道本部情報

2013年01月15日

【道本部情報】2013国民春闘討論集会の詳細と議案

委員長あいさつは、トップページでお知らせしましたが、集会の詳細内をまとめてお知らせいたします。

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道本部は、1月11~12日、札幌市・北海道自治労会館で「道本部2013国民春闘討論集会」を開いた。全道から127単組・総支部、261人(うち女性27人11.1%)が討論に参加した。


基調講演Ⅰでは、「官製ワーキングプア問題と労働運動・公契約運動」と題して、川村雅則准教授が講演した。

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【川村雅則・准教授】

川村准教授は、「皆さんは労働組合と公務員に対するバッシングダブルで受ける立場にあり、正規と非正規の間にくさびを打ち込まれている。公務員バッシング・労組バッシングがなぜこんなに蔓延しているのか。私たちの抵抗力の弱さもあるが、あまりにも賃金・労働条件が悪すぎる職場がたくさんあるから。過去に勝ち取ってきた権利だが、周りからすると、既得権益と批判している。非正規雇用問題、官製ワーキングプア問題中心に調査研究してきたが、調査の中で聞かれるのは、正規公務員・労働組合への憎悪。非正規職員は本当に劣悪な中におかれたまま働いている。正規公務員はあんなに休んで、あんなに高い給与貰っていると捉えている。その状況の中で分断が起きているのは事実、そこを出発点としなければ実のある運動にはならない」と述べた。また「官民問わず。定期昇給が攻撃されているが、それに対しては、当然反論するが、しかし、一方で隣には一切昇給もない非正規職員がたくさん働いている。等しきものを等しく扱えというのがひとつの正義の定義。だが正義がないのが今の日本の労働界の状況だ」と述べた。さらに、「毎年春闘で、大きな目標を掲げて運動している。それを実に非正規は冷ややかな目で見ている。正規がもらう一時金の金額は、非正規の年収ぐらいある。そのぐらい大きな格差がある中で、どうやって労働組合バッシング・公務員バッシングを乗り越えていけばいいのか具体的に考えなければならない。公務が頑張る分野は多岐にわたる。公共サービス内外に関わる労働者の賃金・労働条件の底上げが課題だ」と述べたうえで「行政分野のアウトソーシングが進む中で、どう賃金労働条件を守るか。自分たちというものを狭くとらえれば、正規の公務員。自分達の中に、同じ職場に働く非正規も自分達の仲間に入れても問題ない。同じ仲間。あるいは、公共サービスに従事する労働者も仲間だ。本当に多くの仲間たちが皆さんの助けを必要としている」と強調した。
最後に「私たちの人権意識も問われている。格差は一種の人種差別だ。雇用形態の差は能力の差と言われるが、格差雇用形態の格差は『言われある格差』か、『言われなき格差』か検証し、『言われなき格差』なら差別と認識して是正していくことが必要だ」と述べた。


その後、川村准教授をコーディネーターとして、森町職労・宮崎渉さん、士別市職労・西川剛さん、安平町職・渡辺匡人さん、札幌市職連・松本敦子さんがパネラーを務め、パネルディスカッションが行われた。

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非正規職員の組織化にむけた各単組の状況や課題、や公契約条例の課題を中心に討論が行われた。

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【森町職労・宮崎さん】

宮崎さんは、「2010年から職場の臨時職員とパート職員の組織化に着手した。現在は非正規組合員は47人。職場オルグは非正規の本音を聞けるように正規とは別に行っている。組織化してきて良かったと思っている。当初、組合の四役は組織化に賛同しなかったが、一緒に働いている仲間を組織化していかないと地域に出て行く以前の問題だと意識し組織化を進めた。独自削減提案時に、正規職員から、正規の賃金下げる前に、臨時職員の賃金下げるべきと発言した組合員がいて意を強くした。まだ、正職員の中でとまどいあるが、働き方や正規は自分より仕事をしないなど非正規から出される。今回の要求書ではじめて、臨時職員の正規化を要求した。12月議会では、2~3人の議員から非正規を正規化という意見も出ている。今後自分に何ができるのか皆さんと一緒に考えて行きたい」と述べた

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【士別市職労・西川さん】

西川さんは、「2009年に自治労臨時非常勤職員組織化重点単組として、本部の会議や学習会をする中で組織化にむけて取り組んできた。20年前に非正規職員の賃金表を作り、昇給制度もある。嘱託職員は5年間、非常勤は10年の定期昇給ある。昨年から雇用・任用条件の上限も無くなったが、6年目以降は賃金上がらないままという賃金制度になっている課題がある。オルグなどで非正規の方と話しをしてきたが、士別市職労は知られていないし、認識されていない現状もあるが、少しずつやっていきたい」と述べた。

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【安平町職・渡辺さん】

渡辺さんは、「学習会などやっているが、なかなか組織化の取り組みが進まない。合併した町のため、職員・組合員の行き来がないのも原因。組合員の方が集まる状況も少なくなっている現状。非正規は女性が多い。単組では、12月から4月にかけての女性権利強化月間とあわせてアンケート調査を行っている。その結果を教宣紙で全体化したりもしている。組合員・家族との交流の場を作り、そこに臨時職員や再任用職員も一緒に声かけして交流をはかっていきたい。条例改正などの取り組みは、地域や議会でどう理解してもらうかは避けて通れない。地域に入ってどう理解してもらうか取り組んでいきたい。自治労だけでなく、連合も含め労働者総体で、非正規の組織化、賃金・労働条件の底上げに取り組んでいきたい」と述べた

