労働基本権、団体交渉に基づく賃金・労働条件決定制度を確立すること。

(2) 国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度の検討に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議を行い、抜本的な改革を実現すること。
国家公務員制度改革推進本部顧問会議報告に基づく、労働基本権制約下での勤務条件についての内閣人事局の機能のあり方の検討については、代償機能の空洞化につながり、憲法違反であることから、直ちにやめること。

また、国家公務員制度改革推進本部に設置されている労使関係制度検討委員会において、公務の労使関係の抜本改革を実現するための検討を促進すること。

八、「新たな人事評価制度」に関わる事項
(1) 新たな人事評価制度については、公正・公平性、透明性、客観性、納得性が具備され、苦情処理制度、労使協議制度などが整備されたものとすること。とりわけ、評価結果の本人への全面開示、労働組合が参加する苦情処理制度を実現すること。

(2) 改正国家公務員法の施行に向けた、政令等の制定に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意の上で実施すること。

(3) 新たな人事評価制度については、現場で混乱を生じることなく円滑に実施されるためには、制度の周知や評価者訓練の徹底など十分な準備期間が必要であることを踏まえ、慎重に実施時期を定めること。

九、その他の事項
(1) 障害者雇用促進法に基づき、障害の種別をこえた雇用促進を図ること。とくに、知的障害者及び精神障害者の雇用促進に関する具体的方策を明らかにすること。

(2) 公務における外国人の採用を拡大すること。

(3) 改正国家公務員退職手当法の施行に当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意に基づいて進めること。

【本部情報】第8回地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会

第8回研究会は、12月22日(月)14:30〜16:30、総務省8階会議室で行われた。今回は研究会としては最終回であり、「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」(案)の全体を通じた議論がされた。

今後の対応の方向性について、自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。
1. 非常勤職員の任期を「原則1年以内」とすることについては、法律上の規定がない中で、この研究会以外の場で「1年」と示したものはあるのか。その影響を懸念せざるをえない。任期はその職の性格や期間によって異なるため、任用期間のルールは自治体が判断すべき事項であることから、これをここで記述すべきではない。

2. 任期付短時間勤務職員の再度の任用について、「改めて公募等により、競争試験又は選考による能力の実証を経た上で」としているが、必ずしも公募による必然性はなく、3年間の職務実績と能力の実証をもとに、本人の希望で再度任用すべきではないか。

3. 任期付短時間勤務職員の給与について、2004年通知の繰り返しを述べているだけである。任期付短時間勤務制度の積極活用を提言しようとしている研究会の立場、および、3年から5年の範囲で任期の弾力化を今後はかっていくとすれば、能力の伸長や経験の蓄積等の要素も考慮する必要性も高まる。次のステップを見据えて、給与についても新たな制度拡充を述べるべきである。

また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。
1. 任期を1年と明記することによって、例え多くの自治体でこれまで1年としてきたとしても、雇い止めなど、想定している以上の影響が懸念されるのではないか。

2. 任期については、非常勤の職というのがどういうものであるのか、また、常勤職員との違いから考える必要もあるのではないか。ただ、労働基準法から見ても、1年と考えることに違和感はない。

3. 臨時・非常勤職員の再度の任用について、解雇権乱用法理が適用されないこととあわせ、「任期の定めのない常勤職員と実質的に異ならない状態と認められるような実態にならないよう」としているが、最近の裁判事例では、むしろ保護されるべき対象との考えも出されている。

4. 任期付短時間勤務職員の再度の任用について、それまでの実績が度外視されていいのか。

5. 再度の任用については、「新たに任用」されるのであるから、実績を考慮する必要性はない。むしろ、試験の内容など現場での運用面で対応できるのではないか。

6. 「一定水準の専門性を担保する資格や実務経験が必要とされる業務」についても任期付短時間勤務職員を任用できるようにするとの考え方が示されているのであるから、給与について、制度設計時の「能力の伸長や経験の蓄積等を考慮する必要性は低い」との考えを示すのはいかがなものか。従来どおりであることに違和感がある。

7. 職務によっては、専門性を考えた場合には能力の伸長を考慮する必要性は確かに低いように思う。

報告書全体について、自治労委員から主張した主な点は、次の通りである。
1. 研究会報告は、私たちの考えとは大きく異なるものとなった。研究会の結論としては受け止めざるをえないが、なぜこれだけ臨時・非常勤等職員が増えてきたのか、公務の実態をまずは直視すべきだ。実態はすでに制度を超えている。

2. 任期付短時間勤務職員制度についても、現行制度の解説に留まってしまっている。これでは、導入のインセンティブは働かない。結果として、この研究会では解決しきれない大きな問題があることは明確である。
 
