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【本部情報】人事院と民調作業方針をめぐって交渉

-賞与の考課査定分の詳細及び給与の地域差の状況調査に特徴-

人事院は、本年の民間給与実態調査に関する方針が固まったとして、4月18日、公務員連絡会・労働条件専門委員会にその骨格を提示した。

この民間給与実態調査は、夏の人事院勧告に向けた基礎作業として例年5月から実施されており、公務員連絡会は4月にその内容を確認する交渉を行ってきたことから、本年もその提示がなされたものである。

冒頭、人事院の松尾参事官は「勧告に向けた作業は例年通りのペースで進んでおり、職種別民間給与実態調査の内容もほぼ固まった」として、次のとおり基本的な骨格を明らかにした。

1.調査期間については、5月1日(木)~6月18日(水)の49日間(昨年は46日間)。
2.調査対象事業所は、企業規模50人以上で、事業所規模50人以上とする母集団約52,500事業所(昨年は約54,000事業所)から抽出した約11,000事業所(昨年約10,200事業所)。
3.調査方法は、人事院と、47都道府県、17政令市、特別区、熊本市、和歌山市の67人事委員会が分担し、職員が直接事業所を訪問して調査を行う。調査員は、昨年同様約1,200人である。
4.調査職種は昨年同様78職種で、そのうち初任給関係も昨年同様の19職種である。
5.調査項目については、初任給調査、個人別給与調査、事業所単位の賞与等の支給状況や給与の支給総額、事業所における給与改定の状況や雇用調整の状況などを調査する。
初任給調査について、本年は、当該事業所では採用がない場合でも企業全体としては採用している場合があることから、それを含めて調査することにしている。

調査項目の概要は次のとおりであり、昨年に比べて新しい調査項目は、①勤勉手当の成績率の基準、人員分布率決定の参考にするため、賞与の考課査定分について従業員割合や支給水準を調べること②給与の地域差に関する状況として、勤務地限定社員を除いて、基本給、地域手当、住宅手当、賞与について、勤務地によって算定の仕組みに違いがあるかどうかを調べること等である。

(1) 本年の給与改定・・・ベース改定、定期昇給の状況等、冬季賞与(定率部分と考課査定部分に分けて把握等)の支給状況
(2) 地域差の状況・・・・勤務地によって算定の仕組みが違う場合の状況
(3) 家族手当・・・・・・手当の支給状況、制度の見直し状況等
(4) 住宅手当・・・・・・借家借間に対する手当の支給状況等
(5) 通勤手当・・・・・・交通用具使用者に対する通勤手当の支給状況等
(6) 単身赴任者の手当・・単身赴任を理由に支給する手当の支給状況等
(7) 雇用調整の状況・・・採用の停止・抑制、業務の外部委託、部門の整理、解雇、賃金カット等の状況
(8) 労働時間・・・・・・所定労働時間の状況等

これに対して、公務員連絡会側は、本年新たに調査する①考課査定分の詳しい状況②給与の地域差の状況について、調査の趣旨を質した上で、調査結果等については公務員連絡会と十分な交渉・協議を行うことを申し入れるとともに、次の通り要請を行った。

(1) 公務員連絡会としては、昨年の基本要求でも比較企業規模について100人以上とすることを求めてきたところであり、50人以上とすることは反対であるとの基本的立場は変わらない。したがって、民調を含め以後の勧告作業に当たっては、そのことをしっかり念頭に入れて作業を進めてもらいたい。
(2) 本年春の民間の賃上げ結果を見ると大手企業はもちろん中小企業でも実績が上がっており、そうした民間実態を正確に調査していただきたい。
(3) 調査結果については、事前に十分な議論をさせていただきたい。昨年は、勧告直前まで較差が示されず、十分な議論ができなかったが、本年はそのようなことがないようにしていただきたい。
 
要請に対し、松尾参事官が「精確な調査を心がけたい。事前の議論については、数字が小さいとなかなか固まらないということがあるが努力したい」と答えたことから、これを確認し、交渉を終えた。

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2008年04月24日 13:30に投稿されたエントリーのページです。

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