道議会は、支庁制度の見直しに関する条例案を、民主党が継続審議を求めたにもかかわらず自民・公明が強行採決し、6月28日午前5時に閉会した。
逢坂衆議が6月27日の徒然日記で支庁制度改革について述べている。
支庁制度改悪
支庁機能と人員の縮減は、
慌てて決定する必要はありません。
財政の厳しさが理由だとしても、
縮減を今決定しても、
じっくり検討し、来年決定しても、
財政に抜本的な違いはありません。
公職選挙法改正を理由に、
今、縮減を決めるのは、本末転倒です。
あるべき支庁の姿が決まっての、
選挙制度であり、
選挙制度があっての地域の姿ではありません。
拙速に支庁機能と人員の縮減を決めて、
地域崩壊に拍車がかかると
後戻りできません。
本当に支庁機能と人員の縮減が必要なら、
じっくり検討して、
来年、縮減を決めても問題はありません。
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北海道知事が支庁制度改悪を
強行しようとしています。
現在の14支庁の名称と役割を
見直すようです。
14支庁のうち、
石狩、桧山、留萌、日高、根室の
5支庁の機能と人員を縮減し
縮減した支庁名称を「振興局」、
それ以外の支庁名称を「総合振興局」
にする内容だと言います。
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これによって、北海道知事が、
北海道をどうデザインしようとしているのか
どうにも理解できません。
加えて、日本での北海道が、
どんな位置、役割であるべきと、
知事が考えているのか、
これも理解できません。
(つまり札幌から見て、
地方と言われる地域の切り捨ては、
東京から見た、
北海道の切り捨てと同義なのです。
東京の価値とは違う地域づくりを
北海道自らが行わなければならないのです。)
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未来への夢と希望、
そして活力を創造する責務を
政治家は負っています。
どんなに資源が不足する劣悪な環境であっても
そこに光を見出すのが、政治家の仕事です。
財政が厳しいから、
単に縮減するだけのことなら
誰でもできます。
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こうした北海道知事の方針に対して、
道議会も揺れていると聞きます。
今回、機能と人員が縮減される
5支庁のうち4支庁は、
ただでさえも
人口減少が進んでいる地域です。
その上、支庁職員の削減なのですから、
到底容認できるものではありません。
さらに名前だけは、「振興局」ですが、
知事の口からは、
地域振興に関する具体策や
地域のあるべき姿が
語られることはありません。
名ばかり「管理職」というのがあるそうですが、
それ以上に内容の伴わない空疎な「振興」です。
振興条例の制定が、
取りざたされていますが、
数年前なら理解できますが、
支庁機能と人員の縮減を提案している
この時期の振興条例は、
政策音痴の誹りを免れることはできません。
今必要なのは、
条例ではなく、具体的振興策です。
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今、支庁職員を減らすことは、
北海道の将来にとって
本当にプラスになるのでしょうか。
財政が厳しいことは理解できます。
しかし、今回の縮減を今、断行することと
じっくり検討して、来年断行することで、
財政にそれほどの差が出るとは思われません。
この一年くらい熟考しても
何も問題はありません。
道財政への縮減効果以外、
地域の将来像は
具体的には全く示されていないようです。
もちろん、
財政が厳しい中での地域振興は、
簡単ではありません。
相当な困難が伴うのは事実です。
しかし、だからこそ、
十分な話し合いが必要なのです。
とりあえず地域組織の縮減だけを行い、
その上で、地域振興を考えようというのは、
カラ手形であり、いかにも無責任です。
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ならばこれまでの
知事就任以来の5年間は
何をしていたというのでしょうか?
今、北海道にとって必要なのは、
それぞれの地域で、
頭を寄せ合って英知を結集して、
地域をどうすべきかを考えることなのです。
それを十分に検討した上で、
支庁制度がどうあるべきかを考えても
遅くはありません。
これだけ議論が噴出している今の議会で、
何も結論を急ぐ緊急性はありません。
繰り返しますが、
そこまで緊急性があるなら、
これまでの5年の間に、
もっと木目の細かい対応ができたはずです。
その不作為への反省もなく、
いまここで地域をバッサリと切り捨てるようなことは、
知事の自己保身と言わざるをえません。
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道民が嫌がる支庁縮減を断行するのだから
自己保身ではないと考える方がいるならば、
それは間違いです。
今回の一連の議論を聞いていると、
知事の言い分は、
地域をどう守るかではなく
どう人員を削減したか、
それによって
いくら財政を削減できたかに尽きます。
つまり真に取り組まねばならない
地域振興に真正面から取り組んでいません。
もしかすると、
この断行の裏には、
「厳しい時代だから仕方がない」という
道民世論に寄り添いたいという
弱い気持ちがあるのではないでしょうか。
本来すべきことは、
支庁を縮減することではありません。
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それぞれの支庁地域の将来をどう描くかに
北海道の総力をあげて取り組むことです。
さらにそのそれぞれの地域の
集合体としての北海道の将来像を
どうデザインするのかを分かりやすく描き
道民の皆さんと共有することが
必須なのです。
その上で、支庁や市町村などの組織が、
どうあるべきかが結論付けられるのです。
このプロセスがないままに、
一見正論と思われる人員削減を行うことは、
十分な食料と燃料も積まず、
そして少ない水夫による
無謀で無責任な航海を強いることなのです。
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支庁地域と北海道の将来に対する
政治家北海道知事としてのデザインを
明確にすべきです。
この5年の間に、
そのデザインを描けなかったのなら
北海道知事は、そのことを明確に反省し、
支庁縮減の断行を取りやめるべきです。
それが、
真の責任ある対応なのです。
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将来の北海道に対するデザインが無いままに
北海道の将来を滅茶苦茶にし兼ねない愚行は
即刻、取りやめるべきです。
もし本当に縮減が必要なら、
来年、実行しても何の問題もありません。
この一年や二年が待てないほどの
緊急事態ではないはず。
もし公職選挙法のために、
支庁縮減を行うなら、
それこそ本末転倒です。
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支庁縮減を、即刻、取りやめること
支庁地域と北海道の将来デザインを、
北海道の総力をあげて描くこと。
そして、そのデザインを
少しでも多くの道民が共有できるよう
政治家北海道知事として、
分かりやすく自分の言葉と熱意で
説明する作業を行うこと。
その上で、あるべき基礎自治体や、
支庁の姿を明示すること。
これが今、
北海道知事が行うべきことなのです。
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繰り返しますが、
もちろんこうしたことは、
本来、一期目に
行っているべきことなのです。
それに対する反省もなく、
財政の厳しさを理由として、
一見正当に思われる支庁削減を行うのは、
単なる自己保身です。
自己の取り組みの甘さを認め、
方針転換をして、
遅れてのスタートではありますが、
北海道の将来像を描く作業を行うこと、
それがリーダーとしての真の勇気だと思います。
これが北海道知事が、
今、行うべきことなのです。