非正規雇用拡大は雇用破壊と地域の衰退=臨・非総会、交流集会
道本部臨時・非常勤等職員連絡会議は、8月3日10時から札幌市・自治労会館で「第20回総会兼第29回全道交流集会」を開き、20単組・総支部68人が参加した。
はじめに、主催者を代表し、増田議長が「参議院選挙については組織内のあいはらの再選を勝ち取ることはできたが、総体的には与党の圧勝と大変厳しい結果となり、私たちを取り巻く環境も非常に厳しいものとなった。働くものが切り捨てられ、格差と貧困の拡大、原発の再稼働、平和憲法の改悪など国の暴走に歯止めをかけ平和で働くものが報われ、安心して暮らせる社会となるようこれまで以上に団結を強めて行かなければならない。今、総会は20回の節目の大会となる。諸先輩の活動のもとに現在の活動がある。少しずつではあるが仲間も着実に増え、自治労各単組の中でも非常勤問題を大きな課題として位置づけている。しかし現実には働く環境は年々厳しくなっている。声を出せない仲間の声を聞き、未組織の仲間の組織化を進め一層の組織強化を図り発言力を強めて行く必要がある。皆さんとともに運動を進めていきたい」とあいさつした。
引き続き、山上・道本部執行委員長が「地方交付税が削減され、国公の給与削減が地方自治体への強要する動きとなった。国家公務員の賃金削減は来年の3月いっぱいで期限を迎えるが、自民党は消費税の増税も含めて国家公務員の給与削減を延長してくる事が考えられ、地方公務員の賃金もそれに連動して削減せよという動きが強まってくる事が想定される。国家公務員の賃金削減は他人事ではなく我々自らのたたかいとして3月で終わらせるためのたたかいが重要になってくる。また、解雇自由化問題など企業に都合のいいような規制緩和が進められ、それによってさらに労働者は厳しい労働条件に追い込まれる。どうたたかいを進めていくかが重要となる。最低賃金も生活保護水準を下げ、最低賃金の引き上げを押さえ込む動きが強まってくる。これも大きな課題となる。そして自民党の悲願である改憲策動について選挙の結果を受け自民党が多くの国民が自民党政策に賛成をしているとの姿勢で大きく踏み込んでくることが想定される。今後3年間は厳しい政治状況でたたかいを進めなければならないが、自民党政治そのものを我々は認めることはできない。強い姿勢を持ってたたかいを進めていきたい。主張すべきは主張し、たたかうべき時はしっかりたたかう。気概を持って進めていくので皆さんの結集をお願いしたい」と述べあいさつした。
その後質疑に入った。
質疑では経過報告に対して、室蘭市職労嘱託職員協議会から「道内主要都市の賃金調査を実施しながら交渉を繰り返し、次年度からの賃金改善を勝ち取ったが、一方で当局は次年度採用者から雇用年限の導入を提案してきている。安倍政権により労基法の改悪がもくろまれているが労働組合が最後の砦であり道本部にしっかり結集しともにがんばろう」と発言があった。その後、経過報告、活動方針案、新役員体制について全会一致で確認し総会を終えた。
全道交流集会では第一講座として神奈川大学・青木宗信教授が「自治体の非正規労働:問題の現状把握と改善方向」と題して講演した。
青木教授は「自治体における非正規労働者の急激な拡大は増加の一途である。特に一般事務の拡大が進んでいる。既に非正規の割合が50%を超えている自治体もあり、財政が弱いほど高い割合となっている。これらのことにより、自治体の特定の職種では非正規がサービスのほとんどを担っており、非正規なしには行政が回らない状態となっている。これら非正規の拡大は単なる拡大ではなく、『正規』から『非正規』への『置き換え』である。非正規拡大の原因は『自治体の財政難と行政改革・定数削減』が要因ではあり、当然に自治体当局に責任はあるが、根本には小泉政権以降続く財源保障の削減、地方交付税の削減がある。小泉政権がすすめた新自由主義は民主党政権によって一見おとなしくなったようにみえるが、下火になったのでもなく過去のものでもない。この状況が続くと自治体が『ブラック企業化』するとともに、地域の雇用を破壊し、地域経済・地域社会の衰退につながる。」と話した。
また、改善にむけて「ここに至るまでの原因がわかった以上、障害は大きいが労組への期待は大きく責任は重大である。考えてもなかなか名案はないが、地道に理解を拡大する意識を変えていく必要がある」と強調した。
第二講座では「ロコモティブシンドロームの予防」として北海道中央労災病院勤労者予防医療センター・坂本和志さんが、ロコモ対策の必要性について講演し、参加者も実際に体を動かしながらストレッチなどを行った。
坂本さんは「『ロコモ』とはメタボに次ぐ新・国民病であり、まだ認知度は低いが、日経トレンディの2013ヒット予測ランキングの第2位に『ロコモ』グッズが予測されており今後、流行るかもしれない。ロコモティブシンドロームとは骨、関節、筋肉などの運動器の機能が衰えてきている状態の事を言い、介護を必要とせず自立した生活ができる『健康寿命』をのばすためにも予防が重要である。そしていつまでも自立した生活をするために大事な道具となる『運動器』を上手に使って長持ちさせることがロコモ対策のめざすところである」と話した。
最後に増田議長より、「私たちが求める安定した雇用と均等待遇を勝ち取れるようみんなでがんばっていこう」と集約し、団結ガンバローを行った。
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