本部情報
2012年01月18日【本部情報】「独法の制度・組織見直し」で園田大臣政務官と交渉
※この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。
公務労協は、18日13時30分から、園田大臣政務官に対し、「独立行政法人の組織・制度の見直し」に対する要請を行った。
この要請は、行政刷新会議において、独法改革第2弾として制度・組織の見直しが進められ、その検討のために設置されていた「独立行政法人改革に関する分科会」が13日に一定のとりまとめを行ったことを受けて実施したもの。
交渉には、吉澤公務労協事務局長をはじめ各構成組織の書記長らが参加し、①今回の制度・組織の見直しをもって、独立行政法人の見直しについての「総仕上げ」とすること、②法人見直しに際して、雇用・労働条件を確保すること、③今後も引き続き、公務労協との十分な交渉・協議、合意の上に進めることを確認した。
交渉の概要は次のとおり。
冒頭、吉澤事務局長は、分科会での検討に関し、節目毎の交渉・協議への対応、分科会における公務労協に対するヒアリングの実施など、この間の対応に謝意を表したうえで、明日19日に予定されている行政刷新会議とその後の閣議決定を前にして、分科会でとりまとめられた内容について説明を求めた。
これに対し、園田大臣政務官は「今般の見直しは、民主党のマニフェストで広い意味での行政改革を掲げたことを踏まえ、独法について、まずは事務・事業の見直しを行った上で、今回は制度・組織について体系的に横串を入れる形でゼロベースの見直しを行ったもの。いわば、見直しの総仕上げである。厳しい財政難や東日本大震災からの復興なども考慮し、いかに限られた財源で効率的に良いサービスを提供できるか、組織の自主機能の強化に重点を置いている。「組織の統合」については、体系的にみたときに、効率的に機能させるためのもの。あくまで「機能を強化する」という意味で行うものだということをご理解いただきたい。大臣の責任、ガバナンスの強化、国民に対する説明責任を明確にし、情報公開をはかっていきたい」と述べた。
説明を受けて吉澤事務局長は、今回の見直しにあたって、雇用・労働条件の確保について質すとともに、「この間、独法の制度・組織が政治的な議論の素材となり様々な見直しが繰り返され、今回の見直しに対しても『見せかけの取り組み』とのマスコミの見方もある。政府・民主党として『独法の社会的ステータス』を確立する責任がある」と質した。
園田政務官は、「雇用・労働条件について政府として責任を持って対応する。これまでの閣議決定と同様に、今回も雇用の確保について配慮している。また、効率的に国民に対するサービス提供を行うとき、独法の役割は大きい。これまでの議論のうえでも、『数』ではなく如何に実施機能を強化していくのかという点を重視し、議論を進めてきた。国民に提供するサービスをいかに効率的に提供出来るか、とともに、新たな独法体制がいかに重要かを理解頂く努力を引き続き行っていきたい」と回答した。
続いて、各構成組織の書記長等が次の通り要請した。
(全印刷)
事業と雇用は一体のものであり、中長期的視点にたち進めていただきたい。また、マスコミ等の報道に煽られて再び見直しの議論が出されることのないようお願いしたい。
(全開発)
今回の見直しで国交省の5つの研究法人が統合することになる。職員の雇用の確保とともに、それぞれの法人当局との関係について、「組織統合がなされた後もこれまでと同様の労使関係を維持してほしい」という声もあるので、検討いただきたい。
(全農林)
制度の見直しとリンクして組織見直しを行うものと受け止めていきたい。しかし、統合となると組織強化の反面、効率化もある。農水省所管法人もいくつかの法人が統合ということになっていくと思うが、農林水産行政と一体的に進めてほしい。現行の中期目標期間が2011年度からスタートしたばかりであり、中期目標・計画の着実な遂行と達成が重要だ。今後の具体化にあたっては職員の声をしっかりと反映してほしい。
(政労連)
私たち政労連は特殊法人から独法化されたところがほとんどであるが、これまでの行革の中でも職員は業務をしっかりとやってきた。今回の制度・組織の見直しについては、法人で働く職員、サービスを受ける皆さんの思いと必ずしも一致していない部分があるし、統合の方向性についての疑問の声もある。
また、各法人の理事者の中には主体性のない発言をする者もいる。特殊法人時代から自律的労使関係でやってきたが、今回の見直しについて高い納得性のもとに行えるようお願いしたい。それが「良い仕事」ができる前提となる。
(全造幣)
事業の特殊性を踏まえ、見直しを行っていただきたい。特に、貨幣、勲章を製造している私たちの組織は、技能・技術の伝承が非常に重要である。雇用確保についてはしっかりとお願いしたい。
これらに対し、園田政務官は、「今回の見直しで行政執行法人として位置付ける法人をはじめ、それぞれの法人の機能を類型化した。各法人の機能は国民へのサービス提供の観点からそれぞれ大変重要である。改めて、国民に対するサービス提供にあたってはよろしくお願いしたい。また、今後通則法を作成していく段階で、労組との関わりを含め、細かい部分については協議し納得の上に進めていく必要があると思っている。今日いただいた意見を踏まえるとともに、今後も現場からの意見を伺ったうえで進め、皆さんが頑張れる環境を作っていきたい」と述べた。
最後に、吉澤事務局長が「これまで大局的な立場に立って主張してきたが、各法人、各省ごとの課題もある。引き続き政務官を中心とした丁寧な対応をお願いしたい。今後の対応が、政治の場を含め重要だ。今回、文字通り「総仕上げ」としていただき、この問題を終わらせるよう尽力していただきたい」と要請し、交渉を終えた。
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