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道の「市町村合併推進構想」への見解

「北海道市町村合併推進構想(案)」に反対する道本部見解

1.164市町村を対象に43の組合せ
 道は、6月2日開いた第5回北海道市町村合併推進審議会で、合併新法に基づいて定める「合併推進構想(案)」を示した。それによると、合併構想の対象となる市町村の組合せは、①人口規模が概ね3万人を満たし、②役場間の最大時間距離が80分以内、③市町村の意向を踏まえて、164市町村を対象に43自治体としている。
 また、組合せから除外をした自治体は、旧合併特例法に基づく合併自治体で構想対象に含まれることを希望しない11自治体(石狩市、北斗市、森町、せたな町、岩見沢市、遠軽町、大空町、洞爺湖町、安平町、むかわ町、幕別町)と、構想対象に含まれることを望まない4市(千歳市、恵庭市、小樽市、根室市)に、札幌市を含めて16自治体となっている。
 組合せでは、合併で特例市(人口20万人以上)に移行するのが、江別市周辺4市町村、帯広市周辺5市町村、釧路市周辺4市町村の3地域で、また、市制施行(人口3万人以上)に移行するのが、倶知安町周辺10町村など6地域となっている。

2.旭川市周辺9市町の組合せは全国一の最大面積
 組合せの規模は、人口規模を3万人以上としているが、それに満たない組合せが15地域あり、面積も全国の最小県である香川県以上が15地域、特に旭川市周辺9市町では鳥取県に次ぐ全国一の最大面積(3,471km2)となっている。
 役場間の移動距離も80分を越える地域は奥尻町を除いても4地域存在し、最大では倶知安町周辺10町村の116分となっている。
 また、旧合併特例法で合併を行った「枝幸町」は、構想の対象市町村に含まれることを希望しなかったが構想に入っており、伊達市と豊浦町での組合せでは「飛び地」の組合せとなっている。

3.道は市町村の実態を把握していない
 今回の「合併推進構想(案)」の性格は、①道から市町村や道民への情報提供であり、②議論の出発点としての活用を図り、③市町村の自主的、主体的な検討結果は最大限尊重するとしているが、合併組合せは、2010年3月までの合併新法の期間内に実現を目指すべき市町村の姿を示すとしている。
 しかし、道内市町村においては、旧合併特例法に基づき、これまでに151市町村が65任意・法定協議会を設置して合併協議を積み重ねてきたが、44協議会が解散になるなど、合併議論では「クタクタ」の状態となっているにもかかわらず、道は再度、一方的に合併の組合せを示して「合併協議」を進めようとしている。
 しかし、合併協議が破談した地域においては、合併新法の残された3年10月で、再度の合併協議が整うかは大きな疑問である。
 また、合併協議が不調に終わった地域や旧合併特例法に基づく合併自治体の十分な検証も行っていない構想(案)である。
 一方、当面、合併を選択しない市町村は、「自立」に向けたプランなどを策定し、厳しい財政状況の中、人件費削減などで行政運営を行っている。
 また、これからの自治体運営は、単独では困難性があるとして、富良野圏域や十勝管内では「広域連携・広域連合」などの計画が策定され、後志管内町村会では「広域連合準備委員会」もスタートした。
  しかし、道は、あくまでも市町村合併を推進する立場で、新たに「新市町村合併支援プラン」の策定を掲げるなど、「広域連携・広域連合」に対しての具体的な支援策は示されてはいない。
  道においては、基礎自治体の行政体制の充実を図るためには、合併、広域連携など多様な選択肢があるにもかかわらず、地域の実情に応じた取り組み支援が大きく不足している。 

4.「合併推進構想(案)」には反対
 道本部は、これまでも「市町村合併問題」については、市町村自らが主体的に住民合
意に基づき決定すべきであり、国や道からの「強制合併」については反対をしてきた。
 今回の「合併推進構想(案)」についても、対象市町村の組合せを道が示すことは、市町村の自主性・主体性への不当介入であり構想には断固、反対である。
 また、市町村の組合せは、人口規模を概ね3万人とし、基礎自治体に求められる要素として、権限、財源、人材をあげているが、これらも道の一方的な考えであり、道の果たす役割は何ら示されていなく、自治体面積が大幅に拡大となれば、当然のごとく住民の声は遠ざかり、自治体議員や職員の体制合理化でしかない。
 「合併推進構想(案)」は、道町村会の意向も十分反映されておらず、「道から市町村への権限委譲」や「支庁制度改革」に拍車をかけるものでしかなく、道の都合的な「道行政の体制整備構想」である。
 一方では、中途半端な「道州制特区」の推進を図る高橋知事は、市町村や道民の意向を無視した中央直結型の知事の姿勢が、またもや明確となった。
 今後、道本部は、道交渉を通じて、道の姿勢を正すことと、合併協議会の「設置勧告」 が発動されないよう、取り組みを強化する。

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2006年06月07日 10:44に投稿されたエントリーのページです。

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