また、他の委員からは、主に次の点が意見として述べられた。
1. 現在の雇用情勢から、地方公共団体における臨時・非常勤職員の任用について住民・国民の関心の高まりが予想されることが記述されているが、公務においても、きちんと雇用は守られるべきであることの意図を明確にしてもらいたい。

2. 民間では、パート労働法はじめ、いくつか労働者保護法制ができてきている。しかし、「民間と公務は違う」というだけで、任用される側への目配りが足りないものとなってしまった。任期のない短時間公務員への記述もほしいところである。

3. 現行のルールを自治体は守るように、との報告で終わってしまっているのではないか。

4. 実態がさまざまあるのはわかるが、現行法体系のなかでの対応をどのように求めていくのか、というのが研究会の目的であり、また、それが限界でもある。この研究会ではなく、公務員制度全般のあり方として、もっと大きな視点からの検討は別途必要であろう。

最終的に、本日の議論も踏まえ、報告書の文言修正等について座長あずかりとし、研究会を終了した。なお、本報告書については、年明けに公表される見込みとなっている。

研究会・総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html

【道本部情報】「プルサーマル計画」泊村で容認!抗議打電を送ろう!

12月17日、「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会、道平和運動フォーラム、後志フォーラムは、地元4町村(泊村、神恵内村、共和町、岩内町)に対して、①国策にとらわれることなく、独自の判断を行うこと、②住民への説明を自治体として開催すること、③意識調査や住民投票などを行うことなど拙速な判断を行わないよう4町村の首長に対して申し入れを行いました(資料1参照)。それに対して多くの首長は、慎重に検討するとの態度を示したものの、①安全性については「最終報告」で結論は出ている、②住民の意向については、住民の代表である議会での議論で十分である、③今後議会の論議を経て首長として最終判断を行うなどの計画受け入れを前提とした極めて不当な回答に終始しました。

12月19日、北海道は、岩内原発問題研究会(代表斉藤武一)による公開質問状に対して、①道議会での論議、②地元4町村の意向、③安全協定の趣旨などから適切に判断するとの回答を行いました。また、道議会は、道議会民主党が知事に対して慎重な議論を行うよう要請を行うとともに、来年1月には参考人招致による集中審議を予定しており、経済性や必要性について一定の議論を行うこととしています。

そのような中、12月19日、泊村議会原子力発電所対策特別委員会(高谷進委員長)は、泊3号機でのプルサーマル計画容認を全会一致で決め、牧野泊村長に対して報告しました。この泊村議会による計画承認は、有識者検討会議が「最終報告」を取りまとめた14日から、わずか5日後に、地域住民への「最終報告」の説明すら行うことなく、住民の安心・安全を犠牲にするとともに、議会内での慎重なとりあつかいを求める声を多数の原発推進派の数の力で封殺し、国や北電に追随した暴挙です。

さらに、牧野泊村長は、議会報告を口実に「プルサーマル計画」を容認する姿勢を示していることは、断じて容認できません。泊村の先行については、他の3町村からも「あまりにも拙速」「配慮なさすぎる」など批判がなされています。

道民のみならず地元住民の意向すら無視し、一方的に地元4町村が容認判断を強行することは、国からの関与によらず、地方の住民の意志に基づき行うという地方自治の否定につながり、道民の健康と安全を危険にさらし、北海道の豊かな自然を脅かすことになります。

以上の情勢から、別紙ファイルの打電行動を要請します。緊急の要請ですが、積極的な取り組みをお願いいたします。

2008年12月24日付けFAX情報をダウンロード

2008年12月25日

【本部情報】勤務時間の見直しに伴う人事院規則等の主な改正事項

-この内容は単組ホームページなど公の媒体に公開することなく、組合内部の扱いに限ってください-

勤務時間短縮に関わる検討事項につきましては、すでに5月時点での人事院の説明内容を情報でお知らせしてきましたが、12月24日、人事院は、別添のとおり現在の検討状況を公務員連絡会に示しました。
ファイルのうち「時短人規改正事項081224.pdf」は勤務時間・休暇にかかわる人事院規則の改正事項として、「時短関連制度改正081224.pdf」は勤務時間・休暇以外の人事院規則の改正事項として、「非常勤職員の時短081224.pdf」は人事院規則以外の通知等として、検討されているものです。
 
