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【本部情報】第4回地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会(報告)

第4回研究会は、2008年10月20日(月)14:30〜16:40、総務省8階会議室で行われた。前半、総務省による臨時・非常勤職員に関する実態調査結果の説明があり、後半には、研究会事務局による「短時間勤務のあり方に関する論点(案)」が提案され、質疑・討論が行われた。

【臨時・非常勤職員に関する実態調査結果について】
前回研究会では、調査のうちの都道府県分の暫定版の説明であったが、今回は、全地方公共団体の臨時・非常勤職員数(職種別・団体区分別・任用根拠別)が示されたほか、団体区分別に、任用根拠別の臨時・非常勤職員を活用する理由、職種別の再度任用の状況、勤務時間、報酬・費用弁償等の状況等が出された。なお、全地方公共団体の2008年4月1日現在の臨時・非常勤職員数は499,302人であった。

【短時間勤務のあり方に関する論点(案)について】
冒頭、論点(案)全体を事務局が説明し、その後、自治労労働局長である江﨑委員を中心に、以下のようなやりとりがあった。なお、今研究会では、2(1)までの議論となり、以降は次回に持ち越されている。

1.基本的考え方について
江﨑委員は、最初に、「『常勤職員との均衡待遇』を原則として明示すべき。とくに、2以降の勤務条件との議論とも大きく関係してくる」と発言。また、ほかの委員からは、「②に『働く側の志向』との文言が出てくるが、2以降、この視点はどの部分に出されてくるのか」「『任期の定めのない常勤職員』が公務運営の基本との原則の下にあるものをさらに明記すべき」などの意見が出された。
それに対し、事務局は、「個々の勤務条件のあり方の中で、常勤職員との比較が必要かどうかの議論を行うことになるのではないか。ここでは、任用のあり方としての原則を総論として書いているものである」「例えば、2(1)②の勤務条件等の明示は、働く側の志向を考慮して行うべきとの考え。『人事管理上の要請及び働く側の志向』と表記したのは、制度のあり方を考える上での視点である」と回答。座長が「2以降の議論をした上で、再度議論してはどうか」と提案した。

2.臨時・非常勤職員の任用のあり方について
(1)採用等にあたって人事管理上どのような点に留意すべきか
冒頭委員から、「①イについては、特別職非常勤のみの厳格適用を記載しているが、一般職非常勤あるいは臨時職員についても、相当緩やかに運用されている実態にあるのではないか。バランスをとるのであれば、すべて厳格適用ではないのか。また、任期付短時間勤務職員と一般職非常勤との関係はどうなっているのか。任期付短時間があるならば、極端に言えば、一般職非常勤の規定は不要なのではないか」との意見が出された。

これに対し、江﨑委員は、「一般職非常勤は概念として周知されていないのではないか。特別職非常勤職員数は、総務省調査を見てもとても多いなか、仮に、特別職非常勤職員の任用を厳格にするとした場合、現在、特別職非常勤職員とされているかなりの者を、任期付短時間勤務職員や一般職非常勤職員の職と位置づけ直すことがほんとうにできるのか。また、特別職以外も厳格適用とした場合、現在のままでは任期付短時間に移行できない部分も十分想定されてしまう。一般職非常勤職員の位置づけの明示や任期付短時間職員の要件緩和など、自治体が活用しやすいようにすることが必要」と発言。

事務局からは、「さまざまな実態がある中で、位置づけ等がクリアになっていない部分もあるのではないか。現在あるカテゴリーを失くすことまで考えうるのか、移行可能な部分を提示していくのかは今後の議論」との回答があり、また、座長は、「自治体が惰性的にやってきたものがあったとしたら、任用根拠を明確にする必要はあるだろう」とした。

また、江﨑委員は、「民間では、パート労働法が『パート労働者の保護』という趣旨に沿って制度改正され、差別取扱いの禁止や常勤職員との均衡という考えが盛り込まれた。差別取扱いの禁止の対象となるパート労働者は極めて少数かもしれないが、公務においても、このような考え方が取り入れられるべきだ」「非常勤職員についても、手当相当分の支給は可能とすべき」と発言。ほかの委員からは、「『報酬等』としているものの具体的内容と考え方を書き込むべき」「報酬水準を設定するうえでの考え方はどのようになっているのか。あくまでも『職務給の原則』に基づいているというのが原則なのではないか」といった意見が出された。

最後に座長が、「現行制度の認識はある程度一致してきたものと考えるが、今日の議論を踏まえ、どのように書き込んで整理していくかを次回以降もさらに議論していく」とまとめ、終了した。

なお、調査結果については、データが総務省ホームページに公表された時点で、また、論点(案)に対する詳細のやり取りについては、出席委員確認後の議事録が公表された段階で別途、情報提供するので参照されたい。

短時間勤務の在り方に関する論点(案)をダウンロード

研究会に関する総務省ホームページ資料: http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html

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2008年10月21日 17:59に投稿されたエントリーのページです。

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