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【朔風プレミアム】「食」と「農」

地下鉄の中吊広告、「日能研」学習院中等科の入試問題。

食料自給率を上げるために私たちができることのひとつに「食べ残しを減らす」ことがある。その理由を考えよ、というもの。

これには、参ってしまった。「食べ残さない」は小さい頃からしつけられた食事のいわば作法のようなものだが、その理由は「もったいない」あるいは「農家への感謝の気持ち」または「そんなに食べたら腹壊すよ」というようなもので、どうして自給率と関係があるのかと自問してしまった。


降参して、解答をみると「食べ残してむだになる食料が減れば、必要以上の食料を外国から輸入することもなくなるから」というのだ。
www.nichinoken.co.jp/sikakumaru/mondai/f_mondai_01.html

なるほど、そうかもしれない。だがよく考えてみると、食べ残しても、スーパーに戻したり、レストランにその分引き取ってもらったりはできないので、結局「食べ残し」は「消費」と同じ意味なのではなかろうか。

だから、食べ残さないためには、必要以上の買い物をしないということがより正解に近いような気がする。

24時間スーパーが開き、大量の食材が季節感なく店頭から消えることなく消費者を誘い続ける。売れ残りも相当な量だろう。

そして「安いもの」をとことん求める消費者と食品産業。その結果、国内で十分賄える食料さえも国際競争から排除され、中国やタイから大量に食料が輸入される。

こうした「食」と「農」の分離が日本の食料自給率を39%にまで押し下げたばかりか、棚田が消え、ムラを解体に追い込んでいる。

「食べものを残さない」は間違いではないと思う。しかし、この問題の本当の答えはこれ以上の「農」の解体を進めない、ということだろう。

オーストラリアとのあいだで交渉が進む農産物の関税撤廃など「農」を市場原理主義の呪縛から解き放つことだと思う。
(@)

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2008年02月24日 15:01に投稿されたエントリーのページです。

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