なお、このことについては、1月16日に予定されている労働条件担当者会議で一定の説明をする考えです。

時短人規改正事項081224をダウンロード

時短関連制度改正081224をダウンロード

非常勤職員の時短081224をダウンロード

【本部情報】地方分権第2次勧告取扱いで担当大臣に申入れ

-真の分権改革実現と政府の責任で雇用・労働条件を確保することを求める-

公務労協は、12月24日14時15分から、鳩山地方分権改革担当大臣交渉を実施し、別紙「国の出先機関の見直し等に関する申入れ」の実現を迫った。この交渉は、8日に地方分権改革推進委員会(委員長:丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)が麻生総理大臣に「第2次勧告」を行い、政府が本年度内に国の出先機関見直しの「工程表」を策定することになったことから実施したもので、公務労協から、福田副議長(国公連合委員長)、岡部副議長(自治労委員長)、河田副議長(林野労組委員長)、竹林国交職組委員長、中村全開発委員長らが参加した。

冒頭、福田副議長が申入書を手交し、鳩山大臣に次の通り要請を行った。
(1) 12月8日に地方分権改革推進委員会の第2次勧告が出されたが、国の出先機関見直しは、地方分権の流れではなく、行政改革や総人件費削減の流れが前面に出ている。10月31日の麻生総理の「増税の前に行革徹底」発言や、11月6日の総理と丹羽分権委員長の会談で「行政改革」が触れられたことが背景になっている。

(2) われわれは、地方分権改革については、国と地方自治体の役割分担を検証した上で、地方で行う方が国民や住民にとってベターというものであれば移譲することに反対しないが、出先機関の統廃合と人員削減を打ち出して、行政改革のためのパフォーマンスにしているのは問題だ。雇用不安や公共サービスの破壊だけが進行していくのではないかということを強く危惧する。

(3) 政府は、3月末までに国の出先機関見直しの「工程表」を作るとしているが、検討の中でもう一度、地方分権改革の理念に立ち返って、改革の全体像を明らかにし、そのうえで出先機関のあり方を検討していただきたい。その際、直接現場で事務・事業を担っている公務労協と十分協議することを強く求める。

(4) 勧告の中身をみるとまず1万人とか、将来は3万5千人とか、数字が踊っている。公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することやそれを実現するための制度設計をきちんとされるよう、強く求める。

この要請に対し、鳩山担当大臣は、次の通り答えた。
(1) 今の話の趣旨はよく分かる。12月8日に出された地方分権改革推進委員会の第2次勧告は、「国の出先機関の見直し」と1万に及ぶ地方に対する「枠付け・義務付けの見直し」であるが、二重行政がないかどうかや、地方は地域によく目が届くが国の出先であるがゆえに目が届かないとすれば、それは地方に移譲した方がいいという考えからまとめられたものと受け止めている。今後、その内容に沿って、出先機関改革の今後の「工程表」となる政府の「計画」を年度内に策定すべく、検討を進めていきたい。

(2) 勧告では、出先機関改革の円滑な実施をはかるため、「職員の雇用や国と地方を通じた公務能率の維持・向上について十分な配慮が必要」とし、これを踏まえた職員の移行等の仕組みなどについて提言している。また、11月6日には総理と丹羽委員長の話に私も同席したが、二人は「今働いている人の生活がめちゃくちゃになってはいけない」「どうしたら国家公務員が円滑に移行できるか、見合った職場を探すのは大変だ」という話をしていた。私も人を無視した政策はうまくいかないと思っている。総理からも「人材の移管等は丁寧に進めていく必要がある」との指示を受けている。

(3) これらを踏まえ、今まで全体の奉仕者という立場で勤務してこられた皆様方の意見を十分にお聞きして、検討していかなければならないと考えている。

 続いて、竹林国交職組委員長が「2次勧告は、出先機関に働いている職員からは合理化、定員削減ありきにしか見えない。国土の均衡ある発展や国民の安心安全に努めてきたが、そういう議論がない。地方分権改革には反対ではないが、職員の雇用確保の問題、セーフティネットをどう整備するのか、という点を忘れないようにお願いしたい」と、中村全開発委員長は「北海道開発局は行革の度に話題になる。今年、第8次北海道開発計画が決定されたが、その評価もない。いま、道路の移管を巡って道庁と協議しているが、財政や道と市町村の分担がはっきりしないため、進展していない。国民の負託に応えて業務を進めることが大切であり、われわれや地域の意見を踏まえて検討してほしい」とそれぞれ訴えた。
 
これに対し鳩山大臣は「基本的には、お話はよく分かるので、ご要望はよく受け止める」との見解を述べた。
 
最後に、福田副議長が「今後とも話し合う場を設けるとの回答をいただいたので、それを期待したい」として、引き続き話し合っていくことを確認し、本日の申入れ交渉を締めくくった。

