内閣府公共サービス改革推進室は3月21日、官民競争入札等監理委員会地方公共サービス部会において、「地方公共団体における『市場化テスト』導入の環境整備に向けての調査報告書」を公表しました。
その内容は、
「地方公共団体における『市場化テスト』の導入が円滑に進むよう、導入にあたっての共通課題の整理、検討結果をまとめた」としています。この間、内閣府は、所管府省を超えて直接自治体に市場化テスト導入を働きかけるなど、公共サービスの規制改革と官民競争導入に腐心しており、地域公共サービスの質と安全・安心・公正なサービス供給があらためて問われています。
すでに、公共サービス改革法第33条により、地方自治体の窓口6業務(①戸籍謄本等、②納税証明等、③外国人登録原票の写し等、④住民票の写し等、⑤戸籍附表、⑥印鑑登録証明等の申請書受付及び引渡し)については、市場化テストの導入が可能とされています。
さらに、2006年12月の「公共サービス改革基本方針(改訂)」に基づき、窓口4業務(①車庫証明、②パスポート、③国民健康保険、④介護保険にかかる申請書の受付及び引渡し)について、各省通知が2007年前半中に発出され、市場化テスト導入促進が示唆されています。
また、去る2008年1月17日には「『公共サービス改革基本方針』の改訂(市町村の窓口関連業務24事項にかかる民間委託可能範囲及び留意事項等)について」内閣府公共サービス改革推進室がダイレクトに自治体に事務連絡を発し、市場化テストをはじめとした民間委託を促進するよう周知しています。
本調査報告書は、自治体における市場化テスト導入可能範囲を拡大したにもかかわらず、導入が積極的に進まない現状への点検とも言えるが、今後自治体での導入を一層焦点化しようとするものです。
上記の各自治体業務はいずれも市民の生活実態を如実に表す個人情報と密接不可分であり、包括的な市民サービスにとってかえって非効率になることも懸念されます。そもそも公共サービス改革法は地方自治体に市場化テストや窓口業務の民間委託を義務付けるものではありません。各自治体が拙速な判断を行わないよう、あらためてご留意ください。
http://www5.cao.go.jp/kanmin/kaisai/bukai/chihou/2008/0321/0321.html
※報告書の各ファイルはサイズが大きいです。上記のアドレスからご覧いただけます
ファイルをダウンロード ←市町村窓口24業務通内閣府事務連絡文書(08年1月17日付)