一方的な交付税制度見直しに反対する決議
一方的な地方交付税制度の見直し等に反対する決議
■竹中総務大臣は私的懇談会として「地方分権21世紀ビジョン懇談会」を発足させた。この懇談会は、分権改革を通じた国と地方の役割分担を含め、10年後のあるべき姿を議論し、それに向けて具体的な制度設計を行うとし、改革案は政府の経済財政運営の指針となる「2006骨太方針」に反映させることとなっている。
■1回目の懇談会では、地方自治体の財政運営に必要な経費である基準財政需要額の削減策とともに、地方交付税の財源保障機能の廃止などを含めた抜本的な見直しについても議論された。 地方交付税は、地方自治体がナショナルミニマムとしての安定的な財政運営に必要な財源であり、地方自治体の財源保障機能と財政調整機能を維持すべきものであり、歳出削減のみを目的とした議論には反対する。
■また、懇談会のもう一つの論点が地方自治体の「破綻・再建法制」の導入・検討である。 この「破綻・再建法制」とは、予算編成などを国の管理下におく現在の財政再建制度を強化して、地方の「経営責任」を明確にすることを狙いとしており、借金負担の重い地方自治体を破綻認定し財政再建を義務づけ、段階ごとにコスト削減や職員のリストラの強行など、半ば強制的に自治権を奪うものである。
■今日の地方自治体の財政悪化を招いた責任は、自治体だけではなく国の責任も大きい。国の景気対策や公共事業優先の政策等に自治体が動員されたことが大きな原因である。 現在の自治体財政悪化の結果だけをとらえて、自治の侵害にもつながる自治体の破綻・再建の議論に終始することは許されない。 自治体財政の再建にあたっては、国と地方の役割分担を明確にし、地方六団体との十分な協議を踏まえて取り組むべきであり、あらためて自治労の重要な政策課題として取り組む。