2013年04月09日

幅広く公共交通の柱となることをめざす=都市交通第28回公営交通研究集会

4月4~5日、東京都・アジュール竹芝で「都市交通第28回公営交通研究集会」が開かれた。

研究集会のはじめに、主催者を代表し高木敏夫・都市交本部中央執行委員長が「公務公共サービス労働者との大同団結が必要だろうということで都市交は自治労と統合することになった。今後はより運動領域を広げ、公共交通政策を確立していきたい。今回をもって都市交産別としての交研集会は幕を閉じるが6月以降自治労で公共交通政策を進めていくことになる。災害に強いまちづくりの中で公営交通の果たす役割が主な議論となっていく。東日本大震災以降未だ避難生活を余儀なくされている被災者がいる。震災当日には首都圏では帰宅困難者も大勢発生した。こういったところで公営交通の意義がある。震災の経験を今後どのように活かしていくのかといったことが果たすべき役割と考える。交通基本法も廃案になってしまったが、引き続き住民の足の確保のために公務労協の仲間とともに基本法制定に向けた取り組みを進めていく。公共サービス基本条例の制定についても広く活用できるように公営交通が果たせるまちづくりをめざしていきたい。今集会を契機に公営交通政策の確立に勤めていただきたい。」とあいさつした。

続いて、来賓あいさつとして関・政治交運労協事務局長が、交通基本法制定にむけた取り組みについての現状と今後、国土交通省の動きについて、春闘期の取り組み、制度政策要求について報告を交えながらあいさつした。

引き続き、記念講演として寺島実郎日本総合研究所理事長が「政権交代後の政治経済の行方とよりよい公務公共サービスとは」と題して講演した。

その後、阿部卓弥・交通政策調査研究所所長から研究所報告として東日本大震災にかかわるアンケート結果について震災当日の勤務実態、運行状況、震災下の状況や、運転再開までの経過、取り組み課題に至るまでアンケートを実施し、今後の安全対策に活かしてほしいと報告があった。

続いて、林﨑勝之都市交本部中央副執行委員長が、交通基本法制定後の公営交通の使命と都市交の交通政策について「公共サービスを取り巻く環境は厳しいが、公共交通の役割はより重要さを増しており、地域に不可欠なサービスと言える。民営化、規制改革、財政再建などの流れの中で事業の縮小・廃止の動きが強まりこの半世紀で都市交加盟単組数も41から25に減少し、公営交通の将来のあるべき姿、方向性などを含めた議論を深めていく必要がある。自治労との組織統合を機に新たな運動に踏み出すことになるが、他の交通運輸労働者との連帯・連携強化にも積極的に取り組み、『都市公共交通評議会』への組織化をはかっていくことが当面の重要課題といえる。交通運輸労働者の社会的地位の向上、日本における公共交通の価値を高めていくことが大きな目標であり、これまでの都市交としての運動をしっかりと継承・発展させていきたい」と基調提起があり1日目を終えた。

2日目には、「公共サービス基本条例制定並びに交通基本法・条例制定に向けた取り組み」「災害に強い地域交通と安全対策の取り組み」の2つの分科会にわかれ学習・討論が行われ、まとめ全体会では、浅野喜久夫都市交中央副執行委員長が「地方交付税の削減により地方公務員の給与を強制的に削減させるといった攻撃を受けている中での交研修会開催となった。安倍政権になってこれからの公営交通がどのようになっていくのかというところを捕らえていかなければならない。合理化政策に歯止めがかからない状況ではあるが、都市交はこれまでいち早く安全・安心・信頼の都市公営交通を担ってきた。この運動を実直に継続していく。自治労との組織統合を行うが、これまで培ってきた運動を自治体のまちづくりに活かし、幅広く公共交通の柱となっていくことをめざそう」とまとめ終了した。

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