道路特定財源をめぐり与野党の駆け引きが大詰めを迎えています。
逢坂議員からみた昨日から今日にかけての国会の動きをレポートいただきました。
なお、逢坂議員によれば、今朝10時からの与野党政調会長、国対委員長会議に自民党の大島委員長が欠席するなど、政権内部が相当混乱しているとの見方を強めています。
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昨日、総理が記者会見し道路特定財源に関する政府の考え方を明示しました。一方、同じタイミングで与党からも、道路特定財源問題を含む租税特別措置などについての考え方が明示されました。しかし、この政府と与党の考え方は、お互いが連携をとったものではなく、どうもバラバラに独自に生み出されたもののようであり、私個人としては対応に苦慮するものです。
自民党の伊吹文明幹事長は記者会見で、政府の考え方について「党内手続きを取っていない」と不快感を表明し、「政府の呼び掛けという理解だ。首相にも、その程度の発言の自由はある」と大変冷たい、突き放したような発言をしています。さらに冬柴国土交通大臣も会見の内容を「聞いていない」と発言するなど、与党との調整はおろか、政府部内の調整もせず行った会見であることが分かります。
そこでこの総理の会見内容ですが、やはり詰めが甘いというか疑義のあるのものです。
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まずこうした考え方を明示するなら、なぜもっと早く行わなかったのかという点、総理の国会の雰囲気の読めなさを痛感します。会見で総理は「野党に政策協議を呼びかけたが、今日に至るまで何の進展もない」などと話していますが、幹部に確認すると、何の呼び掛けもないのが現実のようです。
暫定税率と一般財源化に関し、「税制抜本改正時と厳しい財政状況」を踏まえて見直しなどを行うようですが、この枕詞「税制抜本改正時と厳しい財政状況」は、霞が関がものを実施しない言い訳と良く使う手であり、今回もこれが盛り込まれているのは極めて危険です。
総理は、「一般財源化」と言いながら、「使途などを検討する与野党協議会の設置」を話されましたが、一般財源化なら使途の協議は必要なのでしょうか?一般財源というものを何か間違ってとらえているような気がします。
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とにかく時期も内容も、疑問をもたざるを得ない総理の発言です。
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一方、同じタイミングで与党の考え方が発表されました。
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この与党の考え方のうち、道路特定財源以外の3月末に期限切れとなる税について、期限を延長したり、そのことによって憲法59条のみなし否決による再議決の規定は適用しない点は、大いに賛同できる項目であり、私自身も一刻も早くそうすべきだと思っています。
しかし、今参議院に送られている閣法を直ちに審議、議了すべきとの考え方には大いなる疑問です。この閣法は、暫定税率10年延長を含むものであり、そもそも昨日の政府提案とは内容齟齬があります。
つまり今回の政府と与党の提案は、そもそも政府と与党の段階で、議論を重ねてから提出すべきものだったと思われます。今朝の報道を見ますと、政府の考え方に対し、与党も賛否半々とのことであり、与党すら賛成しかねる考え方を明示するのも、あまり例のない、イレギュラーなことです。
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・ 道路関係税以外の部分を早期に成立させる
・ 道路関係税の部分は、徹底的に審議を行う
・ この間の地方財源不足1.6兆円はしっかりと確保する
・ その原資は、特別会計の積立金(現在高196兆円)などを活用する
この方向がベターだと私は考えています。