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【本部情報】人勧取扱いで人事・恩給局長交渉を実施

-「ごく近日中に勧告通り実施するとの閣議決定を行う」見込みと回答-

公務員連絡会は、11月13日9時から、総務省の村木人事・恩給局長との交渉を実施し、本年の人事勧告取扱いの作業状況を質した。この交渉は、臨時国会の会期末も迫ってきたことから、本年人勧を勧告通り実施する内容の閣議決定と、関係法案の早期国会提出を迫って実施したもので、公務員連絡会側は書記長クラス交渉委員が参加した。
 
冒頭、吉澤事務局長が、9月24日の交渉以降の、本年人事院勧告の政府における検討状況、今後の見通しを質したのに対し、村木局長は「総務省としては、この臨時国会に法案を提出するという方針で作業をしてきたが、近日中に、第3回給与関係閣僚会議が開催される予定であるので、本日は現時点でお話できることを申し上げたい」として、次の通り答えた。

1.給与・勤務時間勧告について
人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置の根幹をなすものであり、政府としては、同制度を尊重するとの基本姿勢を堅持してきたところである。

国家公務員の勤務条件を取り巻く環境には極めて厳しいものがあるが、総務省としては、本年の給与及び勤務時間に係る勧告について、従来からの基本姿勢の下、国民の理解を得られるような結論を早急に得るべく、国政全般との関連を考慮し、誠意をもって検討を進めてきたところである。

その結果、近日開催予定の第3回給与関係閣僚会議では、勧告どおり実施する旨の決定がなされるものと思料している。

なお、給与構造改革の今後の取扱いについては、昨年度の取扱方針の閣議決定において、人事院に対し、公務員給与について地域の民間給与をより一層反映させる方策の検討を要請したところである。さらに本年度の閣議決定においても、昨年度と同様の趣旨から、来年の勧告において地域別官民給与の実態を公表すること等について、改めて人事院に要請することを予定している。
 
人事院は、本年の人事院勧告時の報告において、給与構造改革期間終了後の取組として、地域における民間給与の状況等を踏まえ、引き続き地域間の配分の在り方を検討することとしており、今後、人事院において、地域における民間給与等の実態についての調査等が行われるものと考えている。

2.人事評価について
リハーサル試行については、7月3日付の「人事評価のリハーサル試行実施要領」に基づき、各府省において進められているところであり、その実施状況は、今月7日に総務省ホームページに掲載したところである。

政令の策定は行革事務局において行われるが、総務省としては、今後とも職員団体と十分に話し合うことは必要であると考えている。

3.非常勤職員について
非常勤職員の職務の内容や勤務形態は多種多様であり、その処遇等について一律に取り扱うことにはなじまないことから、まずはそれぞれの職員の勤務実態をよく知る各府省において給与法等の趣旨に沿った適切な対応がなされるべきものと考える。
 
その上で、人事院が本年の報告を踏まえ、給与に関する指針を策定するとともに、同報告において、「休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい」とされているところであり、今後、各府省の対応状況の把握なども含め、人事院及び必要に応じ他の関係機関とも連携しつつ、適切に対応してまいりたい。

4.公務員制度改革について
国家公務員制度改革基本法に規定された事項については、内閣に置かれた国家公務員制度改革推進本部を中心に検討が行われているが、公務員制度を所管する総務省としても、法律の基本理念、方針の趣旨を踏まえつつ、今後とも国家公務員制度改革の推進に連携・協力をしてまいりたい。

5.退職手当法について
退職手当法の改正については、現在、鋭意法制化の作業を進めており、法案の国会提出については、給与法及び勤務時間法の改正法案と同時期を目指して関係各方と調整しているところである。
 
退職手当については、職員の重要な関心事項であり、総務省としては、今後とも職員団体からの意見は十分承ってまいりたい。

これに対して、公務員連絡会側は、次の通り、さらに局長の見解を質した。
(1) 本年の人勧について勧告通り実施するとの閣議決定を行う方向になったことについては総務省の努力を多としたい。なお、最終的には総務大臣との交渉の場で確認したい。