<別紙>
                                      2008年12月24日

         
地方分権改革担当大臣
   鳩 山 邦 夫 様

                             公務公共サービス労働組合協議会
                                      議 長  中 村  讓
 
              国の出先機関の見直し等に関する申入れ

 常日頃から、地方分権改革に向けてご尽力されていることに心から敬意を表します。
 さて、地方分権改革推進委員会は、8日、第2次勧告を行いましたが、その内容は公共サービスのあり方や当該機関に勤務している国家公務員労働者の雇用に重大な影響を与える内容となっています。
 地方分権改革は、本来、社会経済情勢の変化に対応した形で国と地方自治体の行政の役割分担を見直した上で、より地域に密着した地方自治体が国民生活に不可欠な公共サービスを住民のニーズにそって遂行できるよう見直すものでなければなりません。しかし、第2次勧告では行政改革、総人件費改革のための出先機関統廃合が優先され、国と地方自治体の事務・事業の検証が十分でなく、受け皿となる地方自治体の事務・権限や財源のあり方も先送りされ、公共サービスの切り捨てとなることが危惧されます。
 また、現在進められている国家公務員の府省間配置転換に加えて、出先機関の統廃合が行われることになれば、深刻な雇用問題の発生が想定されます。勧告は、政府に雇用責任を持たせる姿勢が極めて不十分であり、出先機関に勤務する職員は将来に対する雇用と生活の不安を一層募らせています。
 つきましては、今後の国の出先機関の見直しの「工程表」や地方分権改革推進計画の検討・策定に当たって、下記のことを実現されるよう要請します。

                            記

1.地方分権改革に当たっては、国民生活の安心・安全を支える公共サービスの確保を大前提に、国と地方の役割分担の明確化、基礎自治体が担うべき事務や役割範囲の特定等を基本として進めること。

2.政府としての国の出先機関の見直しの「工程表」の検討や地方分権改革推進計画の策定に当たっては、公務労協及び関係組合と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて作業を進めること。

2.国の出先機関の見直しに当たっては、国家公務員が雇用や生活に不安感を持つことがないよう、政府の責任において雇用と労働条件を確保することを明確にし、それを実現するための具体的な仕組みを整備すること。


                                           以 上

「公立病院改革プラン対策リーフレット」配布しています

公立病院改革をめぐって、各地方自治体・団体は、改革プランの策定の大詰めを迎えており、病院の統廃合、診療所化、運営形態の見直しの検討が進められています。

全国的にも、全適や地方独立行政法人制度導入をめぐって提案もしくは労使交渉が進んでいる単組も多くあり、当局の検討が進む中で更にその動きが強くなってくることも想定されます。

道本部は、「公立病院改革プランに関する調査」を行い、公立病院改革ガイドラインに基づく病院の統廃合・運営形態変更などの検討状況を調査し、道内の公立病院の状況把握を行い、地域医療の確保と、一方的な経営形態の変更をさせない取り組みを強化することとしています。

これらの取り組みと平行して、運動の中心となる病院職場の組織強化もあわせてすすめていくことも重要なってきます。

自治労本部(公立病院改革対策本部)が、公立病院の課題について要約した「公立病院改革プラン対策リーフレット」を作成しました。

各地本別の春闘討論集会をはじめとして、各単組の実態に応じた活用を図るために、下記のリーフレットを各地本に配布しています。

リーフレット1面をダウンロード

リーフレット見開き面のダウンロード

リーフレット3面ダウンロード

2008年アジア・アフリカ支援米運動の取り組みについて

連合・「食・みどり・水を守る道民の会」では毎年、日本や北海道の食料・農業問題を考えるとともに、世界の飢餓に苦しむ人たちへの食料援助をおこなう「アジア・アフリカ支援米」運動に取り組んでいます。

本年も、下記のとおり「茶碗一杯のコメ」「カンパ」の運動が実施されますので、各地区連合と連携しての取り組みをお願いしています。

1.期 間 2009年1月15日(木)まで

2.実施方法
(1)「茶碗一杯」のコメを職場に持ち寄るか、輸送経費等にあてるカンパの取り組みをお願いします。(どちらか、もしくは両方)
(2)コメについては、玄米・精米どちらでも可能ですが、混ぜずに区分してください。

3.コメ・カンパの集約については、所属の組合にお問い合わせ下さい。

■職場で集まったコメは地区連合等に集約し、地区連合等へは、単組・支部・分会などで取りまとめ、玄米・精米別に数量(kg)を記載して引き渡します。

■コメの国外への輸送については、支援田で収穫されたコメとあわせ、マリおよびカンボジアにむけておこなう予定(2009年2月以降)となっています。

2008年12月26日

【本部情報】2009年度政府予算案および地方財政対策についての自治労見解

12月24日に閣議決定された2009年度政府予算案および地方財政対策について、別紙のとおり自治労見解です。
また、2009年度政府予算案のポイント、地方財政対策関係資料は、以下に添付します。