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【札幌市職連・松本さん】

松本さんは「一般職員の方で非常勤の賃金低いのを分かって採用されてるのだから、悩んでいるのは当たり前という方もいるが、今は決裁以外同じ仕事している。責任も同じくらい持たされている。良い市民サービスのためやらないとならない。それをオカシイと感じてほしい。同じ仕事していても、係員会議も出れない。市民サービスを一緒にやっていきたいという気持ちが強い。外部の非正規職員は、札幌市の非常勤職員賃金をベースにしている。札幌市非常勤職員の賃金が下がれば民間も下がる状況。指定管があるため、その中で業務が任せられている。そこで入札されるから金額が4年ごとに下がるが、金額が下がっても責任と業務は変わらない。3年目になったら、4年目の指定管を取らないとならないそれしか頭にない。色んな経費を引いて残りが人件費となってしまう。本来は80%ぐらいが人件費となるべきだが、数字が示されていないので、なかなか賃金改善にはならない。札幌市の学校給食は80%が委託。直営の方々の賃金の4/1ぐらいだが責任は同じ。指定管の中での賃金の違いがある。指定管を勝ち取るために事業主と一緒にやっていかないとならない。積算の部分を自治体の中でやっていく課題。賃金・雇用も変わる。公契約条例を進めて雇用と安定した生活ができるように勧めて行きたい」と述べた。


基調講演Ⅱでは「2012確定闘争の中間総括と2013春闘方針のポイント」と題して、森 伊織自治労本部総合労働局長が講演し、自治体確定闘争の取り組み状況や、2013春闘のたたかいにむけた具体的な課題について提起があった。


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【森 伊織自治労本部総合労働局長】


その後、2012秋期闘争総括と2013春闘方針を提起した。


集会二日目には、「討論コース」「学習コース」に分かれて、春闘方針討議と学習を深めた。

討論コースでは地財計画への取り組み、退手課題、臨時・非常勤等職員課題、選挙闘争総括など23本の質問・意見が出された。とりわけ、どのように臨時非常勤等職員の組織化をはかるのか各単組段階での取り組みなどの発言があった。また、自公政権に対しどのように向き合うかといった意見がだされた。

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【討論コースのようす、活発な意見が出された】


「学習コース」では、講座1「改正労働法の全体像として」と題して、國武英生・小樽商科大学商学部企業法学科准教授が講演した。

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【学習コースの全体写真】

國武准教授は、「非正規雇用の増加等が法改正の背景となっている」としたうえで、改正高年齢雇用安定法など法改正の全体と、とりわけ改正労働契約法について説明した。
また、①5年を超えて更新された場合には「無期雇用へ転換」させること、②これまでの判例を法定化し新ルールも追加した「雇止め法理の法定化」、③無期雇用には通勤手当を支給するが有期雇用には支給しないといった「不合理な労働条件が禁止」されるなど改正のポイントについて話し、フランスなどで導入されている有期労働契約を締結する際の、有期とする理由を限定する入口規制については改正が見送られるなど、今後の課題についても提起があった。
最後に、「労働契約法が改正されたことにより、労使が取り組むべき課題として①有期労働契約のルールの明確化や②正規・非正規労働者の処遇ルールの具体化が必要」と強調した。

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【國武教授】

その後、講座2「春闘の意義と課題-春闘をどう取り組むのか」と題して、日本労働組合総連合会・田島恵一さんが講演した。

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【田島恵一さん】

田島さんは「ヨーロッパは産別闘争が基本だが、日本は企業別の闘争となっており「企業の1つが下げられれば、同産業の企業・別な業種も引きずられるので一緒になってたたかうのが春闘の原点である」としたが、「春闘の構図が崩れ相場形成と波及効果が失われている」という現状を話した。また「要求を出したうえでのゼロと、出さないでのゼロでは、経営の問題点が検証される等の点で大きく違う」としたうえで、労組の特権を活かすことや「要求―交渉―妥結」することの重要性を訴えた。
 最後に、「地域住民の生活状況をキャッチできる位置にあるという自治体労働者の強みを活かして運動をしてほしい」と激励した。

引き続き行われた、全体討論では、藤盛副委員長が「安倍政権の動向は自治労や日教組をターゲットとする厳しいもの。財政健全化計画では、国公特例削減を地公に影響させようとしているが、しっかりと取り組み阻止していかなければならない。確定闘争では、全体の運動が形骸化をしており、厳しい状況だが、諸先輩の取り組みを再確認し、今春闘から運動の再構築をはかっていかなければならない。講演では臨時非常勤等職員の組織化をテーマとしたが、自治体財政が厳しいなか、取り組みがしきれていない部分もあるが、まずは取り組むことが重要であり、臨時非常勤等職員の方は賃金労働条件だけが課題ではなく、働き方やシステムの問題もあり、今後も全体で取り組んでいかなければならない。退職手当の最終場面を迎える。今年度の退職者には影響させないことをはじめ、逓減措置をさせていくためにも、各単組からたたかいの展開を願う。再任用は、年金・雇用を接続させる社会的な課題である。自治体規模も視野に入れた情報提供をしていく。今後各地本・単組段階で方針の豊富化をお願いしたい」とまとめ集会を終えた。

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【藤盛副委員長】


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【団結ガンバロー】

今後、春闘方針は全道13地方本部で開催される地方本部別春闘討論集会で議論を深める。その後1月31日~2月1日の自治労本部臨時大会で意見反映・方針決定し、2月6日には道本部第54回臨時大会で方針の確認を行うこととしている。しっかりと議論・意思統一して、当面する春闘に結集を強め、正規・非正規の区分なくすべての働く者の処遇改善にむけて取り組みを強めていこう。

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道本部「2013国民春闘討論集会」の議案です。添付議案は、2012秋期闘争中間総括(案)と2013国民春闘方針(案)です。


【2013国民春闘討論集会議案】

2012秋期闘争中間総括(案)をダウンロード

2013国民春闘方針(案)をダウンロード

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