道本部情報

2013年02月28日

目に見えない部分や心の復興にはまだ時間がかかる=自治労労働安全衛生集会

2月14日、宮城県仙台市・東京エレクトロンホール宮城ほかで「2013年度自治労労働安全衛生集会」が開かれ、42県本部・364人が参加した。

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1日目の全体集会は、はじめに自治労本部・氏家常雄書記長が主催者を代表し「1月の自治労臨時大会で、仙台にも関係のある都市交統合が確認された。国公7,8%削減の地公への波及については、現政権の弾圧を跳ね返すために県本部、単組とともにたたかいを構築していく。地方において労使間のたたかいに移ってきた。予算が確定した中、ラスも含めた中での圧力が大幅にかかってくる。地方公務員給与削減が地域の経済に与える影響は計り知れない。民主的な労働組合として自治労が中心となって跳ね返していく。今後各種集会を開き、あらゆる手段を使った運動を展開していく」と述べた。

また、「労安集会については東北三県の震災課題について、自治体労働者の多くが悩みを抱えながら任務に当たっている実態がある。メンタル対策、自治体業務のあり方について、今集会の中で幅広く議論を展開していただきたい。自治労本部としても震災関連、原発問題について政府や自治体に政策、予算について裏付けも含めた要求を行っていく。3.11を教訓とした自治体の本当のあり方を見つめることができる集会であってほしい。7月の参院選についても組織内協力候補あいはらくみこ再選にむけた取り組みの強化もお願いする」と強力を呼びかけあいさつした。

続いて、宮城県本部・佐々木安夫執行委員長が開催地を代表して「被災地仙台での労安集会の開催を歓迎する。東日本大震災の際には仙台も大きな被害をうけ、現在も被害を受けたビルなどの解体工事や建築工事が盛んに行われているが、この工事にあたり、企業下請け労働者の労働条件や資材高騰などで計画通りに工事が実行できないなどの問題も起きている。仙台市内でも約1000人の方が亡くなり、家屋も25万5千棟が被害を受けた。自治労からの応援に感謝申し上げる。現在も仙台だけで78人、県内でも821人が他都市から応援にきてくれている」と述べたうえで、「迅速に復旧作業が進まなかった理由として、ガソリン等燃料の枯渇、通信手段の遮断により状況把握が困難だったことがあげられる。組合員やその家族も多数犠牲となる中、今なお立ち直れない遺族もいることも心に刻みながら今集会に参加いただければ。今、復興にむけ徐々に街は元に戻りつつあるが、まだまだ道半ば、参加者皆さんのさらなるご協力をお願いしたい」と述べあいさつした。

つづいて、連合宮城・山崎透会長が「連合運動にご理解ご協力いただき感謝する。連合宮城の組合員8万人のうち197人が犠牲、行方不明となっている。家族を含めると千人を超える。自治体労働者は普段の仕事と復興対策、双方に尽力いただいている。復興に伴い建設業を中心に労働災害が増えていたが、連合として対策を講じてきた結果減少傾向にある。福島原発の影響も懸念される。風化は止められないが、今後ともご支援ご協力いただきたい」と述べあいさつした。

その後、あいはらくみこ参議院議員からのメッセージ紹介、森本正宏・自治労労働条件局長の基調提起と自治労顧問医・上野満雄先生が顧問医提起があった。

活動報告として、①宮城県本部「東日本大震災に伴う自治体職員緊急健康調査の取り組みについて」、②兵庫県明石市職労から「震災アスベスト被害と明石市清掃職員公務災害認定の取り組み」について報告があった。

その後、明治大学理工学部・向殿政男教授による「大震災における労働安全衛生のあり方」と題した講演と、向殿教授と被災三県を代表して、及川隆浩・岩手県職労副執行委員長、小野寺信浩・石巻市職労書記長、今野泰・福島県本部書記長を交えて、上野顧問医の司会でパネルディスカッションが行われた。

当時の状況と現在の被災自治体における状況や今後にむけた課題についてディスカッションが行われ、職員も被災している状況下で避難所開設・運営にあたった。自治体職員は満足に休めることなく被災者から浴びせられる厳しい言動なども受けながら、心身ともに疲弊しながらも任務を遂行した。職員の中には「自治体職員が何故ここまで言われながら任務に当たらなければならないのか」といった葛藤を抱えながらの任務で体調を崩す職員も後を絶たず、今なお、メンタル面で不安を抱えている職員が非常に多い。震災から2年が経過しようとしているが、目に見える部分の復興は徐々に進んできているが、福島の原発事故による放射能汚染問題も含め、目に見えない部分や心の復興にはまだ時間がかかる。という経過と現状の課題について述べた。

2日目は参加者が各フォーラムに分散し、それぞれで行われる講座を受講した。
フォーラム内容については以下の通り。

フォーラム1:安全対策の基本 
【講座1】「労働安全衛生法のポイント」
【講座2】「安全対策の基本」
【講座3】「安全衛生委員会と職場巡視の進め方」
【講座4】「取り組み報告」 香川県本部、新潟市職労、前橋市職労

フォーラム2:メンタルヘルス  
【講座1】「メンタルヘルスの基本と対応」
【講座2】「メンタルヘルスの現状と課題」
【講座3】「ハラスメントの現状と対策」
【講座4】「取り組み報告」 福岡県職労、美馬市職労連

フォーラム3:健康・環境・公務災害対策
【講座1】「放射能・石綿・化学物質対策」
【講座2】「職場の健康管理(腰痛・指曲がり・上肢障害)」
【講座3】「公務災害認定とその対応」
【講座4】「取り組み報告」 神奈川県本部、埼玉県本部

フォーラム4:体力づくりと安全衛生活性化
【講座1】「体力づくり、ストレッチ、リラクゼーション等」
【講座2】「労働安全衛生活性化のためのグループワーク」

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