朔風プレミアム

2009年03月11日

【朔風プレミアム】定昇は賃上げではない

09春闘も来週18日は大手民間の集中回答日である。電気も自動車も経営の悪化を理由にゼロ回答を決め込んでいるようだ。焦点は定昇維持だと伝えられる(3月11日、日経新聞)

さて、この定昇維持だが、はたして賃金の引き上げといえるかどうかであるが、答えはノーである。定昇は賃金カーブともいわれているが、基本的には新たな賃金原資の純増を伴わないからである。

たしかに、個々の労働者からすると賃金は「引き上がる」が、それは賃金表の昇給階段を1つ上がるだけでその構造そのものの仕組みに過ぎない。

この定昇も維持できないとすれば、これは事実上賃金の引き下げということになる。莫大な内部留保を吐き出すどころか逆に賃下げ分だけ膨らんでしまう。

もちろん、この賃金カーブをどの程度にするかも重要ではある。大手と中小では格差もある。中小企業の場合は定昇自体がないところが多い。そういうところはカーブを設けることが重点課題となる。

民間の春闘相場が仮に「定昇維持」で終わった場合、ほぼ今年の人事院勧告が賃金表の改定を伴わない「ベアゼロ」あるいは「マイナス改定」の可能性すら否定できない。

地域給の導入で現給保障という定昇ストップの組合員も多くいる。独自削減でカットされる。じわりじわり上がる物価、かさむ教育費うや住宅ローンなど生活実態は厳しくなるばかりである。

労働者の生活を改善するために総労働が結集する取り組みは日本においては歴史的にも春闘しかない。全単組・総支部で今春闘への取り組みを強化しよう。

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コメント (2)

ハシノミヤ:

みなさんお疲れ様です。
私は先輩から現在の「賃金表」のそもそもの成り立ちを「とても日本的で職人的な構造」と聞いたことがあります。

要するに知識や経験の蓄積に伴い労働力の対価(当然労働力そのものの質・量も)が上がるって言うことだと思うんですが、それを考えれば自ずと定昇が「必要」という答えになりますよね。

もしそれを完全な成果や評価でしか反映しない賃金体系とするならば、現在ようやく弱肉強食絶対主義という「国家的詐欺」から国民が目覚め始めている現状とは矛盾してきますしね。

いずれにしても「労働力の再生産費」という考えに立つと資本家の姿勢には不快感しか沸いてこないのが現状ですね。

社会を支えているのは労働者だという誇りを持って今春闘期を闘いたいですし、先頭に立つ民間労組の仲間にとても期待しています。

イモ:

ハシノミヤさん

>要するに知識や経験の蓄積に伴い労働力の対価(当然労働力そのものの質・量も)が上がるって言うことだと思うんですが、それを考えれば自ずと定昇が「必要」という答えになりますよね。


おっしゃる通りだと思います。

評価制度が入っても「普通」であれば4号は昇給できるということは、知識や経験だけでなく、誰でも年齢の上昇とともにライフイベントがあり、まさに労働力の再生産費も上昇するので定昇維持は必要最低限の仕組みだと思います。

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