自治体政策部

2013年03月07日

3.5道本部財政セミナー=高木さん、逢坂さんが講演

道本部は、3月5日自治労会館で2013年度自治体財政セミナーを開いた。

自治体財政セミナー表紙・日程

セミナーは、2つの講演と道内市町村の財政状況ー2011年度の決算の特徴を報告した。詳しい講演内容は、ここをクリックしてください。

講演①では、「2013年度地方財政対策」について、前地方自治総合研究所研究員・高木健二さんが、地方財政計画は1990年以降財源不足が続いているが、それは国が地方に義務付けしている業務が多い。そこを地方交付税で埋めるべきところ、財源不足を理由に
地方債で穴埋めが行われてきた。地方自治体はバブル崩壊後の景気対策で公共事業をやりすぎた結果、借金返済で身動き取れない状態。地方交付税の8割(1990年の2倍)が公債費(借金)の返済に充てられている。今回、国が地方にさらに追い討ちをかけている。 地方公務員の定数は、地財計画以上に削減されている。しかし業務は減っていない。むしろ増えている。ではなぜ破綻しないか?正規から非正規に置き換えているから、このままでは、地方の職場はパート職ばかりになる。賃金水準が低く、生活できないため若者は都市部へ流出が進み、過疎がよりいっそう進む。都市部にも正規職はないが、パートの掛け持ちで何とか生活維持。日本国内の未来は、このまま高齢化が進むと生活保護対象者が増える可能性が大きい。地方6団体は反対したが、国は国家公務員の給与削減に準じて地方交付税の削減を強行した。国(総務大臣)は「お金はあり、財源は厳しくないが、日本再生に必要だから減らした」という言い方をしている。長期的に大きな問題になっていくだろう。
一般財源の規模は大きい。しかし借金も大きい。だから、地方財政は苦しい。2014年度はどうなるか。地財対策は、これからの選挙結果で内容が決まっていくことになる。難題が山積みだ。


神野直彦さんの新書「税金 常識のウソ」を紹介する逢坂さん

講演②は、「これからの地域主権」で、前衆議院議員の逢坂誠二さんが講演した。
自公政権は一般財源を縮減したうえに地方を管理下に置く方向をめざしている。中央集権の復活。自治体職員には、ぜひともいろいろな事象に対し、「自分で考察し判断していく」という事を身につけてほしいと思っている。もう、国や中央の押し付けでは地域は上手くいかない。使途が決まっているお金では自主性は発揮できない。未来をデザインできる形をめざした3年3カ月だった。
民主党政権では、地方が地域の能力・自主性に応じて、自発的に問題解決できるしくみみを作ってきた。
自公政権は(防災・元気づくり事業など)「対症療法」主体です。原因を取り除くわけではないのです。痛み止め薬が切れれば再発を繰り返します。社会がどうなっていくかのビジョン・デザインがない。公共事業は大事ですが、それだけではダメで、強靭な国家にはなりません。地域主権ならもっといろんな事が地域でできるのです。民主党・逢坂誠二の考え方は、構造を治す、治癒をめざす「治療」という考え方を持っている。

報告は、「道内市町村の財政状況-2011年度決算の特徴」について、北海道地方自治研究所・辻道雅宣研究員が資料・基本用語の説明をした。

財政指標の見方

道内市町村の財政状況2011(H23)年度決算


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