(2) 閣議決定に当たり、昨年の要請に続いて「地域の民間給与をより一層反映させる方策の検討」を要請するということであるが、人事院に対する「政治的介入」であり、到底認められない。この点は大臣交渉でも、申し上げざるを得ない。
特に問題なのは、なぜ来年、地域別官民給与の実態の公表を要請するのかということだ。2010年度の給与構造改革の完成を待って人事院が主体的に検討を進めるべきではないか。

(3) 非常勤職員の問題については、①まず職務や雇用形態等についての実態把握を行うこと②その上で問題解決に向けて検討する場を設置することを要求してきたが、今日の回答は、すべて各省まかせであり、総務省としての主体的取組みが明らかとなっておらず不満である。制度官庁として具体的に取り組む姿勢を示していただきたい。

これに対し村木局長は、次の通り答えた。
(1) 人事院に対する要請は、労働側が人事院に対して要請するのと同じで、使用者としての要請であり、おかしくない。それを踏まえて、あくまで人事院がどう判断するかということだ。来年はデータぐらいは出してほしいということであり、人事院に対し政治的圧力をかけるものとは考えていない。いずれにしても、人事院が責任をもって判断することになる。

(2) 非常勤職員の問題については、まずは各府省が自覚を持って対応してもらうことが第一であると考えているが、総務省として何もやらないということではない。各省の取組みをみて必要があればそれをフォローしていきたい。任用や雇用形態のなどの制度的問題は、政府全体の課題であり、総務省としても人事院と相談もしている。大きく困難な課題であるが、検討は誠心誠意進めていきたい。給与の指針が出たので、まずそこから始め、各府省の対応を見て、適宜考えて行きたい。

以上のように、村木局長が人事院への地域給与に関する要請や非常勤職員の問題について、納得できる見解を示さなかったことから、公務員連絡会側は本日夕刻に予定されている総務大臣交渉でさらに追及することとし、吉澤事務局長が「公務員に対する風当たりは強いが、現場で頑張っている公務員に報いるために、関係法案が会期内に成立するよう努力願いたい」と申入れ、局長交渉を締めくくった。
 
(注記)退職手当法の改正について

2007年10月30日の人事院勧告の取扱いにかかわる閣議決定において、公務員による不祥事の発生を踏まえ、「不祥事を起こした国家公務員に対する退職手当の取扱いについて、総務省において制度の在り方に関する検討会を開催し、来年の春までを目途に結論を得る」とされた。
このことから、2007年11月28日に検討会が発足し、2008年6月4日に報告書が明らかにされた

公務労協は、1月18日と5月14日の2回にわたり、検討会で意見を述べているが、5月のヒアリングでは、
①返納事由の拡大とその範囲、②支給制限制度の在り方及び一部支給制限制度を創設した場合の基準、③遺族への支給制限及び相続人からの返納制度、④返納命令を行いうる期間の限定、⑤支給制限・返納処分の手続き、の5点にわたり具体的に意見を述べた(資料参照)。
公務労協の意見はおおむね取り入れられる結果になったが、①相続人からの返納については制度化すべきではない、②支給制限・返納処分の手続として、専門的な第三者機関の関与は当然のことであり、人事院に行わせることとすべき、③法律で支給制限等の程度に関する基本的な基準(「過去の功績の没却」の程度との関係が基本と成るべき)を明記すべき、という3点は、課題として残されている。
このことから10月28日の総務省人事・恩給局次長交渉で、公務員連絡会は改めて「退職手当法改正の大枠について反対はしないが、一部に課題が残されており、それが解決するよう引き続き十分交渉・協議すべき」と申し入れた。

以上のことを踏まえ、今回の退職手当法改正については、引き続き政令における課題解決に努力することを前提に、人事院勧告にもとづく給与法改正、勤務時間法改正とあわせて閣議決定、法案提出することを求めたものである。

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2008年11月13日 17:39に投稿されたエントリーのページです。

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