朔風プレミアム

2009年05月11日

【朔風プレミアム】ダメージコントロール再々論

「小沢続投納得せず7割」「内閣支持上昇29%」
今朝の「読売新聞」の世論調査の結果である。先週も含め、各種世論調査の結果も同様の傾向となっている。

そんななかで、今朝の「日経」に同社客員コラムニストの田勢康弘氏のコラム「小沢代表で選挙へ?」はなかなか要点を言い当てているように思えた。

いくつかなるほどと思えるコメントを引用し、感じるところを述べてみよう。

「検察は政府の一機関である。総選挙で政権交代を目指すということは小沢氏自身が内閣総理大臣をめざすということにほかならない」
「そうなったとしたら、内閣のトップが下部機関の検察と裁判でたたかうことになるだろうか」

「逮捕の時点から二月ほどで初公判が行われるのが慣例である。民主党はそこのところをどう考えているのか」
「大事なことは小沢氏の政治生命ではない。有権者の半分を超えるほどの多数の人たちが政権交代をのぞんでいるという事実である」

「説明責任とは何か。要するに辞任してほしいということだ」
「検察と戦って政治家サイドに軍配が上がったことがあるという話はとんと聞かない」

「民主党は不満を口にせず、・・・麻生首相の支持率を結果として押しあげている」
「民主党圧勝と見られていた北海道や九州で自民党候補が肉薄してきたと伝えられる」

「この機会を逃すと、民主党が再び政権奪取をねらうチャンスはそう簡単にはこないだろう」

ざっと、こんな感じなのであるが、彼ばかりでなく、他の新聞、テレビ各社の論説、編集委員クラスの論調はほとんど小沢代表の辞任を促す内容で一致している。

先週、HBCの中村義彦氏司会のフォーラムに出席したが、会場で星浩朝日新聞編集委員は「永田町の政治記者の関心事はもはや選挙がいつあるかではなく、小沢代表がいつ辞めるか」であると述べていた。そして、彼自身も「小沢代表は辞めるでしょう」「どう成仏できるかでしょう」相当の自信をのぞかせていた。

いつやめるのか。小泉元首相は「解散直後に後継を指名して辞めるのではないか」と語ったという(5月11日毎日新聞、岩見隆夫「近聞達見」)

それはさておき、有権者の政治意識は、連日流されるマスコミ報道に左右されるものである。その政治的な「常識」を生産しているのが実は長い間永田町を取材しつつけた経験と勘にとる彼ら政治記者のコメントなのだ。

当然、民主党にとってプラスの話ばかりではないわけで、したがって、民主党は世論と向き合い戦わなければならないということである。共産党や公明党と違い流動性の高い支持層を基盤としている民主党はなおさらである。

具体的には個々の議員が、支持者に説明し納得を得られるかどうかであるが、当の小沢代表がメーデーであいさつしたが、なにも触れなかったぐらいであるからどうしようもない。全民主党員に小沢代表の問題を意識調査を実施しても世論調査の結果とそう大きな乖離はないのではなかろうか。

小沢代表への批判は収まらないが、幸いにというか肝心なことは田勢氏もいうように「多くの人々が政権交代をのぞんんでいるという事実」を民主党がきちんと受け止めるのかどうかである。今ここでどうダメージコントロールできるか、民主党の「政権能力」が試されている。

(@@)

コメント (1)

ゆにおん:

引用の星浩さんの予測どおり、
辞めちゃいましたね
党首討論を2日後に控えた時期にどうなのかな、
と思いましたが、
マスコミ報道をみると、
・連休中に流れが決まっていった
・解散総選挙で民主党に致命的なダメージを与えない最終のタイミング
ということで、
考えればなるほど、と思えます

世論迎合はよくありませんが、
世論と政党の論理、国会議員の論理が乖離し過ぎていても、
当然ながら支持はされないわけですから、
こと政権交代の一点においては最後のタイミングによる辞任だったのかもしれません

しかし・・・
政権交代なったあとの霞ヶ関との命を賭けた暗闘を考えたとき、
名残惜しく思います
剛腕小沢さんの前ではキャリア官僚もビビるでしょうし、
なにより長らく政権与党だった自民党と官僚との
運営手法に精通していますから

新代表と、そのもとに結集する新生(?)民主党に期待しましょう!!


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