なお、景気の急激な悪化を背景とする国税・地方税の大幅の減収のなかで、地方交付税は今年度を4100億円上回る15兆8千億円となっております。2009年度の国家予算案および地方財政計画の解説等は、2009年2月2〜3日で開催する「地方財政セミナー」でお知らせします。 

①自治労見解
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②政府予算案のポイント
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③地方財政対策のポイント・概要
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概要をダウンロード

④2009年度地方財政収支の見通し
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【本部情報】平成20年地方公共団体定員管理調査結果の概要等(総務省)の公表

総務省は、①平成年地方公共団体定員管理調査結果の概要、②地方公共団体における福利厚生事業の状況について(概要)、③平成19年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果、④平成19年度における地方公務員の懲戒処分等の状況について、を12月25日、別添のとおり公表しました。また、同日、公務員部公務員課長通知「勤務時間、休暇等の適正化について」を発出しました。なお、平成20年地方公務員給与実態調査結果については、今年が詳細な調査を実施する指定統計の年(5年に1度)に当たるため、2009年3月下旬に公表できる見込みとしています。

地方公共団体定員管理調査結果の特徴としては、地方公務員の総数が289万9.378人で、対前年1.8%の減、1975年の調査開始以来最少になったこと、骨太2006の「5カ年で5.7%」という要請に対し、3カ年で4.7%の純減になっていることがあげられます。

平成19年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の特徴としては、勤務時間が国より短い自治体は212自治体(11.4%)であるが、成立した勤務時間法改正(7時間45分、週38時間45分)の結果国より短い自治体は1自治体になること、男性の育児休業取得率が0.8%と伸び悩んでいること、競争試験の競争率が7.2倍で過去10年間最低になったことがあげられます。

公務員部公務員課長通知「勤務時間、休暇等の適正化について」の特徴としては、国家公務員の勤務時間を踏まえこれとの権衡を図ることとしていること、運転免許の更新とメーデーの参加を不適切な特別休暇等の制度及び運用と指摘していることがあげられます。

定員管理のダウンロード

福利厚生のダウンロード

勤務時間のダウンロード

懲戒処分のダウンロード

勤務時間通知のダウンロード

【朔風プレミアム】日本的経営と労働者の使い捨て

労働者の解雇が相次いでいる。民間の調査機関によれば、11月から09年の6月まで非正規労働者を含む170万人の雇用が削減される可能性を指摘している。

思えば90年代の初め、バブル崩壊時にも大量の解雇と賃金カットが労働者を襲った。それから経済は徐々に立ち直り、戦後最長という「好景気」を謳歌した日本経済だっった。

しかし、この景気回復過程の内実は、労働者派遣法の改悪に伴う大量の非正規労働者の誕生と一方における成果主義賃金制度の導入や低賃金政策に支えられたものだった。

労働者にとってはまったく好景気などという実感の沸かない時代だったのだ。実際、ここ10年は賃金相場は横ばいかマイナス、史上最高収益の更新が続いたトヨタ自動車でさえ賃上げを抑制し一時金などでその場をしのいできた。

このように労働者への配分を後回しにして、経営側は株主への配当だけは優先、一方で莫大な内部留保をため込んだのだった。

そして、ここへきてアメリカは発の世界的な不況と国内経済への深刻な影響も、結局労働者へのシワ寄せ、使い捨てで乗り切ろうとしている。

先日、知り合いの会社社長と話す機会があった。ちょうど、北海道新聞朝刊一面トップに「大手16社貯金33兆円」「株主重視の姿勢反映」「人員削減4万人の陰で・・・」という見出しが踊った日だった。

社長は「これだよ、これ」といって「株主重視・・・」という活字を指さした。つまり、日本の会社経営はまず社員重視、次に株主・役員という伝統が流れていた。しかし、小泉・竹中改革の頃からか、それが大きく変わりはじめたというのだ。

社長の経営する会社も、今次不況のあおりをもろに受けているという。受注が減り、前年比で大きく収益が下回っているらしい。でも「配当は後回し、会社を支えている社員を守らないと・・・」

大手企業がいとも簡単に労働者を使い捨てする陰で中小企業は日本的な経営を大事にしようとしている。皮肉なことに、日本の大企業の繁栄はこうした圧倒的多数の中小経営者とそこに働く労働者の血と汗に支えられてきたことを忘れてはならない。

来年はさらに経済危機が深化する。経団連は減員が正社員にも及ぶことを示唆している。労働組合は何をなすべきか、おおいに議論すべき時である。

(@@)

