道本部情報

2011年05月27日

国公総人権費削減問題など意見反映=本部中央委員会

3月11日に発生した国内観測史上最大の巨大地震は、東日本の広範に甚大な被害をもたらした。巨大津波はまちを襲い、多くの人命を奪い、一部地域では自治体機能も失われた、さらに福島第一原発事故は、いまだに安全の見通しはついていない。原発周辺の住民は健康や生活、将来まで大きな不安に襲われている。

5月26日から開かれている自治労第142回中央委員会では、質疑の冒頭に、特別報告として岩手県本部、宮城県本部、福島県本部から、3月11日以降の現地の状況を報告した。

また、初日の方針質疑では、トップバッターで北海道本部・杉谷副委員長が、国公人件費10%削減と人勧、公務員制度改革、脱原発の3点について意見反映した。

国家公務員の総人件費削減措置に対する公務員連絡会の対応について。
今回の国家公務員の人件費削減問題は、公務員制度改革関連法案と人件費削減法案とを同時に国会へ提出し、同時に成立をはかろうとするものであり、労働基本権の回復を確保するという思いが優先した対応ではなかったのか考えを述べた。

特に、提案からわずか10日間の協議期間で、公務員連絡会の基本方針から考えると、組合員が納得できるないようだったのか疑問がある。特に、短時間の協議による不利益変更の組合員に対する強要は、誠実交渉義務を果たしているとはいえない。

今回の削減問題は、自律的労使関係制度が措置されたあとの対応であればまだしも、そうではない情況であり、人事院勧告の存在意義を完全に無視する行為である。更には憲法問題にも触れる可能性もあり、まずは撤回を求める方針であってもよかったのではないか。ただし、その場合は、震災対応で具体的に何をすべきかを組織討議して、労働組合から逆提案するぐらいの努力があってもよかったのではないか。

今回の提案の背景には一連の公務員給与バッシングがある。大震災や福島原発事故への対応で多くの国家公務員や地方公務員が動員され、住民の生命を守るために必死になっている現状をしっかりと世論に訴えていける条件があったと思う。今一度、現場の組合員の思いを公務労協・公務員連絡会がしっかりと受け止めた対応となるよう意見反映してほしい。

また、公務員賃金はこの間の人勧の凍結や値切りなど、常に政争の具とされてきた。安易に公務員人件費削減をマニフェストで表明した民主党に対して、二度とこのような事態を招かないような対策をしっかりと求めていく必要がある。
また、中央段階での対策と同時に、地方においても具体的な行動を通じて、政府・民主党に対しては意見反映を強めていく必要がある。具体の方針提起をお願いしたい。

今後はどのように地公への影響させないかである。地方交付税の減額がなくとも、国公との均衡を図って決定するという地公法第24条の規定からすれば、各自治体現場においては厳しいやりとりが予想される。

政府内部では、総務省は地公に反映させないとしているが、財務省は震災対応の財源を含め地方交付税の減額などを求めることの検討という動きもある。政府部内の対応を厳しくチェックして地方財政計画の大幅な変更を来さない対策が重要である。この間、総務省が実施しているラス指数の公表、総務省の通知文書の内容もしっかりチェックし、地公の給与削減を許さないたたかいを全体で意思統一するよう方針化してほしい。

公務員制度改革について
公務員制度改革では、残された課題として争議権などだが、本当に大切なのは誠実交渉義務問題ではないのか。法令の文言上、「交渉に応ずべき立場に立つ」では「誠実交渉義務」が絵に描いた餅にならざるを得ない。また、管理運営事項の範囲については、国会答弁で補足させるだけでは心許ない。

難しい局面であるが、今回の人件費削減と自律的労使関係制度の措置を同時に成立させ、労働基本権を回復するという判断が本当にできるのかという疑問を感じざるを得ない。
法案を成立させるという決意だけではなく、今後、どのように国会答弁を具体化させるのか、対策の徹底などについて明らかにしてほしい。今後の政治情勢によっては、人件費削減だけが先行し、労働基本権の回復が後回しとされる情勢も考えられる。その場合の対応策なども検討し準備すべきである。

脱原発運動の推進について
今回の大震災に伴なう福島原発事故は、やはり「原子力発電は人間が制御できないもの」だということが、誰しも確信した。

今回の原発事故を受けて、政府は、原子力推進計画の見直しには言及をしているが、未だ原子力政策からのエネルギー政策の転換を明確に打ち出していない。

道本部としては、今回の福島原発事故の状況を受け、対北海道交渉を配置し、北海道の自然を生かした再生可能な自然エネルギーへの政策転換を要求する。
北海道平和運動フォーラムでは、中央フォーラムが実施する1000万人全国署名や全国集会に先駆け、独自に北海道や北海道電力に対しての署名行動を実施するなど脱原発社会実現に向けた具体的な取り組みを展開しており、道本部としても、その運動に積極的に参加している。

中央本部としても、再度、「人類と核は共存できない」という原則に立ち返り、将来的な原発の廃炉にむけ、再生可能な自然エネルギー政策の具体化を政府や与党国会議員に対して要請する行動展開を求める。北海道本部も、その運動の先頭に立って頑張ると決意を述べた。


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