本部情報

2009年04月06日

【本部情報】人事院による夏季一時金臨時調査に関わる地公部会交渉

人事院による夏季一時金臨時調査に関わって地公部会が総務省給能室と交渉-4/3
-総務省は「臨時調査するよう各人事委員会に強制はできない」と回答- 

※ この交渉情報は、単組のホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。

人事院は、本年夏季一時金の民間妥結結果の臨時調査を実施する方向で検討に入っており、その場合、各人事委員会も同様の対応を行う懸念がある。このため、公務員連絡会地公部会は、4月3日、17時30分から総務省公務員部給与能率推進室長交渉を実施し、人事院の夏季一時金の臨時調査に関して、現段階における給与能率推進室の見解と今後の対応について質した。交渉には、総務省側からは給与能率推進室の原室長、島田課長補佐ほか、地公部会からは、藤川事務局長ほか幹事クラスが出席した。

はじめに、藤川事務局長から、次の通り総務省側に質した。
(1) 人事院は、本年夏季一時金の民間妥結結果の臨時調査を実施する方向で検討に入っている。これについて総務省公務員部にも情報が伝えられていると思うが、現段階で公務員部はこれをどのように考えているか聞かせていただきたい。

(2) 地方公務員の場合、多くの自治体で特例条例による賃金カットを実施しており、職員は、相当の痛みを受けているこという事実を踏まえるべきである。

(3) 人事院に追随して、地方の人事委員会も臨時調査を行うべきとの見解を総務省公務員部が示し、助言をしていくこととなった場合、地方の多くの人事委員会は不承不承に臨時調査を実施せざるを得なくなる状況を我々は危惧する。人事院の臨時調査にはもちろん反対であり、総務省公務員部が地方の人事委員会に臨時調査を行うべき、と指示することについては断じて認められない。

これに対して、原給与能率推進室長から、次の回答があった。
(1) 人事院が臨時調査を実施することを正式にはまだ言っていないなかで確定的なことは言えないが、仮に、人事院が臨時調査を実施するとした場合という前提でお答えしたい。ご承知のように民間の状況は厳しく、人事院は、「情勢適応の原則」にしたがい、臨時調査を行うものと思料する。国の情報は、適宜、地方公共団体に提供して行きたい。

(2) 地方公務員の場合、制度として国の基準を下回っている団体や、財政状況でボーナスをカットしている団体があることは承知している。ただ、人事院は、民間情勢の適応との考え方で臨時調査を行うものであり、財政状況によるものではないのではないか。

(3) 人事院が臨時調査を実施した場合、「地方の人事委員会はどうするのか」と国民・住民からの関心を呼ぶことになり、各人事委員会の説明責任が問われる。総務省公務員部としては、各人事委員会に説明責任を果たすよう助言をしてまいりたい。

これに対して、藤川事務局長から、「人事委員会への助言とは、何を助言するのか。人事委員会に臨時調査をすることを仕向けるような指導であってはならない」と質した。

これについて、原給与能率推進室長からは、次の回答があった。
(1)  総務省公務員部としては、まずは、各人事委員会が臨時調査を実施するのかどうかを聞きたい。

(2) 各人事委員会に聞く時期は、人事院の臨時調査終了日の前になるか後になるかはわからないが、ある程度の時間的余裕をもって回答を求めることにしたい。

(3) 人事委員会は地方公共団体の第三者・中立機関でもあることから臨時調査を実施するよう強制することはできないし、またそういう立場にもない。

これに対して、地公部会の幹事からは、「人事委員会が臨時調査を実施し、夏季一時金の前倒し引下げを勧告した場合、地方の経済状況に与える影響も大きい。人事委員会が臨時調査を実施しないと判断する場合、総務省公務員部がどのような姿勢をとるのかを地方は危惧している。地方の判断に干渉しないよう、慎重に対応していただきたい」と強く訴えた。

最後に、藤川事務局長から「今回の問題は、人事院勧告、人事委員会勧告制度の根幹が問われる重大な問題である。この問題については、引き続きこのような場を持っていただきたい」と要請し、交渉を終えた。

参考:【本部情報】人事院が民間夏季一時金の臨時調査実施を提案(4/3)

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