アジア・アフリカ支援米運動の取り組みについて

佐藤さまからご投稿頂いた、「アジア・アフリカ支援米運動」の取り組みについては、下記ファイルの内容で取り組みが行われておりますのでご確認下さい。

アジア・アフリカ支援米についてをダウンロード

【本部情報】公務労協が公務員制度改革事務局と2回目の交渉・協議を実施

誠実に交渉した上で、公務労協が合意できないことは実施しないよう強く求める


※この情報は単組ホームページやチラシ等には掲載せず、自治労組織内の意思統一用として取り扱ってください。

公務労協は、25日、国家公務員制度改革推進本部事務局(以下「公務員事務局」という)との2回目の交渉・協議を実施し、日の交渉で課題とした事項に対する回答を求めた。交渉・協議には、公務労協の岩岬副事務局長と構成組織の労働条件担当者が参加し、公務員事務局側は、淵上・古賀の両審議官らが対応した。

冒頭、淵上審議官から、前回交渉で課題とした2点について、次の通り見解が示された。

(1) 公務員事務局が人事院に勧告要請を行うことの根拠と立場
国家公務員制度改革基本法に基づき推進本部とその事務局が設置されており、本部は国家公務員制度の改革を総合的、かつ集中的に推進する任務がある。国家公務員制度改革の企画立案と総合調整、改革実施の推進が推進本部及び事務局の事務として書かれている。勧告要請は、基本法に基づくものであり、使用者を代表して行うものでも、中央人事行政機関たる人事・恩給局の権限に基づいて行うものでもない。しかしながら、職員の勤務条件に関わり、皆さんにとって重大な事項なので、このような場を通じて意見交換、交渉を行いたいと考えている。

(2) 公務員事務局として人事院に勧告要請すること自体は人事院の勧告機能を損なうものではなく、憲法上の問題は生じないと考えている。今、人事院とはいろいろ交渉しているが、その中で人事院も明確に憲法違反になるとは言っていない。人事院との協議の中で、憲法上の疑いがあるという指摘がなされないように気をつけて議論していきたい。

公務員事務局における勤務条件の検討と勧告要請については、公務労協側が「国公法の使用者の立場ではなく、基本法に基づいて行政府として勧告要請を行うというのであれば、労働基本権が付与された場合に労使が対等平等の立場で行う交渉に準じた対応が必要だ。誠実な交渉を行い、合意に向けて最大限努力するということだけではなく、合意が得られない事項は実施しないことを確認した上で交渉を行うべきだ。公務員事務局が勤務条件を企画立案し、合意を前提せずに一方的に勧告要請するのは憲法違反だ」と追及したが、淵上審議官は「理解を得られるよう最大限の努力を行うが、基本法で求められている事項については、合意が得られなくても、われわれの判断でやらせていただく。労働基本権制約のもとで代償措置としての人事院の勧告機能を重要視しており、締結権が認められた後の交渉のあり方に準じてと言うことにはならない」との考えを繰り返し、議論は平行線となった。このため、公務労協側はこの点については引き続き議論していくこととし、重ねて「労働基本権が付与された後と同様の条件の下での交渉を行うべきである。そうでなければ、事務局がやっていることは憲法違反に当たるというわれわれの認識は変わらない」との見解を示した。

また、憲法との関わりについて、公務労協側が「人事院総裁が国会で「憲法違反の疑いがある」と答弁していることについては、極めて重い発言と受け止めている。労働基本権の制約は労働者、使用者双方の権利を制約するものであり、その下で、政府が人事院に勧告要請を行い、勧告を踏まえた法律改正を行った後、政府が政令で勤務条件の細部を決めることは、使用者側の権利を一方的に強めることになる。また、使用者、労働者の枠を超えて、推進本部・公務員事務局という超然とした政府がそれを勤務条件の企画立案を行うこともおかしい」と指摘したのに対し、公務員事務局側は「人事院に勧告要請すること自体、われわれとしては憲法違反とは考えていないし、この問題に限らず人事院と議論しているが合意を得ている状況にない。見解の相違を無くすよう努力していきたい。なお、政府が憲法違反をするようなことはないと考えており、人事院が要請に応えないことを含めて人事院の自主的判断が担保されていれば問題はない」との見解を示すに止まった。さらに公務労協側が「人事院が「違憲の疑いあり」と言っている限り、公務員事務局として勧告要請をしないのか」と質したところ、淵上審議官は「勧告要請はするが、人事院が勧告しないだけではないか。人事院が勧告しなければ、法律の実施は止まる」と答えた。この点について、公務労協側は「政府部内に見解の相違がある状況の下で、労働組合としてどう受け止めて議論をしていったらいいのか。対立したままで強引に進めることはやめてほしい。労働基本権の制約下で、顧問会議報告にあるような政府による勤務条件等の企画立案と勧告要請、政令で細部を決めることは認められない。やるのであれば、労働基本権の付与とセットで行うべきだ」と強く主張した。

