自治労は、閣議決定された「国家公務員制度改革基本法案」に対する見解をまとめた。
あわせて、連合の事務局長談話(トップページ4月4日にも連合HPにダウンロードで掲載)、公務労協の見解もご確認下さい。
<資料>
◆国家公務員制度改革基本法案・概要 ⇒ ファイルをダウンロード
◆国家公務員制度改革基本法案・要綱 ⇒ ファイルをダウンロード
<見解>
●連合事務局長談話 ⇒ ファイルをダウンロード
●公務労協見解 ⇒ ファイルをダウンロード
国家公務員制度改革基本法案の閣議決定に対する自治労見解
1.本日、政府は、国家公務員制度改革基本法案(以下、基本法案)を閣議決定した。本法案は、その名の通り、国家公務員に関する改革のためのプログラム法であるが、労働基本権の問題等、地方公務員にも様々な影響を与えるものであることから、自治労は、その動向について、連合・公務労協とともに注視してきた。しかし、下記に述べる通り、その具体的内容は全く評価できない。
2.労働基本権のあり方について、法案は、「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討する」としているが、この間、公務員制度改革の必要性が何度も謳われながらも実質的に何ら進んでこなかったことに鑑みれば、この条文をもって公務労使関係の改革、労働基本権の付与・拡大が進展するものと期待することはできない。
3.そもそも、この問題は、2006年1月から始まった政府と連合との政労協議において、「公務労使関係の改革が必要であり、労働基本権の付与の可能性も含めて幅広く検討」することが合意されたことから行政改革推進本部専門調査会において検討が進められてきたのであって、専門調査会報告が提出された今日、再度「検討」などということはあり得ないものである。
4.現在各自治体においては、財政赤字からの脱却を職員の人件費削減等に求める動きが数年にわたり続いている状態にあり、人事委員会勧告とは無関係の給与カット等を行っている自治体は既に70%近くに達している。すなわち、人勧システムは、少なくとも自治体においては機能不全的な状況にあり、労働基本権制約の代償措置としては全く不十分であることは明白である。このような状況を客観的に見れば、労使が誠意をもって協議・交渉し、あるべき賃金・労働条件について責任をもって決定していくというシステムに移行するのは時代の必然とさえ言えるものである。
5.昨年6月19日に閣議決定された「骨太2007」においては、「労働基本権については、『行政改革推進本部専門調査会』における審議を踏まえ、改革の方向で見直す」と明記し、さらにその専門調査会においては、一定の前提条件つきながらも「非現業国家公務員に対して協約締結権を付与する」ことが確認されたのであるから、政府は、自ら示した方針に従って、具体的な改革のプロセスを明確にすべきである。
6.自治労は、「労働基本権の拡大・付与を含む公務員制度改革」と「国際労働基準を踏まえた労働基本権の確立」を目標として、さらにILO対策を強化するとともに、職場からの力を背景に、連合・公務労協、そして協力政党などと連携した取り組みによって今国会での法案の修正をめざし全力を尽くすことを表明する。
2008年4月4日
全日本自治団体労働組合