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2006年07月 アーカイブ

2006年07月10日

【政治政策局】 7月10日
「骨太方針2006」に対する自治労の見解

【政治政策局】 7月10日
経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006に対する自治労見解

「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(以下、「骨太方針2006」)が7月7日、閣議決定された。その内容は、今後10年を「新たな挑戦」と位置づけ、
①持続的かつ安定した経済成長をめざし、競争力の強化をめざす
②財政健全化へ向けて「歳出・歳入一体改革」の策定と具体化に全力を尽くす
③国民の不安感や安全・安心への強い関心などを踏まえ、安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現
を優先課題に掲げている。

とりわけ、骨太方針の焦点である「歳出・歳入一体改革」は、2011年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を至上命題としている。
しかし、歳出削減の内容は、公共サービスの質と水準を確保する議論が置き去りにされ、数合わせの内容となっている。
格差が拡大、リスクや将来不安の蔓延を踏まえれば、「国民に安心・安全・信頼」を保障する政府・自治体を確立することが最優先の課題であり、「持続可能な日本社会」こそがめざすべき方向である。
 
(1)地方財政については、歳出削減努力として地方公務員人件費の削減、地方単独事業は現在の水準以下に抑制、一般行政経費は2006年度と同水準を掲げ、そのうえで地方交付税は①現行法定率の堅持、②安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額を確保、などの一体的な検討を行う、としている。

交付税は、2011年まで交付税総額を固定化するという当初案を撤回させ、一般財源の総額確保が明記されたことは、この間の取り組みの成果である。
しかし、総人件費の削減や地方単独事業の抑制を明記したことは容認できない。引き続き、地方の安定的な財政運営を実現する一般財源の確保に向け取り組みの強化が必要である。

(2)「公務員人件費」は、「更なる改革」を断行し、2011年度時点で2.6兆円の効果をもたらす削減に取り組むとしている。
地方公務員に関しては、国の給与構造改革を踏まえた改革を行うとともに、「更なる改革」として、①定員純減は、5年間で国家公務員の定員削減と同程度(△5.7%)の実施、②比較対象企業規模の見直し、③地域民間給与の更なる反映、④ボーナスの支給月数の地域格差の反映、などを指摘した上で、「実現する」「削減する」とあたかも政府が権限を持つかのように規定している。

なお、「公務員制度改革」は、①民間企業の実態を踏まえ、能力主義や実績評価に基づく給与、処遇の見直し、②労働基本権や人事院・人事委員会制度を含む公務員制度全体の改革の早期の検討開始を言及している。
この間、政府は地方公務員総数の4.6%以上の定員純減と、その具体化のために自治体に対し集中改革プランの策定と数値目標の公表を求め、総務省の4月公表速報値(△6.2%)は、△4.6%を上回る状況となっている。
にもかかわらず「骨太方針2006」は、政府が、一方的に自治体に対し一層の定員削減を強要するものであり断じて容認できるものではない。

(3)社会保障については、「給付の更なる重点化・効率化」を原則として明示し、財源不足に目的税で対応する方向を示した。
しかし、昨年・今年と、医療・介護はどちらも制度改革を行い、すでに相当な給付抑制や保険給付範囲の縮小では、政府が目指す三つの優先課題のひとつである「安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現」はおぼつかない。
また、失業給付の国庫負担廃止と生活保護費の給付削減は、小泉構造改革による厳しい低所得者層の生活実態の改善を図ることなく、さらに格差拡大をもたらすものであり極めて問題である。

「骨太方針2006」の閣議決定により、具体的な課題は、2007年度政府予算編成に向けた今秋までの作業が焦点となる。自治労は小泉構造改革が推し進める市場万能主義に対抗し、地方分権と地方財政の確立、地域公共サービスの拡充を図るため、自治体改革運動を進める。

さらに、連合・地方団体等と連携し、国による地方への不当な介入を許さないよう監視を強めるとともに、公務員制度や人件費について「専門調査会」対策をはじめとする政府対策と引き続く2007年度政府予算要求や人勧期のたたかいに全力で取り組み、地方分権時代にふさわしい地方税財政制度と労働基本権を確立するための全国的な運動を本部・県本部・単組が一体となって推進する。

2006年7月7日
全日本自治団体労働組合

2006年07月27日

【政治政策局】 7月27日
06年度地方交付税の交付額決まる。道内は83市町村で増額

【政治政策局】 7月27日
06年度地方交付税の交付額決まる。道内は83市町村で増額


総務省は25日、2006年度普通交付税大綱を閣議報告し、各地方自治体に対する交付額を決定した。
地方交付税総額は前年度比5.9%減の14兆9527億円(道府県分は8兆4525億円(対前年△6.6%)、市町村分は6兆5002億円(同△4.9%))で、普通交付税総額に臨時財政対策債(赤字地方債)の発行可能額を加えた額は17兆8599億円となった。

道内市町村では、地方交付税は前年度比0.3%減の7316億円で全国よりも減少幅が小さく、83市町村が前年度より増額となり、また、普通交付税に臨時財政対策債を加えた額は8049億円で1.3%の減少であり、全国を下回る減少額となっている。

普通交付税の道府県分では、基準財政需要額のうち経常経費が義務教育費国庫負担金の負担割合変更(国庫負担率が2分の1から3分の1に減少)に伴う小・中学校費の増加などから6.6%増。
しかし、投資的経費の抑制に加え、好調な法人関係税を中心とした税収増により基準財政収入額が15.7%伸びたため、普通交付税額が6.6%減少した。

一方、市町村分は経常経費が生活保護費の増加などで2.9%増、基準財政収入額の伸びも3.4%増と道府県分に比べて小幅にとどまり、普通交付税額は4.9%減で結果的に交付額が道府県分から市町村分にシフトする形となっている。

道内単組では、自治体財政の危機を理由として大幅な人件費の独自削減が行われているが、改めて当初予算における地方交付税の見込額との検証も必要だ。
道内市町村のデーターは、道庁の市町村課ホームページからも見ることができる。

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