さらに、公務労協側が、「幹部職員の任用の弾力化」及び「定年まで勤務できる環境の整備」の内容を質したところ、淵上参事官は次の通り答えた。

(1) 幹部職員は、国家政策の企画立案という重責を担っており、より適材適所を徹底することにより、有能な人材をポストにつける必要がある。しかし、現状では上に行くか、横に行くかの人事しかできず、適材適所が不十分だ。そこで、弾力化する場合の要件や条件について慎重に検討している。これについては、人事院に意見の申し出を行うことは要請しない。幹部職員は一般の職員と職責が異なるし、民間の役員と類する給与になっており、労働基本権の制約の下でも違いはあり得ると考えている。

(2) 定年延長については、「再任用の原則化」ということで、体力がない場合等を除いて希望者全員を公務職場で受け入れることとしたいと考えている。定年延長については、客観的な状況がどうなっているかなど総合的に判断する必要があり、事務的にはハードルが高いと思っている。この問題については、人事院に勧告を要請するが、政府部内でも具体的検討を加速しないといけないと思っている。

これらに対し、公務労協側は①幹部職員とはいえ、公務員制度の根幹を変更する話である。大臣の意向で降任されることで本当によいのか。公務員人事の中立を基本とするのか、政治任用にするのか、根幹が定まっていないことが危惧される②雇用と年金の接続について、定年延長を先送りし、再任用の義務化で対応するというのでは不十分。段階的に定年延長を行うことを基本として、それに再任用を組み合わせるという方向で進めていただきたい、として、公務員事務局の見解を質したところ、事務局側は①幹部職員については適格性審査などの手続きを入れることにしており、そういう下支えの範囲で相対的に能力ある者を任用しようということで慎重に検討している②定年延長は、段階的に実施しなければならないし、採用抑制も必要なので、職場の受け入れ態勢を整えていく必要もある、との考えを示した。

以上のように、議論がかみ合わなかったことから、公務労協側は「検討の内容、手続きについて、われわれが納得できるよう、十分な交渉をさせていただきたい」と強く要請し、交渉を終えた。

                                        以上

【本部情報】緊急雇用対策に関して総務省要請を実施

自治労は、12月26日、急速な雇用情勢の悪化を踏まえ、自治体が行う緊急雇用対策に関する財政措置の充実を求め、総務省要請を実施した。
 
要請書をダウンロード

密田政治政策局次長より、別添の要請書に基づき、特別交付税措置される緊急雇用対策について、幅広い業務に財政措置を認めること、緊急措置に加え中長期的な観点から、雇用や住宅などセーフティネット施策の充実にかかる財政措置を継続すること、などについて要請を行った。
 
これに対し、神門自治財政局財政課課長補佐は、「この1週間で地域の雇用情勢は一段と悪化している。総務省としては、自治体の緊急雇用対策にかかる事業について、幅広く特別交付税措置の対象としていく考えである。政府としては、第2次補正に、緊急雇用創出事業交付金などの雇用対策に関わる交付金を盛り込んでいるが、具体化するまで、自治体が安心して雇用対策に取り組めるような財政措置にと考えている。具体的には来年1月以降から、3月の特別交付税の交付の直前まで、各自治体の事業内容を調査し、可能な限り、対応していきたい」と回答した。
 
最後に、自治労側から「今回の緊急避難的な対策にとどまらず、森林保全などの本来必要な財政需要に対して、自治体の財政難で十分対応できなかった分野など、中長期の雇用につながる財政措置を考えていく必要があるのではないか。今後、自治体の工夫で多様な雇用対策が行われると思うが、総務省としても積極的な支援をお願いしたい」とし、引き続きの協議を約束し、要請を終えた。

【本部情報】総務省が「公立病院に関する財政措置の改正要綱」を公表

自治労は、この間、公立病院の財政措置のあり方などについて、総務省に対して要請書を提出し、加えて、自治労協力議員を通じても、地域医療を守る観点から取り組みを進めてきました。

そのような中、2008年12月26日、総務省は「公立病院に関する財政措置の改正要綱」を公表しました。その内容は、過疎地に関する財政措置の充実、産科・小児科・救急医療に関する財政措置の充実を柱としています。

自治労としては、「公立病院の財政措置については、地方交付税の削減方針を見直し、公立病院に係る一般会計からの繰り入れ基準を改善する交付税措置の拡大が無ければ、問題の解決にならない」ことを基本に、取り組みを進めてきました。その面から見ると、今回の内容は一部ではありますが、これまでの地域の実態を踏まえたものとなっています。しかし、厳しい自治体財政や公立病院改革プランの策定という中においては、公立病院の経営は予断を許さない状況と言えます。

