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【本部情報】第5回地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会

第5回研究会は、11月7日(金)14:30〜16:40、総務省8階会議室で行われた。今回は、前回配布された事務局提案の「短時間勤務のあり方に関する論点(案)」<参照:資料1>のうち、「2 臨時・非常勤職員の任用の在り方について」の「(2)同じ人を反復して任用することをどう考えるべきか」と、「3.任期付短時間勤務職員制度の在り方について」の「(1)現行制度の周知・活用について」、「(2)制度を活用できる現行の要件について」の議論を行った。

【2 臨時・非常勤職員の任用の在り方について (2)同じ人を反復して任用することをどう考えるべきか】

非常勤職員の任期を「原則1年以内」とし、一つの団体での繰り返し任用の最長を「3年または5年」とすることが事務局より提案され、これを中心に議論を行った。繰り返し任用を「3年または5年」とする理由は、労働基準法第14条(契約期間)との関係と、総務省調査で通算の最長任用期間が3年、5年の自治体が多くあったことによる、との事務局の説明であった。

この提案に対して、江﨑委員(自治労労働局長)は反対し、次の通り発言した。
○非常勤職員の任期の最長を3年でくくれるのか。消費生活相談を例にすれば、3年で新たな人に変わっていくとしたら、相談業務は回っていかない。臨時・非常勤等職員は、行政サービスの拡大と常勤職員の定員削減を背景に増えてきた。理論的な話だけでは解決しない。実態を見て議論すべき。

他委員からも、次の通り、反対・慎重の向きの意見が繰り返しあった。
○非常勤職員の多くが任期付短時間勤務職員に移行することは難しいので、「原則1年以内」は慎重に考えるべき。むしろ、出口の任期付短時間勤務職員制度の要件緩和をしっかり考えるべき。
○原則1年とすることは、働くインセンティブの問題にも影響する。
○杓子定規にやると、この研究会が意図しない結果になるのではないか。
○予算、定員の観点といった理由で、原則1年とすることに疑問である。
○原則1年としながら、専門的な業務を最長3年、5年とするのは矛盾している。
○職種によっては、最長の通算任期を3年や5年とするのが難しいものもあるので、最長のとり方は自治体側に任せるベき。
○最長の任用については、理論的には割り切れないことを前提に議論すべき。

一方、他委員で事務局提案に賛成する向きの意見は、次の通りあった。
○「原則1年」は、予算、定員の観点から心配して書いているものではないか。
○臨時・非常勤等職員の問題が長年放置されてきたのは、自治体側がずるずると繰り返し任用してきたことにも問題があった。「原則1年」を改めて認識してもらうことは大事。ただし、10年、20年と任用されてきた人は救済措置があるべき。
○地方公務員には能力実証主義の原則があるので、1年の能力実証をし、再度任用されるのかしないのかということになる。

このように意見が分かれた中で、座長は、反復任用の問題について「地方公務員法の原則を法律の範囲内で考える必要がある」と述べたうえで、「次回の研究会報告書案では今日出た意見を工夫して書いていただきたい」と事務局に要請した。

これを受ける形で、事務局からは、次の通り説明を行った。
○任用の最長は、絶対に3年、5年だとは言いきれない。3年、5年は目安としてある。それ以上は訴訟リスクが出ますよ、ということだと思う。
○任用の最長の原則については、スタンダードはないが、こういう理屈もあるということを示すことではないかと思う。
 
また、論点(案)2-(2)‐③「再度任用の勤務条件の在り方」については、江﨑委員からは「ア.イの文中には、キャリアはイメージされるべきである」、また他委員からは「職種によって職務給か、能力給かということもあるが、能力を伸ばしていく要素があれば、職能給を入れるべきである」との発言が行われた。

【3 任期付短時間勤務職員制度の在り方について (1)現行制度の周知・活用について (2)制度を活用できる現行の要件について】

委員からの意見では、現行の要件を広く緩和すべきとの立場からの意見が多数、出された。論点(案)のなかでとくに焦点になったのは、(2)-①‐イ「資格が必要とされる職務など常勤職員と同様の業務」への要件緩和についてであった。

江﨑委員からは、「任期付短時間勤務職員制度を広く活用できるよう、できるだけ間口を拡大すべき」と発言した。

他委員の主な発言は、次の通りである。
○要件である「一定期間に終了・増加する業務」は、制約になるので必要無い。
○論点案にある「資格が必要とされる職務」は制約になるので、必要無い。
○任用できる業務は、「常勤職員と同様の本格業務」とすべき。
○任用できる業務は、非常勤職員を任期付短時間勤務職員に移行できるようにするためには、「本格的業務」に限定する必要はない。
○消費生活相談では、「常勤職員と同様の業務」とした場合、常勤職員がいなく非常勤職員の相談員だけで対応している場合があるので、支障がある。
○非常勤職員と任期付短時間勤務職員を自治体で使い分けできるようにすべき。
○任期付短時間勤務職員制度は、人件費などのコスト増の制約がある。

なお、事務局からは、次の説明があった。
○公務員制度は任期の定めのない常勤職員が原則である中で、任期付職員法は「例外」的制度として平成14年に施行され、さらにこの「例外」を広げるものとして、国に無い任期付短時間勤務職員制度が平成16年に施行された。この経緯を踏まえ、対象範囲の限界をどこで設けるかということを議論していただきたい。
○資格には、国家資格、国が認定し民間で取得する資格、民間でやっており社会的に認知される資格(例えば臨床心理)、名称が独占的に使っているもの(保育士など)、必置規制で置かなければならないもの(保育士、児童福祉士など)が考えられる。資格は、業務との関連性で必要とされるものと考える。
○資格では足りないので、「実務経験」をうまく捉えたい。研究会報告書では書けるのだが、制度化(法律に書く)にあたっては悩むところである。

最後に、座長から、「次回11月20日は、論点(案)で議論していない残りの3-(2)-②以降を議論する。また、研究会報告書(案)のドラフトを事務局に出してもらい、報告書案の検討にも入いりたい」として、議事を終了した。

第5回研究会配布資料
第5回次第をダウンロード
短時間勤務のあり方に関する論点をダウンロード
臨時・非常勤職員関係条文のダウンロード

当日の詳細なやり取りについては、後日総務省ホームページに公表されますのでご覧下さい。
研究会・総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html

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2008年11月10日 15:44に投稿されたエントリーのページです。

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