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2013年04月24日

社会保障制度は実現可能性を競い合うフェーズに=2013年度自治労年金集会

4月19日、東京都・日本教育会館で、「2013年度自治労年金集会」が開かれ、全国から約400人が参加した。

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はじめに、氏家本部書記長が、地公給与削減波及問題で、「4月26日の全国統一行動日にむけて、自治労総体でたたかう体制をつくってきた。5月、6月のたたかいを構築し、自治体での6月議会に提案させない取り組みを、全単組総支部で取り組む」としたうえで、公務員制度改革について、「早期法案提出について取り組んでいる最中だが、国会情勢含め厳しい状況にある」と強調した。

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さらに、「雇用と年金の接続」について、「定年延長をめざしながら、当面は再任用の義務化にむけて取り組む」と述べた。また、昨年『被用者年金制度の一元化等をはかるための厚生年金保険法等の一部を改正する法律』が成立した。公務員も厚生年金に加入し、2階部分の年金は厚生年金に統一することとし、制度的な差異は基本的に厚生年金にそろえて解消することになった。これからは、職域部分の新たな年金の制度設計と総報酬制への移行が焦点となっていくが、中央本部としても公務員制度の一環としての共済制度存続のために今後とも、政府関係機関に働きかけていく」と述べた。最後に、「これら制度政策のたたかいをすすめるためにも、7月実施予定の参院選で、『あいはらくみこ』の勝利を勝ち取らなければならない」と述べあいさつした。

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集会には、「あいはらくみこ」参議院議員もかけつけ、参院選にむけた決意を述べた。


その後、神奈川県立保健福祉大学・山崎泰彦名誉教授が基調講演を行った。

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山崎教授は「昨年一部を除き成立した『社会保障と税の一体改革』はこの国の将来にとって避けて通れない政策であり、将来の人口推計、特に高齢化率は50年後には40%へ届くと想定し、年金に限らず医療費をどのようにコントロールしていくかという問題にむき合わなければならない。数字だけでみると現在の社会保障給付費は年間110兆円に上り、国の歳出総額90兆円を大きく上回っている。また公債発行額も平成24年度当初では44兆円で、公債依存度が過去最高となっている。この背景には時々の政権の思惑により、給付先行、増税先送りにより、国・地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスを欠いてきた事実がある。これからの時代は政権・政党が独自性を競い合うよりは、実現可能性を競い合うフェーズに入ってきている」と強調した。また、「成立をした社会保障制度改革推進法では、自助・共助・公助の組み合わせにより自立生活の実現を支援し、機能の充実と重点化・効率化などから持続可能な制度を実現していくとしている。また、各制度は社会保険方式を基本に国・地方の負担は保険料の適正化に充てることを基本とすることなど、世代間公平負担の観点から消費税等を充当していくことをうたっており、社会保障国民会議の議論を経て必要な措置を講ずることとなっている」と述べた。さらに、「この際、3党合意が交わされたが①社会保障を政争の具にしない②選挙の争点から社会保障が外れる③主要政党はすべて消費税を容認④マスメディアの冷静な報道といったことが守られて進捗することは大きな意義があると考えている」と述べた。最後に、「年金や子育てについては大きな流れはできたが、医療・介護、特に高齢者医療制度については国民会議の議論が重要になってくる。また今後は医療の分野においての議論が活発化してくるので、注目をして欲しい」と問題提起があった。

その後、4つの分科会に分かれ、「地方公務員共済制度の課題と対応」、「公的年金制度改革の課題と対応」、「医療保険制度改革について」、「地方公務員のためのライフプラン」のそれぞれの課題について議論した。

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「地方公務員共済制度の課題と対応」の分科会では、参加者から、「公務員制度の一環としての共済制度の大切さがわかって、大変意義深い集会となった」「共済年金から厚生年金に移ると総報酬制による掛け金に変わり、その保険料の基礎にはあらゆる手当が含まれると聞いて驚いている。そのことによって保険料の公平性は保たれるのだろうか心配」「厚生年金のような大きな単位に含まれて、これまでの共済組合のような民主的な運営はできるのだろうか?もし医療保険でも社会保険や国保に統合されたら、保険者機能という観点で同一職種による有益性や医療費抑制機能が果たされなくなるのではないか」といった意見が出された。

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