自治労としては、引き続き、総務省に対しての要請や来年の診療報酬見直しに向けた取り組みを進めていきます。

公立病院に関する財政措置の改正要綱をダウンロード

【四方山@道本部】道本部は本日、旗納め

あっという間に、激動の1年が終わろうとしています。
2008年は政権交代をめざし、10月の総選挙でそれが実現するはずでした。
しかし…残念ながら選挙は行われませんでした。

来年は、歴史的な「政権交代」を実現し、あたりまえの暮らしができる平和な日本にしたいですね。


道本部には、今週初めから議員のみなさんや他組織のみなさんが、年末のごあいさつで来局しています。
議員のみなさんから、『来年こそは、絶対政権交代!』が力強く語られています。
写真は、昨日から来局した順番に掲載しています。
他にも、たくさんの議員の皆さまが来局しました。


【画像】昨日12月25日に来局した逢坂誠二衆議


【画像】本日来局した小川勝也参議


【画像】本日来局した横路孝弘衆議


【画像】本日来局した荒井さとし前衆議


ここからは、道本部旗納めです


【画像】あいさつする三浦委員長

報告です
峰崎参議院議員は、悪天候で飛行機が動かないため東京です。
相原参議院議員は、昨夜札幌に戻りましたが、今朝お母様が亡くなりましたので来局できません。
ご冥福をお祈り致します。

お2人から、皆さまによろしくお伝え下さいとメッセージを頂戴してます。

道本部は、本日で2008年の旗納め、来年1月5日が旗開きです。
組合員の皆さま、1年間お疲れさまでした。

来年は皆さまにとって、また日本中の働く人達にとって良い年になるよう祈念いたします。

2008年12月28日

【本部情報】地方公務員の育児休業法一部改正と勤務時間法について

地方公務員の育児休業法一部改正と勤務時間法の4月1日施行に伴う総務省通知等について

一般職の職員の給与に関する法律等の一部改正が12月26日公布されました。このため、総務省は、同法と一括改正された地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正の4月1日施行にともなう運用と、勤務時間法等の4月1日施行にともなう人事院規則等の改定予定事項などについて、26日付で添付の通り、事務次官通知と事務連絡を各自治体に発信しました。
 
なお、添付資料のうち、勤務時間法等の施行にともなう人事院の関係資料は、12月25日にすでに情報提供している資料です。

総務省事務次官通知をダウンロード

事務連絡をダウンロード

「2009年度介護報酬改定」が諮問・答申される

〜第63回社会保障審議会介護給付費分科会〜

12月26日、厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会は、「2009年度介護報酬改定」を諮問・答申した。

介護人材の不足が危機的な状況にある中で、介護労働者の賃金と就業条件及び社会的地位の向上が急務であるとの認識で、介護保険導入後初めての介護報酬アップとなった。
 
介護報酬改定率は3%であるが、この財源は介護保険からではなく「介護従事者処遇改善法」に基づく公費で対応するという異例の措置となっている。今後の課題は、3%の改定分が具体的に介護労働者に配分されるようその仕組みづくりや検証作業となる。
 
自治労は、連合とともに、全国の介護労働者の切実な声と『介護人材確保署名』(64万5千筆)を背景に、介護報酬改定とこれに基づく賃金改善を強く求めてきた。引き続き、介護賃金の向上と検証に向け取り組みを強化していく。

連合発(総合政策局)ニュースをダウンロード

資料1介護報酬改定(骨子)のダウンロード

資料2介護報酬改定概要のダウンロード

資料3調査実施委員会(仮称)の設置をダウンロード

2008年12月31日

【逢坂議員の国会情報】国民の真の幸せのために

この14ヵ月、
「明日が選挙だ」、との心構えで、
常に活動をしてきました。

また国会は、
昨年から今年にかけては、
切れ間のない越年開会となりました。

生活にメリハリが持てず、
精神的に厳しさを感ずることもありましたが、
多くの皆さんの支えによって
何とか乗り切ることができました。

しかし、政策的には、あるいは政治的には、
日本の国政が機能していない現実を、
様々な場面で実感することになり、
心の奥に大きな石を抱え込んだような、
重苦しさを感ずる一年となりました。

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情報非公開が広く蔓延する非民主国家日本であること。

司法・行政・立法の三権の分立にはほど遠く、特に行政官が立法府を支配していること。

建前だけの分権論が跋扈し、本質的な地域主権になりえないこと。

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こんなことを痛感する一年でしたが、
だからこそ、
私がやるべき仕事があるのだとも思っています。

国民の真の幸せのために、
地域の真の元気のために、
私がやるべきことは、
まだまだ多いようです。

来年で、私がこの世に生を受けて
半世紀になります。

少し体にガタが来始めたかもしれませんが、
さらに体に鞭を入れて、
進まねばならないと感じています。

さあ今日も来年も、しっかりと前進します。

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