道本部大会が終了した。
参加したひとり一人がそれぞれの感想を抱えて、職場に戻っていったことだろう。
もっと発言したかったが代議員も多かったに違いない。
私は2日間の議論を聞いていて「事件が現場で起きているんだ!」という織田裕二のセリフを思い出してしまった。この「事件」とは、今の自治労がいや労働運動がかかえる課題のことである。
そして、この「事件」に道本部はどんな思いを伝えようとしているのか、そんな叫びが聞こえたのだ。
市場万能主義、競争の激化と格差の拡大・・・、これはどこか別の世界の話ではない。いま、自治体の現場で静かにそして広く滲みこみつつある事象なのだと感じた。
臨時非常勤等連絡会議の報告は非正規雇用が自治体職員の3割に達していることを指摘した。
足寄の代議員は、あきらめていた昼休みの帰宅時の事故を通勤災害に認定させたことをあげ「職場で個人主義化が進んでいないか」「となりの組合員がなにか困っていないか」労働組合の原点を強調した。
今、猛烈な競争と分断、そして差別が知らず知らずのうちに私たちの自治体の現場に広がっていないか。だれもがうすうす感じながら毎日を過ごしているのではないか。そしてこの「事件」を「自己責任」ということで片付けているのではないか。
一方で、鷹栖の山田代議員、平取の崎広中央委員が「指導部の思いが伝わる運動」「熱い運動」などと発言した。思えば、昨年の大会でも「顔の見える道本部運動」ということが強調された。
労働運動の原点はなんだろか。それは団結すること。いいかえれば競争の排除ということでもある。道本部が現場に思いを馳せた運動の構築を急ぐことはもちろんだが、
今問われているのは、私も含めて大会に参加したひとり一人が、職場での「事件」にどう向き合っているのか、向き合ってきたのかということを振り返ることではないだろうか。
「自由、公正、連帯」スローガンに終わらせてはならない。来年の大会では「現場」と「道本部」それぞれどう克服しようとしたのか、もう一歩前に進めた議論をできたらいい。
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