2012年07月17日

今後の日本農業を議論=北海道「農」ネットワーク・自治体「農」ネットワーク総会

7月13日~14日、北海道「農」ネットワーク第15回総会および第18回自治体「農」ネットワーク総会が、音更町十勝川温泉ホテル大平原で開かれ、101人が参加した。

20120713-nounet-1-8796.jpg


13日は北海道「農」ネットワーク総会が開かれ、議長に選出された十勝地方本部川本副委員長は「TPPに参加することにより十勝の基幹産業である農業は壊滅し、それにより関連産業も深刻な打撃を受ける。労働者の職場、労働条件を守るため労組としてもしっかりと取り組みを進めたい」と述べた。

20120713-nounet-2-8792.jpg
【議長を務めた、十勝地本川本副委員長】

主催者あいさつで長谷川豊代表(酪農学園大学)は、「昨年の大震災、原発の影響により、東北の農家はやる気を失ってしまっている。行政は企業参入に期待しているようだが、見通しは良くない。今後の日本の農業について、みなさんとしっかり議論をしたい」と述べた。

20120713-nounet-3-8795.jpg
【長谷川豊・代表(酪農学園大学)】

また、来賓あいさつで全国自治体「農」ネットワーク代表の塚本清音さん(全道庁労連十勝総支部)は「農ネットワークでは、日本の農業を守ることで、日本の自然環境も守ることができることをまとめた『環境支払い』という制度を民主党政権に提言をしている。個別所得補償制度も含め、関連しない人からはばらまきと言われるが、日本の農業を守るためにも、こういった違う角度からの取り組みも進めていきたい」と述べた。

20120713-nounet-4-8800.jpg
【塚本清音・全国自治体「農」ネットワーク代表】

総会では、2011年度活動報告・2012年度活動方針・および役員改選が行われ、満場一致で可決された。

続いて行われた報告会では、山岡達丸衆議院議員から「消費税増税・TPP」についての国会報告があった。山岡衆議は「当初、世論調査でもTPP推進の人が多かったが、最近では世論調査を全く見かけなくなった。これは、TPP交渉に入るにあたり、日本の要求は何一つ通らない状態であることが判明したため、反対の人が多くなったため。2050年には世界の人口は90億人を突破し、食糧は現在の1.7倍必要になる。将来に備えるためにも、日本の農業は絶対に守らなければならない。」と、決意を込めた報告があった。

20120713-nounet-5-8805.jpg
【山岡達丸衆議院議員】

次に「わが国の農業情勢」について農林水産省の大坪正人大臣官房から報告を受け、最後に「福島、現地から」という題目で福島県県北農林事務所農業振興普及部の斉藤真一さんから、原発事故による影響と農業・農村の状況について報告を受けた。

20120713-nounet-6-8807.jpg
【大坪正人・農林水産省大臣官房】

20120713-nounet-8-8811.jpg
【福島県県北農林事務所農業振興普及部・斉藤真一さん】

14日は全国総会が開かれ、主催者あいさつで塚本清音代表は「十勝は政策的に大型の農業を作ってきた。それがTPP参加という政策によって破壊されることがあってはならない。」と述べた。また、来賓あいさつで自治労本部の伊藤和寿政治局長は「全国で頑張っている農業改良普及員のみなさんが、自治労という労組と農家のつながりを作ってくれている」と、農ネットワークの取り組みに感謝を述べた。

その後、2012年度活動報告・2013年度運動の進め方および世話人体制について承認され、総会を終えた。

続いて農ネットワーク事務局から「環境支払いという政策の提言」について提起があった。この「環境支払い」は、農業が食糧を作るためだけのものではなく、山林・農地・河川・ため池の管理を行うことにより、緑の保全、大気や水の浄化、生物の保護に役立っている。この環境保全の部分に対し、それを担っている農家に対価を支払う制度で、政府民主党とも意見交換を進めている。

最後に行われたフィールドワークでは、幕別町の農業生産法人「北海道ホープランド」の視察を行った。「北海道ホープランド」では、ジャガイモや小麦を中心とした畑作の他、道内では珍しい放牧養豚を行い、また、人材育成にも力を入れ、約30人の研修生を受け入れている。

20120713-nounet-7-8826.jpg
【放牧養豚】

コメントを投稿


組合員専用ページのTOPへ

Copyright © Jichiro Hokkaido. All rights reserved.