本部情報

2012年09月11日

医療費レセプト審査事務に関する衆議院・決算行政監視委員会に対する見解

医療費レセプト審査事務に関する衆議院・決算行政監視委員会の
フォローアップに基づく決議に対する見解

9月7日に開かれた衆議院決算行政監視委員会は、「『行政監視に基づく事業の見直しに関する決議』のフォローアップに基づく決議」を採択した。

自治労は、これまで、2011年12月8日の決算行政監視委員会において、国民健康保険団体連合会と社会保険診療報酬支払基金の医療費レセプト審査事務について、「統合に向けた検討を速やかに進めるべき」との決議を踏まえ、①単純なコスト削減論ではなく、医療保険制度全体の中に位置付けて検討すること。②国保連合会と支払基金はそれぞれの設立の沿革、団体の役割、業務の内容が異なっていることを踏まえて検討すること。③国保保険者である市町村の共同事務の運営に支障が生じることのないように検討すること。④国民健康保険は、市町村の事務であることから、分権・自治の理念を踏まえ、市町村の意向を尊重すること。の4点を求め、国会対策、社会保障審議会医療保険部会対策、地方団体対策を行ってきた。

こうした中、2012年9月7日の決算行政監視委員会の、フォローアップに基づく決議は、政府に対し「競争原理が働かない障壁を取り除く努力を真剣に行うことを求める」との内容に止まった。最終的には、野党などからは「勧告」とすべきとの圧力があったものの「決議」とされ、国保連合会と診療報酬支払基金との統合については具体的な明記がされなかったことは、国保労組、各都道府県本部の現場からの取り組みや粘り強い国会対策の成果であり、一定の到達点であると言える。しかし、本年通常国会における議論は区切りがついたものの、統合問題については、完全に決着したとは言えない。また、運営コストの削減などについて改革が求められることも想定され、引き続き監視を強めていく必要がある。

医療保険制度は、超高齢社会の進展により、現在、国民医療費は34兆円に達し、2025年には54兆円に達すると見込まれる中、医療費の適正化は国民の関心が極めて高い課題でもある。自治労としては、連合と連携して、公的医療保険制度を守る立場を明確にし、引き続き安易な審査支払機関のあり方議論については監視を強め、取り組みを進めていく。


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