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【逢坂議員の国会情報】国に縛られすぎの自治体財政=「不正経理」報道の本質

一昨日あたりから、こんなニュースが流れています。

== 以下、そのニュース ==

12道府県の国庫補助金事業で不正経理があり、その額が数億円に上ることが18日、会計検査院の調査で分かった。

12道府県は北海道、青森、岩手、福島、栃木、群馬、長野、岐阜、愛知、京都、和歌山、大分。

無作為に選んだ12道府県すべてで不正経理を確認した。

約半数の自治体で事務用品を発注し購入したように装い、業者に資金をプールしていたことが判明。

単独事業なのに国の補助金から経費を支出する不正流用、国の補助金で雇用したアルバイトを県単独事業に流用するなども見つかった。

== こんなニュースなのです ==

まず、「預け」、「裏金」、「私的流用、つまり横領」など、絶対に許してはいけない問題があるのは事実です。

しかし、それ以外に、たぶん国も自治体も、そして会計検査院もこれまではある意味で了解をしていた内容が多く含まれるのが今回の案件ではないでしょうか。

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この会計検査院の発表に関し、マスコミが一気に反応していますが茶番です。

マスコミの皆さんは、もっと実態を調査し、問題の本質はどこにあるのかを認識してから、すなわち会計検査院の上を行く情報を手にしてから報道を加熱させるべきです。

国の発表をそのまま報ずるのは危険です。

(真の問題の所在は、 補助金制度と単年度予算主義、縦割り行政、国に縛られ過ぎの自治体財政などです。)

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さらに都道府県幹部が陳謝していますが、あれらのほとんどは、心から悪いと思っていないはずです。

一部、真の実態を知らない首長の中には、本当に申し訳ないと思って陳謝している方もいるでしょうが、
実態を知っている首長は、「何を今さら」と思っているはずです。

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私自身も、「預け」、「裏金」、「横領」など絶対に許せないこと以外の今回の色々なことに呆れていす。

まず会計検査院ですが、今までこんなことを知らなかった筈はありません。

なぜ今、こんなことを指摘するのか…、理解に苦しみます。

今まで知らなかったなら、会計検査制度は形骸化していることの証明かもしれません。

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霞ヶ関の皆さんに言いたいのです。

予算を残さないようにこうしたことを(陽に暗に)誘導していた事実、慣行をどう考えるのでしょうか。

これを自治体だけの問題にするならば、自治体一揆が勃発してもおかしくない、そんな問題です。

つまり国は、どんな形であれ、予算消化だけを金科玉条のように自治体に求めていたはずです。

私自身も、20年前のことになりますが、ある事業を効率良く進め補助金を残したことがあります。
そうしたところ「事務費などで 何とか消化しなければ始末書ものだ」と国から迫られたことがあります。

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自治体幹部の皆さんが、本気で謝っているとは私には思われません?

事情を知らない幹部の方は、本気で謝っていると思います。

しかし、ここ20年ほどの補助事業の現場を知っている幹部の方は、空々しい思いで謝っているはずです。

「何を今さら、みんな知っているよ。 国にだって、こうしたことを理解しながらやっていたはず。」

こんな気持ちじゃないかと思います。(もちろん繰り返しますが、裏金、預け、横領等は悪いことに決まっています。)

マスコミの皆さん、本当のことを知ってから報道を加熱させて下さい。

国から出される情報に安易に翻弄されていませんか?

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少なくとも私が知る限りこんなことは、25年前から常態化しています。

にも関わらず、なぜ今、こんなことが発覚するのですか?

なぜ今まで、天下の会計検査院が問題を分からなかったのですか?

こんなことも検証せずに、報道しているマスコミは、もしかすると権力の発表を単に増幅するだけの国民の敵なのかもしれません。

とにかく問題意識を持って報道しなければ、この国の将来を誤ります。

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この報道のとおり進むと分権とはかけ離れた、中央集権的な財政制御がさらに進むものと思います。

問題の本質はどこにあるのかを良く考えなければなりません。

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2008年10月21日 08:06に投稿されたエントリーのページです。

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