道本部情報
2011年09月05日仲間と結集!自らの責任で世の中を変えよう!=アクティブコース
9月2日から3日まで、札幌市・自治労会館で、人材育成・リーダーの養成のための道本部学校『アクティブコース』を開校し、地方本部、単組、総支部役員・書記20人が参加した。
学校長である、山上委員長は「働く者の現状は厳しい。公務だから民間だからと考えるのは、もはや、意味がない。安定しているから、のレベルではなくなっている。どうせやっても変わらない。好きな人がやっていればいい。と評論家的に陥りがちだが、自らの責任として世の中を変えるために仲間と結集して変えていくことだ」と述べ、「このアクティブコースが、あらゆる取り組みの糧になればうれしい」と、あいさつした。
開校式では、伊藤組織部長の司会でオリエンテーションと、名刺交換で自己紹介しアイスブレイク。参加者の緊張をほぐした。
☆第1講座は、札幌地域労組・書記長の鈴木 一さんが、「『労働組合』があることに慣れていませんか」のテーマで、連合ができる前の総評時代の総評オルグが、組合をつくった経過や、当時の地区労で労働相談が行われていたことを話し、最近の労働相談の特徴について話した。
それらは、管理職からの相談で7割がメンタル。休職をすすめるケースもあると述べた。
また、労働組合がある職場で働く人の相談もあり「あなたの組合に相談しなさい。と言いたいがそれができない実態がある」など、切実な実態について報告した。「労組は『数が力』が原則だが、本当に『数は力』なのか?」と指摘した。そのうえで、「質をともなっていなければ、数が集まっても力にならない。団結しなければ何もはじまらない」と強調した。
☆第2講座は、櫛部賃金労働部長が、「今年の賃金確定闘争をどうたたかう」をテーマに、賃金制度の基本事項や自立的労使関係制度の動向について話した。
☆第3講座は、大出企画・総務部長が「『男女がともに担う』って難しいことなの?」をテーマに、自治労の女性参画運動の歴史や、1975年の育児休業法制定から、2009年の育児・介護休業法改正のまでの流れ、道本部が現在取り組んでいる3次計画について話した。
そのうえで、具体的に何をするべきかについて「全体の40%が女性という現状で、男だけで運動ができるのか」、と問いかけ、日常的に「男女がともに運動をつくっていくということを意識し、つづけることが大事で、あらゆる運動の中で意識しなければ進んでいかない」と訴えた。
2日目の☆講座4では、「おもしろくてやりがいのある『労働組合』の活動」と題し、レーベン企画・プロデューサー南雲聡樹さんが講演し、グループワークを行った。冒頭に、自分が携わってきた自治労や、民間での仕事で感じたことを話した。
南雲さんは、公務員バッシングが止まらないが、何が原因かと言えば「妬まれているからだ」と話した。「昔は、労働条件が悪く賃金が低く、公務員のなり手がいなかった。しかし、労働組合が頑張ったから良くなった。だから、逆に妬まれる。しかし、住民を守っているということに、もっと自信を持ってもいい!」と強調した。
また、労働組合の必要性と結集軸について話し、ダイナミックな労働組合、達成感のある組合活動について、自身が江戸川区職労の書記長時代に取り組んだ事例について述べ、全国で展開されている自治研活動の、DVD「自治研きのう・今日・明日」を見た。
グループワークでは、「あなたが取り組む自治研活動」を大きなテーマにして、職場・仕事・自治体の内部改革や、市民サービスの向上、市民とともに取り組む活動について、ワクにとらわれない大胆な発想で、班ごとに発表した。
発表後、飛び入り参加していた夕張市議の厚谷さんが「通勤途中などで、日頃から気になることを意識する。自分の中で、そういったテーマがあれば、グループワークの時も早くテーマを決められ、話し合いもスムーズになる」と、感想を述べた。
☆講座5では、「教宣活動と機関紙づくり」と題し、道本部・谷川教育情宣部長が講演した。自治労北海道本部のホームページの取り組みや、組合員との情報共有の大切さを話した。教宣活動の実践として、機関紙「づくり」を行い、グループ発表を行った。
最終日は、☆公開講座として広く呼びかけ、「災害時の自治体の役割と課題」をテーマに逢坂誠二衆議院議員が、政治情勢も含めて講演し74人が参加した。
逢坂衆議は、新内閣について「組織の管理運営が大きなカギ」だと述べ、民主党がもともとめざしていたのは、「生活が第一。労働を中心とした福祉社会だったはず。経済の発展も大事なことだが、マーケットを乗り越えて国民の生活を守ることだ」と強調した。
原子力発電所については、「白黒の議論では、相手を傷つけかねない。優しくていねいに、前向きに積極的に進めて行く必要がある」と述べ、使用済み燃料が増えている現状について、「最終処分場も決まっていないトイレなきマンション、これをつづけることが妥当なのか慎重に考え、将来にむかってどう歩むかの工程表について注目して注文してもらいたい」と呼びかけた。
また、民主党政権になって何も変わらないと言われていることについて、「地域主権改革は、自民党時代には考えられない進展」だと述べ、さらに「『国と地方の協議の場』がつくられたことは日本の自治にとって画期的なこと。たとえば子ども手当について、三党合意で変わったが、年末に国と地方が協議の場で対等な立場で政策をつくることになる」と話した。
3.11の大震災以降、逢坂衆議が感じたことは「自治体の力」だと強調した。
被災3県を見て、「復旧、復興が自治体の力量によって違っており、それは『現場感覚』を持っているかどうかで差が明らかだ」と述べ、「県によっては、国の指示がなければ『動けない』『うのみにせず加工する』『場合によってはその前に動く』などの違いが、その差に現れると指摘した。
合併自治体においても、合併した結果、地域本来が持っている力がそぎ落とされた例もあり、大きくなれば良くなるとは一概に言えないことや、「良かったかどうかは、震災があった時にどう現れるかだ」と話した。
【写真】日頃のコミュニケーションのとり方を考えさせられる講座でした
☆最終講座6では、MIW工房の姉帯美和子さんが「職場のコミュニケーション」について、人間関係を円滑にするための実践を交えて講演をした。
参加者は、コミュニケーションは、相手を大切にすること。話しを聴き、言葉だけでなく、態度やしぐさに注意して接することが重要だと実感した。
姉帯さんは最後に、「職場環境が厳しく、みんながしんどくストレスを感じている。仕事だからしかたないではなく、自分を大切にしよう!」と訴え「自分の限界を話し合い、『大丈夫かい?』と声をかけ、自分のことも相手に伝える」ことが大事だと話した。
終了後、山上学校長が「3日間の献身的な姿勢を見ることができた。今後も先頭に立って取り組んでもらえると思う。一緒に学校に参加した仲間意識をもってやっていってほしい」とあいさつし、ひとり一人に修了証書を渡し、参加者全員で記念の写真を撮影した。
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