時事通信社は、福田首相の突然の辞任を受けて、以下の「衆院選シミュレーション」を発表している。
年内解散の可能性が相当高まっている。
以下、引用。
◎「10月解散、11月総選挙」も=首相交代で-衆院選シミュレーション
福田康夫首相の退陣表明を受け、自民党は後継を選ぶ総裁選へ走りだした。一方、民主党代表選は小沢一郎代表の無投票3選が固まっており、臨時国会では速やかな衆院解散・総選挙を求めて対決姿勢を一層強める構え。「ポスト福田」に誰が選ばれるにせよ、新政権は事実上、「選挙管理内閣」の性格を帯びることになりそうだ。
◇広がる年内解散論
「2代続けてこんなことになった以上、早期に衆院選をやらないといけないだろう。国民が納得しない」(自民党町村派若手)。首相の唐突な辞任表明を踏まえ、与党内には年内解散の流れが強まったとの見方が広がっている。
安倍晋三前首相に続く福田首相の「政権放り出し」は、小泉純一郎首相(当時)の下で行われた2005年の「郵政選挙」以降、自公政権が一度も衆院選という国民の審判を受けていないことに根本原因がある。首相が交代しても、その「正統性」に疑問符を付ける野党が重要法案の成立に協力する可能性は極めて小さく、自民党重鎮は「解散時期をずるずる延ばしたって、状況は変わらない」と強調する。
総裁選は、国民的人気の高い麻生太郎幹事長を軸に展開する見通しで、対抗馬には小池百合子元防衛相らの名前が挙がる。
自民党内では新首相に対する「ご祝儀」効果に期待する向きがあり、ベテラン議員は、臨時国会で経済対策を盛り込んだ08年度補正予算案を成立させた直後の10月解散、11月総選挙の公算が「非常に大きい」と指摘。早期解散を目指して福田首相に圧力を掛けてきた公明党からも「転がり始めると止まらない」との声が上がる。
ただ、民主党が補正予算案に反対し、衆院通過から30日後の自然成立を待った場合は、「11月解散、12月総選挙」になるとの見方も出ている。一方で、最も早い年内解散のケースとして、臨時国会冒頭で選出される新首相が組閣と所信表明演説などを行った後、直ちに打って出る可能性もある。
◇予算編成し通常国会冒頭解散
新首相が年末に09年度予算案と、定額減税を盛り込んだ今年度第2次補正予算案を編成。それへの賛否を問う形で、来年1月に召集される通常国会冒頭で解散、2月総選挙に踏み切るケースも想定される。
与党内では「2次補正」を成立させてから解散するシナリオも取りざたされるが、定額減税には民主党が批判的なため、予算関連法案の成立には憲法の「60日ルール」に基づく衆院再可決が必要となるのは避けられない。
◇実績示し、来春以降に解散
これに対し、自民党閣僚経験者の一人は「解散は、新首相の下で09年度予算を仕上げてからだ」として、予算が成立する来年4月以降が望ましいと主張する。「首相交代による政権浮揚効果は限定的」との理由からだ。
9月の任期満了選挙に言及してきた自民党の古賀誠選対委員長も2日の民放テレビ番組で、「今のような経済状況の中、国民生活を考えなければならない。しっかりした政策を積み上げることが大事だ」と改めて強調した。ただ、来春以降の解散となれば、夏の東京都議選と実施時期が近づくことになり、公明党が反発するのは確実だ。(了)