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【朔風プレミアム】吹き荒れる解雇と労働者

解雇。もう日常茶飯事の出来事かもしれないが、金融危機を背景に一層、厳しく労働者に襲い掛かるかもしれない。いや、現実は始まっているのだ。

今朝も、朝日新聞の社会面で不動産賃貸の家賃保証会社「リプラス」がサブプライム問題の影響で外資が撤退、倒産に追い込まれ、社員が「即時解雇通知」という紙一枚で首を切られたという取材記事が目に飛び込んできた。

朝のニュースでは、倒産したホテルの従業員が解雇され、納得できず自主再建、自主営業しているという話も報道されていた。

道内では「木の城たいせつ」破綻による解雇問題が記憶に新しいが、会社の都合による解雇、破産による解雇など労働者を路頭に放り投げるこうした事態は枚挙にいとまがない。

再就職も簡単ではない。前述の「リプラス」の場合も譲渡先に行く社員もいるが全員ではない。50人ほどで組合を立ち上げ、給与の支払いなどを求めている。

私が、毎朝散歩中に通る公園にトンネル型の滑り台があり、その狭い中に野宿している人がいる。もう雪が降るという寒さの中でいつまで続くだろうか。

解雇され、再就職できない。僅かばかりの失業保険、ハローワークに通う。しかし、ここで自分にあった仕事を見つけることはかなり難しい。頼れる親や家族もいない。

「失業の不可避性」という原論的な話ではなく、日本の政治や社会制度はこの問題に有効に機能しているかどうかが問題なのである。

日経連「新時代の日本的経営」から13年、戦後日本の労働慣行は破壊され、労働分野の規制緩和が進んだ。

しかし、拡大される非正規労働者の待遇や社会保障制度の不備、転職や再就職支援などは全く過去の正規・終身雇用制度を前提としたままなのだ。

仮に再就職できても、最低賃金ぎりぎりの給与では家族生活を維持し人間らしい生活をおくることは難しい。

小泉・竹中構造改革の総括がないまま、また金融危機と背景とした賃下げと解雇・リストラの嵐が吹き荒れようとしている。

明日はアメリカ大統領選挙の投票日。金融危機にもかかわらず淡々と政治日程をこなすアメリカ。対照的に政治日程を先送りする日本。

給付金などどいう偽善に惑わされることなく、労働者のめの政府をつくろう。経済を変えることができるのは政治である。政治を変えることができるのは他ならぬ額に汗して働く労働者である。

(@@)

コメント (2)

逢坂です。

御指摘のように、地域の雇用情勢は本当に酷いものです。

その一方で、経営者も大変です。

水産加工や縫製業界では、外国人研修生に頼らざるを得ない現実があります。日本人労働者だと長続きしない、そもそも求職がない、そしてコストが合わない等の理由によって、外国人研修生を安価で都合の良い労働力として使い続ける現実があります。

しかし、この外国人の皆さんは、研修生ですから、一般の働き手と違いある一定の制約があります。したがって、この研修生の確保が、徐々に厳しくなっているのも現実です。そうなれば経営が立ち行かないと懸念する経営者もたくさんおります。

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厚生労働省や法務省は、こうした現実を知っておりながら、杓子定規な責任逃れ的な対応しかしていません。

そもそもは、こうした労働環境を作ってしまったことに問題があるのですが、現実を見据えて何をすべきか、悩む日々です。

イモ:

道内各地で、とりわけ水産加工の現場には多くの外国人(中国が多数)研修生がきています。

いずれも、研修とは名ばかりで過酷な労働が強いられているのが現実でしょう。

最賃を下回る低賃金ですが、彼らにすると、結構な収入になるようです。

ひろく外国人労働者に対する法的な政策は未整備の状態かと思います。

経営的には厳しいかとは思われますが、日本人と同じ賃金や労働条件を確保するというのが基本ではないでしょうか。

法的な規制を検討すべきだと思います。

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2008年11月03日 18:47に投稿されたエントリーのページです。

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