「給与構造の改革」に抗し、現行賃金水準の維持・確保をめざす決議
●「給与構造の改革」とは、国の給与政策の配分変更である。4.8%の俸給原資を諸手当に移転したにすぎない。地方公務員の場合、こうした新たな手当に原資を振り向けることができない以上、単なる給料表の引き下げに直ちに連動してしまう。
この結果、こうした見直しを機械的に実施した場合、道本部のモデル賃金では43歳以上の職員が退職まで「現給保障」という昇給停止となり、生涯賃金では2000万円を超える減収をもたらす。このようなことが現実となれば、組合員家族の生活はもちろん職員の士気の低下にも計り知れない影響を及ぼすことはいうまでもない。
●したがって、国の「給与構造の改革」を自治体で運用していくためには、単に機械的に適用するのではなく、給料表は、国としても、その級制、職務の級別分類及び昇格基準などはこれまでの労使交渉の経過や各自治体の実態を踏まえた仕組みに改めていくことが必要なのである。級の統合・再編を機械的に適用してしまうと、たとえば現行6級は新4級となるが、給料表の全体の水準が下がっているため、最低でも新5級到達が必要となる。 このため道本部は、現行賃金水準を維持するために、給料表は7級以上、到達級は新5級以上を要求することを確認している。
●一方、05年4月の道内市町村のラスパイレス指数は95.2であり独自削減分を考慮したとしても、まさに「地域給与状態」にあることは明らかである。こうした実態を踏まえるならば賃金水準の改善が急務であり、水準の引き下げに連動するような給与制度の見直しに合意するわけにはいかない。一方で、独自削減を続け、他方で国準拠を強調するのもおかしな話である。
●長い間、地方公務員の給与決定の原理であった「国公準拠」=均衡の原則が根底から問われており、拙速な「国準拠」を排し、各自治体の賃金制度を踏まえた現行水準の維持と確保をめざす知恵と工夫が何より問われている。人事院規則の遅れなどから、十分な交渉時間の確保を前提に4月実施の見送りを確認した単組も多い。こうした道内情勢を踏まえながら、2月10日道本部統一行動に最大限結集し、現行賃金水準の維持・確保をめざす諸要求の実現に全力を傾注していくものである。