道本部情報
2011年06月14日事故が起きてからでは遅い!国まかせでいいのか?=「要求と提言」道交渉
6月13日、道庁7階において、自治労道本部が提出した北海道エネルギー政策への「要求と提言」についての交渉を行った。道の回答は、いずれも「国の政策がはっきりしない状況では道筋が立たない」と明言を避ける形となった。
交渉は、自治労道本部から、杉谷副委員長・山木政策部長・佐々木書記が出席。道からは、経済部産業振興局環境・エネルギー室金山参事、同池田主幹他6人が出席し協議を行った。
冒頭、杉谷副委員長から再度、要求書を提出しエネルギー政策の転換を再度申し入れ、「要求と提言」に対する道の回答をもとに協議した。
協議の内容は下記の通り。
①道はH13からH22までの計画としている「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」の達成状況が「73%~75%と十分ではない」とし、H23までには新たな行動計画を策定したいとする一方、福島第一原発事故を受けて「いつまでに策定するとは明言できない」との認識を示した。
これに対し道本部から「国とは関係なく道としての条例がある以上、独自計画の制定を行い、脱原発を北海道から全国に発信していくことが必要。高橋知事も再生エネルギーを推進すると明言しているがどう考えるか」と迫った。しかし、道として「太陽光発電やバイオマスなど自然エネルギーへの転換に対する支援措置を国に要望はしているが、国の政策がわからない限り、道として道筋をつけることができない」と独自のエネルギー指針は出せないとする回答に終始した。
②4月22日から定期点検のため停止している泊1号機について、道は冷却水のパイプに亀裂がみつかり8月上旬としていた停止期間を1カ月延ばすとしているが、自治労からは「福島第一原発の検証も国として正式に行われていないこと、さらには事故の要因が確認されない中での再開は道としてどのように考えるか」と質した。
道は、「電力の安定供給を含め、北電・安全委が安全と確認すれば、稼働もありえる。道は停止権限はない」とし、国での評価判断による再稼働が大きいとの認識を示した。
【写真】「国ありきの姿勢」に対し道独自の行動計画を策定するように迫る杉谷副委員長
③プルサーマル計画については、道側として「北電は、使用する燃料の製造に係る輸入燃料体検査申請を行い、国の許可によりフランスとの契約を進めている。福島第一原発でのMOX燃料による影響の有無は現在明らかになっていない。今後の検証作業で課題が確認された場合、道としても適切に対応する」と回答。
自治労から「適切にとはどういうことか」問いただすと、「明らかになった場合、考えていかなければならない、安全協定により適切に対応してもらう」との認識を示した。
これに対し、自治労から「福島第一原発事故もあった。もし、北電が淡々と進めているとすれば、道民の不安もあることから道として国の事故原因の究明後に対応するように要請はできないのか」と問うと、副知事より申請前に「慎重な対応を取るように要望している」と回答。北電に対しての具体的な指導については、「その立場ではない」として明言を避けた。
④大間原発について、自治労から「大間原発への対応を高橋知事も選挙の際は明言していたと聞いているが、どのように考えるか」と質問を投げかけた。
道からは「避難区域の設定が国から出ない限り考えていない」とし、自治労から「道南の地域住民の意見にも耳を傾けること。意見反映できる場の検討」を要請。
道は、電源開発に対し説明を求めており、北海道庁と青森県庁の間で情報交換を行い、道南地域への情報提供を進めることを検討したいといった説明にとどまった。
最後に、原子力の危険性は周知のとおりで安全性も崩壊している状況の中、北海道は食料の供給基地であり、放射能汚染・風評被害も拡大しているため、事故が起きてからでは遅いことや道民不安の払拭ために次の3点を要望した。
①道としての防災計画を早急に策定すること
②自然エネルギーの活用を推進すること
③行動計画を条例に沿った内容とすること
以上を改めて要求し交渉を終えた。
道本部は、大間原発を含め、北海道の原子力防災計画やエネルギー政策に対し今後も交渉を重ねていく。
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