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【本部情報】第2回地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会(報告)

総務省に設置された「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会」は、8月25日15時より、第2回研究会を開催しました。

第2回研究会では、地方公共団体からのヒアリングとして、東京都と藤沢市から、当該自治体における短時間勤務職員の状況報告と質疑が行われ、ヒアリング後には、委員間で意見交換が行われました。
 
審議概要は、以下のとおりです。
 
なお、次回研究会は、9月25日に開催され、職員団体からのヒアリングが実施される予定です。
また、研究会の配布資料・議事録は総務省ホームページに順次公表されますので、ご覧下さい。

http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/tanjikan_kinmu/index.html 

1.東京都からのヒアリング
【報告の概要】 別添1に基づき報告が行われた。
○東京都では、一般職の任期付職員採用法4条(任期付・常勤)と5条(任期付・短時間)に基づく採用実績はない。
○1992年に、臨時・非常勤職員に係る取扱要綱を整備し、①専門的非専務的・臨時的非常勤、②専務的非常勤、③臨時職員に分類して、活用している。
①専門的非専務的・臨時的非常勤は、医師・看護師など専門的資格などに基づく高度専門的業務に従事する非常勤職、統計調査委員や看護学校時間講師などその都度の業務の必要性に応じ従事する非常勤職。いずれも雇用期間1年、月勤務16日以下。
②専務的非常勤は、消費生活相談員、婦人相談員等行政支援の業務に従事する非常勤職。雇用期間1年、月勤務11日〜16日。
③臨時職員は、補助的業務従事。雇用期間は原則2月以内、最大6カ月。
○②専務的非常勤については、勤務成績良好等であれば4回まで更新(5年間勤務)できる。
○任期付短時間勤務制度を導入していない理由は、①すでに臨時・非常勤

→すでに現行体系で専門的に活用しているので転換の必要性はない。また、当該専門的非専務的非常勤の従事する職は多様で取り出しが難しい。
○非常勤職員制度の方が柔軟な勤務態様に適しているということか。
→従事する職の内容からマッチしている制度を選択している。短時間勤務職員制度は活用しづらい。
○現行の短時間勤務職員制度の要件を緩和したとしても、短時間勤務職員に移行しないのではないかと感じたがどうか。
→是が非でも活用したいとは考えていない。

2.藤沢市からのヒアリング
【報告の概要】 別添2に基づき報告が行われた。
○藤沢市では2005年から任期付短時間勤務職員制度を導入、非常勤職員から19人が任期付短時間職員に転換した。現在、50人の短時間勤務職員がいる。
○主要業務は、藤沢市内の13行政区に設置されたセンターにおける地区福祉窓口である。
○勤務時間は1日8時間、週4日勤務。
○導入効果としては各所属管理の非常勤職員と異なり人事主管課の管理となったこと、および定数抑制効果があるということ。
○しかし、任期付短時間勤務職員の定着率が芳しくないという問題点がある。

【質疑応答】
○任期付短時間勤務職員の任期はどのようになっているか。
→最初1年。勤務成績良好ならその時点で2年。都合3年。任期付職員採用法7条に基づく措置である。
○退職状況はどのようになっているか。
→2005年は19人採用で5名退職、2006年は10人新規採用、4人退職、2007年も5人退職。退職理由は、任期があることから出産・育児等にかかると退職を選択するため。
○3年経過後の再更新の折の手続きはどのようにしているか。
→選考採用を実施し、あわせて定数不足分は公募。少なくとも1回目の更新は選考採用で継続して任用するが、これを拡大するかは不明である。

3.委員間意見交換
【江﨑委員(自治労労働局長)の主な発言】
○短時間勤務職員制度の導入を行った自治体は、現行の制度はやはり要件が厳しすぎる、とりわけ、任期を要件としたことがハードルとなっていると言っている。任期に係る事項について柔軟な制度設計が必要ではないか。

【他委員の主な発言】
○非常勤職員の任用根拠は地公法3条3項3号の特別職としている例が多いのではないか。特別職は労働者性が低いイメージの職が想定され、本来、特別職でなくてもよいという実態が見られるのではないか。また、恒常性の高い業務に特別職非常勤を充てている例も散見されるのではないか。
○地公法3条3項3号による任用は、地公法の適用がないなど規律性が低く使いやすい、このため特別職として扱うのが相応しくなくとも活用されているのではないか。そうだとすると、任期付短時間勤務職員への移行は難しいのではないか。
○地公法3条3項3号の特別職による任用のデメリットとしては、規律が少ない分緩やかであるため、訴訟になったときの対抗力がもてないということが考えられる。重要な点は説明性にある。

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2008年08月28日 10:43に投稿されたエントリーのページです。

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