学校で教えられる現実とは-教科書は本当?=憲法フォーラム報告
5月3日東京・日本教育会館で自治労青年女性憲法フォーラムが開かれ、45県本部143人(内女性80人)が参加した。北海道本部からは牧野青年部長、上島女性部長をはじめ青年部4人、女性部4人が参加した。
「学校で教えられる現実とは-教科書は本当?」と題した講演では、元教員で日本退職教職員協議会事務局長である西澤清さんから「憲法は国家の暴走を抑えるもの。憲法を読む際は、なぜこのような規定があるのかということを考えながら読むことが大切」と話した。
また「『教科書を教える』のではなく、『教科書で教える』のでなければ、学校教育で真実を読み解く力は養えない。今、福島原発で起こっている混乱は『原発事故は絶対起こらない。なぜなら起こったらおしまいだから』という机上の知識だけに基づいていることが原因である。そもそも知識とは、現場に行くことによって身につくものであり、それに基づいて知恵、知能、さらにはアイデンティティが確立されていくのである」と話した。
その後岡山県本部、愛知県本部、青森県本部から平和への取組報告を受けたあと、福島県本部女性部長から、職務として原発20キロ圏内へ入ることも求められる現場での厳しい職場実態を交えながら「非常事態だから何でもありではなく、組合員の命と安全を組合で守っていかなくてはならない」と報告が行われた。
その後憲法記念日を訴える駅前ポケットティッシュ配布の街宣行動を行い、フォーラム・平和・人権・環境主催の憲法施行64周年憲法記念日集会に引き続き参加した。
集会では「安全に生きる権利」と題したシンポジウムが行われたあと、軍事評論家の前田哲男さんを講師に迎え「人間の安全保障と平和基本法」と題した講演が行われた。
前田さんは、阪神大震災の時は何も動かなかったアメリカ軍が今回の震災では積極的な救援を行った理由について、「この間日米安全保障条約が『いつでもともに戦う』というように改定されていたからである。今回は『自然災害』という事態であったが、安保で定められている『有事』と同じライン、スタッフで動いているのである」と説明した。また「今回寄せられた国際的な善意と共感の広がりを『共通の安全保障』につなげていくべきではないか。自衛隊については、災害派遣は主務ではなく付随任務に過ぎないので、自衛隊を改編し『災害救援専門組織』をつくりだそう」と提案した。
最後に平和フォーラム・原水禁事務局長の藤本泰成さんが「人間の安全保障へのとりくみ」と題し、「オキナワとフクシマは合わせ鏡である。個人への犠牲を強いない方策、人間らしい生存の保障を求めよう」と提起した。
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