本部情報

2009年03月13日

【本部情報】地公部会が「技労職の給与に関する研究会」報告について申入れ

(2009春闘情報No.10)

総務省は「報告をもとにこれまでと異なる『助言』はしない」と回答

※この交渉情報は、単組ホームページ、機関紙、チラシ等には活用せず、内部意思統一用に止めてください。

公務員連絡会地公部会は、「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」の報告書が最終取りまとめ段階を迎え、近々公表されることから、3月10日、総務大臣宛の要望書同研究会の取扱いに対する「申入れ」(別紙)を総務省公務員部給与能率推進室へ提出した。総務省からは小池給能室長、鶴巻調査官、島田給与課長補佐らが出席し、地公部会からは藤川事務局長ほか幹事クラスが臨んだ。

はじめに、地公部会の藤川事務局長から申入書を手交し、①最終報告はあくまでも参考であり情報提供の位置づけにとどめること、②最終報告の内容を各自治体に強要しないことの2点について、確認を求めた。

これに対して総務省側は報告書について、3月19日頃に報道機関に発表するとともに、各自治体にも発送したい、また発送に当たっては各地方公共団体で活用されるよう周知を図りたいと回答した。その上で、①この報告書はすでに一昨年7月に通知で十分に出されている助言(資料)に沿う形で活用していただくことを想定している、②報告をもとに今までとは異なる助言を行うものではないが、個別に自治体から技能労務職員賃金の民間給与水準との比較等に係る質問等があった場合には、報告書の内容を紹介する形での「助言」は想定している、と回答した。

この回答に対して、地公部会側から、①この報告書が労使交渉の材料として「総務省の指導」という形で利用されることを危惧している、②誠実な労使交渉として使用者側が労働組合の合意を求めるため具体的な根拠や資料を示すべきと書かれていると判断していいか、③報告書の概要は出すのか、④国の行(二)表をそのまま使うようにとはなっていないと理解して良いかと質した。

総務省側は、①報告書を活用する際には、当事者が報告書の内容を理解して行うべきと考えている、②団体交渉においては、労使双方が、提案の具体的な根拠や資料について出し合って、誠実に交渉をしていくべきと考える、③第10回研究会配付資料にある「ポイント」が「概要」である、④報告書の記述(P.8)のとおり、職務内容や組織の規模等を踏まえた検証が必要であり、その上で、国の行(二)を援用することが考えられると回答した。

最後に、今後は各自治体において現業職場で行われている労働にふさわしい賃金のあり方を実現するよう取り組むことを表明し、交渉を終了した。

(別紙)
                           2009年3月10日

総務大臣
 鳩 山 邦 夫 様


                    公務員連絡会地方公務員部会
                          議 長  佐 藤 幸 雄

「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会報告書」の取扱いに関する申入れ

貴職の地方公務員に対する処遇の改善、地方分権推進へのご努力に対し、心から敬意を表します。
私ども地方公務員部会は、「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」の議論に当たって、①組合側の意見反映の場を設けること、②労使交渉による賃金決定という基本的な枠組みを尊重すること、③住民・市民との第一線において質の高い公共サービス実現を担う現業公務員の職務・職責を十分踏まえた検討を行うこと、などを求めてきました。

それに対して、貴職は地方公務員部会との交渉・協議や、研究会においてヒアリングの場を設けるなど、私どもの要求を受け入れながら検討を進めてこられたものの、本研究会の最終報告が、自治体における労使自治への介入につながるという危惧を抱かざるを得ません。
以上のことから、この度報告書を示されるに当たり、その取扱いについては下記の事項を踏まえた対応をされるよう強く要請します。

                 

1.最終報告は、あくまで参考であり、情報提供にとどめること。

2.最終報告を受けた内容を各自治体に強要しないこと。

(資料)
                              総行給第6 1 号

                               総財公第9 7 号
                              平成19年7月6日

各都道府県知事   
             殿
各指定都市市長 

                        総務省自治行政局公務員部長
                                  ( 公印省略)
                   総務省大臣官房審議官(公営企業担当)
                                  ( 公印省略)

技能労務職員等の給与等の総合的な点検の実施について

地方公共団体の技能労務職員等の給与については、同種の民間事業の従業者に比べ高額となっているのではないかとの国民等の厳しい批判があるところであり、これまでも、「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の策定について(平成17年3月29日総行整第11号)」、「地方公務員の給与改定に関する取扱い等について(平成18年10月17日総行給第104号)」等において、民間の同種の職種に従事する者との均衡にも留意しながら、適正な給与制度・運用となるようにする旨要請してきているところです。

また、「経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日閣議決定)」においては、「公務員給与について、特に民間事業者と比べて水準が高いとの指摘のある地方の技能労務職員を始めとして、地域の民間給与をより一層反映させることとし、可能なものは平成20年度からの実施に取り組む」こととされたところです。
ついては、各地方公共団体において、特に下記事項に留意のうえ、技能労務職員等の給与等について、住民の理解と納得が得られるものとなるよう、総合的な点検を実施し、適切に対処されるようお願いします。

なお、都道府県においては、各都道府県内の市区町村に対しても、本通知について周知されるようお願いします。

                  

1 技能労務職員の給与については、その職務の性格や内容を踏まえつつ、特に民間の同一又は類似の職種に従事する者との均衡に一層留意し、住民の理解と納得が得られる適正な給与制度・運用となるようにすること。
また、地方公営企業において、これに相当する職種に従事する職員等の給与についても、同様に取り組むこと。この場合、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情をも十分考慮すること。

2 技能労務職員等の給与の比較に当たっては、「賃金構造基本統計調査」における類似する職種に従事する者の給与を参考にするほか、各人事委員会が実施する職種別民間給与実態調査の機会等を活用し調査・分析するなど、地域の民間給与の実態の把握に努めること。

3 住民の理解と納得を得るためには情報の開示が不可欠であり、技能労務職員等の給与情報等の公表にあたっては、職種ごとに「賃金構造基本統計調査」に基づく民間給与データ等を追加するなど、わかりやすい情報開示の徹底を図ること。
なお、公表事項の充実については、別途通知する予定であるので留意すること。

4 技能労務職員等の給与等について総合的な点検を行い、その現状、見直しに向けた基本的な考え方、具体的な取組内容等を住民にわかりやすく明示した取組方針を、19年度中を目途に策定し公表すること。
なお、当該取組方針の策定状況等については、今後、総務省において取りまとめ公表することとしているので留意すること。

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