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【本部情報】第58回社会保障審議会介護給付費分科会報告

居宅系、地域密着型サービスの介護報酬について引き続き議論が行われる
(連合政策ニュースレター第1067号により)

厚生労働省は11月14日、都内で社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、前回に引き続き居宅系サービスと地域密着型サービスに係る2009年度介護報酬改定の議論を行った。連合からは小島総合政策局長が委員として出席した。
 
今回示されたのは、特定施設入居者生活介護、福祉用具、ケアマネジメント、短期入所生活介護、短期入所療養介護、居宅療養管理指導、夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護に係る介護報酬の論点。主な内容は下記のとおり。

【福祉用具】
○福祉用具サービスの向上、貸与種目と販売種目の整理等については引き続き議論・検討を行う
【ケアマネジメント(居宅介護支援・介護予防支援)】
○介護支援専門員1人当たり担当件数について「40件」を超えると報酬が逓減する仕組みの検討
○特定事業所加算について段階的評価の仕組みの検討
○入退院時の調整等業務に対する評価の充実の検討

【小規模多機能型居宅介護】
○在宅サービスからの円滑な移行が可能となるような方策の検討
○人員の効率的配置等、経営の効率化を促進するための基準の見直し

【夜間対応型訪問介護】
○オペレーターの質を確保した上での、資格要件の緩和

会議の冒頭、厚生労働省より『生活対策』(「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」10月30日発表)の「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」について説明があった。これは、平成21年度の介護報酬改定をプラス3%とし、それによって介護従事者の処遇改善を図ることとしつつ、それに伴う介護保険料の急激な上昇の抑制等を行うもの。65歳以上の第1号被保険者の保険料分については市町村に基金を設置し、40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料分については、財政状況の厳しい保険者団体に交付される。
 
プラス3%の改定率の根拠について、厚生労働省は、「前回改定以降3年間の賃金上昇率、物価上昇率を合わせても1%に満たない。しかし、介護従事者については人材確保難もあり、その処遇改善のために1%を大きく上回る3%とすることに政府として決定した」と説明した。
 
続いて行われた居宅系サービス、地域密着型サービスの議論の中で、連合の小島委員は、ケアマネジメント、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護、福祉用具について下記の発言および質問を行った。

・ケアマネージャー1人当たりの実際の利用者数は約27人というデータだが、担当件数40件を超えると報酬の逓減が行われることについて、見直しをすれば27人より増えるのか、検証が必要だ。
・ 地域包括支援センターは、地域の被保険者の相談事業、支援事業、虐待の防止・早期発見、権利擁護など、ケアプラン作成以外に多様な役割を担っている。ケアプラン作成は1件4000円だが、その費用で支援事業を維持できるのか。また、支援事業がどこまで行われているのか実態調査を行うべき。
・小規模多機能型居宅介護は、社会保障国民会議のサービス保障分科会でも、認知症高齢者の受け皿として大きな役割を果たすと期待されている。しかし、現場からは包括払いで他のサービスが使えないために、使い勝手が悪いという声もある。利用者数を増やすためには、サービスの併用なども検討が必要ではないか。
・福祉用具については引き続き議論・検討を行うということだが、今回の介護報酬改定では反映できないということなのか。
 
福祉用具について、厚生労働省は「できるだけ早期に調査の上、議論を行う」と答弁した。ケアマネジメントに関して、前回改定で導入された報酬の逓減制の見直しの必要性について意見が出される一方、質の担保のために35件で収支が均衡するように逓減制を導入したのであり、1人当たりの利用者数が27人に留まっていることに問題があるのではないかと指摘する意見もあった。
 
次回は施設系サービスの介護報酬について議論される予定。次回開催日は11月21日の予定。

その他委員から出された主な意見(要旨)は次のとおり。
【福祉用具】
・はずれ値の問題については、給付通知だけでよいのか。著しく高いものについては、上限を設けるなどすべき。
・安価な福祉用具はレンタルではなく、販売にすべき。
・福祉用具はメンテナンスなどにコストがかかるため、価格だけを見て判断するのはどうか。
・公定価格を設けるべき。はずれ値の業者に対しては厳しく対処すべき。
【ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)】
・ケアマネジメントを行うだけで食べていけるよう、入院・入所に関する評価、状態に合わせた評価、維持に対する評価も行うべき。
・特定事業所加算について段階的に評価するのは賛成。
・都道府県の指導監査を標準化して欲しい。
・40件を超えた場合の減算については、改善する必要がある。
・予防支援が400単位では低いのではないか。
・35件で収支のバランスが合うのか。
【夜間対応型訪問介護】
・オペレーターの資格要件を緩和する場合、どのように質を確保するのか。
・夜間が日中にも対応可能ということになれば、名前とサービスの内容について整理する必要がある。
・働く人の労働条件も考えるべき。
【小規模多機能型居宅介護】
・小規模は非常にお金がかかる。なぜ従来型のサービスから移行させなければならないのか。
・定額払いに加えて、出来高払いも検討する必要があるのではないか。
・利用者を集められないことが問題。ケアマネージャーにインセンティブを与えられるような方法を。
・ 想定より軽度の利用者が多いが、中重度認知症のスタンスは変えるべきではない。

                                         以上

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2008年11月20日 18:20に投稿されたエントリーのページです。

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